不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

ボロン

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転生したら不死者でした

不死者転生5 セーフゾーンの確保と侵入者

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オレは今、使い魔となった戦士と共に教会跡地周辺を探索している。

 実験で使い魔にした子供達の使い道を思いついたのだ。使い魔と創造主になるオレとの間にはある種の回路が繋がっている。

 使い魔からオレに情報を渡す場合、使い魔自体が報告の意思を持って回路にアクセスすることで、それがオレに伝わる。そこからは面倒だが、オレの方から使い魔の情報にアクセスしDLするように情報を引き出す必要がある。もう1つは、オレから使い魔にアクセスする方法だ。常に繋がっていられる、ということはなく、同時に接続できる使い魔の数は無理をしてようやく2つだ。

 そして、同時に情報を処理することはできそうにない。実質的に同時に使える回線の最大値は1つ、ということだ。

 身体能力も乏しい子供達をどう使うか、、、彼らは使い魔になって以降、食物を必要とせず周辺に十分な瘴気があれば半永久的に存在を維持する事ができる。そして、この森は存在を維持する程度の瘴気は常に満ちている。

 であれば、、、遠隔カメラのように要所に設置することで、周囲の状況を窺い知る事ができるのではないだろうか?アラート機能搭載!とまではいかないので穴だらけだが、ないよりはマシだ。

 オレは、戦士に命令し教会周辺で冒険者や軍が通るとした場合の要所を調べさせた。そして、その要所に対してカメラ役の使い魔を配置する。自分でも場所を把握しておきたいので、こうして戦士を伴って森を歩いているわけだ。

もちろん、たかが5個のカメラでカバーできるものではない。森を探索しながら、虫や小動物の死骸を作り、使い魔の製造をせっせと行っている。教会周辺は既にかなりの数の遠隔カメラを備えている。

 カメラの設置数には満足しているが、、、やはりアラートは欲しい。能動的に動くセンサーの役割を持たせたい。

 使い魔は瘴気の塊なので、他の小動物なりに襲われる心配もない。小鬼など、瘴気由来の生き物は瘴気を必要とするのでその限りではないが、、、、数を維持するためには定期的にカメラの補充が必要だ。

 こちらの意図するアラートを出せるようにする必要があるため、センサー役に使う動物だが、戦士と話して鳥を使うことにした。カラスのように知能の発達している鳥がこの森には住んでいる。まぁ、見た目もまんまカラスで、こちらの言葉では黒い全身から単純に「黒鳥」と呼んでいるらしい。

 黒鳥は基本的にナワバリを離れず子育てが必要な時期のみ群を形成する習性があるらしい。

 森を探索しながら探していると、運が良ければ10分に1羽は見つける事ができる。問題は、どうやって捕らえるか、だ。残念ながら戦士は遠距離武器は苦手で、弓もないのだ。もちろん、オレにも遠距離で攻撃するような便利な能力はない。

 いってしまえば運動神経抜群の動く死体みたいなもんだ。技術もないので、試しに黒鳥の警戒エリア外から石を投げてみたのだが、狙った位置からは遠く離れた場所に着弾し、無駄に警戒させるだけだった。

 この問題を解決するために、戦士と相談して黒鳥を狩れる動物を探すことにした。元の世界でいうところのネコ科の動物だ。木登りがうまく、素早く狩りを行ってくれるだろう。

 多数のカメラを駆使しながらターゲットを探し、戦士に狩らせる。2~3時間それを繰り返した成果は、、、3匹だ。まぁ、、、十分さ。

 そろそろ夜が明ける時間だ。瘴気に覆われ暗い森とはいえ、日中外に出ると体力が削られ、不快感から集中力も乏しくなるのだ。カメラ達は見えればいいし日中は影に潜むように指示をしているので、あまり関係ないが動き回るオレには辛い。3匹の死体を戦士に担がせ拠点へ戻ることにした。

「主よ。不甲斐ない結果となり申し訳ございません。」

「構わないさ。まずは安全を確保する事が最優先だ。監視網はそれなりに機能するだろうし明日以降は黒鳥を安定的に補充できると考えれば問題ない。」

「それよりも、瘴気由来の魔物以外に言葉を話せる程度の知能を持つ存在はいないのか?」

「そうですね、、森人や岩人などの亜人種と言われるものがおりますが、、、この森では生きれないと思われます。知能のみでいうなら、熊などの大型の捕食獣がよろしいかと。言葉を有しておりませんので、細かな指示は与えられないかも知れませんが、監視網としては十分機能すると考えます。」

「そうか、、お前はそれらを捕らえる事ができるか?」

「主の手により、使い魔となることで筋力は以前より強化されましたが、、主には遠く及びません。あくまで少し身体能力が強化された人間、というレベルです。私1人で野生の熊を圧倒することは難しいと考えます。」

まっ、そうだよな。野生動物に人が一対一で勝てる訳がない。遠距離攻撃ができ、集団にでもなれば安全な距離を保ちながら獲物を狩ることはできるかも知れない。

 だご、1人では無理だ。剣を持っていても、分厚い毛皮に覆われ、脂肪と筋肉、太い骨に守られた大型の捕食獣に致命傷を負わせられるだろうか?もちろん、無理だろう。

 それに使い魔は所詮使い魔だ。戦士の身体能力を測るために筋力などの比較実験を行ったが、オレの半分以下だった。3mの高さにその場でジャンプして到達するなんてことはできないし、拳で岩を砕くようなこともできない。期待したほどの強さはないのだ。数の暴力には勝てない。オレは、まだ誰にも存在を知られるわけにはいかない。それを強く認識した。

 ちなみに、洗脳は期待通りの効果を発揮したようで、豪快でさっぱりした戦士の性格は、従順で控え目となり、オレに対しては常に敬意を払った言動を行うようになった。

 生前の知識や技術に劣化はなく、むしろ強化されたことでより強力な戦士となったことは間違いない。装備や人数が同じなら、こちらの勝利は間違いないんだけどな。。

 オレは新たに使い魔にした獣たちに命じ、黒鳥の確保を優先させている。個別にカメラにアクセスして黒鳥を見た際にアラートを出すように指示している。

 種別を認識して報告できるカメラは少ないんだけどね、、、。移動式センサーになる黒鳥の数が揃ったら、小型の肉食獣を確保し、数で攻めることで大型を増やす。使い魔は傷ついても修復能力があり、傷を癒す充分な瘴気と時間があれば数を維持できる。

 とても地味、、、時間もかかる計画だが確実に安全圏を確保できるだろう。明確な外敵さえいなければ、オレには時間が無限にあるんだし、、、そう言い聞かせて焦らず計画を進めていこう。

 狩ってきた死体がくれば使い魔を補充し、それ以外の時間は戦士からこの世界の情報を得る。

 この森は大陸北側に広がる大森林であり、古都の影響で基本的に人の出入りはない。国はいくつかあるが、政治体制も様々で、君主を頂点に成立している王国もあれば、合議制で運営している国もある。

 人属に与する勢力で亜人種は複数存在しているが根付いた土地の属性に影響を受けているらしい。森に暮らすものは森人、エルフみたいなもんかと聞いてみたが、美形とか細身という特徴は特にないらしい。どちらかというとドライアドかな?植物に近い性質を取り込んでおり、老化すると身体は樹木に変化していき、いつしか完全な植物として森に還るそうだ。

 見た目は、若い森人でも人とは異なり、髪は植物の蔦を寄り集めたようなものだし、肌も緑がかっているらしい。人時代のオレの美的感覚的では、、ないな、、という感想しかなかった。

 岩人は肌が硬く死ぬときは石像のようになるらしい。墓は石像だらけで場所がすぐ無くなりそうだ。聞くと岩人は長命で子をなすことが滅多になく、今のところ溢れかえるようなことはないとのこと。

 水人なんて残念なことこの上ない。身体の表面は常に濡れており、水分を必要とするため、川沿いや海沿いに集落を作っている。1日の半分は水に浸かって過ごすそうだ。

 食物も水に浸かっていればバクテリアを勝手に吸収して生きるそうで、もうそれ人属にならなくない?と思った。ちなみに、死ぬと水に還るんだそうだ。

 なんというか、人というよりも妖精に近い存在なのかも知れない。ファンタジーだな、、、。

 そんな彼らなので、基本的に攻撃性が薄く、他の土地に出てまで攻撃するような事はない。逆に住処をおわれるようなことがあれば、全力で抵抗してくる。戦力的には怖くはないが、最後の1人になっても守るためなら戦うそうで、死兵は面倒なので誰も責めない。彼らが住む土地は、自然の力が強く瘴気にも耐性を持つ土地になるそうだ。まぁ、相入れることはなさそうだ。

 国の経済や科学力については、それぞれの国では独自の貨幣が流通しており、主食になる作物の取れ高次第で価値が変動している。金本位制とまではまだいかないようだ。ただし、地方に行くと物々交換がいまだに基本になっているようで、特に規模の小さな村落は孤立しがちらしい。仮に人を攫うなら、そういった小さな村落を狙うがいいだろう。

 科学力については、国によるが、全体的にまだ発達していないようで、蒸気機関などはなく強力な動力を手にしてはいないらしい。

 ただ、風車や水車といったものはあり、自然の力を利用し活用する事はできるようだ。心配していた火薬の発見にも至っていない。その為、戦場の武器は弓や槍が主流、補助的に剣やメイスを使う程度だ。

 製鉄技術はそれなりにあるようで、鉄や銅だけでなく、鉱石や土壌を研究し新たな素材の開発を国が主導して行っている。これではいつか火薬を発見するかも知れない。オレの寿命が人と同じレベルなら、、、心配しないだけどな。

 文化水準については、地域格差が激しいが首都レベルなら60%近い識字率で布告された法令は看板を立てれば浸透するレベルにある。ただし、紙の発明には至っておらず、勅書などは羊皮紙をメインで使っている。その為、羊皮紙のような高価な代物で大量印刷なんて発想もない。情報伝達のスピードは遅く首都でなければ、たかが知れている。

 戦士が所属している国の規模は中堅と言えそうだ。この深い森に隣接しているため、北側を“人から”守る必要がない。瘴気に由来する存在は、瘴気がないと弱体化するので、森を侵さなければ大きな危険はない。

 今の王は野心的で、隣国へ領土を増やすことにご執心らしく、その為の軍事力強化を第一とする軍事国家としての道を歩んでいる。

 農兵が主力のこの世界で職業軍人を作り精強な軍隊を保有するそうだから相当に革新的で本質を見抜く王なのかも知れない。

 ただし森の影響かこの国の土地では食物が育ちにくく、兵糧を十分に持てない為に実行に移すのにちゃんすをうかがっているそうだ。

 オレにとっては十分過ぎるほどの脅威だな。隣国とは常に小規模な小競り合いがあり、戦争には至っていないが時間の問題らしい。

 そして、瘴気の利用についてだが、死体が瘴気を取り込むことでアンデット化する事がわかっている。アンデットは瘴気のない場所では長く活動できない。腐った瘴気を含む肉が土地を汚し、生きるものを見れば襲う。

 痛覚、躊躇もなく襲って来るため、規模が増えるとそれだけで脅威になり得る。小さな村落なら、アンデットに全滅させられることもある。電気もない時代、暗闇から襲ってくるアンデットって、、そりゃ脅威だろう。

 体は瘴気が補強するので、普通の大人以上に素早く動くらしいが、知能は低く獲物に向かって突撃し集団で貪り食う、を繰り返す。

 食われたからといって、死体がアンデット化するとは限らず、確率的には2割程度?時間帯も日中はまずアンデットにならないし、アンデット自体も場合によっては瘴気が薄まり動かなくなるらしい。一晩持ち堪えられるかどうかが鍵になる、そんな存在だ。

 腐った肉が土地を汚す、この問題をクリアできれば30体ほどのアンデットを敵の村落や要所へ送り込むだけで一晩で相当な被害を出せる上に、占領後の土壌汚染も心配しなくてよくなる。

 で、そのために犯罪奴隷を瘴気渦巻く森の中で拷問し殺してアンデット化を試みたり、生まれたアンデットを制御する方法を探したり、、あるいは、アンデットの瘴気を損なわずに移動させる手段を研究、、、と、とても香ばしい事をやっていたらしい。

 研究者の1人が罪の意識に耐えられずに教会で懺悔した結果、それを聞いた教会関係者から噂がひろまった、と。国は否定も肯定もせずで、噂だけが一人歩きしている。どこまでが本当で、どこまでが想像なのかもわからないが、、、。

 少なくとも瘴気に覆われた森にいれば、積極的に狩られることはないだろう。この中で普通の人が活動するのはそれだけで困難を伴う。

 戦士からの情報を整理しながら、過ごす事1ヶ月。配下の監視網は十分な規模となり、空は黒鳥、地上は熊を筆頭に大型から小型までの猛獣によるパトロール隊が隙なく動いて監視している。24時間体制のブラック企業も顔負けの労働環境だ。協会を中心に半径5km程度は安全圏になったと言えそうだ。また、センサー達の精度も上がり誤報は、ほぼない状態になっている。

 環境にも慣れ、次に何をすべきか悩める程度に余裕が出てきた頃、その一報が黒鳥よりもたらされた。

 30名規模の調査隊と思われる集団が侵入したようだ。オレは素早く黒鳥にアクセスし戦力を確認する。戦えそうなものが20名、5名は研究者だろうか?学者風だ。これから実験されるのか、奴隷が10名。そして、小綺麗な姿の、、聖職者が5名。

 聖職者は祈りにより瘴気を浄化することができるそうで、瘴気対策と考えられる。30名のうち、女性は3名見えるな。研究者の中に1名、老婆だ。聖職者の中に2名、フードのために顔はわからないが動きからすると若そうだ。女性か、、、戦士を一瞥し、また再度黒鳥の視界にうつる。女っ気は欲しいな。。。

「調査隊が侵入したようだ。護衛が20名、奴隷10、研究者5に聖職者が5。この規模の調査隊が事故で全滅するってのはあり得ると思うか?」

「護衛20名ですか、正規軍でしょうか?」

「装備が不揃いだな。おそらく半々だな。正規軍と思われる整った装備は10名だ。革鎧に要所は金属製のプレートをつけて補強しているな。」

「承知しました。おそらくですが、今の時期は熊の繁殖期になりますので、凶暴化している時期です。野営中に襲われて、、半壊する、ということはあり得るかも知れません。奴隷を餌に逃げる判断をするでしょうから、誰1人帰らないならより規模の大きな調査隊が原因を探りにくる可能性があると愚考します。」

「わかった。その状況で仲間の死体を持ち帰るなんて律儀なこともなかろう。言葉を話せる使い魔は多い方がいいからな。夜襲をかけて数名攫うくらいは問題ないだろう。熊はその場で食えなかったとしても、餌に固執して再襲撃してでも餌場に持ち帰る。不幸な事故として処理されるだろう。」

「問題ないかと」

さて、、、黒鳥に監視を継続させ、彼らの動向を観察することにした。出来れば研究者や、、巫女を確保したい。





□□後書き□□
読んでくださりありがとうございます!
次の話が気になって読みたい!と思っていただけるような作品作りができるように頑張りますので、ぜひ応援よろしくお願いします!
ブクマや評価いただけると、モチベーション爆上がりで作品作りが楽しくなるので、ぜひ!!!

引き続き、不死者転生(ふしてん)を宜しくお願いします!
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