不死者転生 -救いのない物語- 転生した不死者は生きる為に侵略し美しい眷属を従える

ボロン

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宗教国家オセの悲劇

不死者転生52 魔法

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森の洋館に着いて3日、体内の瘴気を溜めれるだけ溜め続けているが、内在容量が増えるだけで質が変化するような気配はない。

「単純な量の問題ではないと思っていたが、一定以上溜め込めば質が変わる、というものでもないのか。」

不死者は瘴気の扱いに長けた魔人だ。生まれてから、瘴気を介しての洗脳や使い魔・眷属を作る事はできていた。それぞれ、明確な目的意識とイメージがあり、瘴気は応えるように反応してくれていた。そこには確かに物質的な作用が働いていたのだ。であるならば、瘴気自体に明確な性質を付与する事で、望んだ形を手に出来るのではないだろうか?

 瘴気を指先に集めると揺らめく蝋燭の火に重ねる。無心に、揺らめく影のように瘴気が揺れる。

 熱が、、足りない。指を炎にかざす、、肉が少しずつ焼ける度、鋭い痛みが走るが痛みを受け入れ痛み自体を考えるように理解する。指先が炎と同化するような感覚が芽生え始める。これを、、、逃さない。痛みがスッと消えると指先の形が揺らぎ、、オレの瘴気は形を失い炎と同化したように揺めき始めた。

 しばらく炎が揺らめくのに任せながら、指先から指全体、、掌全体、、、と範囲を拡げていくといまや手首から先には黒く昏い炎が妖しく揺らめいていた。

「、、、成功、、か?」

この炎のような瘴気は果たして炎と同じ効果があるのだろうか?手首から先に揺らめく黒い炎から熱は感じない。試しに布切れにかざすが、、、やはり燃えることはないようだ。

「魔法は、、無理か。生き物や使い魔に対してはどうだろ?試してみるか。」

メアに命じ、人間を一体用意させ逃げれないように台座に寝かせると手足、首をそれぞれ固定した。

「ひぃ、、、やめてください!お願いします、まだ、死にたくない!」

意識があるとご覧の通り、命乞いが煩わしくはあるが反応を見る上では大切なことだ。オレはとくに応える事なく、右手首から先を再び黒い炎に変える。

後ろに控え実験を見たいと言っていたメアが驚嘆する。その瞳は研究者としての彼女の知的好奇心を映す鏡だ。とても生き生きとしている。

影響の少なそうな箇所で試す方がいいだろう。実験体の右手に炎をかざすと、、

「いっ、、あっ、、ぎゃゃぁああぁああ!!」

予想とは裏腹に瞬く間に肉が焼けただれていく、、がなんだ、、違和感があるな。、

「熱はないのに肉を焼くとは、、どういう原理なんだ?メア、わかるか??」

メアは涙と涎を垂らし、過呼吸の症状を示す実験体に近づくと傷口を観察する。

「見た感じでは、、、重度の火傷に見えますが、、、んん、、、試してみてもいいですか?」

何を?と聞くのは野暮だ。

「任せる。」

返事を聞くとメアは松明を用意すると実験隊の左腕を焼き始める。あまりの痛みに失禁し気絶した彼をよそに一通り炙った後、左右の腕を観察するメアさん。

「ご主人様、見てください。私が本物の炎で焼いた左腕ですが皮下組織まで深く浸透し、、」

説明しながら傷口を拡げ体組織の損傷状況を説明する。

「と、、まぁ、通常の熱傷の症状です。ここまで深く焼けば痛覚も機能していないでしょう。」

「ふむ、で右手はどうなんだ?」

「はい、左腕は皮膚から深部へ向けて損傷が拡がっているので炎に近い場所は黒焦げですよね?ご主人様の炎は均等に組織を壊しています。」

そういうとまた傷口を拡げ、、、説明を続ける。

「興味深いのは焦げていない点でしょか?熱傷の症状を再現していましが熱による損傷がなく、まるで熱傷を細胞が再現したみたいじゃないですか?」

確かに、、、皮膚は熱による変色がないが水膨れや肉が熱で焼かれたように血管は破壊され脂肪や筋肉が溶けたようにただれている。

熱によるダメージだけが再現されたような感じか、、。

「とても興味深いです!わたしにもできないかなぁ、、、。」

メアは瘴気をコントロールして再現しようと試行錯誤を始めるが、、、瘴気の流れを見る限り難しそうだ。

触れる事で熱傷を与えられるなら攻撃手段として使えるが接近戦が前提になるとリスクがある。

「メア、鎧は持ってきていたな?」

「はい、これに着せたらいいですか?」

「ああ、頼む。」

メアは気を失った実験体の胴体に甲冑を着せ、兜を被せる。

「ご主人様どうぞ。」

「ああ、ありがとう。」

そう言うと、鎧越しに炎を纏った手を当てると壮絶な激痛に実験体が目を覚まし叫びもがく。、

「反応を見る限り、、鎧越しでも問題なく浸透するようだな。本当に謎の多い炎だ。」

再び失神した実験体から鎧を取ると、、鎧にはなんの外傷も変化もないが、肉体は先程同様にひどい熱傷を負っている。

反応を見る限り、当てさえすれば無力化も出来そうな威力がある。しかし、、使い勝手が悪い。

「メア、実験は一旦ここまでだ。」

「実験体はどうしますか?」

「そうだな、、、あとで使うから治療だけしておいてくれ。」

「承知しました。」

メアに治療を任せ修練場に移動する。瘴気に炎に近い性質を持たせる事には成功した。ここからは、、、ロマンだ。

よくあるファイアーボールのようにとばせるかどうか。また、焼くだけだと派手さも殲滅力もない。爆発属性とか、憧れじゃないか?

さすがに呪文なんて恥ずかしいものは唱えられないし意味なさそうだが、、、まぁいい。とりあえず実験だ。

手首から先を炎にするのは見た目的なあまりかっこよくなかったし、やはり掌に纏わせるとかだよな?

瘴気を外に向け放出しながら性質を変化させる、、、イメージしたとおりに腕を覆うように激しい炎にが立ち込める。

服が燃えないのは素晴らしい!

まずは、、、火炎放射器だ。手を前に突き出し、、圧縮された空気に押し出されるようなイメージで炎を発射する。予想とは異なり音もなく勢いよく吹き出すが、黒い炎は辺りを照らすことなく空間を埋め舐めるように拡がっていく。射程は30m程だろうか。かなり広範囲に拡げることができる。鎧を無視して浸透する事を考えると防御不能のチート技だな。

だが、、燃費は最悪だ。瘴気の森でなら大気からの補充で30分もすれば再度放つ事ができそうだが、、、人の領域では1発放つのが限界だろう。

次は、、爆破だな。イメージが最も重要な要素だ。物質化する程に高圧縮した瘴気をイメージする。掌に集める、、、いい感じだ。圧縮し過ぎたか?ピンボール程の大きさの瘴気玉が出来上がる。火炎放射と同じ容量で射出すると、、、壁に当たった瞬間爆ぜ、、、ない。一瞬巨大な球状に拡がった後霧散してしまった。壁だからダメなのか?

(メア、修練場に連れてきてくれ。)

(承知しました。)


しばらくするとメアが修練場に実験体を連れてきてくれたので杭に縛りつける。

「危ないからメアはオレの後ろにいろ。」

再び高圧縮されて瘴気玉を生成し、、、実験体に向け解き放つ。

音もなく吸い込まれるように実験体に当たるとブワッと瘴気が球状に拡がり、、中心に向かって収束していく。その過程で実験体の身体はいびつに歪み、骨が折れ肉を潰しながら中心に吸い込むように巻き込んでいく。残ったのは引き込まれて原型がわからない程損壊し固められた肉の塊だ。外に爆ぜずに内に巻き込む、、ブラックホールのような印象だ。見た目のインパクトはこちらの方が上かもしれないな。残念だ、、、。

「す、、すごいです!まるで神話の魔神のようです!!」

「神話の魔神?」

「はい!すごいです!!神話の時代の魔神のようです!放たれた瘴気は大地を穿つ穴を作り、命有るモノを深淵に落としたと言われています!!」

興奮するメアをよそに、、、大地を穿ち深淵に落とす?これとはまったく次元が違うと思うが、、、。

「さすがご主人様です!」

興奮冷めやらぬメアは哀れな実験体の損傷を確認しながら事象を説明しようと嬉しそうに観察を続けている。

圧倒的な美少女が目を輝かせながら血生臭い肉の塊をつつく姿はやばい。かなりサイコだ。

炎の再現はできた。これはどちらかと言えば個人的なロマンの追求だったが、エリーを仕留めた鋭利な刃など、再現実験はこれからが本番だ。

日本刀とかのイメージだろうか?剃刀?もしくは空間の断裂、、真空の刃の方がしっくりくるな。

「メア、まだ実験を続けたいから実験体をあと10体程用意してもらえるか?」

「わかりました!お任せください!」
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