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episode 2 無刻の樹海
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パシュッ!
vectorの静かな射撃で空間ごと削られたように岩が抉れる。
「、、、、、、えっ?」
わかる。
意味がわからないよね。
「と、こんな感じで狙った物体が抉れるように破壊されるんだ。仕組みは正直まったくわからん。」
フィーは予想外の出来事に驚き言葉を失う。
「もう一度、もう一度やってみて。」
言われるがまま、射撃を繰り返す。
「どうかな?フィーの目にはどう見えてるの?」
「、、、うん。撃った後なんだけど、魔力がその銃だったかしら?周りの魔力が銃に吸い込まれているのが見えてわ。」
「となると、動力は魔力ということか。」
これま魔力が見えるフィーだけらわかることで、僕にはわからなかった。
待機中の魔力を使うなら実質弾の制約がないと、、、。
「これ、フィーも扱えるか試して欲しい。」
僕はそう言うとフィーにvectorを渡して、撃ち方を伝える。
恐る恐る構えるが、照準器に光の膜が現れない。
フィーがトリガーを引く、が、何も起きない。
「、、わたしだと使えないのかな?」
んー、、これは亜人や人族の紋様が存在する前の時代の兵器だ。
前世でSF作品を見てなんかだと銃の使用にも認証が実装されてるようの描写もあったから、もしけして?とは思っていたのだが、、、。
人族でも使えなければ、現状この兵器は僕にしか使えないという事になる。これは、かなりの、アドバンテージであると同時に危険でもある。
長距離から簡単に暗殺できる兵器があり、使えるのはただ1人。
囲いたいと思うか、兵器は欲しいが、限定的ならリスクヘッジで排除しても大勢に影響なしとして切るか。
どちらにしても、僕にとっての命綱になるだろう。
「もしかしたら、無印にしか使えないのかもしれないね。」
と言って気づく。そんな認証機構があるなら、少なくとも紋章持ちを想定した機構じゃないか。
つまり、無印と紋章持ちが争った時代が確実にあり、そして無印はこれだけの兵器を作れるのに負けたのだ。
魔法がそれだけ厄介なのか、魔力を吸収した人族が破格の強さを発揮するのか、謎が謎を呼ぶ展開だ。
「使えないならノア専用武器だね、なんかちょっと、、かっこいいね。」
男の子の感覚だと思ってたけど、フィーはロマンがわかるらしい。
「私も魔法が使えるようになれば、もっと役に立てるしノアに頼ってもらえるのにな、、、。」
「魔法か、憧れるなぁ。楽しみにしてるよ。でも、祝福って何か儀式とかないの?」
「うん、特別な事はないよ。その日になったら解るってお父さんは言ってたなぁ。」
「そうなんだ。フィーが祝福を授かるのはいつなんだっけ?」
「まだ、2ヶ月は先だよ。ふふ、楽しみにしててよね。」
「楽しみだよ。この施設なら、安全に暮らせると思う。そこで、今後どうするか決めた方がいいよね。」
「、、、ノア。私が同胞を助けたいと言ったら、、、あなたはどうするの?」
そう、そうなるんだ。
フィーの同胞を助けるという事は人族と敵対する事になる。
正直、二元論で決めたくはない。
「フィー、取り繕っても仕方ないから正直に言うね。僕は、紋章持ちのいざこざに巻き込まれたくない。」
「そう。そうよね。」
フィーは少し悲しげに、でも批難するでもがっかりするでもなく、ただそのまま受け止めたように見える。
「ただね、人は1人で生きられないとも思ってる。僕は、どちらか、ではなく人を見て判断したい。あの施設自体肯定する気もない。人が争って殺し合うのは世の常だと思う。ただ、一方的な虐殺があって、手の届く範囲でそこから逃げる手伝いはしてもいい、そう思っているよ。」
「いいの?無理してない?」
「君の同胞が僕の安全を脅かすなら、その限りではないけど。」
「うん、わかってるわ。」
「この銃なら、あのくらいの規模の相手を殲滅するのは容易いと思う。でも、どう助けるか、どこまで助けるかはきちんと決めたい。」
そして、僕としては誰かを殺す事になる。
必要ならそれは肯定される行為だと僕は考えている。
ソレによる不利益を許容できるかどうかが問題なのだ。
相手に殺されるリスク、殺した事に対する心のありよう、その後のリスク。
なにより、やるかやらないか、一線を越えられるのか。
これからの話をしよう。
—————————————————
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vectorの静かな射撃で空間ごと削られたように岩が抉れる。
「、、、、、、えっ?」
わかる。
意味がわからないよね。
「と、こんな感じで狙った物体が抉れるように破壊されるんだ。仕組みは正直まったくわからん。」
フィーは予想外の出来事に驚き言葉を失う。
「もう一度、もう一度やってみて。」
言われるがまま、射撃を繰り返す。
「どうかな?フィーの目にはどう見えてるの?」
「、、、うん。撃った後なんだけど、魔力がその銃だったかしら?周りの魔力が銃に吸い込まれているのが見えてわ。」
「となると、動力は魔力ということか。」
これま魔力が見えるフィーだけらわかることで、僕にはわからなかった。
待機中の魔力を使うなら実質弾の制約がないと、、、。
「これ、フィーも扱えるか試して欲しい。」
僕はそう言うとフィーにvectorを渡して、撃ち方を伝える。
恐る恐る構えるが、照準器に光の膜が現れない。
フィーがトリガーを引く、が、何も起きない。
「、、わたしだと使えないのかな?」
んー、、これは亜人や人族の紋様が存在する前の時代の兵器だ。
前世でSF作品を見てなんかだと銃の使用にも認証が実装されてるようの描写もあったから、もしけして?とは思っていたのだが、、、。
人族でも使えなければ、現状この兵器は僕にしか使えないという事になる。これは、かなりの、アドバンテージであると同時に危険でもある。
長距離から簡単に暗殺できる兵器があり、使えるのはただ1人。
囲いたいと思うか、兵器は欲しいが、限定的ならリスクヘッジで排除しても大勢に影響なしとして切るか。
どちらにしても、僕にとっての命綱になるだろう。
「もしかしたら、無印にしか使えないのかもしれないね。」
と言って気づく。そんな認証機構があるなら、少なくとも紋章持ちを想定した機構じゃないか。
つまり、無印と紋章持ちが争った時代が確実にあり、そして無印はこれだけの兵器を作れるのに負けたのだ。
魔法がそれだけ厄介なのか、魔力を吸収した人族が破格の強さを発揮するのか、謎が謎を呼ぶ展開だ。
「使えないならノア専用武器だね、なんかちょっと、、かっこいいね。」
男の子の感覚だと思ってたけど、フィーはロマンがわかるらしい。
「私も魔法が使えるようになれば、もっと役に立てるしノアに頼ってもらえるのにな、、、。」
「魔法か、憧れるなぁ。楽しみにしてるよ。でも、祝福って何か儀式とかないの?」
「うん、特別な事はないよ。その日になったら解るってお父さんは言ってたなぁ。」
「そうなんだ。フィーが祝福を授かるのはいつなんだっけ?」
「まだ、2ヶ月は先だよ。ふふ、楽しみにしててよね。」
「楽しみだよ。この施設なら、安全に暮らせると思う。そこで、今後どうするか決めた方がいいよね。」
「、、、ノア。私が同胞を助けたいと言ったら、、、あなたはどうするの?」
そう、そうなるんだ。
フィーの同胞を助けるという事は人族と敵対する事になる。
正直、二元論で決めたくはない。
「フィー、取り繕っても仕方ないから正直に言うね。僕は、紋章持ちのいざこざに巻き込まれたくない。」
「そう。そうよね。」
フィーは少し悲しげに、でも批難するでもがっかりするでもなく、ただそのまま受け止めたように見える。
「ただね、人は1人で生きられないとも思ってる。僕は、どちらか、ではなく人を見て判断したい。あの施設自体肯定する気もない。人が争って殺し合うのは世の常だと思う。ただ、一方的な虐殺があって、手の届く範囲でそこから逃げる手伝いはしてもいい、そう思っているよ。」
「いいの?無理してない?」
「君の同胞が僕の安全を脅かすなら、その限りではないけど。」
「うん、わかってるわ。」
「この銃なら、あのくらいの規模の相手を殲滅するのは容易いと思う。でも、どう助けるか、どこまで助けるかはきちんと決めたい。」
そして、僕としては誰かを殺す事になる。
必要ならそれは肯定される行為だと僕は考えている。
ソレによる不利益を許容できるかどうかが問題なのだ。
相手に殺されるリスク、殺した事に対する心のありよう、その後のリスク。
なにより、やるかやらないか、一線を越えられるのか。
これからの話をしよう。
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