21 / 22
第21話 エルフ、危機一髪!
しおりを挟む
しばらくして店員に助けられた俺たちは、店員にお礼を言ってから店を後にした。
因みにだが、俺が来ていた衣装はもうワンサイズ大きいものが在庫にあったということで、それに着替え直しつつ、ボタンが取れてしまったほうも購入させていただいた。
でも、これはこれで使い道があるとのこと。そう未玖が言っていた。俺には分からないが。
「それにしてもいい買い物したわねー!」
「うん、えーくんすごく可愛くなった!!」
「いや、男の俺としては可愛いは褒め言葉じゃないんだが……」
俺は捨てるようにセリフを吐いた。
俺が可愛いことは分かっているつもりだが、正面から言われるとな。カッコいいとかだったら受け止められるんだが。
そんな愚痴を吐いていると、俺の視界には微笑みながら近づいてくる姉さんが見えた。一瞬で分かる。さっきもあったし。これは本当にやばいやつじゃん!
「えーくんは女の子だよ。ね、未玖?」
「えっ!?私!?」
「ね、未玖?」
「は、はい!そう思います!!」
いきなり話を振られた未玖も最初は戸惑っていたが、この状態である姉さんに逆らったらどうなるか知っていたため、咄嗟に返事を返した。
「ね?未玖もそう言ってるよ?」
「その怖い顔やめて欲しいんですけど!?」
「えーくんが女の子だってーーーー」
「あぁあーー!!もう分かったよ!俺、私は女の子です!!可愛いと言われて嬉しかったです!!だから姉さん、いつもの優しくて可愛い顔に戻ってくれ!!」
「ふえっ!?」
姉さんはいきなり顔を真っ赤にさせ、そんな顔を手で押さえて後ろを向いてしまった。そして独り言の内容までは聞き取れないが、ブツブツと何か呟いている。
やばい、これはガチで怒らせちまったか?
そんな風にあたふたしているエルだったが、詩織は怒っているわけではなかった。寧ろ逆。
「わ、私が可愛いだって、えへへっ」
こんな感じでずっとにやけているだけであった。そんな詩織にエルは恐る恐る話しかけた。
「あ、あの姉さん?」
「はい!!なんでしょう!?私は何でもないよ!?」
「えっ、そうなのか?あー、えっと、何だか分からないけど、じゃあ、もう怒ってないでいいのか?」
「うん!もう怒ってないです!!むしろピンピンだよ!!ほらっ!」
「は、はぁ……」
いきなり態度が逆転した詩織に戸惑っているエルだったが、その縁側で「ちょっと悔しいけど、これは有効活用出来そうね」と冷静にエルと詩織の状況を分析する未玖を見て、戸惑いは薄れて逆に呆れてしまった。
元からこの二人を完璧に理解しようとしていた俺が馬鹿だったのか。そう思うことした。
しかし、これだけでは終わらなかった。
こんなに大騒ぎしていれば周りの人たちには必ず目につくものだ。それは俺たちの騒動も同様だった。しかも俺も含めて(ナルシストでは無いからな!世間的にだからな!!)三人ともレベルの高い美少女だ。ならば尚更だ。
俺たちが周りに気づいた頃には、周りの人たちはスマホを構えて動画を撮るなり写真を撮るなりしてカオスな状態だった。いや、俺たちのやり取りも結構カオスではあったんだけども!!
「撮影や写真はやめてください!!撮ったものも消してください!!これ以上は訴えます!!」
姉さんと未玖はそんな周りの人たち、いや野次馬たちにそう呼びかけた。しかし、それで諦めてくれる人もいるものの、その他の方が大勢いた。
そしてついには俺の存在に気づいた人もいた。
「あ、あれってトゥイッターであげてたエルフの女の子じゃね?」
面白いことに人間は連鎖するもの。それを聞くと野次馬はさらに増えていき、酷いことに俺の帽子を取ろうとしてくる輩も出てきた。
「ひゃっ!?」
「よっしゃぁあーー!!帽子取ったりーー!!」
そしてついには、誰かが俺が被っていた帽子を一瞬で剥ぎ取った。それをされてしまえば、俺の耳を隠すものは無くなってしまう。それが今だ。
俺は恐怖のあまり耳を隠すように押さえた。
もう終わりだ!!その言葉で俺の心はでいっぱいだ。
だが、そんな時、いつも助けてくれる存在がいた。
「エルっ!!」
「えーくん!!」
二人の声が聞こえる。その声が聞こえるのと同時に二人の姉は、俺の手を片手ずつ握りしめ、その場から駆け出した。俺はその手に重力のようにつられていく。
そして俺たちは、人の多いショッピングモールをどんどんと駆け抜けていった。
因みにだが、俺が来ていた衣装はもうワンサイズ大きいものが在庫にあったということで、それに着替え直しつつ、ボタンが取れてしまったほうも購入させていただいた。
でも、これはこれで使い道があるとのこと。そう未玖が言っていた。俺には分からないが。
「それにしてもいい買い物したわねー!」
「うん、えーくんすごく可愛くなった!!」
「いや、男の俺としては可愛いは褒め言葉じゃないんだが……」
俺は捨てるようにセリフを吐いた。
俺が可愛いことは分かっているつもりだが、正面から言われるとな。カッコいいとかだったら受け止められるんだが。
そんな愚痴を吐いていると、俺の視界には微笑みながら近づいてくる姉さんが見えた。一瞬で分かる。さっきもあったし。これは本当にやばいやつじゃん!
「えーくんは女の子だよ。ね、未玖?」
「えっ!?私!?」
「ね、未玖?」
「は、はい!そう思います!!」
いきなり話を振られた未玖も最初は戸惑っていたが、この状態である姉さんに逆らったらどうなるか知っていたため、咄嗟に返事を返した。
「ね?未玖もそう言ってるよ?」
「その怖い顔やめて欲しいんですけど!?」
「えーくんが女の子だってーーーー」
「あぁあーー!!もう分かったよ!俺、私は女の子です!!可愛いと言われて嬉しかったです!!だから姉さん、いつもの優しくて可愛い顔に戻ってくれ!!」
「ふえっ!?」
姉さんはいきなり顔を真っ赤にさせ、そんな顔を手で押さえて後ろを向いてしまった。そして独り言の内容までは聞き取れないが、ブツブツと何か呟いている。
やばい、これはガチで怒らせちまったか?
そんな風にあたふたしているエルだったが、詩織は怒っているわけではなかった。寧ろ逆。
「わ、私が可愛いだって、えへへっ」
こんな感じでずっとにやけているだけであった。そんな詩織にエルは恐る恐る話しかけた。
「あ、あの姉さん?」
「はい!!なんでしょう!?私は何でもないよ!?」
「えっ、そうなのか?あー、えっと、何だか分からないけど、じゃあ、もう怒ってないでいいのか?」
「うん!もう怒ってないです!!むしろピンピンだよ!!ほらっ!」
「は、はぁ……」
いきなり態度が逆転した詩織に戸惑っているエルだったが、その縁側で「ちょっと悔しいけど、これは有効活用出来そうね」と冷静にエルと詩織の状況を分析する未玖を見て、戸惑いは薄れて逆に呆れてしまった。
元からこの二人を完璧に理解しようとしていた俺が馬鹿だったのか。そう思うことした。
しかし、これだけでは終わらなかった。
こんなに大騒ぎしていれば周りの人たちには必ず目につくものだ。それは俺たちの騒動も同様だった。しかも俺も含めて(ナルシストでは無いからな!世間的にだからな!!)三人ともレベルの高い美少女だ。ならば尚更だ。
俺たちが周りに気づいた頃には、周りの人たちはスマホを構えて動画を撮るなり写真を撮るなりしてカオスな状態だった。いや、俺たちのやり取りも結構カオスではあったんだけども!!
「撮影や写真はやめてください!!撮ったものも消してください!!これ以上は訴えます!!」
姉さんと未玖はそんな周りの人たち、いや野次馬たちにそう呼びかけた。しかし、それで諦めてくれる人もいるものの、その他の方が大勢いた。
そしてついには俺の存在に気づいた人もいた。
「あ、あれってトゥイッターであげてたエルフの女の子じゃね?」
面白いことに人間は連鎖するもの。それを聞くと野次馬はさらに増えていき、酷いことに俺の帽子を取ろうとしてくる輩も出てきた。
「ひゃっ!?」
「よっしゃぁあーー!!帽子取ったりーー!!」
そしてついには、誰かが俺が被っていた帽子を一瞬で剥ぎ取った。それをされてしまえば、俺の耳を隠すものは無くなってしまう。それが今だ。
俺は恐怖のあまり耳を隠すように押さえた。
もう終わりだ!!その言葉で俺の心はでいっぱいだ。
だが、そんな時、いつも助けてくれる存在がいた。
「エルっ!!」
「えーくん!!」
二人の声が聞こえる。その声が聞こえるのと同時に二人の姉は、俺の手を片手ずつ握りしめ、その場から駆け出した。俺はその手に重力のようにつられていく。
そして俺たちは、人の多いショッピングモールをどんどんと駆け抜けていった。
0
あなたにおすすめの小説
静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について
おとら@ 書籍発売中
青春
この物語は、とある理由から目立ちたくないぼっちの少年の成長物語である
そんなある日、少年は不良に絡まれている女子を助けてしまったが……。
なんと、彼女は学園のマドンナだった……!
こうして平穏に過ごしたい少年の生活は一変することになる。
彼女を避けていたが、度々遭遇してしまう。
そんな中、少年は次第に彼女に惹かれていく……。
そして助けられた少女もまた……。
二人の青春、そして成長物語をご覧ください。
※中盤から甘々にご注意を。
※性描写ありは保険です。
他サイトにも掲載しております。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
フラレたばかりのダメヒロインを応援したら修羅場が発生してしまった件
遊馬友仁
青春
校内ぼっちの立花宗重は、クラス委員の上坂部葉月が幼馴染にフラれる場面を目撃してしまう。さらに、葉月の恋敵である転校生・名和リッカの思惑を知った宗重は、葉月に想いを諦めるな、と助言し、叔母のワカ姉やクラスメートの大島睦月たちの協力を得ながら、葉月と幼馴染との仲を取りもつべく行動しはじめる。
一方、宗重と葉月の行動に気付いたリッカは、「私から彼を奪えるもの奪ってみれば?」と、挑発してきた!
宗重の前では、態度を豹変させる転校生の真意は、はたして―――!?
※本作は、2024年に投稿した『負けヒロインに花束を』を大幅にリニューアルした作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる