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2章・性逆復讐篇

13話・1人目のターゲット(Act8)

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父・正昭とのセックスから翌日のお昼前に母親の由香が帰ってきた。

「ただいま」
「お帰り」
「あら、あなた日曜日なのに仕事ですか?」
「うん、急なクライアントからの打ち合わせが入ってね。遅くなるかもしれないから夕飯は先に食べてても良いから」
「分かりました」

父・正昭が家を出た後に陽菜が2階の部屋から降りてきた。

「お帰り」
「あら、日曜日なのに陽菜が外出していないなんて珍しいわね」
「私だって、たまには家でゴロゴロした時だってあるわよ。荷物持つよ」
「あら、ありがと」
「お昼これから作ろうと思ったから、そのままお風呂にでも入ったら」
「あら、じゃあたまには愛娘に家事をお願いしちゃおうかな」

普段は可愛いがらなかった母親だが、学力が一気に向上して聞き分けも良くしていたので最近は理想の娘として認め始めている。しかし、それは陽菜の演技に他ならない。
彼女が入浴している合間に陽菜は母親のタブレットに父親と同様に黒夜から預かったSDカードをセットした。
母は陽菜と同じで長風呂ゆえに10分弱は出てこない。その隙にすべての作業が完了する。

■ブラックハート・店長室

その記録を店舗の店長室で会計記録をPCで見ながらタブレットを操作する黒夜の姿があった。

「これで地雷は設置した。あとは週明けに二人が起爆スイッチを押せばジ・エンドだ」
「たく、お前はさんざんあの小娘を堪能した挙句に復讐を楽しみやがって俺への感謝をもう少し形で示せよな」
「よく言うぜ。寿司食わせろ。すき焼き食わせろって、ここ最近部屋で好き勝手やってるのはゼクロのおっさんの方だろ」
「当たり前だ。それぐらいの接待を日頃から感謝を込めてしろって言ってんだよ」
「相変わらず賑やかね」

気配を立てずに入ってくるのは当然、一美さんしかいない。

「一美さん、これを渡そうと思って」
「給料日はまだ先じゃない?」
「この前の情報量と時間外手当です。色々と協力してもらったので」

一美は封筒の中を見ると中には300万入っていた。

「あら、想定以上に入れたわね。経営が傾いても知らないわよ。黒くん」
「利益は月単位で前年度の20%増、全体でも12%上がっています」
「だいぶ経営者らしい顔つきにもなってきたじゃないか」


★翌日

事態は急展開を迎えた。


■由香の事務所

由香は某てテレビ局を退社してからはフリーのアナウンサーとして自ら事務所を設立し、仕事を請け負っていた。
しかし、この日は所属事務所にけたたましく電話が鳴り響く。

「ちょっと、この騒がしいコール音は何?」

外出先から戻った由香が怖い表情で職員たちに怒鳴りつける。
秘書が慌てて情報を伝えに来た。

「社長大変です」
「どうしたの?」
「これを見てください」

事務所の掲示板に由香が高校・大学時代の悪行のエピソードが投稿されていたのだ。
高校時代には夜・会社員の男性をホテルに連れ込みかつあげしたことや大学時代に教授や企業の人間と関係を持ったこと、アナウンサーになって有名俳優やスポーツ選手との不倫や浮気などなどの記事が公のもとに晒されていた。

「社長、この記事の内容ですべてデマですよね」
「当たり前でしょ。とにかくクライアントには事実無根だと徹底して頂戴」
「分かりました」

(どうして、この事実は旦那がもみ消したはずじゃ?)

ブー・ブー・ブー

由香のスマホの着信があった。
そこには宛名不明の謎の添付ファイルが送られてきていた。
恐る恐る開くするとそこには衝撃的なものが入っていた。

「こ、これって?」


■正昭の事務所

同様な騒ぎが正昭の事務所でも起きていた。
正昭は大学生やキャバ嬢へのセクハラ・強姦の一部始終の動画や画像。
そして妻・由香と結託としてテレビ局やスポンサーを恐喝して仕事を取っていたことの資料や写真がHPやクライアントに情報が流れていた。


そんな時、彼の携帯に着信が入る。
妻の由香からだ。

「あなた、どうなってるの?」
「何がだ? こっちも忙しいんだ。後にしろ」

正昭も由香もこの黒い噂が災いし、仕事のキャンセル連絡が相次いだ。
その対応に心身ともに病んでいっていた。
そして最低最悪の悲劇を生むことなる。

■PM:18:00過ぎ

疲れ果てて、茫然自失と自宅に正昭が帰る。
すると部屋は酷く荒らされていた。
リビングに向かうと息を荒げて狂気の表情の由香がいた。
正昭の帰宅に気付くと携帯を取り出し、正昭を問い詰める。

「あなた、これはどういうこと」

彼女は正昭が結婚後に若い女性と体の関係を持っている画像を突き付ける。
黒夜がキャストたちからの情報をもとに仕組んだものだ。
そして、由香の最大の怒りは娘・陽菜との関係性だった。

「あなた、こんな大逸れたことをしていたの?」
「ま、待て由香、話そう、話せば分かる」

しかし、彼女の怒りはボーダーを超えていた。
キッチンの包丁を手に取り、正昭に近づく。

「どうせ。歳のいった私を捨てて若い娘や陽菜と分け合い合いと暮らそうとしてたんでしょ」
「ま、待て由香、早まるな」
「アンタの望み通りになんかさせない」

グサッ……

一瞬のうちにリビングに血が飛び交う。
胸を押さえて正昭は倒れこんだ。

「お母さん?」
「陽菜。ありがとう。そしてサヨナラ」

陽菜の後ろからは警官が2人入ってきた。そう、陽菜が殺人の一部始終を見た上であらかじめ呼んでいたのだ。


■ブラックハート・店長室

その光景を盗聴器越しに黒夜も聞いていた。
そして、ジャケットを羽織り外へと駆け出す。

「最後のチェックメイトだ」


(次回)

最初の復讐の総仕上げ。憎むべき両親を破滅に追い込み喜ぶ陽菜。しかし、その矢先に待つのは優夜の引く闇への案内レール!



(筆者より)
「復讐・裁きのハーレム」をご愛読いただきありがとうございます。
ただいま「警視庁特別犯罪機動捜査班~愛の弾丸はあなたを守る」も連載しております。
こちらは当作品ほどではありませんがセクシーな要素も入れる予定です。
ファンの方にはついでに覗いてみていただけると幸いです。
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