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4章・真意と挑戦篇
24話・いじめの真実(Act2)
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冴優から黒夜に告げられた衝撃な事実はなんと元カノ・浅羽美歩が関係していた。
美歩はホテルグループ会長の娘であるが、高飛車になることなく優しく心配りの出来る女性だった。
茶道部の部長や生徒会長を務める生徒に影響力を与えられる魅力的な女性で男子生徒からは何人もアタックされていたくらいの女性だった。
黒夜(優夜)も彼女が何故選んだのかは今になっても分かっていなかった。
「なぜ、君が浅羽美歩を憎む必要があったんだ」
「黒澤君が浅羽さんと付き合ったって分かった頃、私は黒澤君に告白しようとした。でも、もう彼の隣には浅羽さんいた。私は自分を理解してくれていると思った人も結局は魅力のある女性に惹かれるんだと絶望感に打ちひしがれた。そんな時に……」
■回想シーン
「ふーん。冴優は黒澤君のことが好きなんだ?」
「いや、別に……」
「いいんじゃない。でも、あの二人ちょっと図に乗ってると思わない?」
莉乃の目がまるで二人の仲睦まじい姿を冷徹な目で睨みつけていた。その目には心から語る闇が渦巻いていた。
「莉乃?」
「ううーん。何でもなーい。冴優はこのままで良いの?」
「良いって?」
「だって、黒澤君は冴優の初恋の相手なんでしょ? あんな男を誑かす女に取られて良いの?」
「浅羽さんはそんな人じゃないと……」
「そうかな? だって変じゃないミスコンのトップが頭脳はまだしも、顔面偏差値は平均並みの男を好きになるなんて何か理由があると思わない? もしかしたら、体の関係も持ってたりして」
■現在
「なぜ、杉川莉乃は浅羽美歩を憎む必要がある」
「いつも学年の中心は浅羽さんでした。頭脳明晰で男子の人気も高い、そんな彼女が自分より上の地位を得ることが莉乃にとっての脅威だったんだと思います」
「優夜のことを愛していたのなら、何故事実を確かめないであんなことをした」
「黒澤君を取られたくなかった。根暗な私にとっての希望の光りだった。でも、黒澤君が亡くなった後、浅羽さんは男子からの告白に一切応じることはありませんでした。私の思い人は生涯変わることは無いって」
黒夜はその言葉で胸の奥が苦しくなっていった。
当初は美歩が俺を見捨てたのだと思っていたからだ。
しかし、先日の墓参りの後継と冴優の言葉、そして黒夜は付き合う前の彼女のある言葉を思い出していた。
(私のことを可愛い以外で褒められたのは初めてだな)
この言葉は黒夜(黒澤優夜)と美歩が付き合う前の最初に距離が近づいた瞬間であった。
今なら彼女の真意を知れるかもしれない。
そう思い部屋を飛び出す。
今日は日曜日だ。
必ずあそこにいるはずだ。
黒夜は黒澤優夜の納骨されている寺に来た。
「あなたが何でここにいるの……杉川さん」
その名前の言葉を発したのは紛れもなく美歩だった。
納骨堂の角の陰で覗き込むとそこには美歩と杉川莉乃の姿があった。
「あなたのお宅にお邪魔したら、ここにいるってお母様から教えて貰ったの」
その光景はバチバチと見えない対立の炎が渦今いていた。
(次回)
美歩vs莉乃?
優夜の死に因縁が最終決戦の幕開けの狼煙となる。
(お知らせ)
日本史(戦国)小説「水義士」と「君の想い繋げて」も公開中。
創作キャラが織りなす戦国時代の生き様と恋愛模様を描いた作品も是非ご覧ください。
(筆者より)
最終決戦が近づいております。
ここにきて関りを増す美歩と復讐相手最大の敵・杉川莉乃
黒夜は過去の因縁に決着を付けられるのか?
美歩はホテルグループ会長の娘であるが、高飛車になることなく優しく心配りの出来る女性だった。
茶道部の部長や生徒会長を務める生徒に影響力を与えられる魅力的な女性で男子生徒からは何人もアタックされていたくらいの女性だった。
黒夜(優夜)も彼女が何故選んだのかは今になっても分かっていなかった。
「なぜ、君が浅羽美歩を憎む必要があったんだ」
「黒澤君が浅羽さんと付き合ったって分かった頃、私は黒澤君に告白しようとした。でも、もう彼の隣には浅羽さんいた。私は自分を理解してくれていると思った人も結局は魅力のある女性に惹かれるんだと絶望感に打ちひしがれた。そんな時に……」
■回想シーン
「ふーん。冴優は黒澤君のことが好きなんだ?」
「いや、別に……」
「いいんじゃない。でも、あの二人ちょっと図に乗ってると思わない?」
莉乃の目がまるで二人の仲睦まじい姿を冷徹な目で睨みつけていた。その目には心から語る闇が渦巻いていた。
「莉乃?」
「ううーん。何でもなーい。冴優はこのままで良いの?」
「良いって?」
「だって、黒澤君は冴優の初恋の相手なんでしょ? あんな男を誑かす女に取られて良いの?」
「浅羽さんはそんな人じゃないと……」
「そうかな? だって変じゃないミスコンのトップが頭脳はまだしも、顔面偏差値は平均並みの男を好きになるなんて何か理由があると思わない? もしかしたら、体の関係も持ってたりして」
■現在
「なぜ、杉川莉乃は浅羽美歩を憎む必要がある」
「いつも学年の中心は浅羽さんでした。頭脳明晰で男子の人気も高い、そんな彼女が自分より上の地位を得ることが莉乃にとっての脅威だったんだと思います」
「優夜のことを愛していたのなら、何故事実を確かめないであんなことをした」
「黒澤君を取られたくなかった。根暗な私にとっての希望の光りだった。でも、黒澤君が亡くなった後、浅羽さんは男子からの告白に一切応じることはありませんでした。私の思い人は生涯変わることは無いって」
黒夜はその言葉で胸の奥が苦しくなっていった。
当初は美歩が俺を見捨てたのだと思っていたからだ。
しかし、先日の墓参りの後継と冴優の言葉、そして黒夜は付き合う前の彼女のある言葉を思い出していた。
(私のことを可愛い以外で褒められたのは初めてだな)
この言葉は黒夜(黒澤優夜)と美歩が付き合う前の最初に距離が近づいた瞬間であった。
今なら彼女の真意を知れるかもしれない。
そう思い部屋を飛び出す。
今日は日曜日だ。
必ずあそこにいるはずだ。
黒夜は黒澤優夜の納骨されている寺に来た。
「あなたが何でここにいるの……杉川さん」
その名前の言葉を発したのは紛れもなく美歩だった。
納骨堂の角の陰で覗き込むとそこには美歩と杉川莉乃の姿があった。
「あなたのお宅にお邪魔したら、ここにいるってお母様から教えて貰ったの」
その光景はバチバチと見えない対立の炎が渦今いていた。
(次回)
美歩vs莉乃?
優夜の死に因縁が最終決戦の幕開けの狼煙となる。
(お知らせ)
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創作キャラが織りなす戦国時代の生き様と恋愛模様を描いた作品も是非ご覧ください。
(筆者より)
最終決戦が近づいております。
ここにきて関りを増す美歩と復讐相手最大の敵・杉川莉乃
黒夜は過去の因縁に決着を付けられるのか?
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