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第5章 デート編
第22話 初恋の人と神秘的な光
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俺と『つねちゃん』は『過去の世界』で俺がアルバイトをしていたはずの乗り物の前に立っている。
「あら? ここは中が見えない様になっているから、どんな乗り物か分かりづらいわね?」
「そ、そうだね……」
乗り物の名前は『光のマジック』というものらしい。
俺がアルバイトをしていた乗り物とは違う……
しかし、俺はようやく思い出した。
「そっか……俺がバイトしていた乗り物の前にやっていたやつだ。俺がバイトする何年か前に新しくなったって西野さんが言っていた様な気がする……」
「隆君今、何か言った?」
俺は心の中で呟いていたつもりだったが、どうも声に出していたらしい。
「えっ!? な、何も言って無いよ!! それよりもつねちゃん、早くこれに乗ろうよ!?」
なんとか誤魔化す為に今度は俺が慌てながら『つねちゃん』の腕を引っ張り、その『光のマジック』に乗る為に並んでいる列の所へ向かった。
「今日はゴールデンウイークなのに、この乗り物はあまり人が並んでなくて良かったわね?」
「そ、そうだね……」
『つねちゃん』は何気なく感想を言っているが『遊園地バイト経験者』の俺としては心が痛くなる言葉であった。
でもなるほどな……
一年で一番多くのお客さんが来るこのゴールデンウイークにこの客数じゃ、遊園地側も考えるよなぁ……
俺はこの乗り物の事を全然知らないが、そんなに人気が無いくらいに面白くないんだろうか……? なんか違う意味で興味が出て来たぞ……
そんな事を考えているうちに俺達の乗る順番がやって来た。
乗り物の入り口で、客から五十円つづりの金券を六枚分だけ受け取っているおじさんがいる。この人が『西田さん』だ。
『旧国鉄』……『この世界』ではまだ『旧』では無いが、西田さんはそこを定年してから、ここの遊園地で働く様になったと聞いている。
久しぶりだなぁ……懐かしいなぁ……
そしてこの時から『頑固親父』の雰囲気はかもしだしていたんだなぁ……
俺は懐かしさのあまり、西田さんの顔をマジマジと見てしまっていたので、西田さんも俺の『熱い視線』に気付き、笑顔で俺に声をかけてきた。
「ボク、どうしたんだい? おじさんに何か聞きたい事でもあるのかい?」
西田さんは俺にそう聞いてきたので俺は思わず聞かなくてもいい事を口走ってしまった。
「おっ、おじさん!! ここの乗り物って、いつ新しく変わるの?」
俺は言ってしまってから『しまった!!』と後悔をしたが、それは後の祭りである。
「えっ、そうなの隆君?」
『つねちゃん』も驚いた声で俺に聞いてくるが、俺はなかなか返事が出来ない。
何故なら、この『痛恨のミス』をどう誤魔化そうかと頭の中をフル回転させていたからだ。
すると西田さんが笑いながら俺の頭を撫で、こう言った。
「ボク、凄いなぁ!! そんな関係者しか知らない様な事をよく知ってるねぇ……? そうなんだ。この『光のマジック』は今年の秋に取り壊しが決まっていてねぇ……そして来年の春に新しい『乗り物』がオープンする事になっているんだよ。しかしよく知っていたねぇ……」
「ぼ、僕の親戚に遊園地で働いている人がいて、その人から聞いたから……」
「ほぉぉ、そうなのかい? でもその親戚の人に伝えておいてくれないかい? 身内でも『企業秘密』は言うもんじゃないぞって……」
「は、はい、分かりました……」
俺はなんとか誤魔化せたのでホッとはしたが、西田さんに少し叱られた様な気分になり、うつむき加減で『光のマジック』の中へ入って行った。
中は暗く、客は全員円形の建物の端に手すりを持つ形で立っている。
そしてその円形の建物が少しずつ回転しだした。この建物自体が乗り物だったのだ。
暗かった建物の中に突然、色々な色の光が飛び回る。
回転もドンドン速くなり、光の動きも激しくなっていく。
これは『プラネタリウムの激しい版』だな。でもとても『神秘的』だ。
でも恐らく俺が本当の小学生ならあまり感動はしていないだろうな。
だからこの乗り物に子供の客が少ないんだろう……
俺が『大人』で、まして横に『大好きな人』がいるから余計にこの光が美しく見えるのであろう……
俺はチラッと『つねちゃん』の方を向く。
『つねちゃん』の顔が色々な色の光に当たり、それがとても美しかった。
ずっと眺めていたい……
俺がそう思いながら『つねちゃん』を見つめていると、『つねちゃん』が俺の視線に気付き、ニコッと微笑みながらこう言った。
「さっきのあのおじ様だけど、少し頭が固いところがあるみたいね。もしかしたら『元国鉄職員』とかだったりして……ウフッ、でも隆君は全然悪く無いんだから気にし無くて良いのよ……」
俺は『つねちゃん』の勘の良さに驚くと共に俺が落ち込んでいると思って慰める言葉をずっと考えてくれていたんだと思うと、俺は嬉しい気持ちになり、そして心がとても癒されるのであった。
秋で取り壊しが決まっている『光のマジック』……
捨てたもんじゃないな。俺はそう思いながら外に出た。
すると突然、俺達の背後から男性の声がした。
「あれ? 姉さん?」
――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
隆と『つねちゃん』はとても神秘的な時間を過ごせました。
隆の会いたいと思っていた一人とも感動?の再会を果たせましたしね(笑)
そしてその楽しい気持ちを一瞬で消してしまうかもしれない男性の声
果たして今後の展開は!?
次回も楽しみにしてくださいね(^_-)-☆
「あら? ここは中が見えない様になっているから、どんな乗り物か分かりづらいわね?」
「そ、そうだね……」
乗り物の名前は『光のマジック』というものらしい。
俺がアルバイトをしていた乗り物とは違う……
しかし、俺はようやく思い出した。
「そっか……俺がバイトしていた乗り物の前にやっていたやつだ。俺がバイトする何年か前に新しくなったって西野さんが言っていた様な気がする……」
「隆君今、何か言った?」
俺は心の中で呟いていたつもりだったが、どうも声に出していたらしい。
「えっ!? な、何も言って無いよ!! それよりもつねちゃん、早くこれに乗ろうよ!?」
なんとか誤魔化す為に今度は俺が慌てながら『つねちゃん』の腕を引っ張り、その『光のマジック』に乗る為に並んでいる列の所へ向かった。
「今日はゴールデンウイークなのに、この乗り物はあまり人が並んでなくて良かったわね?」
「そ、そうだね……」
『つねちゃん』は何気なく感想を言っているが『遊園地バイト経験者』の俺としては心が痛くなる言葉であった。
でもなるほどな……
一年で一番多くのお客さんが来るこのゴールデンウイークにこの客数じゃ、遊園地側も考えるよなぁ……
俺はこの乗り物の事を全然知らないが、そんなに人気が無いくらいに面白くないんだろうか……? なんか違う意味で興味が出て来たぞ……
そんな事を考えているうちに俺達の乗る順番がやって来た。
乗り物の入り口で、客から五十円つづりの金券を六枚分だけ受け取っているおじさんがいる。この人が『西田さん』だ。
『旧国鉄』……『この世界』ではまだ『旧』では無いが、西田さんはそこを定年してから、ここの遊園地で働く様になったと聞いている。
久しぶりだなぁ……懐かしいなぁ……
そしてこの時から『頑固親父』の雰囲気はかもしだしていたんだなぁ……
俺は懐かしさのあまり、西田さんの顔をマジマジと見てしまっていたので、西田さんも俺の『熱い視線』に気付き、笑顔で俺に声をかけてきた。
「ボク、どうしたんだい? おじさんに何か聞きたい事でもあるのかい?」
西田さんは俺にそう聞いてきたので俺は思わず聞かなくてもいい事を口走ってしまった。
「おっ、おじさん!! ここの乗り物って、いつ新しく変わるの?」
俺は言ってしまってから『しまった!!』と後悔をしたが、それは後の祭りである。
「えっ、そうなの隆君?」
『つねちゃん』も驚いた声で俺に聞いてくるが、俺はなかなか返事が出来ない。
何故なら、この『痛恨のミス』をどう誤魔化そうかと頭の中をフル回転させていたからだ。
すると西田さんが笑いながら俺の頭を撫で、こう言った。
「ボク、凄いなぁ!! そんな関係者しか知らない様な事をよく知ってるねぇ……? そうなんだ。この『光のマジック』は今年の秋に取り壊しが決まっていてねぇ……そして来年の春に新しい『乗り物』がオープンする事になっているんだよ。しかしよく知っていたねぇ……」
「ぼ、僕の親戚に遊園地で働いている人がいて、その人から聞いたから……」
「ほぉぉ、そうなのかい? でもその親戚の人に伝えておいてくれないかい? 身内でも『企業秘密』は言うもんじゃないぞって……」
「は、はい、分かりました……」
俺はなんとか誤魔化せたのでホッとはしたが、西田さんに少し叱られた様な気分になり、うつむき加減で『光のマジック』の中へ入って行った。
中は暗く、客は全員円形の建物の端に手すりを持つ形で立っている。
そしてその円形の建物が少しずつ回転しだした。この建物自体が乗り物だったのだ。
暗かった建物の中に突然、色々な色の光が飛び回る。
回転もドンドン速くなり、光の動きも激しくなっていく。
これは『プラネタリウムの激しい版』だな。でもとても『神秘的』だ。
でも恐らく俺が本当の小学生ならあまり感動はしていないだろうな。
だからこの乗り物に子供の客が少ないんだろう……
俺が『大人』で、まして横に『大好きな人』がいるから余計にこの光が美しく見えるのであろう……
俺はチラッと『つねちゃん』の方を向く。
『つねちゃん』の顔が色々な色の光に当たり、それがとても美しかった。
ずっと眺めていたい……
俺がそう思いながら『つねちゃん』を見つめていると、『つねちゃん』が俺の視線に気付き、ニコッと微笑みながらこう言った。
「さっきのあのおじ様だけど、少し頭が固いところがあるみたいね。もしかしたら『元国鉄職員』とかだったりして……ウフッ、でも隆君は全然悪く無いんだから気にし無くて良いのよ……」
俺は『つねちゃん』の勘の良さに驚くと共に俺が落ち込んでいると思って慰める言葉をずっと考えてくれていたんだと思うと、俺は嬉しい気持ちになり、そして心がとても癒されるのであった。
秋で取り壊しが決まっている『光のマジック』……
捨てたもんじゃないな。俺はそう思いながら外に出た。
すると突然、俺達の背後から男性の声がした。
「あれ? 姉さん?」
――――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
隆と『つねちゃん』はとても神秘的な時間を過ごせました。
隆の会いたいと思っていた一人とも感動?の再会を果たせましたしね(笑)
そしてその楽しい気持ちを一瞬で消してしまうかもしれない男性の声
果たして今後の展開は!?
次回も楽しみにしてくださいね(^_-)-☆
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