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第17章 誘惑と嫉妬編
第119話 初恋の人の未来はどう変わる?
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【佐々木の家に行った二日後の日曜日のエキサイトランド】
「うーん……残念だねぇ……せっかく佐々木さん、バイトも慣れて凄い戦力だったんだけどねぇ……」
根津さんがとても残念そうにしている。
そして西野さんもガッカリした表情をしていた。
まぁ、特に西野さんはマーコと一緒に乗り物券の受け取り係をしていたから当然だろう。
そんな中、三田さんだけは平静を装っているのか大人しかった。
すると根津さんが大塚に話かける。
「それで大塚さんにお願いがあるんだけどねぇ……所長にも相談したんだけど、もし大塚さんの友達でうちでバイトしてもいいって子がいたら紹介してくれないかなぁ……? もうすぐ夏休みだし、やっぱり人手が足りなくてさぁ……」
「えっ? ああ、いいですよ。心当たりが何人かいますから」
「おぉ、それは助かるよ!! 期待して待っているからね。でも一応、保険としてアルバイト募集の広告は出すつもりだけどさ……」
そんな二人の会話の後、西野さんが俺達に向かってこんなことを言ってくれた。
「五十鈴君、高山君、大塚さん、そして北川さん……お願いだから君達は辞めないでおくれ。私の一生のお願いだ!!」
西野さん……
「だ、大丈夫ですよ、西野さん。俺は高校卒業するまでは絶対に辞めませんから!!」
「ぼ、僕も辞める気は無いですよ。せっかく最近、『急流すべり』の操作をたまにさせてもらえるようになりましたし……ここのバイト、楽しいですし……」
高山がそう言うと、高山の事が好きな北川がチラっと高山の顔を見てから、
「私も辞めませんよ~っ!! 高山君と同じで『急流すべり』のお仕事楽しいですから」
すると少し前までバイトを辞める気でいた大塚は苦笑いをしながら答える。
「わ、私は分かりません。大学受験もありますし……でもこの夏休みの期間は絶対に辞めませんし、私が辞める時は代わりの子を見つけてから辞めるつもりですから……」
全員の返事を聞いた西野さんは目を細め嬉しそうな口調で、
「おう、そうかそうか。それは良かった。これで一安心だよ」
【次の日の月曜日】
やはり佐々木は学校に来なかった。
俺は前に佐々木が言っていた、お母さんと話し合うという言葉が気になっていた。
一体、佐々木は母親と何を話し合うのだろうか……
この日、大塚は数名の友達に『エキサイトランド』でのアルバイトの勧誘をしていたみたいだ。
そして俺の所に新しく次の日曜日から働く事になった人を連れてきたが、俺はその人の顔を見て驚いた。
「みっ、水井!?」
「エヘッ……い、五十鈴君、よろしくね?」
水井は照れた表情で俺に挨拶をしてきたが、俺は一つだけ水井に聞きたい事があったので聞いてみた。
「大丈夫なのかい? 日曜日のバイトだから上野となかなかデートとか行けないぞ」
「ハハハ……それは大丈夫。私達、別れたから!!」
「へっ!? わ、別れたって……早過ぎないか!?」
「えーっ? そうかなぁ……?」
まぁ、『前の世界』で俺と水井は付き合ったことがあったが、三ヶ月くらいで別れているので、上野と水井は俺からすれば続いた方だが、やはりビックリだ……
何故、別れたのか理由がとても気になるところだが、俺はあえて聞かない事にした。
「まぁ、とりあえずよろしくな。でも今度の日曜日は俺バイト休むんだよ。だから水井の初仕事を見る事は出来ないんだけどさ……」
「えっ、そうなの? それは残念だなぁ……五十鈴君に仕事内容を教えてもらおうと思ってたのに……」
水井は少し残念そうな表情をしていたが、大塚が「私が教えるから大丈夫よ」と言うと水井は苦笑いをしていた。
【火曜日】
今日も佐々木は来ていない。
しかし今日は朝のホームルームで衝撃の事実を知ることとなる。
担任の口から出た言葉に俺の身体が固まった。
「皆さんに残念なお知らせがあります……佐々木真由子さんなんですが……」
まっ、まさか……学校を辞めるんじゃ……
「佐々木さんはご家族の都合で福岡の高校に転校することになりました。二学期から福岡の高校に通うということです」
「 「 「えーーーっ!!??」 」 」
教室中がどよめく。
転校と分かった俺は意外と落ち着いている。
そういう『結果』になってしまうのか……
これが『この世界』での『少し変更された未来』なのか……
石田の『死』は避けれなかったが『死に方』は変える事ができた。
そして佐々木と離れる『運命』は変わりないが、『中退』ではなく『転校』……
なら、『つねちゃん』はどうなんるんだ?
『前の世界』では疎遠だった為に『つねちゃんの死』を看取ることも出来なかった俺が『この世界』では小さい頃からずっと今も繋がっている……
それだけでも『大きな変化』ではあるが、それだけで満足している場合じゃ無い。
一人の女子が担任に質問をする。
「佐々木さんはもうこの学校に来ないのですか? 夏休みはまだ一週間くらいありますが」
「うーん……先生もね、来て欲しいのだけど、本人が皆と顔を合わせるのが辛いからもう学校には来ないって言っていたわ。それに夏休み前に福岡に引っ越す予定らしくて準備もあるからって……」
「最後にお別れの挨拶したかったなぁ……」
「一緒に修学旅行に行きたかったなぁ……」
そんな声が教室中に飛び交っていた。
『前の世界』の佐々木とはバイトも一緒だったが、そんなに会話もすることなく同じクラスになった二年生から親しくなった俺……
修学旅行も一緒に行っている。
しかし勉強をあまりしてこなかった佐々木は確実に三年に進級出来ない事が分かると三学期途中で学校を中退してしまった。
そして俺の心にぽっかりと穴が空く日々が長く続いたのだ。
『この世界』の佐々木は一年生の『ホームルーム合宿』で出会い、そしてバイト先では最初からよく話す間柄になり、学校でもクラスは違ったが教室を行き来し合う仲で周りからは『あの二人は付き合っている』と誤解されていたくらいだ。
そして佐々木は『つねちゃん』と出会い、それがキッカケとなり『将来、幼稚園の先生になる』という目標を見つけ、あれだけ嫌いだった勉強を頑張る様になった。
毎週土曜日、『つねちゃん』の部屋での『勉強会』はとても楽しかった。
最初は『初恋の人』と『一番好きだった人』が同じ部屋にいることに戸惑いもあったが、いつの間にかそんな戸惑いも無くなり楽しく勉強をしていた日々……
そのお陰で『この世界』の佐々木は高校を中退することは無いと安心していた俺がいた。
しかし、まさかの『転校』という『未来』が待っていたとは……
やはり俺は佐々木と離れ離れになる『運命』なのだろう……
離れ離れ? そういえば、三田さんはどうするんだ? 『遠距離恋愛』をするのだろうか? まぁ、そこは俺が気にする必要も無いのだが……
ただ一つ言えることは『前の世界』での別れ方よりも『この世界』での別れ方の方がマシだってことだ。佐々木との別れが中退では無くなり、転校ということなのでこれからも勉強を頑張れば『幼稚園の先生になる夢』を叶えることもできるのだ。
そう思うと俺は少しだけホッとしているところもあった。
でも……あれだけ親しくしていた佐々木が……こうなる事が分かっていても……やはり寂しい気持ちになる俺もいる。
やはり最後に一度、佐々木に会って話がしたい。
そして俺の中の佐々木に対する感情をしっかり整理してから、『つねちゃん』と『あの男』との二度目のお見合いに臨みたいと思う俺であった。
――――――――――――――――――
お読みいただきありがとうございました。
まさかの佐々木の転校......
しかし意外と隆は冷静だった。
ただ、もう一度、佐々木に会って気持ちを整理してから『つねちゃん』達のお見合いに臨みたいという思いが沸いている。
果たしてこの『同時進行』ともいえる二つの問題を隆はどう乗り越えて行くのか?
どうぞ次回もお楽しみに。
「うーん……残念だねぇ……せっかく佐々木さん、バイトも慣れて凄い戦力だったんだけどねぇ……」
根津さんがとても残念そうにしている。
そして西野さんもガッカリした表情をしていた。
まぁ、特に西野さんはマーコと一緒に乗り物券の受け取り係をしていたから当然だろう。
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すると根津さんが大塚に話かける。
「それで大塚さんにお願いがあるんだけどねぇ……所長にも相談したんだけど、もし大塚さんの友達でうちでバイトしてもいいって子がいたら紹介してくれないかなぁ……? もうすぐ夏休みだし、やっぱり人手が足りなくてさぁ……」
「えっ? ああ、いいですよ。心当たりが何人かいますから」
「おぉ、それは助かるよ!! 期待して待っているからね。でも一応、保険としてアルバイト募集の広告は出すつもりだけどさ……」
そんな二人の会話の後、西野さんが俺達に向かってこんなことを言ってくれた。
「五十鈴君、高山君、大塚さん、そして北川さん……お願いだから君達は辞めないでおくれ。私の一生のお願いだ!!」
西野さん……
「だ、大丈夫ですよ、西野さん。俺は高校卒業するまでは絶対に辞めませんから!!」
「ぼ、僕も辞める気は無いですよ。せっかく最近、『急流すべり』の操作をたまにさせてもらえるようになりましたし……ここのバイト、楽しいですし……」
高山がそう言うと、高山の事が好きな北川がチラっと高山の顔を見てから、
「私も辞めませんよ~っ!! 高山君と同じで『急流すべり』のお仕事楽しいですから」
すると少し前までバイトを辞める気でいた大塚は苦笑いをしながら答える。
「わ、私は分かりません。大学受験もありますし……でもこの夏休みの期間は絶対に辞めませんし、私が辞める時は代わりの子を見つけてから辞めるつもりですから……」
全員の返事を聞いた西野さんは目を細め嬉しそうな口調で、
「おう、そうかそうか。それは良かった。これで一安心だよ」
【次の日の月曜日】
やはり佐々木は学校に来なかった。
俺は前に佐々木が言っていた、お母さんと話し合うという言葉が気になっていた。
一体、佐々木は母親と何を話し合うのだろうか……
この日、大塚は数名の友達に『エキサイトランド』でのアルバイトの勧誘をしていたみたいだ。
そして俺の所に新しく次の日曜日から働く事になった人を連れてきたが、俺はその人の顔を見て驚いた。
「みっ、水井!?」
「エヘッ……い、五十鈴君、よろしくね?」
水井は照れた表情で俺に挨拶をしてきたが、俺は一つだけ水井に聞きたい事があったので聞いてみた。
「大丈夫なのかい? 日曜日のバイトだから上野となかなかデートとか行けないぞ」
「ハハハ……それは大丈夫。私達、別れたから!!」
「へっ!? わ、別れたって……早過ぎないか!?」
「えーっ? そうかなぁ……?」
まぁ、『前の世界』で俺と水井は付き合ったことがあったが、三ヶ月くらいで別れているので、上野と水井は俺からすれば続いた方だが、やはりビックリだ……
何故、別れたのか理由がとても気になるところだが、俺はあえて聞かない事にした。
「まぁ、とりあえずよろしくな。でも今度の日曜日は俺バイト休むんだよ。だから水井の初仕事を見る事は出来ないんだけどさ……」
「えっ、そうなの? それは残念だなぁ……五十鈴君に仕事内容を教えてもらおうと思ってたのに……」
水井は少し残念そうな表情をしていたが、大塚が「私が教えるから大丈夫よ」と言うと水井は苦笑いをしていた。
【火曜日】
今日も佐々木は来ていない。
しかし今日は朝のホームルームで衝撃の事実を知ることとなる。
担任の口から出た言葉に俺の身体が固まった。
「皆さんに残念なお知らせがあります……佐々木真由子さんなんですが……」
まっ、まさか……学校を辞めるんじゃ……
「佐々木さんはご家族の都合で福岡の高校に転校することになりました。二学期から福岡の高校に通うということです」
「 「 「えーーーっ!!??」 」 」
教室中がどよめく。
転校と分かった俺は意外と落ち着いている。
そういう『結果』になってしまうのか……
これが『この世界』での『少し変更された未来』なのか……
石田の『死』は避けれなかったが『死に方』は変える事ができた。
そして佐々木と離れる『運命』は変わりないが、『中退』ではなく『転校』……
なら、『つねちゃん』はどうなんるんだ?
『前の世界』では疎遠だった為に『つねちゃんの死』を看取ることも出来なかった俺が『この世界』では小さい頃からずっと今も繋がっている……
それだけでも『大きな変化』ではあるが、それだけで満足している場合じゃ無い。
一人の女子が担任に質問をする。
「佐々木さんはもうこの学校に来ないのですか? 夏休みはまだ一週間くらいありますが」
「うーん……先生もね、来て欲しいのだけど、本人が皆と顔を合わせるのが辛いからもう学校には来ないって言っていたわ。それに夏休み前に福岡に引っ越す予定らしくて準備もあるからって……」
「最後にお別れの挨拶したかったなぁ……」
「一緒に修学旅行に行きたかったなぁ……」
そんな声が教室中に飛び交っていた。
『前の世界』の佐々木とはバイトも一緒だったが、そんなに会話もすることなく同じクラスになった二年生から親しくなった俺……
修学旅行も一緒に行っている。
しかし勉強をあまりしてこなかった佐々木は確実に三年に進級出来ない事が分かると三学期途中で学校を中退してしまった。
そして俺の心にぽっかりと穴が空く日々が長く続いたのだ。
『この世界』の佐々木は一年生の『ホームルーム合宿』で出会い、そしてバイト先では最初からよく話す間柄になり、学校でもクラスは違ったが教室を行き来し合う仲で周りからは『あの二人は付き合っている』と誤解されていたくらいだ。
そして佐々木は『つねちゃん』と出会い、それがキッカケとなり『将来、幼稚園の先生になる』という目標を見つけ、あれだけ嫌いだった勉強を頑張る様になった。
毎週土曜日、『つねちゃん』の部屋での『勉強会』はとても楽しかった。
最初は『初恋の人』と『一番好きだった人』が同じ部屋にいることに戸惑いもあったが、いつの間にかそんな戸惑いも無くなり楽しく勉強をしていた日々……
そのお陰で『この世界』の佐々木は高校を中退することは無いと安心していた俺がいた。
しかし、まさかの『転校』という『未来』が待っていたとは……
やはり俺は佐々木と離れ離れになる『運命』なのだろう……
離れ離れ? そういえば、三田さんはどうするんだ? 『遠距離恋愛』をするのだろうか? まぁ、そこは俺が気にする必要も無いのだが……
ただ一つ言えることは『前の世界』での別れ方よりも『この世界』での別れ方の方がマシだってことだ。佐々木との別れが中退では無くなり、転校ということなのでこれからも勉強を頑張れば『幼稚園の先生になる夢』を叶えることもできるのだ。
そう思うと俺は少しだけホッとしているところもあった。
でも……あれだけ親しくしていた佐々木が……こうなる事が分かっていても……やはり寂しい気持ちになる俺もいる。
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そして俺の中の佐々木に対する感情をしっかり整理してから、『つねちゃん』と『あの男』との二度目のお見合いに臨みたいと思う俺であった。
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ただ、もう一度、佐々木に会って気持ちを整理してから『つねちゃん』達のお見合いに臨みたいという思いが沸いている。
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