異世界定食屋 八百万の日替わり定食日記 ー素人料理はじめましたー 幻想食材シリーズ

夜刀神一輝

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山菜そば

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 うなぎ、イールを食べ終わって、その日は解散になった。 
 
 うなぎが銅貨一枚、つまりは百円で5匹も買えるなら、頑張ってウナギ屋やってもいいかなとか思ったけど、そんな本格的にお店をやるって気がしているわけでもない、家にねねやリリを食べさせてあげるだけで、俺の寂しさも吹き飛んでいるので、しっかりかっちり飲食店やるぞ!って感じでもない。 
 
 それに多分商業ギルドとか言う、昨日見た大きなギルドで飲食店をやる場合多分登録などが必要になってくるだろう、串焼きの男の人も屋台を出すのに届け出を出したって話を聞いたし。 
  
 それに肉屋、この世界の肉はいっちゃあ悪いが質が悪い、肉屋の店先に並んでいる枝肉が紫色に変色してたりするので、血抜きがしっかりされてない、飲食店をやる以上素材の確保が重要になってくるけど、あの肉は無理だ、無理を言ってでも冒険者に血抜き作業してもらわないと。 
 
 リリが言うには、高級な肉、新鮮な肉には浄化の魔法をかけてもらって、悪い菌を殺すのだとか、浄化の魔法をかけてもらった肉は臭くなくて、本当に美味しいけど、浄化の魔法を使えるのは教会の神官のみで、たまに冒険者にも使える人がいるけど、聖職者と野良の冒険者では効き目も違うのだとか、浄化の魔法かぁ・・・俺も覚えれたりしないかな? 
 
 教会では浄化、治癒、洗浄、解毒などの魔法を覚える事が出来るが、教会でちゃんと学習して覚えるのと、高いお布施をして覚えるのではやはり効果が違ってくると言う、中には冒険者でも高度な浄化の魔法を使いこなす者もいるらしいが、元が医者だったり薬師だったりと言う人達ばかりが、高度な浄化や治癒を使うと言う。 
 
 もしかして魔法への理解度や、医学知識の多さなどで効果が変わるのだろうか? 
 
 それなら現代知識のある俺もワンチャンあるんじゃないかと思う、だが浄化や治癒の魔法は高価で金貨5枚もすると言う、5万か・・・貯金を切り崩せば出せない事はない。 
 
 浄化、治癒、解毒のこの三つはちょっとほしいかな?と思う、本当に何があるかわからないし、金に物言わせて、魔法が覚えられるなら、それに越したことはない、ただ金貨5枚払って、貴方異世界人なんで魔法なんてつかえませ~んとか言われたら、結構ショックだ。 
  
 試すだけ試すにしても、5万消えて返ってこない上に覚えれなかった、流石に痛いなぁ・・。 
 
 そんな事を考えていると、店側のドアが勢いよく開けられる。 
 
 「お兄ちゃん!?」 
 
 「びっくりしたよ~、ねね、ドア開ける時は静かに開けておくれ、心臓に悪い・・・」 
 
 「ごめんなさい・・・聞いてよ!?」 
 
 耳をピコピコ動かしながら、唸る時の犬の様に顔にしわが出来ている、俺は頭をとんとんと撫で、何があったか聞く事にした。 
 
 「誰もイールが美味しいって事信じてくれないんだよ!?みんながねねなんかいい匂いするって言うから、昨日イールを食べたって!?美味しかったって言ったの!そしたらみんながイールなんてうまく無いって、ゼリー寄せなんて特に酷い、安いのと大きいのでなんでも食える奴しか食わないって!馬鹿にするの!大人の人もだよ!酷いと思わない!?」 
 
 あぁ~・・・でも仕方ないんじゃないだろうか?外国でも喜んで食うって人は中々いないし、異世界じゃなおさらだろうなぁ、イタリアなんかでは住んでる場所によっては、トマト煮にしたり結構なれているって話聞くけど、大多数の人からしたらやっぱり食わないって意見の方が多いくらいだしなぁ。 
 
 「まぁ仕方ないよ、ねねだって昨日のウナギ食べるまで、美味しい物だとは思わなかったでしょ」 
 
 「それは・・・そうだけども・・・ぬぎいいいい!くやしいぃぃぃぃぃい!」 
 
 駄々をこね始めた・・・こればっかりはなぁ。 
 
 そういえば、もうそろそろ昼だな、今日は簡単にそばを茹でよう、あく抜きした山菜もいれようかな、タラの芽にウド、こごみにゼンマイ、残っている山芋をすり下ろして、お好みでそばにかけてもらって食べようか。 
 
 「・・・・美味しそうな匂い・・・」 
 
 「そばつゆの匂いだね、お昼ご飯にするから、リリ呼んできな」 
 
 「は~い」 
 
 暖かくなってきたのに、温かいそばを作ってしまった。 
 
 しばらくすると、ねねに手を引かれてリリがやってきた、テーブルにはもう用意してある、俺は箸でたべるけど、二人は無理そうだからフォークを置いておく。 
 
 「お邪魔します。斗真さん」 
 
 「はいよ、準備できてるよ。食べようか、そば」 
 
 「わぁ、麺だぁ!おねぇちゃん、これ私が初めてここで食べた麺だよ!」 
 
 「これが麺ですか?」 
 
 「麺だけど、その中でもそばって食べ物だね。すすって食べるんだけど、フォークで巻いて食べるといい」 
 
 「いただきま~す!んん?あれ?もぐもぐっこの間のと味が違う!辛くない!このスープも美味しい!」 
 
 市販のそばつゆ・・・美味しいよね、万能調味料に分類してもいいくらい。 
 
 「これ、山菜ですか?程よく苦くて美味しい!」 
 
 「ああ!山芋すり下ろしたのも用意したんだ!試してみて、ねばねばが嫌いなら無理にとは言わないよ」 
 
 「山芋のすりおろし・・・こんなに粘々になるんですね、昨日のは形があってサクサクしてましたけど、あっこのスープに凄く合いますね!」 
 
 「私も少しいれてみよう!」 
 
 「のど越しもいいし、何より体にいいんだよ」 
 
 「ほんとだ!とろりとしてる!ねねこれ嫌いじゃないよ!」 
 
 山芋美味しいよね、長芋も好きだし、サトイモも好きだなぁ。 
 
 「今日は午後どうしますか?」 
 
 「あ~午後はちょっと仕事して、3時、3の鐘の頃にまた昨日の魚屋さんにいってみようかな?お肉屋さんも気になるしね」 
 
 「わかりました。3の鐘に迎えに来ますね」 
 
 「ねねも!ねねもいくよ~!」 
 
 「ああ、一緒にいこう、また面白い物みつかるかもしれないし」 
 
 ぶらぶら歩いてみるだけでも、結構面白いもんだしな。
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