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リオとリリス
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あの後ボクはリリスを連れて家へ連れて帰った。
リリスは落ち着かないようで暫く椅子に座ってモジモジしたり、ボクの後をついて歩いたりしていたが今は本を読んでいた。
さて、そろそろ昼ごはんの準備をしようかな。
「リリス、何か食べたいものある?」
一応聞いてみたら本を足に押し当ててきた。それは色々なベリーがはいったパイだった。
「…これ!これたべたい!」
「ははっ リリスは甘い物たべたいの?」
目をキラキラさせてうなずいた。だが、お昼ご飯としてはとても不釣り合いだったた。
「他は?」
「…パン」
「パン?…じゃあサンドイッチにしない?」
「…サンドイッチたべたい!」
「わかった!作るから手伝ってくれない?」
「…てつだう!」
畑に行って野菜を取ってくると、リリスはそれを切らせろと言わんばかりに包丁をブンブンと振っていた。苦笑いをして優しく包丁を取り上げ、切り方を教えた。リリスはとても器用で物覚えもよかった。野菜を切る時のザクザクしたのが気に入って切らなくてもよいレタスの根っこを細かくなるまで切っていた。野菜を切った後、パンにバターをぬってリリスに好きなものを挟むように言ってから渡した。キャベツ、トマト、レタス、ハム、卵、他にもフルーツをいくつか用意されている具材達はどれもみずみずしく、とても美味しそうだ。目をキラキラとさせてどんどんとサンドイッチを作っていく。大丈夫だな、と思い使った皿やまな板を洗っていると服をグイッと引っ張られた。若干転びそうになる程引っ張られ、ビクッとする。
「びっくりしたー、どうかしたの?」
「…」
「終わった?」
「…あのね」
「うん」
「…」
リリスはモジモジもして言いずらそうにしていた。どうしたんだろう、怪我でもしたのかな!?
無言が続き、その間ずっと不安なことが駆け巡り不安で仕方ない。苦手なものでもあった?虫でもいた?具合い悪くなったの?なんだ!なんだ!どうしたんだ!
暫くボクがわなわなとしているとリリスが口を開いてくれた
「…あのっ」
「ん?」
「………にんじん…たべたい」
「ああ!ニンジンね!!」
「…ある?」
「あるとも!ごめんね!気づかなくて!」
「…ううん」
なんだ…サンドイッチの具か!あー、びっくりしたー
そう言えばうさぎの主食はニンジンなどを中心とした野菜類だ。そんなことも忘れていたなんて…。
とりあえずまた畑に行き、ニンジンをとってきて煮たニンジンを簡単に切り渡した。すると残りのサンドイッチは全部ニンジンだらけにされてしまったので残った野菜はサラダにした。はぐはぐと頬張る様子を見る限りお腹が空いていたようだ。何はともあれ話すようになってくれたし馴染んでくれたようで、とても嬉しい。
あと片付けをした後、ボクはパトロールに行かなくては行けなかったため、マシュの家にリリスを預けることにした。
「…どこに行くの?」
「マシュの家だよ」
「…?」
「ああ、マシュは昨日あったクマだよ。忘れちゃったかな?」
「…くま…ましゅ…」
「行けばわかるはずだよ」
「…うん」
マシュの家は花畑を通って行くと近い。リリスもいるから丁度いい、そっちを通るとするか。リリスはおんぶされながら、あれは何?きれいだね。と沢山話していた。リリスは初めて見る植物はボクに訪ねて来た。教えてあげると繰り返して言い、覚えていた。こうして見ると、妹が出来たみたいでなんだか嬉しい。
あっという間にマシュの家まで来てしまった。ドアをノックすると転んだようなドシン!という音がしてからドアが開いた。
「いてて…誰だい? これはこれは、リオじゃないか」
「…わたしもいるわ」
「と、リリスちゃん!ご要件は?」
「やあ、マシュ。ボクこれからパトロールなんだよ、だからリリスの事お願いできないかな?終ったらすぐ来るからさ」
「なんだ!いいとも!」
「リリス、いいかい?」
二人の話を聞いていたはずなのにリリスは首をかしげた。
「ボクがパトロールをしている間、マシュの家で待っていてくれないかな?」
するとリリスは首を左右に振った。
「…わたしも行きたい、一緒じゃだめかな?」
リリスはボクの服をぎゅっと掴んで陰に隠れていた。どうしよう。かわいいな。
「結構歩くよ?大丈夫なの?」
「…うん」
「仕方ないな…」
とりあえず連れて行くことにした。
リリスは落ち着かないようで暫く椅子に座ってモジモジしたり、ボクの後をついて歩いたりしていたが今は本を読んでいた。
さて、そろそろ昼ごはんの準備をしようかな。
「リリス、何か食べたいものある?」
一応聞いてみたら本を足に押し当ててきた。それは色々なベリーがはいったパイだった。
「…これ!これたべたい!」
「ははっ リリスは甘い物たべたいの?」
目をキラキラさせてうなずいた。だが、お昼ご飯としてはとても不釣り合いだったた。
「他は?」
「…パン」
「パン?…じゃあサンドイッチにしない?」
「…サンドイッチたべたい!」
「わかった!作るから手伝ってくれない?」
「…てつだう!」
畑に行って野菜を取ってくると、リリスはそれを切らせろと言わんばかりに包丁をブンブンと振っていた。苦笑いをして優しく包丁を取り上げ、切り方を教えた。リリスはとても器用で物覚えもよかった。野菜を切る時のザクザクしたのが気に入って切らなくてもよいレタスの根っこを細かくなるまで切っていた。野菜を切った後、パンにバターをぬってリリスに好きなものを挟むように言ってから渡した。キャベツ、トマト、レタス、ハム、卵、他にもフルーツをいくつか用意されている具材達はどれもみずみずしく、とても美味しそうだ。目をキラキラとさせてどんどんとサンドイッチを作っていく。大丈夫だな、と思い使った皿やまな板を洗っていると服をグイッと引っ張られた。若干転びそうになる程引っ張られ、ビクッとする。
「びっくりしたー、どうかしたの?」
「…」
「終わった?」
「…あのね」
「うん」
「…」
リリスはモジモジもして言いずらそうにしていた。どうしたんだろう、怪我でもしたのかな!?
無言が続き、その間ずっと不安なことが駆け巡り不安で仕方ない。苦手なものでもあった?虫でもいた?具合い悪くなったの?なんだ!なんだ!どうしたんだ!
暫くボクがわなわなとしているとリリスが口を開いてくれた
「…あのっ」
「ん?」
「………にんじん…たべたい」
「ああ!ニンジンね!!」
「…ある?」
「あるとも!ごめんね!気づかなくて!」
「…ううん」
なんだ…サンドイッチの具か!あー、びっくりしたー
そう言えばうさぎの主食はニンジンなどを中心とした野菜類だ。そんなことも忘れていたなんて…。
とりあえずまた畑に行き、ニンジンをとってきて煮たニンジンを簡単に切り渡した。すると残りのサンドイッチは全部ニンジンだらけにされてしまったので残った野菜はサラダにした。はぐはぐと頬張る様子を見る限りお腹が空いていたようだ。何はともあれ話すようになってくれたし馴染んでくれたようで、とても嬉しい。
あと片付けをした後、ボクはパトロールに行かなくては行けなかったため、マシュの家にリリスを預けることにした。
「…どこに行くの?」
「マシュの家だよ」
「…?」
「ああ、マシュは昨日あったクマだよ。忘れちゃったかな?」
「…くま…ましゅ…」
「行けばわかるはずだよ」
「…うん」
マシュの家は花畑を通って行くと近い。リリスもいるから丁度いい、そっちを通るとするか。リリスはおんぶされながら、あれは何?きれいだね。と沢山話していた。リリスは初めて見る植物はボクに訪ねて来た。教えてあげると繰り返して言い、覚えていた。こうして見ると、妹が出来たみたいでなんだか嬉しい。
あっという間にマシュの家まで来てしまった。ドアをノックすると転んだようなドシン!という音がしてからドアが開いた。
「いてて…誰だい? これはこれは、リオじゃないか」
「…わたしもいるわ」
「と、リリスちゃん!ご要件は?」
「やあ、マシュ。ボクこれからパトロールなんだよ、だからリリスの事お願いできないかな?終ったらすぐ来るからさ」
「なんだ!いいとも!」
「リリス、いいかい?」
二人の話を聞いていたはずなのにリリスは首をかしげた。
「ボクがパトロールをしている間、マシュの家で待っていてくれないかな?」
するとリリスは首を左右に振った。
「…わたしも行きたい、一緒じゃだめかな?」
リリスはボクの服をぎゅっと掴んで陰に隠れていた。どうしよう。かわいいな。
「結構歩くよ?大丈夫なの?」
「…うん」
「仕方ないな…」
とりあえず連れて行くことにした。
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