天月記(旧:異世界の神に嫌われた男はゲームのステータスを手に入れて無双します。[改稿版])

徒花幸介

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序章 理不尽と無力、そして希望

第1話[2月13日大幅修正]

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教室の床から発せられた光が私たちを包み込んだ。

俺は床にたたきつけられるような感じがし、目を覚ました。
あまりのことに、言葉を発せられなくなった俺の前には、玉座に座っている神々しい女性がいた。
その女性は俺のほうを強くにらみ、こう言った。

「お前だけは、必ず殺す」
その言葉に俺は驚き、何か言い返してやる。そう思って言葉を発しようとした瞬間。視界が暗転し、何も言えないまま、意識を落とした。




次に目が覚めると、俺はだだっ広い庭に放り出されていた。
いきなり変化した状況に焦っている俺らに対し、周りにいる鎧を着た奴らは、疲れ果てているドレスを着た女を褒め称えていた。



そんな中、如月先生は誰よりも早く落ち着き、周りの者にこの状況について問いただしていた。

「すまない。いきなりのことで私たちは何がなんだかわかっていない。説明をしてほしい。いや、そもそも私が言っていることはわかるか?」

「言葉は通じている。詳しい事情は、後ほど説明させてもらいたい。なにぶん今は姫さまを休ませなければいけない。」
と騎士の男が言った。

「わかった。それまで私たちは何をしていればいい?」

「待機する場所がある。いま、部下に案内をさせよう。ファメル!この方々を案内しろ」
その言葉に青髪の好青年が走ってきた。

「了解しました。団長」
ファメルという男は、そう言って敬礼をし、
「では、こちらへ」
俺らを案内し始めた。

俺たちが連れてこられた場所はかなり豪勢であり、一般的な暮らしではないことがわかる。城?と思われる場所は中世ヨーロッパかと思わせるものであった。
そんなことを考えていると、龍ちゃんが俺のほうに近づいてきた。

「宗ちゃん。これって、異世界転移だよな?」

「おそらくな。もしくは、過去に戻ったかだ。ただ、龍ちゃんのほうであってるだろうな。俺たちの地球の歴史において、魔法があったなんて、うわさや伝記程度でしか聞いたことがない。」

「だよな。で、どうする?この中で落ち着いてこの状況について考えている奴はそんなにいないと思うけど。」
龍司は顎に手を当てながら、うーんと言った。

「説明は龍司にお願いしたい。俺が言うより、龍ちゃんが言ったほうがいいだろ?」
俺の言葉に龍司は驚きながらも、すぐに納得した顔になった。

「わかった。いつも通りだな。任せろ」
俺たちがそんなことを話していると、俺たちは、三メートル近くある扉の前についた。

「こちらが客室です。かなり広いので、寛げるかと。後ほど団長がお伺いすると思うのでそれまで少し休んでいてください。」
そう言ってファメルは去っていった。

客室はかなり広く、俺たち生徒が全員入ってもまったく、狭いと感じることはなかった。
俺がそんなことを思いながら部屋を見ていると、如月先生が立ち上がり全員のほうを見た。

「お前たち、全員無事か?」

「「「「はい」」」」
如月先生の声に、その場にいた全員が答えた。

「正直何が起きているのか先生には全くわからない。ただ一つ言えることは「ここは俺たちのいた世界じゃない」そういうことだ。倉木。」
先生の話に割り込んだのは龍ちゃんだった。

「じゃあ、何?あーしたち帰れないの!?」
そう聞いたのはギャル集団のリーダー
蓮見奈緒だ。

「そういう…わけじゃ…ないと思う…よ。」
この子は新山佳子。図書室とかにいる系の大人しい女子だ。

「インキャは黙っててくんない?
私今日彼氏とデートの予定だったんだけど~。まじむかつく」

「静かにするのはお前だよ。蓮見」
この譲許にかなり楽観的な蓮見に、龍司は怒りを見せた。

「何?龍司は私じゃなくインキャちゃんの味方な訳?」

「一方に肩入れするつもりじゃない。今必要なのはこの状況を整理してより良い判断をするってことだ。お前一人の都合に合わせている場合じゃない。」
龍司は結構怒っているようで、かなり語気が強い。

「あっそ」
そんな龍司に押し負けたのか、蓮見は引いた。

「とりあえず、倉木が言った通りだ。今はクラス全体が協力する必要がある。まずは、可能性をいくつかあげよう。」
如月先生が全体を見回すと、龍司が手を挙げた。

「なんだ、倉木?」

「可能性なら、『魔王のせいで大変だから魔王を助けてくれ』か『戦争のための兵器』の二択だろ。」
龍司は落ち着いた声で全員に向けてそう告げた。

しかし、龍司が出した二択は正直なところ絶望視だ。なぜならどちらにしろ、俺たちが戦わなければいけないからだ。
多分、龍司は俺ら全員がなんらかの特殊な能力を持っているはずだと考えている。なぜならこういった場合、俺たちがほかの人間より優位性を持っていなければ、俺たちを呼ぶ理由がない。
それにほかの世界への干渉をするということはかなりの代償を払う行為のはずだ。それは、俺たちが一番初めに見た、疲れ果てている女性を見ればよく分かる。

「倉木、お前がそう思う理由は?」
如月先生が少し怒りを含む表情で、龍司に問いただした。

「そうじゃなきゃ、俺たちを呼ぶ理由がない。そうでしょう?」

「そうか。倉木のいうことはごもっともだな。」
龍司に言葉に先生は納得したようだった。

「ありがとうございます。俺の予想ですがこの後、俺たちは王様の前に連れていかれて、俺らを呼んだ理由を告げてくると思います。それを聞いてから、これからの行動を決めるべきです。」

「わかった。みんな倉木のいうとおりだ。ただ、自分の身の安全を第一に考えろ。私たちはお前たちを優先するが、それを強要するつもりはない。」

「「「「「「はい!!!!!!」」」」」」
如月先生の漢気に満ちた発言に、生徒全員が力強く返事した。

クラスメイトの団結力が高まったところで、部屋のドアがコンコンと鳴り、先ほどの、目が覚めた時に一番初めにしゃべっていた騎士が入ってきた。

「お待たせしました。王がお待ちです。謁見の間までご案内します。」
騎士の男は俺らに向けて、そう告げた。

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