96 / 303
忍び寄る影
7-13
しおりを挟む
冬樹は一瞬、何が起きたのか分からなかった。
頭がガンガンする…。
痛む背中と後頭部への衝撃で朦朧としているところに、闇の中に潜む相手の腕が伸びて来て、首元を締め上げてきた。
「……くっ!」
反射的に『ヤバイ』…と思いつつも、すぐに反応出来ずにその腕を引き離そうと、もがくだけに終わる。
(くそっ。泥棒か何かかっ?…何でっこんなところに…)
その闇の中の人物は、冬樹の自由を奪う程度の力具合で締め上げながら、低い声で問い掛けてきた。
「…データは何処だ?」
「なっ…に…?」
低い声。声を聞く限りでは、成人男性の声のようだった。
微かに煙草の匂いがする。
「…お前の親父から預かっているデータだ。…何処にある?」
(データ?…仕事の関係者か何かか…?)
「し…知らなっ…」
何のことか分からずに、そう答えると、
「嘘をつくなっ」
男は僅かに声を荒げて、腕に力を込めて来た。
「う…っ…」
その腕を引き剥がそうとするが敵わない。
男の手に爪を立るてようにしても、手袋のようなものがはめられているので大したダメージは与えられない。
「…くっ…」
「…最近になってお前が持ち出したことは全部分かってるんだぜ?以前は見つからなかったこの部屋の隠し扉が開いていたからな。まさか、あんな所に扉が隠されてたとは、流石に驚いたぜ…」
男は、苦しむ冬樹の顔のすぐ真上から見下ろすように話し掛けてくる。男の煙草臭い吐息を目の前に感じて、冬樹は不快感で一杯だった。
それに…。
(隠し扉…?そんなものが、この部屋に?)
男の言っていること、何もかもが分からない。
「そ…んな…のっ…、知らな…」
「強情だなっ。…だが、そろそろこちらも本腰入れて掛からないと、命懸かってるんでな。…殺しはしない。全部吐いてもらうぜ?データの在り処をなっ」
「……っ…」
息が出来なくて、苦しくて…。
暗闇で殆ど何も見えないけれど、涙で視界がにじんだ。
(も…う……)
次第に、意識に霞が掛かり始めたその時。
遠くで、ガチャ…という玄関のドアが開く音と共に。
「冬樹ー?」
雅耶が自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
頭がガンガンする…。
痛む背中と後頭部への衝撃で朦朧としているところに、闇の中に潜む相手の腕が伸びて来て、首元を締め上げてきた。
「……くっ!」
反射的に『ヤバイ』…と思いつつも、すぐに反応出来ずにその腕を引き離そうと、もがくだけに終わる。
(くそっ。泥棒か何かかっ?…何でっこんなところに…)
その闇の中の人物は、冬樹の自由を奪う程度の力具合で締め上げながら、低い声で問い掛けてきた。
「…データは何処だ?」
「なっ…に…?」
低い声。声を聞く限りでは、成人男性の声のようだった。
微かに煙草の匂いがする。
「…お前の親父から預かっているデータだ。…何処にある?」
(データ?…仕事の関係者か何かか…?)
「し…知らなっ…」
何のことか分からずに、そう答えると、
「嘘をつくなっ」
男は僅かに声を荒げて、腕に力を込めて来た。
「う…っ…」
その腕を引き剥がそうとするが敵わない。
男の手に爪を立るてようにしても、手袋のようなものがはめられているので大したダメージは与えられない。
「…くっ…」
「…最近になってお前が持ち出したことは全部分かってるんだぜ?以前は見つからなかったこの部屋の隠し扉が開いていたからな。まさか、あんな所に扉が隠されてたとは、流石に驚いたぜ…」
男は、苦しむ冬樹の顔のすぐ真上から見下ろすように話し掛けてくる。男の煙草臭い吐息を目の前に感じて、冬樹は不快感で一杯だった。
それに…。
(隠し扉…?そんなものが、この部屋に?)
男の言っていること、何もかもが分からない。
「そ…んな…のっ…、知らな…」
「強情だなっ。…だが、そろそろこちらも本腰入れて掛からないと、命懸かってるんでな。…殺しはしない。全部吐いてもらうぜ?データの在り処をなっ」
「……っ…」
息が出来なくて、苦しくて…。
暗闇で殆ど何も見えないけれど、涙で視界がにじんだ。
(も…う……)
次第に、意識に霞が掛かり始めたその時。
遠くで、ガチャ…という玄関のドアが開く音と共に。
「冬樹ー?」
雅耶が自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
月弥総合病院
御月様(旧名 僕君☽☽︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる