【完結】ツインクロス

龍野ゆうき

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罪と願いと…

18-12

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別荘に到着して車から降りると、冬樹は周囲を見渡した。
そこは八年経った今でも、記憶にあるものと然程変わらなかった。

(でも、何だかさびれた感じがする、かな…)

年月が経てば、その分建物等が古くなっていくのは分かる。だが、それだけではない…何故だか寂しい印象を受けた。
その違いが何なのかを考えながら眺めていると、力に名を呼ばれる。
「こっちだ」と親指を立てて行先を示すと、力はそのまま歩き出した。例の温室のある庭の方へと向かっているようだった。
冬樹は素直にその後をついて行く。
ガレージに一人残された運転手が、そんな二人を静かに見送っていた。

昔父に連れられて来ていた頃は、深く考えてもいなかったので分からなかったが、そのガラス張りの温室は、かなりしっかりした設備で、それが幾つも並んでいるその光景は、通常の別荘というものとは違う、独特な雰囲気を醸し出していた。

(…これが、薬草園…?)

そのガラス張りの建物に近寄って中を覗いてみようとするが、中は暗くてよく見えない。
すると、横から声が掛かった。
「そこは違う。こっちだ」
力が向こうで振り返って立ち止まっている。
だが、背を向けて再びさっさと歩き出してしまい、冬樹は慌てて後を追った。
そうして力のすぐ後ろに追いつくと、力は前を向いたまま口を開いた。
「さっきのあれは…母のハーブ園なんだ。あれ以外は全て薬草園になっている」
そう無表情で語る力に冬樹は無言で耳を傾けていたが、ふと疑問が湧いた。
「そう言えば…お前のお母さんって…?」
再会してから母親の話しは全然聞かなかった気がして、何となく不思議に思ったのだ。
だが、力は不意に足を止めると。
「7年前に死んだよ…」
と、思ってもみなかった言葉を呟いた。
「………っ?」
冬樹も驚いてその場に立ち止まる。
「病気だった。もともと身体が弱かったらしいんだけどな。俺が小さな頃から心臓の病気を患っていたんだ」
(心…臓…?)
「それでも、ずっと落ち着いていたんだ。だが、急に病状が急変して…。それからは、あっという間だった」
どこか無表情なまま語る力は、見ていて痛々しくて。
冬樹は余計なことを聞いてしまったことを後悔した。
「ご…めん。知らなくて…。余計なこと聞いた…」
「いや。いいんだ」
力はそれだけ言うと、再び歩き出した。

そうして、一つの温室の横に隣接している然程大きくはないコンクリート製の建物の前に辿り着くと立ち止まった。

「ここが資料倉庫だ。日誌とかもこの中にある」

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