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第8話 新事実発覚!?
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「う~ん」
食堂で出来立てのキッシュをフォークで突きながら、俺は魔法剣の授業での一幕を思い返していた。
痴漢被害に遭った女子生徒が次の瞬間には、加害者の男子生徒に恋心を抱く。
果たしてそんなバカなことがあるのだろうか。たとえ相手がエロゲの主人公アレスであったとしても、いくらなんでも不自然過ぎると思う。
【恋と魔法とクライシス】において、親密度の低いキャラにあのような変態行為を行えば、確実に好感度は下がって悪い展開に発展する。
しかし、実際にはなぜかいい感じになっていた。
思い返せば思い返すほどにあの光景には納得がいかず、俺は友人と食事をしている最中だというのに、険しい表情を作ってしまう。
「先程から一体何を唸っているのだ? 悩みがあるならば、私でよければ聞くぞ?」
男の俺がどれほど考えたところで、女心はわからない。ならばここは素直に女性のクレアに尋ねてみようと思う。
「変なことを聞くけどさ、女子は突然男子にスカートを捲られたりしても、嫌いになったりしないのか? 逆に好きになったりするとか?」
「リオニス、私たちはまだ知り合って間もない」
「そうだけど、それがなんだよ?」
「もちろんリオニスは男だ。そういうことに興味がある多感な時期だということも、私は友人として理解しているつもりだ。しかし、いくらなんでもそれは早急というものではないか? もう少しお互いに理解を深めあったその時は、私もお前にスカートの中を見せるやもしれん」
「……………」
うん。たぶんクレアは何かとんでもない勘違いをしている。
「が――今はダメだ。わかってくれ。もちろん私はお前の容姿が気にくわないというわけではない。私もダークエルフとのハーフ。そのようなことが言える立場でないことも重々承知している。それに、火傷の跡はたしかにひどいが、反対側はとても美しい顔をしていると思うぞ」
「それは、どうも」
火傷を負った10歳以降、人から褒められることなんてすっかりなくなっていた俺は、柄にもなく少しだけ恥ずかしさを覚えていた。
「そこで一つ思ったのだが、リオニスはなぜ火傷の跡を治療しないのだ?」
「へ?」
「ん、私は何か変なことを言ったか?」
この火傷の跡って、治るのか!?
俺は驚きと共に、無意識のうちに火傷の跡が無くなった自分の姿を想像してしまっていた。
もしも本当にそんな奇跡みたいなことが起こったなら、きっと俺の人生は激変すること間違いなしだ。
もう周りからこの醜い顔のことで後ろ指をさされることもなくなり、俺の卑屈さも消えてなくなるかもしれない。
変わりたい!
アスファルトのようなザラついた火傷跡に触れながら、俺は心からそう思った。
「私は何か余計なことを言ってしまったのだろうか?」
悲しげな声に夢からさめたように前を見ると、クレアが申し訳無さそうに眉を八の字にしていた。
「その逆だ!」
「逆?」
「クレアの言う通り醜い火傷跡など治療すれば良かったのだ!」
大海原で彷徨い続けていたような俺の胸の内側に、灯台みたいな大きな希望が灯った瞬間だった。
「教えてほしい! というか是非クレアに協力してほしい! この醜き火傷跡を治すためにはどうすればいいのだ!」
「これまでに何も試してこなかったのか?」
「愚かだと笑ってやってくれ。その発想がなぜか頭の中からすっぽり抜け落ちていたのだ」
そういう設定だから仕方ないのだと諦めていた。
されどこれはゲームではなく俺の人生!
全身全霊、全力を以て現状を打破していかなければならない。
ということでクレアの提案で人気の少ない湖畔へと移動した。
近くに誰もいないことを確認した俺は、早速自分の顔に回復魔法をかけていく。
「どうだ!」
が、一瞬顔が黄金色に染まっただけで、特に変化はない。
水面を覗き込む醜い顔がそこにはあった。
「失敗か」
「回復魔法癒やしの光は細胞を活性化させ、自然治癒力を極限まで高めて傷を癒やすというものだ。傷跡を治療する行為には不向きなのかもしれんな」
この顔の火傷跡は自然治癒力ではどうにもならんということか。
「他に何か方法はないのか?」
「そうだな……整形魔法という方法がある。その他にも荒療治になってしまうが、一度顔の皮膚を切除した上で、別の皮膚を移植するという方法もある。あとはかなり高度だが再生魔法とかになる」
「よし、ではそれらを片っ端から試すとしよう。クレアも協力してくれ!」
「もちろんだ」
外では不都合な点があるとのクレアの助言により、今度は魔法第二実験室に移動した。
そこでクレア協力の下、ありとあらゆる治療を試みた。
なのに―――
「なぜだ! なぜ移植した皮膚があっという間に爛れていくのだ!?」
切り取った皮膚に、予め採取していた健康な皮膚を移植した。皮膚は自分のものを時間魔法を駆使して培養したものなので、拒否反応などはなかった。
にも関わらず、綺麗な肌を保てたのはわずか数分。
その後はテーブルクロスにしみが染み込むように、再び悪夢のような火傷跡がくっきり浮かび上がる。
「リオニスが焦る気持ちもわかるが、しかし今のではっきりしたことがある」
「はっきりしたこと?」
深刻そうな表情で俺の顔を見つめるクレアが、この忌々しい火傷跡にそっと手を伸ばす。
「!?」
俺はどうしようもなく胸が騒めいて落ち着かない気持ちになってしまった。これまで誰にもこの醜い肌に触れられたことなんてなかったのだ。ましてや女性に触れられるなど。触れられた頬が熱い。
きっとこの時の俺の心臓のBPMは190を超えていたと思う。イザーク・クルッシュベルグなら音速から光速に進化していたところだ。
そして息を整えるように一呼吸置いたクレアが、小さく口を開く。
「これは呪いだ!」
「―――呪い!?」
予想外の言葉に、俺は顔を引きつらせてしまう。
「これ、火傷じゃないのか!?」
「リオニス、普通の火傷は移植した皮膚にまで移ったりなどしない」
それは、たしかにその通りだ。
だが、呪いだなんて信じられない。
と思ったが、あの時の痛み――ゲームの矯正力のことを思い出した俺は、一概に否定はできないという結論に至る。
「アルカミア魔法学校に入学した去年、そこではじめてリオニスのことを聞いたときから少し妙だとは思っていた。が、これで納得した」
「妙……ってなにが?」
「公爵家の令息の顔に火傷の跡があったのなら、本人がどうあれ周りが放って置くはずもない。にも関わらず、リオニスの火傷跡を誰も治療しなかった」
「それって……」
「うむ。皆ただの火傷跡ではないと気付いていたか、あるいは知っていた。そう考えるのが妥当な線ではないだろうか」
言われてみればたしかにそうだ。
というか、妙に納得してしまった。
「それは一体誰にやられたものなのだ?」
「暗殺者だ。それ以上は何もわからない」
相手は顔を隠していたのだ。
そもそも誰が雇った暗殺者だったのかも判明していない。
「暗殺者を捕えて吐かせなかったのか?」
「逃げられてしまったんだ。夜中の襲撃だったから俺も頭が働かなくてな」
「そうか。しかし困った。呪いとなると簡単にはいかない」
クレアいわく、呪いはデタラメに解こうとすれば却ってその効力を強める可能性があるらしい。解くためにはやはり、呪いをかけた張本人を捕まえることが一番手っ取り早いという。
がっくり落ち込む俺に、クレアは完全に呪いを解くことはできないが、一時的に効力を弱めることなら可能かもしれないと教えてくれた。
もし成功したなら、呪いによってできた火傷跡が薄まるとかなんとか。
「少し時間はかかるかもしれないが、私なりに魔法薬を調合してみよう」
「本当か!」
「他ならぬリオニスの頼みだからな――なッ!?」
嬉しさのあまりつい抱きついてしまった俺を、全力で突き放すクレア。
「まっ、まだ早いと言っているだろ!?」
「ご、ごめん」
耳まで真っ赤になったクレアが声を裏返し、貞操観念について説いてくる。
俺は何度もそういうつもりではなかったと弁明したのだが、彼女の説教は日が暮れるまで終わることはなかった。
食堂で出来立てのキッシュをフォークで突きながら、俺は魔法剣の授業での一幕を思い返していた。
痴漢被害に遭った女子生徒が次の瞬間には、加害者の男子生徒に恋心を抱く。
果たしてそんなバカなことがあるのだろうか。たとえ相手がエロゲの主人公アレスであったとしても、いくらなんでも不自然過ぎると思う。
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しかし、実際にはなぜかいい感じになっていた。
思い返せば思い返すほどにあの光景には納得がいかず、俺は友人と食事をしている最中だというのに、険しい表情を作ってしまう。
「先程から一体何を唸っているのだ? 悩みがあるならば、私でよければ聞くぞ?」
男の俺がどれほど考えたところで、女心はわからない。ならばここは素直に女性のクレアに尋ねてみようと思う。
「変なことを聞くけどさ、女子は突然男子にスカートを捲られたりしても、嫌いになったりしないのか? 逆に好きになったりするとか?」
「リオニス、私たちはまだ知り合って間もない」
「そうだけど、それがなんだよ?」
「もちろんリオニスは男だ。そういうことに興味がある多感な時期だということも、私は友人として理解しているつもりだ。しかし、いくらなんでもそれは早急というものではないか? もう少しお互いに理解を深めあったその時は、私もお前にスカートの中を見せるやもしれん」
「……………」
うん。たぶんクレアは何かとんでもない勘違いをしている。
「が――今はダメだ。わかってくれ。もちろん私はお前の容姿が気にくわないというわけではない。私もダークエルフとのハーフ。そのようなことが言える立場でないことも重々承知している。それに、火傷の跡はたしかにひどいが、反対側はとても美しい顔をしていると思うぞ」
「それは、どうも」
火傷を負った10歳以降、人から褒められることなんてすっかりなくなっていた俺は、柄にもなく少しだけ恥ずかしさを覚えていた。
「そこで一つ思ったのだが、リオニスはなぜ火傷の跡を治療しないのだ?」
「へ?」
「ん、私は何か変なことを言ったか?」
この火傷の跡って、治るのか!?
俺は驚きと共に、無意識のうちに火傷の跡が無くなった自分の姿を想像してしまっていた。
もしも本当にそんな奇跡みたいなことが起こったなら、きっと俺の人生は激変すること間違いなしだ。
もう周りからこの醜い顔のことで後ろ指をさされることもなくなり、俺の卑屈さも消えてなくなるかもしれない。
変わりたい!
アスファルトのようなザラついた火傷跡に触れながら、俺は心からそう思った。
「私は何か余計なことを言ってしまったのだろうか?」
悲しげな声に夢からさめたように前を見ると、クレアが申し訳無さそうに眉を八の字にしていた。
「その逆だ!」
「逆?」
「クレアの言う通り醜い火傷跡など治療すれば良かったのだ!」
大海原で彷徨い続けていたような俺の胸の内側に、灯台みたいな大きな希望が灯った瞬間だった。
「教えてほしい! というか是非クレアに協力してほしい! この醜き火傷跡を治すためにはどうすればいいのだ!」
「これまでに何も試してこなかったのか?」
「愚かだと笑ってやってくれ。その発想がなぜか頭の中からすっぽり抜け落ちていたのだ」
そういう設定だから仕方ないのだと諦めていた。
されどこれはゲームではなく俺の人生!
全身全霊、全力を以て現状を打破していかなければならない。
ということでクレアの提案で人気の少ない湖畔へと移動した。
近くに誰もいないことを確認した俺は、早速自分の顔に回復魔法をかけていく。
「どうだ!」
が、一瞬顔が黄金色に染まっただけで、特に変化はない。
水面を覗き込む醜い顔がそこにはあった。
「失敗か」
「回復魔法癒やしの光は細胞を活性化させ、自然治癒力を極限まで高めて傷を癒やすというものだ。傷跡を治療する行為には不向きなのかもしれんな」
この顔の火傷跡は自然治癒力ではどうにもならんということか。
「他に何か方法はないのか?」
「そうだな……整形魔法という方法がある。その他にも荒療治になってしまうが、一度顔の皮膚を切除した上で、別の皮膚を移植するという方法もある。あとはかなり高度だが再生魔法とかになる」
「よし、ではそれらを片っ端から試すとしよう。クレアも協力してくれ!」
「もちろんだ」
外では不都合な点があるとのクレアの助言により、今度は魔法第二実験室に移動した。
そこでクレア協力の下、ありとあらゆる治療を試みた。
なのに―――
「なぜだ! なぜ移植した皮膚があっという間に爛れていくのだ!?」
切り取った皮膚に、予め採取していた健康な皮膚を移植した。皮膚は自分のものを時間魔法を駆使して培養したものなので、拒否反応などはなかった。
にも関わらず、綺麗な肌を保てたのはわずか数分。
その後はテーブルクロスにしみが染み込むように、再び悪夢のような火傷跡がくっきり浮かび上がる。
「リオニスが焦る気持ちもわかるが、しかし今のではっきりしたことがある」
「はっきりしたこと?」
深刻そうな表情で俺の顔を見つめるクレアが、この忌々しい火傷跡にそっと手を伸ばす。
「!?」
俺はどうしようもなく胸が騒めいて落ち着かない気持ちになってしまった。これまで誰にもこの醜い肌に触れられたことなんてなかったのだ。ましてや女性に触れられるなど。触れられた頬が熱い。
きっとこの時の俺の心臓のBPMは190を超えていたと思う。イザーク・クルッシュベルグなら音速から光速に進化していたところだ。
そして息を整えるように一呼吸置いたクレアが、小さく口を開く。
「これは呪いだ!」
「―――呪い!?」
予想外の言葉に、俺は顔を引きつらせてしまう。
「これ、火傷じゃないのか!?」
「リオニス、普通の火傷は移植した皮膚にまで移ったりなどしない」
それは、たしかにその通りだ。
だが、呪いだなんて信じられない。
と思ったが、あの時の痛み――ゲームの矯正力のことを思い出した俺は、一概に否定はできないという結論に至る。
「アルカミア魔法学校に入学した去年、そこではじめてリオニスのことを聞いたときから少し妙だとは思っていた。が、これで納得した」
「妙……ってなにが?」
「公爵家の令息の顔に火傷の跡があったのなら、本人がどうあれ周りが放って置くはずもない。にも関わらず、リオニスの火傷跡を誰も治療しなかった」
「それって……」
「うむ。皆ただの火傷跡ではないと気付いていたか、あるいは知っていた。そう考えるのが妥当な線ではないだろうか」
言われてみればたしかにそうだ。
というか、妙に納得してしまった。
「それは一体誰にやられたものなのだ?」
「暗殺者だ。それ以上は何もわからない」
相手は顔を隠していたのだ。
そもそも誰が雇った暗殺者だったのかも判明していない。
「暗殺者を捕えて吐かせなかったのか?」
「逃げられてしまったんだ。夜中の襲撃だったから俺も頭が働かなくてな」
「そうか。しかし困った。呪いとなると簡単にはいかない」
クレアいわく、呪いはデタラメに解こうとすれば却ってその効力を強める可能性があるらしい。解くためにはやはり、呪いをかけた張本人を捕まえることが一番手っ取り早いという。
がっくり落ち込む俺に、クレアは完全に呪いを解くことはできないが、一時的に効力を弱めることなら可能かもしれないと教えてくれた。
もし成功したなら、呪いによってできた火傷跡が薄まるとかなんとか。
「少し時間はかかるかもしれないが、私なりに魔法薬を調合してみよう」
「本当か!」
「他ならぬリオニスの頼みだからな――なッ!?」
嬉しさのあまりつい抱きついてしまった俺を、全力で突き放すクレア。
「まっ、まだ早いと言っているだろ!?」
「ご、ごめん」
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