7回目の婚約破棄を成し遂げたい悪女殿下は、天才公爵令息に溺愛されるとは思わない

結田龍

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天才公爵令息は、7番目の婚約者⁉

第11話

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 現在の社会情勢は魔獣の出現でどの国も被害に遭い、頭を悩ませている。
 そのため、他国との戦争より、魔獣の討伐に重きがおかれていた。
 その中でもヴィクトール帝国の帝国軍は、魔獣討伐において世界随一の強さを誇る。
 時には他国からの要請で討伐に赴くこともあり、世界の守護者とも呼ばれていた。


「目標確認、ワイバーンの群れだ! 数は十体。距離百二十」


 戦空艇の司令室で、副官の席に着いているエドワードが報告する。
 第三師団は帝国軍の通信部隊からの出動要請に従って、第三師団が戦空艇で出撃した。
 戦空艇は高速回転させたプロペラで推進力を得て、スピードを上げて雲間を切り裂く。
 ぐんぐんと高度も上がり、気がつけば広大な広さを誇る帝国軍本部が小さくなっていた。
 戦空艇はそのままのスピードを維持し、討伐目標に向かって航行していた。


(ワイバーンの群れだなんて、珍しいわね)


 司令室の前面に張られた大きなガラスの向こうを、訝し気にクリスティーナは見つめた。
 彼女の見つめる先には、キングスコート国内でも討伐した魔獣ワイバーンがいる。
 硬い皮膚に、大きな体躯を持ち上げられる翼を持っている魔獣だが、それが今回は十体もいる。珍しく数が多い。十体以上を「群れ」と呼んでいた。


「クリス閣下、指示をくれ」


 真剣な眼差しでエドワードは指示を待つ。少し思案した後、クリスティーナは口を開いた。


「まずは魔導弾を撃ち込みましょう。できうる限りダメージを与えたところで、戦闘部隊を出撃させる」

「了解! 総員に告ぐ。魔導弾装填の準備、および戦闘部隊はカヴァルリーでの出撃準備を開始せよ。みんな、魔力なしでも戦えるってことを証明してこい!」


 エドワードのアナウンスに、おう、と力強く応えた団員たちが靴音を響かせて、すぐに行動を開始した。

 戦空艇団・第三師団は、帝国軍において少し特殊な師団だ。
 魔力保有量の有無、その強弱が問われる軍において、「魔力なし」と揶揄されるほど、団員たちの魔力保有量は最低である。

 実はクリスティーナも例外ではない。
 皇族はもっとも魔力保有量を有していると言われているが、クリスティーナは皇族過去最低と言われているほどしか計測されなかった。

 当時、魔力保有量が少ないものは兵になれないか、なれたとしても給金の少ない下級兵士になるしかなかった。
 しかし、保有量が少なくとも能力のある者はいる。知恵者はいる。
 そう考えたクリスティーナは第三師団を編制した時、保有量の少ない者を団員にしたのだ。


「クリス閣下、魔導弾は何発撃ち込みますか?」


 司令室の席で、魔導弾での砲撃を担当しているモニカが、クリスティーナの方へ振り向いた。
 戦空艇には空で戦えるように、大砲が搭載されている。魔獣を討伐するには魔力が必要で、地上で扱うような鉛の弾ではなく、魔力で作られている魔導弾を使用する。そして、中長距離での攻撃は魔導弾が力を発揮するのだ。


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