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一章
六節
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翌日ランゲルハンス宅の向かいの空き家を借りているクチバシ医者は家を片付けた。そして家に付属する広大な荒れ地を散歩した。北上すると海に近付くので固い土から顔を覗かせた枯木の根が少なくなる。地から石や岩が突き出た土に白い砂が混じっていた。生物が住むのには向かない死にかけた土だ。ランゲルハンスが破格の値で貸すのも頷ける。
通りを挟んで隣接した広大な黒い森には不思議な程に老樹が茂っていた。その森には見た者を虜にする金の鹿が住んでいるので入らない方が身の為らしい。光り輝く美しい鹿に惹かれた者は逃げる鹿を地の果てまでも追う運命にある。黒い森には入り口があっても出口がないので魔術を使わなければ外に出られない。立ち入った者は永遠に鹿を追わなければならないとランゲルハンスから話を聞いた時には、近付くまいと強く誓った。
それにしても変な夢を見た。そこで生活をしているような夢だった。僕は花屋で働いていたのだろうか。誰かを深く愛していたのだろうか。それにあの茜色の髪をした女性……何処かで見たような気がする。誰だか想い出せない。会った事はあるんだ、きっと。茜色の髪、そしてエメラルド色の瞳……綺麗な女性だった。
クチバシ医者は転がっていた長い枯れ枝を見つけた。手頃な枯れ枝を右手に引きずり歩く。枝は乾いた地に擦れて軽い音を立てる。クチバシ医者は街の住人の仕事を思い出した。宅配便、郵便局、ケーキ屋、雑貨店、服屋、クリーニング屋、食料品店……生活に欠かせない店舗はある。これ以外の事業から出来そうな事を考えなければならない。引きずっていた枯れ枝を何気なく振ろうとした。すると重みを感じた。
違和感を感じ枯れ枝を見て驚いた。枯れた樹皮には張りが戻り、枝の先端から若草色の小さな葉が出ていた。誰かが魔術で揶揄っているのだろうか。ランゲルハンスかキルケーの仕業かと思い荒れ地を見渡すが誰もいない。突然息を吹き返した植物が恐ろしくなり枝を放った。弧を描いて荒れ地に落ちる。すると切り口から無数の根が這い出、固い土を割り荒れ地に根差す。天を仰いだ枝先は太陽を目指し枝から幹へと急成長する。そして張り巡らされた小枝は若草色の葉を茂らせた。
声を失い立ち尽くした。しかし若木の葉が風にそよぐ音を聞くと我に返る。もしかしたら願い事が叶う包帯の所為なのかもしれない。昨日、菓子に使う花を欲しがるユウとリュウに用意したいと思った。それが原因なのかもしれない。ある実験をしようと試みた。
乾いてひび割れた地面に右手を押しあてた。地面は途端に柔らかくなり土から芽が出る。それは伸びて茎へと成長した。茎は固い蕾を乗せ殻が割れ、花が咲く。なよやかな花弁は風に吹かれて翻る。
この手から新しい命を生み出せるなんて。クチバシ医者は包帯に土が付いた右手を凝視し、決心すると拳を握る。幾度となく荒れ地に右手を押し当てた。不安を帯びていた瞳に力が宿った。大地に押し当てる右手に迷いは無い。借りた土地の四分の一を赤や白、ピンク、オレンジの花だらけにした所で意志は決まった。花屋をやろう。街に花屋は無かったしユウとリュウに花をあげれば喜ぶだろう。昨夜花屋の夢を見たのはお告げに違いない。命を生み出し育む仕事はこの上ない喜びを感じる。僕は花屋をやるしかない。
クチバシ医者はなよやかな花を摘む。そしてポケットに突っ込んでいた街の食堂で貰った紙ナプキンを巻いて小さなブーケを作り、街に出た。
街角のケーキ屋は営業していた。常時開放されたドアは閉じないよう、水色のドラゴンの置物で固定されている。クチバシ医者が店に入ろうとすると二頭のドラゴンの紋章が描かれた紙箱を抱えた女が出て来た。クチバシ医者は慌てて体をかわす。
窓から店内を覗くとエルフ耳や薄羽が生えた女性客で賑わっていた。どのケーキを買うかだとか新しい洋服を褒めたりだとか恋の話に花を咲かせている。賑々しい店内に男一人で入る勇気などクチバシ医者は持ち合わせていない。
ショーウィンドウの前で右往左往しているとエプロンを掛け売り子をするパーンが彼に気付いた。パーンは手を振る。クチバシ医者も手を振り返し小さなブーケを掲げる。頷いたパーンは店の奥を指差した。
店内を突っ切って厨房に行けと言っているのか。しかし女性客ばかりの店内に入るのは気恥ずかしいクチバシ医者は首を横に振る。パーンは肩をすくめるとレジ奥の扉に首を突っ込み、声を掛けた。そして財布から貨幣を出し終えた女の接客に戻った。
売り場を一人で切り盛りしているパーンを眺めていると背後から袖を引っ張られた。クチバシ医者は振り返るが誰もいない。
「トリカブト、何か用?」足許から女児の声が聞こえた。
視線を落とすとユウが袖を掴んでいた。コックシャツを着て赤いスカーフを巻いている。
「こんにちは。仕事中に呼び出しちゃってごめんね。本当に人気店だね。でも女性のお客さんばかりだから僕は入れないや」
「トリカブトは女の人嫌い?」ユウは袖から手を離した。
「嫌いじゃないけど……女の人が沢山いるのは苦手だな」
「パーンやニエねーちゃんは?」
「友達だから大丈夫だよ」
「私は?」瞳を潤ませたユウはクチバシ医者を見上げる。
「ユウもリュウも大事な友達だよ」クチバシ医者は屈むと目線の高さをユウに合わせた。
ユウは少し悲しそうに微笑んだ。
「ところで何で僕の渾名はトリカブトなのさ? 僕は毒草じゃないよ」
「鳥のカブトを被っているじゃない。だからトリカブト」
「マスクなんだけどなぁ……。そうそう、今日は君にプレゼントがあるんだ」クチバシ医者は小さなブーケをユウに渡した。小さな手の中で花が風にそよぐ。
「綺麗なポピー」ユウはクチバシ医者の青白く光る瞳を覗き込む。
「ポピーって名前なのかその花」
「シュリンクスに教えてもらったの」
「シュリンクスを知っているんだね。パーンの大事な人だったんだろ。どんな人だった?」
「いつもパーンと一緒だった。色んな事を知ってて特に花の名前を沢山知ってた。笛が上手だった。このお花どうしたの?」
「僕の家の庭で咲いたんだ。沢山咲いたから花屋をやろうと思って。昨日、花でジャムを作りたいって言っただろ。それで持って来たんだけど作れるかな?」
「作れる事は作れるけど商品に出来るか分からないよ」
「それだったらまた別の花を持って来るさ」
「ありがとう」ユウは満足そうにブーケを抱えた。
「リュウの調子はどう? ちゃんと寝てる?」
「治ったから働いてるよ。ニエねーちゃんが巻いていた魔法の包帯のお蔭だって」
「ニエの?」
「うん。目の周りをぐるぐる巻いた包帯。ニエねーちゃんの目は治らないけどその包帯に触った人は怪我や病気が治るってリュウが話してた」
「治って良かったよ」優しい願い事をしたものだとクチバシ医者は笑い立ち上がった。
「うん」
「そろそろ店に戻った方がいいよね。厨房の勝手口まで送るよ」
ユウは首を横に振る。
「今日はもう終わり。だからお家まで送って。お家までデート」
「デ、デートって」
「デートなの!」
小さな溜め息を吐いたクチバシ医者はユウの手を引くと裏の玄関まで送った。ユウは愛らしい笑顔を向けていた。
家の一階の半分を店舗にしたケーキ屋へ当面はバラを卸す契約を結ぶとクチバシ医者は花畑を整えた。休みのパーンと共に街でチラシを配り花屋を開店したが荒れ地の店に客が訪れない日が続いた。明日はニエから借りたリヤカーを街まで引いて花を売ろうと思い、クチバシ医者はその夜は早めに床に就いた。土仕事や開店準備に追われていた体を横たえると直ぐに睡魔に引き込まれた。
濡れたアスファルトが視界に入った。激しい雨音が響きサイレンを包む。辺りは暗い。回転する青色灯が濡れたアスファルトや周囲を照らす。規制線の内側を、反射材を纏った警官達が機敏に動く。ビルは酷く形が崩れ鉄骨が剥き出しになっていた。建材の破片が積み重なり燻る。無数の釘がコンクリートの大黒柱に突き刺さる。
原型を止めない木の骨組みがフロアに散らばる。無数の釘が刺さり、割れたガラスの破片が突き刺さり動かなくなった人々もフロアに転がっていた。マスクをせずに長い黒髪を垂らしたクチバシ医者は痩躯を亡霊のように引きずりその中を歩いた。
ある死体が目にとまる。左半身に無数の釘が刺さり右半分にだけ茜色の髪を残した女の死体だ。クチバシ医者は死体に近付く。死体は両目を開いていた。光を失ったエメラルド色の左虹彩には釘が突き刺さり血の涙を流していた。クチバシ医者は建材の屑やガラスの破片がついた髪を払い、右眼を閉じてやった。
すると突然女の右眼が目一杯開き、無数の釘が刺さる手をクチバシ医者の胸に突っ込んだ。胸は水面のように手を受け入れた。手は心臓を握る。血だらけの女は口を開いた。
──お前が殺したんだ。
通りを挟んで隣接した広大な黒い森には不思議な程に老樹が茂っていた。その森には見た者を虜にする金の鹿が住んでいるので入らない方が身の為らしい。光り輝く美しい鹿に惹かれた者は逃げる鹿を地の果てまでも追う運命にある。黒い森には入り口があっても出口がないので魔術を使わなければ外に出られない。立ち入った者は永遠に鹿を追わなければならないとランゲルハンスから話を聞いた時には、近付くまいと強く誓った。
それにしても変な夢を見た。そこで生活をしているような夢だった。僕は花屋で働いていたのだろうか。誰かを深く愛していたのだろうか。それにあの茜色の髪をした女性……何処かで見たような気がする。誰だか想い出せない。会った事はあるんだ、きっと。茜色の髪、そしてエメラルド色の瞳……綺麗な女性だった。
クチバシ医者は転がっていた長い枯れ枝を見つけた。手頃な枯れ枝を右手に引きずり歩く。枝は乾いた地に擦れて軽い音を立てる。クチバシ医者は街の住人の仕事を思い出した。宅配便、郵便局、ケーキ屋、雑貨店、服屋、クリーニング屋、食料品店……生活に欠かせない店舗はある。これ以外の事業から出来そうな事を考えなければならない。引きずっていた枯れ枝を何気なく振ろうとした。すると重みを感じた。
違和感を感じ枯れ枝を見て驚いた。枯れた樹皮には張りが戻り、枝の先端から若草色の小さな葉が出ていた。誰かが魔術で揶揄っているのだろうか。ランゲルハンスかキルケーの仕業かと思い荒れ地を見渡すが誰もいない。突然息を吹き返した植物が恐ろしくなり枝を放った。弧を描いて荒れ地に落ちる。すると切り口から無数の根が這い出、固い土を割り荒れ地に根差す。天を仰いだ枝先は太陽を目指し枝から幹へと急成長する。そして張り巡らされた小枝は若草色の葉を茂らせた。
声を失い立ち尽くした。しかし若木の葉が風にそよぐ音を聞くと我に返る。もしかしたら願い事が叶う包帯の所為なのかもしれない。昨日、菓子に使う花を欲しがるユウとリュウに用意したいと思った。それが原因なのかもしれない。ある実験をしようと試みた。
乾いてひび割れた地面に右手を押しあてた。地面は途端に柔らかくなり土から芽が出る。それは伸びて茎へと成長した。茎は固い蕾を乗せ殻が割れ、花が咲く。なよやかな花弁は風に吹かれて翻る。
この手から新しい命を生み出せるなんて。クチバシ医者は包帯に土が付いた右手を凝視し、決心すると拳を握る。幾度となく荒れ地に右手を押し当てた。不安を帯びていた瞳に力が宿った。大地に押し当てる右手に迷いは無い。借りた土地の四分の一を赤や白、ピンク、オレンジの花だらけにした所で意志は決まった。花屋をやろう。街に花屋は無かったしユウとリュウに花をあげれば喜ぶだろう。昨夜花屋の夢を見たのはお告げに違いない。命を生み出し育む仕事はこの上ない喜びを感じる。僕は花屋をやるしかない。
クチバシ医者はなよやかな花を摘む。そしてポケットに突っ込んでいた街の食堂で貰った紙ナプキンを巻いて小さなブーケを作り、街に出た。
街角のケーキ屋は営業していた。常時開放されたドアは閉じないよう、水色のドラゴンの置物で固定されている。クチバシ医者が店に入ろうとすると二頭のドラゴンの紋章が描かれた紙箱を抱えた女が出て来た。クチバシ医者は慌てて体をかわす。
窓から店内を覗くとエルフ耳や薄羽が生えた女性客で賑わっていた。どのケーキを買うかだとか新しい洋服を褒めたりだとか恋の話に花を咲かせている。賑々しい店内に男一人で入る勇気などクチバシ医者は持ち合わせていない。
ショーウィンドウの前で右往左往しているとエプロンを掛け売り子をするパーンが彼に気付いた。パーンは手を振る。クチバシ医者も手を振り返し小さなブーケを掲げる。頷いたパーンは店の奥を指差した。
店内を突っ切って厨房に行けと言っているのか。しかし女性客ばかりの店内に入るのは気恥ずかしいクチバシ医者は首を横に振る。パーンは肩をすくめるとレジ奥の扉に首を突っ込み、声を掛けた。そして財布から貨幣を出し終えた女の接客に戻った。
売り場を一人で切り盛りしているパーンを眺めていると背後から袖を引っ張られた。クチバシ医者は振り返るが誰もいない。
「トリカブト、何か用?」足許から女児の声が聞こえた。
視線を落とすとユウが袖を掴んでいた。コックシャツを着て赤いスカーフを巻いている。
「こんにちは。仕事中に呼び出しちゃってごめんね。本当に人気店だね。でも女性のお客さんばかりだから僕は入れないや」
「トリカブトは女の人嫌い?」ユウは袖から手を離した。
「嫌いじゃないけど……女の人が沢山いるのは苦手だな」
「パーンやニエねーちゃんは?」
「友達だから大丈夫だよ」
「私は?」瞳を潤ませたユウはクチバシ医者を見上げる。
「ユウもリュウも大事な友達だよ」クチバシ医者は屈むと目線の高さをユウに合わせた。
ユウは少し悲しそうに微笑んだ。
「ところで何で僕の渾名はトリカブトなのさ? 僕は毒草じゃないよ」
「鳥のカブトを被っているじゃない。だからトリカブト」
「マスクなんだけどなぁ……。そうそう、今日は君にプレゼントがあるんだ」クチバシ医者は小さなブーケをユウに渡した。小さな手の中で花が風にそよぐ。
「綺麗なポピー」ユウはクチバシ医者の青白く光る瞳を覗き込む。
「ポピーって名前なのかその花」
「シュリンクスに教えてもらったの」
「シュリンクスを知っているんだね。パーンの大事な人だったんだろ。どんな人だった?」
「いつもパーンと一緒だった。色んな事を知ってて特に花の名前を沢山知ってた。笛が上手だった。このお花どうしたの?」
「僕の家の庭で咲いたんだ。沢山咲いたから花屋をやろうと思って。昨日、花でジャムを作りたいって言っただろ。それで持って来たんだけど作れるかな?」
「作れる事は作れるけど商品に出来るか分からないよ」
「それだったらまた別の花を持って来るさ」
「ありがとう」ユウは満足そうにブーケを抱えた。
「リュウの調子はどう? ちゃんと寝てる?」
「治ったから働いてるよ。ニエねーちゃんが巻いていた魔法の包帯のお蔭だって」
「ニエの?」
「うん。目の周りをぐるぐる巻いた包帯。ニエねーちゃんの目は治らないけどその包帯に触った人は怪我や病気が治るってリュウが話してた」
「治って良かったよ」優しい願い事をしたものだとクチバシ医者は笑い立ち上がった。
「うん」
「そろそろ店に戻った方がいいよね。厨房の勝手口まで送るよ」
ユウは首を横に振る。
「今日はもう終わり。だからお家まで送って。お家までデート」
「デ、デートって」
「デートなの!」
小さな溜め息を吐いたクチバシ医者はユウの手を引くと裏の玄関まで送った。ユウは愛らしい笑顔を向けていた。
家の一階の半分を店舗にしたケーキ屋へ当面はバラを卸す契約を結ぶとクチバシ医者は花畑を整えた。休みのパーンと共に街でチラシを配り花屋を開店したが荒れ地の店に客が訪れない日が続いた。明日はニエから借りたリヤカーを街まで引いて花を売ろうと思い、クチバシ医者はその夜は早めに床に就いた。土仕事や開店準備に追われていた体を横たえると直ぐに睡魔に引き込まれた。
濡れたアスファルトが視界に入った。激しい雨音が響きサイレンを包む。辺りは暗い。回転する青色灯が濡れたアスファルトや周囲を照らす。規制線の内側を、反射材を纏った警官達が機敏に動く。ビルは酷く形が崩れ鉄骨が剥き出しになっていた。建材の破片が積み重なり燻る。無数の釘がコンクリートの大黒柱に突き刺さる。
原型を止めない木の骨組みがフロアに散らばる。無数の釘が刺さり、割れたガラスの破片が突き刺さり動かなくなった人々もフロアに転がっていた。マスクをせずに長い黒髪を垂らしたクチバシ医者は痩躯を亡霊のように引きずりその中を歩いた。
ある死体が目にとまる。左半身に無数の釘が刺さり右半分にだけ茜色の髪を残した女の死体だ。クチバシ医者は死体に近付く。死体は両目を開いていた。光を失ったエメラルド色の左虹彩には釘が突き刺さり血の涙を流していた。クチバシ医者は建材の屑やガラスの破片がついた髪を払い、右眼を閉じてやった。
すると突然女の右眼が目一杯開き、無数の釘が刺さる手をクチバシ医者の胸に突っ込んだ。胸は水面のように手を受け入れた。手は心臓を握る。血だらけの女は口を開いた。
──お前が殺したんだ。
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