2 / 13
本編
一、
しおりを挟む時折顔を見せるチューリップの赤や黄色も、乱立するビルに沿って等間隔で植えられた街路樹の緑や茶色も、全ての色彩が目に痛いほどの鮮やかさを醸す五月初めの連休。
会社勤めの私も例に漏れず、カレンダーを埋める赤い印の恩恵を受けていた。数年前までは必要ないと思っていた祝日を、まさか自分がこんなにも楽しみに思う日が来るなんて。想像も出来なかった未来ではあるが、私は今の日々に感謝している。
流石に都心部にあたるこの地域で星空を眺めることは出来ないが、それでも薄らと透けて見えるんじゃないかと思えるほどの夜空を見上げたのは昨日の遅い時間。遠くに一つ二つと浮かぶ程度の雲しかない青空が、今日も朝から広がっている。
休みに相応しい快晴だからか、街を歩く人々の流れは去年よりもずっと多いような気がする。一年前の私も同じように毎日出掛けてはいたが、駅から目的地までのたった数十分で人にぶつかった回数は比べ物にならない。
薄っぺらい身体を小さく折り畳みながら、なるべく人通りの少なそうな路地を選んでみても失敗に終わる。すみません、とまるで口癖のように繰り返し、すれ違う若い女性からはじろじろと見られ、散々な道中に溜息が出てしまう。
それでも、毎年恒例の目的地に向かう足を止めることはない。晴れ空の下にどれだけの人が集まろうと、前が見えないほどの激しい風雨に襲われようと、隕石が落ちてきて一秒後に地球が消滅してしまおうと、この前へと進む足が止まることなどあり得ない。
例え何が起きようと、私は何も変わらずに通い慣れた道を歩む。行かないという選択肢など、私の中で生まれることさえないのだ。
ゴールデンウィーク半ばの祝日、五月三日の午前十時五十八分。
目的地の開場は午前十一時で、あと二分ほどの隙間を空けているが許容範囲内に収まっているはず。会場の出入り口前には既に二組ほどが待っていて、私も最後尾に続いて並ぶ。
昨日は大型連休と銘打たれていても所詮は平日で、有休申請をしてまで休みたいわけでもないから通常通りに出勤していた。家族サービスだと様々な理由で休んでいる人も勿論いるが、それでも半数以上は出勤しているのだから流石は日本だな、と思ってしまう。
今年で勤続十年になるシステムエンジニアとしての業務に不満があるわけでも、会社の人事や方針に文句があるわけでもない。お世話になっている先輩も、慕ってくれている後輩もいて、仕事に行きたくないと布団から出られないという経験もしたことがなかった。
だけれど、私が昨日も当たり前の顔をして仕事に行けたのも、恋人のいない淋しさを仕事で紛らわしているのだと愚痴る同僚の肩を叩いて慰めてやれたのも、此処に来るという楽しみがあったから熟せたことに他ならない。昨日の仕事終わりも閉館ぎりぎりにやって来て、たったの十分を過ごすくらいには今の私になくてはならない場所。
それが此処、詩人すばるの個展だ。
すばるという簡潔な名詞につける枕詞は、詩人以外にあり得ない。そう思ってしまうほどに、すばるさんは詩だけを書いている作家だった。
五月の連休にぶつけた個展は毎年必ず開催されている。しかし、それ以外の合同展や企画展なんかは年に数回参加しているときもあれば、しばらく見掛けないときもある。基本が同じ主催者さんの展示に参加しているから、すばるさんはこの人となら、という感覚で引き受けているのだろう。
雑誌に寄稿を依頼されるほど名前の売れている詩人ではなく、細々とした個人活動がメインではあるが専業でやっていけるだけの実績はある。発表される媒体は展示会か、作品集か。個人サイトも持っているが、そこにはお知らせだけで詩のひとつも上がることはない。
真っ直ぐに詩に、言葉に、向き合っている人だと思う。他の余計なものを排除して、言葉だけには正面からぶつかっている人。
SNSもやっているが更新頻度は高くないし、偶に上がる日常の一コマもきっと何度も推敲して書かれたのだろうと分かる緻密な文章。最近のお気に入りだと写真付きで披露してくれた手作りらしいオムライスも、余計な情報や感想は加えないように配慮されていた。
一つひとつの言葉選びが丁寧で、繊細で、美しくて。果てのない海の中で見つけた小さな貝殻を繋ぎ合わせるような、満天の星空から輝く星々を貰い受けているような、そんな努力と信仰の元で成り立っている詩だと思っている。
気が狂いそうになるくらいの膨大な数の中から時間をかけて、一生懸命に拾い集めた言葉の欠片。それを、私は幸運にも貰い受けることが出来ている。
四月二十九日の初日から、私はたとえ滞在時間が十分に満たなかったとしても、毎日変わらずに足を運んでいる。それは詩人すばるに出逢った頃からの日常で、きっと来年も再来年も同じようにたった十分でも飽きずにやって来るのだろう。
個展でよく受付をしている黒縁眼鏡に顎髭を生やした同年代くらいの男性が、出入り口になるガラス扉を開ける。まだ肌寒さを感じる気温だというのに、受付の男性は白いロングTシャツ一枚しか着ていない。
前の二組は初めて訪れた人なのだろう。出入り口だと予想していた手前の大きなガラスではなく、ひとつ奥にある百センチほどの高さのガラスが開いたことに驚いている。
すばるの個展は、毎年このあまり広くはない貸しスペースで行われる。よくある展示スペースと同じで、細い道路に面した壁は全て透明のガラス張りになっているのだが、何故だか出入り口に該当する扉が小さい。小学生くらいの子どもでもない限り背中を折り曲げないと入れないのは何らかの意図があるのかもしれないが、受付としてよく見かけるこの男性に尋ねることも、貸しスペースのHPを調べてみることもしていない。
面白いね、と言い合っている前の女性二人組の声を微かに聞きながら、私も列に倣って小さな出入り口をくぐる。受付の男性ににこりと微笑まれたのが視界の端に映ったが、私は足元に落とした視線を持ち上げることなく会場へと入った。
毎年個展のテーマは変わるが、今回設定されたのは「時間」。単語通りの直球に時間の移り変わりを書いているものもあるが、人々の感情の機微や降り積もる埃の白さで表現しているものもある。
一概に時間と言っても、ただの数字の羅列じゃないのだと気付かされた。地球が暖かくて、動植物が息をして、たくさんのものが積み重なるから時間と呼べる。そんな当たり前のことにも、私はすばるさんがいないと気付くことが出来なかっただろう。
十畳もあるかどうかという縦長の空間の真ん中で、円を描くようにパーテーションが組まれている。人一人が滑り込めるような僅かな裂け目があって、その隙間から中に入ると連作のように短い詩が同じ高さに並んでいた。
反対に、パーテーションの外側をぐるりと囲むのは詩と呼ぶには随分と長い、短編小説にも分類出来そうな詩が飾られている。一編でこれほどまでに長いものは滅多になくて、詰められた言葉の数々に圧倒されてしまう人を毎日のように見掛けた。
それ以外の壁にもぽつり、ぽつりと浮かぶように詩が展示されていた。
読み進めていくと分かるのだが、パーテーションの内と外は繋がっていて、壁に貼られている詩は一つひとつが独立している。連作も読み始める場所が違ったら時間の経過が変わって、受け取る側の感情もまた、順を追うのと逆行するのとでは変わる。
初めて来る人には是非ともパーテーションの中から、順番通りに読んでいってほしいと思ってしまう。だが、よく見掛ける方は勿論、初めて来たのだろうとその辿々しさに伺えてしまう方も、順番を気にしている様子は見られない。折角の個展なのだからと私は思ってしまうのだが、受付の男性が案内することもすばるさんが順序を示すこともなかった。
すばるさんが指示しないのなら、私が何かを言うべきではない。そう思って、今日も適当な場所から見始めている方を横目に眺めてしまう。
私は来るたびに違う場所から読み進めているが、結末として繋がっている外側からはまだ読めていない。今日は時間に余裕もあるのだし、壁の詩をじっくりと堪能してからパーテーションの詩に向き合うつもりだ。
すばるさんの詩は出来うる限りの全てを読んでいるが、ここまでしっかりとした連作が綴られたのは初めてだと思う。燕の死から始まって、植物の芽が伸び、陽が沈む。人々の成長も、動植物の衰退も、自然の摂理も、万物のあらゆることが一緒くたに混ぜ込まれた詩は、どこかあべこべなのに結局は綺麗な形に収まり、読んだ人の涙を誘う。
丁寧で、繊細で、美しい。すばるさんのかき集めた言葉の並びはそう評されることの方が圧倒的に多いのに、今回のこの連作はどこか追い詰められるような危うさがあった。
繊細であるが故に脆く、美しいが為に残酷になってしまう。それが余計に人々の胸へと突き刺さり、忘れられない哀愁に変わっていく。
ゆっくりと一つひとつの詩を眺めて、ふとスペース奥にある物販コーナーに視線を向ける。初日に訪れた際に物販は全て購入しているが、ポストカードを追加で購入してもいいかもしれない。
すばるさんは個展で必ず作品集としての詩集と、数種類のポストカードを出す。それ以外の、例えば最近見かけるアクリルグッズやよくある栞なんかは絶対に作らない。合同展や企画展でもどうにか理由をつけて断っているのか、他の作家が様々なグッズを出す横で詩集とポストカードだけを並べている。
作家にもっとお金を落としたいと思っても、なかなか上手くいかないのがすばるという詩人だ。入場料だって数百円の話で、だから私はこうして数分でも毎日通って入場料を支払うことにしている。まあ勿論、すばるさんの詩を毎日眺めていたいから、という理由も多分に含まれているのだが。
ポストカードは量販店で販売されている、グッズ整理に最適だとオススメされていたクリアファイルに保管している。展示期間が終わったら詩集と合わせてそれを何回も開いて読んでいるのだが、壁に貼ったり額縁に入れて飾ったりしてもいいのではないだろうか。幸いにもすばるさん以外に好きだと思えるような作家はおらず、最低限の家具しかない一人暮らしの部屋はいくらでも飾る場所がある。
色褪せが気になると今までは躊躇していたが、陽当たりの悪い一階の部屋で褪せも何もないだろう。湿気さえ気にしていれば、汚れの心配もないはずだ。不満もこだわりもないおかげで今のところ引っ越しをしたい欲はないが、だからと言って管理会社に良い顔を見せて気を遣う義理もない。
よし、と思い直して、私は数日ぶりに物販を覗いてみた。昨日も一昨日も平日で物販まで見る余裕はなかったし、基本人がいるから購入済みの私はいつも遠慮してしまって初日以外寄り付かないことの方が多い。
二回目の物販コーナーは新鮮だな、と見当違いなことを思いつつ視線を巡らせていると、見覚えのないポストカードがあった。印字されている詩自体は連作のひとつで、詩集も合わせるともう何百回と眺めたからすぐに分かる。だけど、初日にこの詩のポストカードはなかったはず。準備されていたら絶対に買っているし、この種類の少なさで見落としていたなんてこともない。
連作が始まるひとつ目の詩、燕が死んでしまう瞬間が書かれた三行ほどの短い詩だ。どうしてこれが、と一枚を手に取ったとき、急に隣から声を掛けられた。
「昨日から追加されました。急だったので、それだけではあるんですけどね」
ほんの少しだけ低い位置から聞かされたのは、私が手にしているポストカードの出所だった。受付の男性は困ったように眉尻を垂らして、それ、と積み重なった新作のポストカードを指す。
急だった、と言うのは、作家が唐突にこの詩もグッズの仲間入りをさせようと思い付いたのだろうか。それとも、受付に置いてあるアンケートで頻繁にこの詩が好きだと書かれたのだろうか。かく言う私も、燕の詩が好きだと書いたことがある。
私にはそういった運営側の事情なんてものは想像するしか出来ない。だが、男性のしょうがないなと言わんばかりの口調は、作家の希望だったのだろうなと訴えている。
「そう、ですか……」
私はなんと返したらいいか分からなくて、当たり障りのない相槌を打つ。すばるさんの個展を通して年に一度は必ず見掛けているとはいえ、挨拶を投げられるくらいで話したことなどない。どういった距離感で話したらいいかが分からず、曖昧な受け答えしか出来なかった。
「いつも来てくださっているのに、お知らせが出来ずに申し訳ありません」
何気なく告げられた「いつも」という言葉に、私は肩をびくりと揺らす。来訪するファンの方なんて一日に何百人と多いだろうに、特に愛想も良くない私のことを覚えているのか。一人で来ている方が偶に受付でこの男性に話しかけている場面は見掛けるが、そんなことをした記憶もない私を何故覚えているのだろうか。
記憶力に相当の自信があるのだろうか、とぐるぐる脳内で考えても、質問として体外へ飛び出していくことはない。強張った両肩からゆっくりと力を抜いて、気付かれないようにそっと息を吐き出す。こちらも通ううちに受付の男性の顔を覚えたのだから、その逆が起こってしまうこともきっとゼロではない。
何度も心のうちで言い聞かせて、驚きに乱れていた呼吸を整える。すばるさんの個展で大きな声を出したり、無闇に騒いで迷惑を掛けたりしたくない。喉奥でつっかえていた何かは唾と一緒に嚥下して、どうにか平静を取り繕うことが出来た。
受付の男性はそんな私の反応にも気にした様子を見せず、お預かりしておきますね、と手のひらを見せる。私はその分厚い手のひらを数秒眺めてから、同じポストカードをもう一枚取ってその上に置いた。男性は特に個数制限などを伝えてくることもなく、出入り口付近で迷っているように見える若い男性客の元へと向かった。
奥側に向いているパーテーションの隙間を覗くと、丁度中に人影は見えない。私の前に並んでいた二組は外側の詩をじっくりと読んでいるし、建物の外で彷徨っていた若い男性は受付の男性と知り合いだったのか、楽しげに話している声が微かに聞こえてくる。
今日は外側の詩から逆行する形で読もうと思っていたが、その思惑は明日に回して燕の詩を読みに行こう。すっと半身になった薄い身体を滑らせて、一番手前に飾られた詩を真っ直ぐに見る。
すばるさんの書く詩はどれも大好きで、大切で、たったひとつを選ぶことは出来ないだろうが、この燕の詩は殊更に好きだった。春になると巣を作り、子どもを産み育てる燕は幼い頃に見たことがある。だけれど、燕の一生が終わる瞬間を考えたことは一度としてない。
書いた本人がその光景を見たことがあるのかどうか、それは私には分からない。すばるさんは自分の書いた詩の解釈を私たちに伝えることはないし、すばるさんと話す機会もないから一生知ることはないだろう。
それでも、掬い上げられた小さな一羽の鳥の死は、私の目の前に落ちていた。ぼとりと横たわった小さな命が、今この瞬間にその温もりを手放している。
指先が私の意思とは無関係に冷えていって、死の虚しさが喉奥から迫ってくる。死んだらそれでお終いだと知っているはずなのに、改めて理解させられたような感覚だ。
すっと隣に視線を移すと、死からの再生、新しい命の芽吹き。数百年先にはきっと大きくて素晴らしい花を咲かせる木に成長するのだろう小さな芽が、暗くて息苦しい地中から出てくる場面を感動的に切り取った詩が並んでいる。
冷えて固まった指先をばらばらに動かして、誰もいないのを良いことに大きく伸びをする。足元に視線を落とすと爪先に死んだ燕が触れているような気持ちになって、無理矢理にでも上を向いてしまいたかった。
すばるさんの書く詩が好きな理由のひとつに、例えどんなにファンタジックな世界観の作品でも、目の前に広がっているような心地にさせてくれることがある。私自身が当事者になって、すばるさんの書く世界の中にいる。そんな気持ちにさせてくれるから、私はいつもすばるさんの詩に入り込んでしまう。
大きなスクリーンで鑑賞する映画の没入感とも、頭の中をいっぱいにして想像する高揚感とも違う。すばるさんが選んだ言葉だからこそ、こんなにも夢中で追いかけてしまう。すばるさんの詩は、私のためだけに書かれているのだと臆面もなく思わせてくれる力強さがある。
大きく息を吐き出して、もう一度真正面から燕の詩に向き直った。今日はこのまま順番通りにすばるさんの書く世界に沈んでしまおう。そう思って、私は静かにすばるの拾い集めた言葉の欠片を追いかけた。
0
あなたにおすすめの小説
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
その首輪は、弟の牙でしか外せない。
ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。
第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。
初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。
「今すぐ部屋から出ろ!」
独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。
翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。
「俺以外に触らせるな」
そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。
弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。
本当にこのままでもいいのか。
ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。
その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。
どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。
リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24)
※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。
三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。
消えることのない残像
万里
BL
最愛の兄・大貴の結婚式。高校生の志貴は、兄への想いが「家族愛」ではなく「恋」であったと、失恋と同時に自覚する。血の繋がりという境界線、そして「弟」という役割に縛られ、志貴は想いを封印して祝福の仮面を被る。
しかし数年後、大貴の息子が成長し、かつての兄と瓜二つの姿となったとき、止まっていた志貴の時間は歪な形で動き出す。
志貴(しき):兄・大貴に長年片思いしているが、告げることなく距離を置いていた。
大貴(だいき):志貴の兄。10歳年上。既婚者で律樹の父。無自覚に人を惹きつける性格。志貴の想いには気づいていない。
律樹(りつき):大貴の息子。明るく素直だが、志貴に対して複雑な感情を抱く。
【bl】砕かれた誇り
perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。
「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」
「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」
「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」
彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。
「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」
「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」
---
いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。
私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、
一部に翻訳ソフトを使用しています。
もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、
本当にありがたく思います。
2度目の恋 ~忘れられない1度目の恋~
青ムギ
BL
「俺は、生涯お前しか愛さない。」
その言葉を言われたのが社会人2年目の春。
あの時は、確かに俺達には愛が存在していた。
だが、今はー
「仕事が忙しいから先に寝ててくれ。」
「今忙しいんだ。お前に構ってられない。」
冷たく突き放すような言葉ばかりを言って家を空ける日が多くなる。
貴方の視界に、俺は映らないー。
2人の記念日もずっと1人で祝っている。
あの人を想う一方通行の「愛」は苦しく、俺の心を蝕んでいく。
そんなある日、体の不調で病院を受診した際医者から余命宣告を受ける。
あの人の電話はいつも着信拒否。診断結果を伝えようにも伝えられない。
ーもういっそ秘密にしたまま、過ごそうかな。ー
※主人公が悲しい目にあいます。素敵な人に出会わせたいです。
表紙のイラストは、Picrew様の[君の世界メーカー]マサキ様からお借りしました。
執着
紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる