拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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172 氷の湖と精霊と金竜 2

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「今日はこのまま、ここで野営しようぜ」
「「「賛成!」」」
『うむ。良かろう』

アークの言葉に、皆、一も二もなく同意した。

どうやらここは古の森の精霊王の住まう場所の空気に近いようで、魔獣などが寄って来ないらしい。

「今は凍ってるが、この湖には精霊が住んでいると聞いたな。俺も来るのは初めてだから会ったことは無いが・・・」
「---ん・・・ああ、いるんじゃないかな?」
「・・・あ?・・・ああ・・・・・・そういえば気配があるな」
「「え? まじ? どこに?」」
『アーク達は精霊王の義息子加護の称号があるからな。少し気を付ければ察知出来る』

そういってヴァンは湖の中心、浮島のようになっている小さな島を見た。

雪に埋もれているこんもりとした島にぽうっと灯りが灯った・・・ように視える。
精霊が視える者にはそう視えるだけなのだが。

「「何々? どうした?」」

凝視しているアーク達に困惑顔でいるギギ達。
やはり視えてはいないらしい。
だが気配は感じるようだ。

「・・・あそこに精霊がいる」
「えええ、そうなの? でもノア達を見る限り悪いモノじゃ無いんだろう? ならいいや」

ルルは皆の様子に警戒を解く。
精霊は気まぐれで、いたずらをしたりするらしい。
ここの精霊は大丈夫そうだ。
ギギも肩の力を抜いた。

『久しいな、湖の精霊ラクス』
《・・・其方もな・・・。相も変わらず食い意地が張っている》
「・・・ヴァンの知り合いか?」

顔見知りって程度の親しさじゃ無さそうだ。
アークがヴァンに聞いた。
ソレに是と応えるヴァン。

『アークと出会ってからは来たことが無かったな。ラクスとは我がリンドヴルムと親しくなった頃からの付き合いだな。アイツと度々、ここに遊びに来ていたのでな』
《そうそう、それであの日、私がのんびりと湖の底で寝ていたら急に大きな魔力の塊が湖に落ちてきてな。何事かと目覚めてみれば、傷だらけの金竜が沈んできたところだったのだよ》
『我が慌てて潜って引き揚げたんだが、そこに現れて傷を癒してくれたのがラクスだったんだ』

懐かしそうにヴァンと語りながら人型になったのは、湖の精霊だというラクス。
薄い水色の足元までありそうな長い髪と髪よりも濃い青の瞳。
ノアよりもほっそりとした美人だ。

人型をとったからかノア達がいるからか、今はギギ達も視えるようで、驚いている。

「・・・どうして金竜がそんな怪我をしたのか気にはなるが、まあ良い。・・・・・・その金竜って、ノアの父親だよな?」

アークが気になって確認をすると、ラクスは目を輝かせた。

《そうそう! その事で私は来たんだ。金竜リンドヴルムはどうしたんだい? 何故精霊王の加護を持つ彼からリンドヴルムの気配がするの?》

・・・・・・急にフレンドリーになったな。
上位精霊の威厳みたいなのはどこ行った?
なんてアークが思っている中、と視線で指し示されたノアは真面目な顔で向き合い、頭を下げた。

「ノアと申します。精霊王によって命を救われました。リンドヴルムとアリテシアの息子です」
《---! 息子!! え、私が眠ってる間にリンドヴルム、番いが出来たの?! え、え?! 息子?!》

初耳だったのか、えらく混乱しているようだ。
なんかその様子が可愛い。

《なんだよ、知精霊なんだから教えてくれれば良いのに! それで? リンドヴルムは?》
「・・・・・・えと、」

ノア達が言い辛そうにしているのを見かねたヴァンが口を挟む。

『我とラグナロクが封印した』
《・・・・・・は?》
『リンドヴルムは番いを喪って狂竜となってしまったので、封印したのだ。今はとある場所で眠っている』
《・・・・・・どういう・・・?》

ラクスは困惑気味だ。
・・・それ以上にギギとルルも困惑顔で話についていけない。

「・・・なぁ、ラグナロクはノアの育ての親の大賢者なんだよな? リンドヴルムって・・・俺達の記憶が正しければ、古竜エンシェントドラゴンの名前だと思うんだが・・・まさか、金竜って・・・」

冷や汗を流して些か顔色の青い二人に苦笑しながらアークが応える。

「ああ。ノアの父親だ」


絶句したギギとルル。
ついでにラクスにも詳しい説明が必要だなと、ノアに防音結界を展開して貰い、皆を竈の側の椅子に誘ってお茶とお菓子を勧めた。

「ちょっと簡単に説明するから、聞いてくれ」

アークが頭の中でどう話そうかと纏めながら話をきり出した。










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