拾われた俺、最強のスパダリ閣下に全力で溺愛されてます 迷い子の月下美人

エウラ

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344 ゾアの幼馴染み襲来

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ソレから数日、ノア達が相変わらずギルファームに御世話になっていると、ゾアの元に急な来客があった。


「おーい! ゾアいるか---?!」

農園入り口に立つ、ゾアに負けず劣らずの声を張り上げる魔導師ウィザードっぽい人。

ソコに母屋から声を張り上げながらゾアがのっしのっしとやって来た。

「煩いグラウ!! 怒鳴らずとも聞こえてるわ!」
「・・・年寄りは耳が遠くていけねえなぁ」
「いっつも怒鳴ってるよな」
「「聞こえてるわ!!」」

ぽそっと呟いたギギルルの声を耳ざとく拾う二人にうんざりした顔のギギルル兄弟。

「「うへぇ・・・地獄耳・・・」」
「「ソレも聞こえてんぞ!!」」

朝早くから大騒ぎだったが、従業員達はこれが日常なのか平然として笑っていた。

「もう少し声を抑えろ。幾ら街外れだと言っても近所迷惑だぞ。客人もいるんだ」
「・・・おう、悪い。・・・・・・てか、客? こんな農園に? ・・・・・・ん?」

ゾアに言われてバツが悪そうなグラウと呼ばれたお客(仮)が足元の気配に気付いて下を見ると、わらわらと小っさい猫獣人が7人・・・。

つぶらな瞳で興味津々に見つめてきた。

「・・・・・・お前、いつの間にじぃじになった」
「俺の孫じゃねえよ!」
「はいはい、この子達の親はこちらでーす!」
「ウチの客人でーす!」

二人の掛け合いにツッコんできたギギルル兄弟がノアとアークとヴァンを紹介した。

・・・・・・うん。一応、親で間違いでは無いな。

「・・・・・・初めまして、アルカンシエルと言う」
「・・・・・・ノア、です」
『ヴァンでーす』

ヴァンはギギ達に合わせてノリノリだった。

「・・・・・・もしかして、Sランク冒険者の? この前の『箱庭の迷宮』騒ぎの当事者?」
「・・・そうだな」
「え、そんなに有名なの?」

アークはイヤそうな顔をして、ノアはキョトンとした。

「ああ、有名なんてもんじゃ・・・!! おいゾア!! 聞いてないぞ!!」
「・・・・・・そんなの、お前には言ってないんだから当たり前だろうが」
「何で教えない?!」
「---ああもう!! お前がそうやって煩いからだろうが! とにかく一旦、家ん中入れや!」

散々騒いでゾアに引き摺られるように連れて行かれた客(仮)を見送って、アークはぽつんと言った。

「・・・・・・結局、誰だったんだ?」
「ねー?」
『・・・・・・朝早くから煩いヤツだったの』
「テンションたっか・・・」
「・・・・・・類とも?」
「確かに似てたな」

ノア達がぽそぽそ話していると、ギギルル兄弟がそっと教えてくれた。

「あの人はね、白梟の獣人で親父のかつての冒険者PT仲間で親父と一緒に育った幼馴染みなんだよ」
「だから何となく似てるでしょ」
「・・・・・・確かに」

デカい声とか仕草とか・・・。

「ああ見えても知識欲が凄くて割と有名な学者なんだよ?」
「古代遺跡とか迷宮とか遺物とか大好物でさあ・・・」
「俺達も良く集られたもんだよ。興味が湧くとしつこいのなんのって・・・」
「ちなみに名前はグラウクスって言う」
「---ああ、聞いたことがあるな。凄いけど変人だって・・・」

名前を聞いてアークが記憶を掘り起こしている。

「・・・・・・変人」
「そうらしいな」
「・・・・・・ラグ爺さんよりも?」
「いや、大賢者が変人かどうかは俺達、知らんから何とも・・・・・・」
「白梟・・・・・・羽根とかどうしてるんだろ」
「普段は背中に仕舞ってるらしいけど」
「見てみたい!」
「・・・・・・」

目がキラッキラになったノアに何となく変人の共通点を見た気がするアークとギギ達だった。

---ああ、突き詰めればノアもソッチの部類だった・・・・・・。



この後、何か騒動が起きそうだと、はあ---っと溜息を吐く三人と一頭だった。






※遅くなりました。
やっと身内が快復しました。ガンバって色々更新したいです。
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