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連載
343 猫獣人ゴーレムの性能
アレから庭にテントを出して、ノアとアークはテント内のお風呂でちょっとだけイチャイチャしたあと、朝までぐっすり眠った。
猫獣人ゴーレム達は纏めて『クルール』と呼ぶことにした。
虹色をイメージしているからだ。
彼等はすっかりゾアに懐いていて、談話室を出るときも離れず、結局スリングに7人押し込んで抱っこしていった。
「見た目に反してゴーレムだから頑丈なんで。そんなに心配要らないよ。一緒に寝ても潰れないし」
ノアがそう言い、じゃあ一緒に寝るかとゾアが聞くとコクコク頷いて『あい』と返事をする猫獣人ゴーレム達にメロメロなゾア。
おそらく全員、布団に乗ったり潜ったりするんだろうなあ、可愛いだろうなとちょっぴり羨ましいノアだった。
そして次の日、日が昇る前に起きて軽く朝食をテントで済ますとノア達は外に出た。
テントを片付けてギギ達の母屋を見ると、すでに起き出して野菜の収穫に向かうところだった。
「おはようギギ、ルル」
「おう、おはよう。何だ、野菜の収穫もやってくれるのか?」
「ああ、うん。クルール達の性能を見て貰おうと思って。もう来てる?」
「ああ、ほら。親父にくっついてる。昨夜は一つのベッドにぎゅうぎゅうで寝たらしいぜ」
「絵面がヤバい」
ギギ達は見てはいないが想像したらしい。
肩が震えている。
笑いを堪えているのだろう。
「・・・まあ、可愛いんじゃない?」
何となく、猫に布団を取られて隅っこで寝ている様子が目に浮かんだ。
「それはともかく、あの子達に仕事の指示を出そうか。ゾアさん、こっち来てくれる?」
「---おお、おはよう。コイツらか?」
声をかけたら近付いてきてくれた。
相変わらず頭から肩からしがみつかれてる様子に笑いながらノアが言う。
「基本的にはゾアさんの指示で動くけど、他の従業員の言うことも聞くよ。ただ優先度はゾアさんだから気を付けてね。あと『お願い』と『命令』だったら『命令』が優先されるからその辺りも注意して」
「お、おう、そうなんだ。可愛いからあんまり『命令』はしたくないなあ」
困ったように笑いながらそう言うゾア。
やっぱり優しい。
「『命令』って言っても、これは絶対にしちゃダメとか、逆にこれは絶対やって欲しいという約束事を命令にして、普段はこの野菜を収穫してくれとかそういう言い方で良いんだよ」
ノアがゾアに取説を渡してそう言った。
「あと、収穫の仕方は昨日俺が教わった果物はすでに記憶させてあるけど、それ以外の果実や野菜は今日これから目と耳で憶えさせるから連れて行ってあげて。一人が記憶すれば共有されて全員仕事を把握できるから」
「---そうなのか、凄いな。でもこんなに小っさくて、仕事は憶えても作業できないんじゃ無いか?」
ゾアが至極まともな事を言った。
それをノアは微笑んで返す。
「大丈夫。小さいけど、俺の作ったゴーレムだから」
それを聞いて疑問符だらけのゾアとは反対に妙に納得しているギギルル兄弟とアーク、それにヴァン。
「なんとなーく想像できるな」
「うん、やらかすよね」
「ノアだからな」
『ノアだからな!』
すっかりノアの規格外な能力に慣れたギギルル兄弟だった。
そうして、やはり想像通り。
各々の持ち場に向かった従業員について行かせた先で、クルール達は自分達の能力を遺憾なく発揮した。
魔法で対応できるところはすべて魔法を使い、昨日のノアの如く繊細な魔法操作でもってあっという間に収穫。
魔法が難しい作物は魔法で触手のような手を何本も作り、操作して(一応)手作業で収穫。
昨日ノアがもいでいためちゃくちゃ大きいパラハニーの果実の収穫と運搬の時は、猫獣人ゴーレムがデカいゴーレムを作ってそのゴーレムを操作するという、意味が分からない事をしでかしていた。
「・・・・・・どういう事?」
「あー、アレは錬金術じゃ無くて、単なる土魔法で作る土人形だよ。魔石も使ってないから、不要になったら土に戻せる。さっき作ってた触手っぽいのも同じ。土が無ければ水魔法で同じ事が出来るようになってるよ」
「・・・・・・へー・・・」
「・・・・・・まだまだ驚かされることがあるんだねえ・・・・・・」
あまりの事に聞けばそう返ってきたが・・・。
たぶんソレ、ノアだから出来ることだと思うとギギルル兄弟もアーク達も心の中で思ったはずだ。
ゾアだけは未だに衝撃から立ち直れていなかった。
「ちなみに魔力は魔石に入っている分で百年は保つと思う。空気中の魔力も勝手に吸収するから補充も少なくて済む。まあ、余裕があれば毎日一度は使った分の補充に、指先に魔力を籠めて口に持っていってあげて。ちうちうと吸うから。満足したら口から離すから」
「・・・・・・そう言えば、普通の食事とかは?」
ゾアが我に返ってそう聞いてきた。
「必要はないけど、微量の魔力を吸収するから大丈夫。全部取り込むから、排泄はしない」
「そっか、良かった。昨夜は寝るときになって気になってなあ・・・良かった良かった!」
---すっかりじぃじの顔になったゾアだった。
※遅くなりました。
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