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514 メーレの重荷を下ろそう
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「あら、早かったのね」
お昼ご飯のあと、自分達のテントから出てウッドデッキの場所に向かうと、ミオとエレンに世話を焼かれながら食後のお茶を飲んでいるメーレがいた。
そこで俺達の顔を見たメーレの最初の一言がコレである。
・・・・・・もう何もかもお見通しのような暖かい目で見ないで欲しい。いたたまれない。
「早いとか言わないで! いやもう、とりあえず第一回目の検証は終わったんで!」
「・・・・・・検証? お仕置きじゃないの?」
俺が顔を赤くして叫ぶとそう切り返してきたメーレ。俺はアークを見てまたメーレを見た。
何か二人ともいい笑顔で笑ってる。それでもってミオとエレンもしたり顔で見ている。
「うがーっ! 色々バレてるじゃん!」
「そりゃあ二人を知ってて、あのやり取りを見てればねえ・・・・・・」
「想像つきますよね?」
「アレは、お仕置きという名の検証!」
「あー、はいはい。確かに検証で合ってるかな」
ミオとエレンにもツッコまれて俺は再び叫んだ。それにアークがおざなりに返答してくる。
「それ、最初も言ってたね。検証って何?」
わいわい騒がしくなった俺達を宥めるようにメーレがそう言った。俺はハッと意識を戻すと、メーレに獣人国での出来事を話した。
昨日はその派生で錬成してしまった薬の検証も兼ねた・・・・・・ということにして。
ちなみに検証の件はスルーの方向で。まだまだ検証は続く予定です。そう言ったらメーレ達は笑って流してくれた。・・・・・・お仕置き頑張って、じゃないの!
「・・・・・・なるほど、私の毒の件の余波で危険な薬物も摘発されたんだね」
「健康被害は今のところないけど、言動に問題が生じてるらしい」
「そういう貴族達が最近増えてるって話だ」
「私が寝込んでいる間に広まったんだろうね。前はそんな話はほとんど耳にしていない」
真剣に聞いていたメーレ。自分の目が届かないときに大変なことが起きていたんだと難しい顔になってしまった。
責任云々とか考えているのかもしれないけど。
「メーレのせいじゃないよ。自分達の利益とかのためにやらかしたアイツらが悪いんだよ」
そこは間違いなくアイツらの責任。悪いことに錬金術や調薬を使ったのはアイツらの判断。その被害者であるメーレが責任を負うのはおかしいと思う。
「・・・・・・ノア」
「いくら国母だからって、全てを端から端まで見られないでしょ。だからメーレの目や身体になってくれる臣下がいる」
「・・・・・・」
「その人達をもっと信頼してやればいいんだよ。メーレは慕われてるんだから喜んで二つ返事でやってくれるよ」
メーレの手足となって、自分の意見を述べて間違いは諫めてくれる、そんな人達はきっと大勢いる。王様より王妃様を慕ってくれてるようだし。
「何もかもメーレが一人で抱え込んで責任を負わなくていいんだよ。負うなら王様でしょ!」
何なら国一番のトップの獅子王が脳筋盲目溺愛バカなのが悪いと思う!
「───責任を負う・・・・・・王だけに・・・・・・っぷ」
「・・・・・・エーレーンー?」
「ぴゃっ! すっすみません! なんでもないです!」
ぽそっと呟いたの、聞こえてるぞ!
エレンがビシッと背筋を伸ばすと、慌てて謝ってきた。それをメーレが見て、一瞬ポカンとしたあと、『おう』の意味をじわじわと理解したのか顔をくしゃっと歪ませて吹き出した。
「・・・・・・『おう』がかけてあるのね! くっ、くだらないっ!」
そう言って額を押さえながら、ツボに入ったのか涙を浮かべるほど大笑いしたメーレに、さっきの重い雰囲気はなかった。
「・・・・・・ありがとう、ノア。確かに人一人が両手で抱えられるモノって、多くないね」
「うん。ましてやメーレはこんなに細くて小さい手だし」
「・・・・・・欲張っちゃいけないね」
きっと、前正妃様の代わりに一生懸命頑張ってきたのだろう。疲れて毒に気が回らないほどに。
「メーレは本当に手にできるモノだけを護って、残りは皆で護ればいい」
きっと一人で抱え込むという状態が癖になっているだろうから、直していくのは時間がかかるだろうけど。
俺も一人で何でもやっちゃう癖が未だに抜けないけど、アークを頼るということは結構出来るようになった。
「頼ることは何も悪いことじゃない」
ね、アークもそう言ってるし。
「───うん、そうだね。もっと頼ればいいんだよね」
「そうそう。そうして空いた時間を趣味の薬草関係に使えると思えばいくらでも頼っちゃえると思わない?」
「───! 思える! さすがノア!」
急にぱあっと瞳を輝かせて満面の笑みを浮かべたメーレに俺達も破顔した。
※ここ十日ほどの間に、遠距離運転ばっかりしてて時間も取れず、疲労も取れず。お盆で帰省往復四時間、滞在二時間、帰宅が夕方。ワンオペで家事が待ってる・・・・・・。
でも書きたかった。寝静まった夜遅く、よ、ようやく書けた。
お休みなさい。
お昼ご飯のあと、自分達のテントから出てウッドデッキの場所に向かうと、ミオとエレンに世話を焼かれながら食後のお茶を飲んでいるメーレがいた。
そこで俺達の顔を見たメーレの最初の一言がコレである。
・・・・・・もう何もかもお見通しのような暖かい目で見ないで欲しい。いたたまれない。
「早いとか言わないで! いやもう、とりあえず第一回目の検証は終わったんで!」
「・・・・・・検証? お仕置きじゃないの?」
俺が顔を赤くして叫ぶとそう切り返してきたメーレ。俺はアークを見てまたメーレを見た。
何か二人ともいい笑顔で笑ってる。それでもってミオとエレンもしたり顔で見ている。
「うがーっ! 色々バレてるじゃん!」
「そりゃあ二人を知ってて、あのやり取りを見てればねえ・・・・・・」
「想像つきますよね?」
「アレは、お仕置きという名の検証!」
「あー、はいはい。確かに検証で合ってるかな」
ミオとエレンにもツッコまれて俺は再び叫んだ。それにアークがおざなりに返答してくる。
「それ、最初も言ってたね。検証って何?」
わいわい騒がしくなった俺達を宥めるようにメーレがそう言った。俺はハッと意識を戻すと、メーレに獣人国での出来事を話した。
昨日はその派生で錬成してしまった薬の検証も兼ねた・・・・・・ということにして。
ちなみに検証の件はスルーの方向で。まだまだ検証は続く予定です。そう言ったらメーレ達は笑って流してくれた。・・・・・・お仕置き頑張って、じゃないの!
「・・・・・・なるほど、私の毒の件の余波で危険な薬物も摘発されたんだね」
「健康被害は今のところないけど、言動に問題が生じてるらしい」
「そういう貴族達が最近増えてるって話だ」
「私が寝込んでいる間に広まったんだろうね。前はそんな話はほとんど耳にしていない」
真剣に聞いていたメーレ。自分の目が届かないときに大変なことが起きていたんだと難しい顔になってしまった。
責任云々とか考えているのかもしれないけど。
「メーレのせいじゃないよ。自分達の利益とかのためにやらかしたアイツらが悪いんだよ」
そこは間違いなくアイツらの責任。悪いことに錬金術や調薬を使ったのはアイツらの判断。その被害者であるメーレが責任を負うのはおかしいと思う。
「・・・・・・ノア」
「いくら国母だからって、全てを端から端まで見られないでしょ。だからメーレの目や身体になってくれる臣下がいる」
「・・・・・・」
「その人達をもっと信頼してやればいいんだよ。メーレは慕われてるんだから喜んで二つ返事でやってくれるよ」
メーレの手足となって、自分の意見を述べて間違いは諫めてくれる、そんな人達はきっと大勢いる。王様より王妃様を慕ってくれてるようだし。
「何もかもメーレが一人で抱え込んで責任を負わなくていいんだよ。負うなら王様でしょ!」
何なら国一番のトップの獅子王が脳筋盲目溺愛バカなのが悪いと思う!
「───責任を負う・・・・・・王だけに・・・・・・っぷ」
「・・・・・・エーレーンー?」
「ぴゃっ! すっすみません! なんでもないです!」
ぽそっと呟いたの、聞こえてるぞ!
エレンがビシッと背筋を伸ばすと、慌てて謝ってきた。それをメーレが見て、一瞬ポカンとしたあと、『おう』の意味をじわじわと理解したのか顔をくしゃっと歪ませて吹き出した。
「・・・・・・『おう』がかけてあるのね! くっ、くだらないっ!」
そう言って額を押さえながら、ツボに入ったのか涙を浮かべるほど大笑いしたメーレに、さっきの重い雰囲気はなかった。
「・・・・・・ありがとう、ノア。確かに人一人が両手で抱えられるモノって、多くないね」
「うん。ましてやメーレはこんなに細くて小さい手だし」
「・・・・・・欲張っちゃいけないね」
きっと、前正妃様の代わりに一生懸命頑張ってきたのだろう。疲れて毒に気が回らないほどに。
「メーレは本当に手にできるモノだけを護って、残りは皆で護ればいい」
きっと一人で抱え込むという状態が癖になっているだろうから、直していくのは時間がかかるだろうけど。
俺も一人で何でもやっちゃう癖が未だに抜けないけど、アークを頼るということは結構出来るようになった。
「頼ることは何も悪いことじゃない」
ね、アークもそう言ってるし。
「───うん、そうだね。もっと頼ればいいんだよね」
「そうそう。そうして空いた時間を趣味の薬草関係に使えると思えばいくらでも頼っちゃえると思わない?」
「───! 思える! さすがノア!」
急にぱあっと瞳を輝かせて満面の笑みを浮かべたメーレに俺達も破顔した。
※ここ十日ほどの間に、遠距離運転ばっかりしてて時間も取れず、疲労も取れず。お盆で帰省往復四時間、滞在二時間、帰宅が夕方。ワンオペで家事が待ってる・・・・・・。
でも書きたかった。寝静まった夜遅く、よ、ようやく書けた。
お休みなさい。
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