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6ー6【訳あり騎士は囲われる(仮)】番外編1 入団試験&入団式2
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いよいよ、実技試験が始まった。
試験官の騎士は五人いて、どうやら受付をした順番で行われるようだ。
それでいくと、サイカと俺は最後だな。でも五人の騎士に対して、俺達受験者は十六人。一人あぶれるよな。最後は俺だから、俺だけ一人? それはそれで目立ちそうでいやだな。
そんなことを思いながら、一対一の模擬戦が始まったので俺達も真剣にその様子を観戦する。
最初のグループは剣術がメインの戦闘をする受験者達だったようで、何合か打ち合いになったが、騎士達は微動だにせず、軽くいなしていた。
『……凄いな』
『うん。さすがだよね。最小の動きで躱してる。やっぱり実戦経験がものを言うんだね』
『そうだな』
さすがにまだ俺達はそんな実戦なんてできないから、仕方ないよな。よく動けてる方だよ。
『俺ももう少し、実戦経験積めればよかったんだけど。時間なくてあまりできなかったから』
『へー、時間なくて──……はぁ?』
オイコラ、何かヘンな言葉が聞こえた気がするぞ。
『……実戦経験、あるのか?』
『うん。オリエール男爵家の領地ってかなりの田舎でさ、王都からの騎士なんて派遣されないから普通に魔物が出るよ。だから俺達が毎日のように討伐してる。まあ、俺がいなくても領民達で結成されてる自警団員達が間引きしてくれてるから、心配ないけど』
『……へー、そう』
マジか。
オリエール男爵領って魔境なの!? 貧しい上に魔物の脅威に晒されてんの? でもって自警団で防げるって、まさか第三騎士団にも劣らない実力ってこと!? なんてとこに住んでるんだよ、サイカ。凄いな、オリエール男爵領!
そりゃあ、強くなるはずだ。
さすがに俺も実戦経験はあまりない。商談で別の街に行くときに護衛団にくっ付いていって、たまに弱い魔物を倒すくらい。
……俺も頑張らないとな。
サイカと他の人の動きをチェックし、参考にしたりしていると、次は例の五人の順番だった。
ニヤニヤした笑いはなりを潜め、真剣な表情になっている。
何だ、そういう顔もできんじゃん。
まあ、おふざけで入団試験を受けられるほど甘くはないもんな。それなりに実力はあるのだろう。
『始め!』
騎士達の合図に、魔法の詠唱を始める者、模擬戦用の刃を潰した剣を握りしめて突撃する者と様々だったが……うん、お粗末の一言に尽きる。
詠唱は短縮ではなく、長ったらしい文言を唱えていて、一対一の試験だからこそ詠唱を終えるまで待ってくれているが、魔物相手なら一瞬で殺されている。ちなみに、鍛練すれば魔法の名前だけで発動する短縮詠唱も可能だ。さらに上級だと、無詠唱で発動できる。
まあ、どれも魔法のセンスと努力が必要だけどな。
突撃している受験者も、なりふり構わずといった感じで、考えなしにツッコんでいるように見える。
もちろん、どちらも威力は弱くて、あっさりとやられていた。それでも懲りずに同じようなことをしては、いなされ、五分経つ前にヘロヘロになっていた。
『……ありゃあ、ダメだな』
『そうだね。そもそも基礎体力がなさすぎる』
ちょっとはやれそうかなと期待した俺が悪かった。
アイツら、ホント口だけだったな。
他の受験者達に呆れたような目を向けられていたが、疲労困憊のようで、気付いていなかった。
そういうわけで、最後は俺達のグループだったんだけど。
やっぱり一人あぶれるから、どうするのかと思っていたら───。
『オリエールは私が相手をしよう』
『……は?』
『えっ?』
どうやら実技試験を最初から見学していたらしい騎士団長が、名乗りを上げた。
しかもサイカを名指しで。
俺もサイカも、一瞬ポカンとした。たぶん試験官の騎士達も、他の受験者達も同様だと思う。
『受験者の方が一人、多いだろう。だからオリエールは私が見る。……そのハンデで、どれほどの戦闘をしてくれるのか、凄く興味があるのでね』
『し、しかし、団長!』
『それではあまりにも力の差が──』
イレギュラーな事態に、他の騎士達が慌てて止めに入る。
しかし──。
『それは他の受験者も同じだろう? 私の部下達は全員、優秀なのだから。何、試験官達とやることは変わらん。受験者が攻撃をしてくるのを受け止め、流すだけだ。むしろ、この私を一歩でも動かせたなら──』
相当の実力があるということ──。
それは、団長を守りから攻めにいかせてみろと、煽っているかのようだった。
心配になってサイカを見ると、なぜか口元が上がっていた。つまり、笑っていた。何なら、その右目はキラキラと輝いていた。
『───楽しそう』
『はあ? おま、マジ?』
『だって、こんなチャンス、二度とないよ。俺、張り切っちゃう! ぜひお願いします!』
『うん、じゃあ決まりだな。ほら、お前達も持ち場につけ。まだこのあと、グループ分けでの模擬討伐やるんだろう?』
サイカが了承したからか、サッサと動き出す団長に急かされて、最後のグループの一対一の試験が始まったんだが……。
『……騎士様、五分経ったんですけど』
『そうだね』
『止めなくていいんですか、アレ?』
『……そうだね。本当は止めないといけないんだけどね。でも無理でしょ、アレ』
『……デスヨネ』
俺も持てる力を出して模擬戦に挑み、騎士様を動かすことは無理だったが、渾身の魔法で、最後だけ騎士様に魔法防御をかけさせるくらいには健闘した。
さすがに他の受験者やサイカの模擬戦をチラ見する余裕なんかないから、五分経って、模擬戦終了の合図が鳴って、ハッと気付いた。
そしてお疲れ様でしたーからの、さっきの会話だ。
あの二人だけ、終了の合図に気付いていないのか、それとも楽しくてしょうがないのか、未だヤりあってるんだが。
騎士達も止めようがないのか、傍観している。
それにしても、何あの人達。
おかしいだろ。何であんなに魔法ガンガン使って平気なわけ? それにサイカの動きが速すぎて、目で追うのが精一杯なんだが。
『……サイカって、バトルジャンキーだったのか? めっちゃ楽しそう』
『それを言ったら、団長も楽しげですよね。あんな機嫌いい団長、久しぶりですよ』
すっかり観戦者になった騎士と俺は、二人の戦いぶりを見て、会話をする。
『へー、じゃあ似たもの同士? ──あ、団長が一歩動いた!? 氷槍を……え、槍、多過ぎだろ! そこに狙ったように剣を突き刺してる』
『あっ、マジか。凄いな、オリエールくん。団長と斬り結ぶなんて。──あ、マズい。オリエールくんが多重魔法発動しそう。団長は魔法防御できるけど、周りの被害が──』
『え!?』
さすが、百戦錬磨の騎士。サイカの魔法を見抜いたらしい。アイツ、よく見たら全部無詠唱で、予備動作もなく発動してて、分かんねえんだよ。
『総員、結界を張れ! 全力でだぞ!』
そのとき、誰かの声でそう指示が出て、その場にいた人で魔法が使える者は、もれなく結界魔法を展開した。いやあ、一瞬で。早っ!
『ぼさっとするな!』
『えっ、まさか俺も!?』
『そうだ、サッサとやれ!』
指示を出した騎士にそう言われて、ひええっと焦りながら、俺は短縮詠唱で『結界』を張った。さすがに無詠唱は無理!
いやあ、あんだけ模擬戦で使ったけど、人並み外れた魔力量で助かった……。
そして凄まじい爆音と土煙が消えたあと。
結界で防いだところ以外の地面や壁はえぐれて、見るも無惨な状況だった。
魔法が使えない、もしくは結界魔法を発動できなかった者は、他の騎士や受験者達の結界に助けられていて無事だったが、受験者のうち、ガラの悪いグループの五人は腰を抜かしてガタガタと震えていた。何なら、ちょっと失禁しているかも。ざまあみろ。
で、そんな惨状の真っ只中に平然と立っている二人に向かって、ザッザッと足早に歩いて行って団長の後頭部を張り倒す人──おそらく副団長。
『このド阿呆が! 上の者が周りの迷惑になることを率先してするんじゃない!』
ああ、この声、さっき結界張れって聞こえた声だ。
『ああ、副団長のおかげで、やっと落ち着く。団長、たまに暴走するんだよね。で、それを止められるのは副団長だけなんだよね』
『はあ……ご苦労様です』
えええ、真面目で人当たりよくてデキる団長様が? ちょっとイメージが……。
『いやだな、他人事みたいに言うけど、これから君も俺達の仲間入りだよ?』
『え? いや、まだ試験終わってないから、分かんないですよ?』
『いやいや、すでに結果は出てると思うよ。よろしくね、アリマージュくん』
にっこり笑っているが、何か、手ぐすね引いて陣地に引きずり込もうとするクモの魔物みたいで怖いんだが。
『えー、そりゃあ合格できたら嬉しいですけど、うーん、複雑』
『あと、たぶんオリエールくんも合格だと思うよ。よかったね』
『はあ、そうなら嬉しいですけど……でも確かに、団長とあれだけやり合えれば合格ですよね』
あれだけ動いて魔法も使ってたのに、二人ともケロッとしていて、汗もかいてない。
そりゃあ、俺もそこそこ動いても疲れないけどさ。
ちょっとあの人達、化け物じみてるよな。もちろんいい意味でだけど。
副団長にお小言をもらったあと、予定通りいくつかの班構成で魔物討伐の模擬戦をやったが、さっきのサイカと団長の模擬戦で度肝を抜かれたのか、あの五人は腰が抜けて戦意喪失状態になり、不参加。
残りの受験者達で、これまたすんなりクリアできた。
『チッ、同じグループになったら、素知らぬ顔でイタズラしてやろうと思ってたのに』
うっかり魔法あてちゃうとか、うっかり剣で突いちゃうとか、うっかり魔物の前に押し出しちゃうとか?
全部うっかりで済ます。
『そんなことしちゃダメだよ。こっちが不利になっちゃう。あんなの、直接手を下す価値もない。それに、俺、実力を見せつけてやったろう? だからいいんだ』
『全く、お前はさあ……。ま、サイカの実力にマジでビビったけどな。片目見えなくたって、全く支障なかったもんな。凄いよ。人の何倍も努力したんだろう?』
『んー、まあ、好きで鍛錬してたし、苦労したとは思ってないけど、でも、ありがとう』
アイツらを許したのかと思えば、辛辣なサイカに笑う。
『さあて、合否の発表が出るのは明日だけど、サイカはどこに宿を取ってるんだ?』
何気なく聞けば、サイカはキョトンとした。
……ん?
『───え、このあと、すぐじゃないの?』
……。
心底不思議そうに言うけど、オイコラ、何でそういうところ抜けてるんだよ!
『いやいや、募集要項に記載されてるだろ。発表は入団試験の翌日の朝だって。……お前、さては読み漏らしたな?』
そう教えてやれば、サーッと顔を青ざめさせたサイカ。
『うわ、どうしよう。俺、今日帰るつもりでいたから、宿もお金もない……いやお金は帰路分はあるけどっ』
『……ったく、ならウチに来いよ。商会やってるから、来客用に客室はたくさんあるし。せっかくだから、いろんな話しようぜ』
『え、でもそんな、悪いよ』
そういう遠慮なんかしなくていいって。ウチは商会がデカいだけで一般市民なんだし。
『気にすんな。これも友達あるあるなんだよ。友達んちにお泊まり……いい響きだろ?』
気兼ねなく泊まれるように、友達あるあるって言って誘導してやると、途端に目をキラキラさせる。
うわ、マジ可愛い。純粋すぎん!? 簡単に騙されそうで怖いわ。
『友達の家に、お泊まり……いい』
想像してみたのか、ほんのり頬を紅潮させているサイカに、思わず噴き出す。
『ふはっ! じゃあ決まりだな! あ、すいませーん。サイカ・オリエールは、今夜、アリマージュ家に泊まるんで、何かあればウチに連絡ください!』
『お、そうか。アリマージュ家なら安心だな。気を付けて帰れよ。明日の合否発表は朝の九時だからな』
『了解です!』
『あ、ありがとうございました!』
騎士に所在地を伝えて、俺はサイカと帰宅がてら、色々教えながら家まで帰った。
───で、サイカを連れ帰ったときの家族の反応が凄かった。
護衛団の人にも顔を知っていて欲しくて、団長を応接室に呼んで、同席してもらったんだけど、こっちも同じような反応だった。
実は左目は見えないんじゃなくて、とある事情で隠しているんだって打ち明けられて。
認識阻害のバンダナを外したら、それはそれは美人な顔と見事な銀の髪と瞳だもんな。
皆、顎が外れるかってくらい、愕然としていて、笑った。俺の初対面の驚きを体感せよってな。
『事情は内緒なんだ。ごめんね。でも初めての友達に嘘は吐きたくなかったし、俺、信用できる人かどうかって、そういう勘は鋭いから、ちゃんと人を見て打ち明けてるよ』
『そっか。なら安心だな』
簡単に騙されそうで、もの凄く心配なんだよ。
『いやあ、それにしても、凄い美人さんね。お母さん、エリクが恋人を連れてきたのかと思っちゃったわ』
『エリクに限ってソレはないだろう』
『どういう意味だよ、兄さん!』
『そういう色気なんかないガキだって言ってんの』
『何だってぇ!?』
母さんの言葉に上の兄さんがそう言うと、下の兄さんも失礼なことを言うから、思わず兄弟ゲンカになりかける。
それなのにニコニコと笑うサイカを見て、恥ずかしくなって、思わず言葉を止める。
『喧嘩するほど仲がいいって言うヤツだね』
『あ、いや、見苦しかったな』
そう言うと、笑って首を横に振るサイカ。そこに父さんが思い出したように聞いた。
『そういえばサイカ殿にも、確か弟君がいたと思うが……』
『さすが、商人ですね。情報がしっかりしてますね。ええ、十二歳の義弟がいます。跡取りなのでしっかり者で、そういう喧嘩はしないですねえ』
サラッと言ったが、皆、ギョッとしたぞ、おい。
『跡取り? お前じゃなくて?』
『うん、俺、養子だから。実子の義弟が正式な後継者だよ。だから俺、入団試験受けに来たんだよ』
『え、養子なの?』
これまた新しい情報が出てきて、再びギョッとする。
『そう。捨て子だったんだって。だから恩返し。あ、別に蔑まれたとか虐待なんかないよ。実子のように、分け隔てなく育てられた』
『うん、まあ、それはお前を見てれば分かるし、疑ってないけど。そっか、オリエール男爵家って、善良な人達って噂だったけど、本当なんだな』
『呆れるほど、いい家族だよ』
そう言って笑う顔に翳りは一切なくて、俺達もホッとするのだった。
そんなことを話していると、サイカの部屋の用意が調ったというので、使用人に案内させる。
サイカはきっちり礼をして、応接室から出て行った。
サイカが出て行って少ししたあと。
応接室では家族全員と団長とでひそひそと内緒話が始まった。
『ちょっとエリク。とんでもない方を連れてきちゃったわね』
『あー、やっぱり?』
『だってアレ、さっき聞いた話だけで察するよ。彼、絶対あの噂の当人だろう?』
『だよねぇ』
そう、本来の姿を見た家族と団長は、すぐにあの噂の信憑性に気付いた。
『ガイスト侯爵家は第一子を死産扱いにして、その存在を消した』
まことしやかに流れる噂だったけど、まさか真実だったなんて。
だって、銀髪銀目はガイスト侯爵家にしか生まれない。
そこにきて、サイカが実は捨て子で養子とくれば答えはおのずと導き出される。
『でもさ、俺らで気付くんだから、第三騎士団長達が気付かないはずないと思うんだよ。それでいけば、今日の騎士団長の動向の違和感もつじつまが合うなって』
受付でサイカを連れて行って──からの模擬戦での騎士団長との絡みも、それなら納得だ。
『まあ、どんなことになろうとも、俺はアイツの友達第一号だし! 何があってもアイツの味方だ』
『よく言った! それでこそアリマージュ家の一員だ。己が信念を貫き通せ』
『そうよ。彼はとってもいい子よ。私達も全力で護りましょう』
『そうだね』
こうしてサイカの預かり知らぬところで、勝手に味方が増えたのだった。
その後、商家としてはごく普通の晩餐に舌鼓を打ち、客室の豪華さを褒め、俺と雑談をして夜更かしをし、朝、使用人よりも早起きして鍛練をするサイカは、家中の皆が味方についたことに気付かない。
『朝食も大変美味しかったです。本当に、何から何まで、お世話になりました。少しばかりのお礼ですが……』
そう言って家を出る前に、根付けの紐に魔石を付けたアミュレットを、家族と護衛団の分、それに使用人の分も用意してプレゼントしてくれた。
魔石は男爵領で倒しまくってる魔物から取ったからタダだって笑っているが、おい、それおかしいからな。普通の貴族はそんなことをしないぞ。
『いつ作ったんだ?』
『在庫はいつもたくさん作っておくから、あとは組み合わせるだけだよ。だから時間はかかってない。気休めみたいなものだけどね、お守りにして』
そんなことをしてる素振りはなかったから、そう聞いてみれば、なんてことないように笑うサイカ。
その気持ちだけで十分だよ。でも──。
『ありがとう』
そういえば、照れたようにはにかんだ。
こうしてサイカと、入団試験会場に張り出される合否の結果発表を見に行くと、あの五人以外は、全員合格だった。
『やった!』
『さすがにな!』
アレで落ちたら、一生這い上がれん。
『合格だった者は、受付で入団に関する書類を受け取り、筆記試験会場で説明を聞いて、それから解散だ。しっかり頼むぞ』
『はい!』
こうして説明を聞き、一月後に入団式に来るまで、サイカとはしばしの別れとなる。
その間に、怒濤の勢いで様々なことがあるとは思いもせずに。
『じゃあ、また一月後に!』
『うん、エリクも身体に気を付けて!』
こうして濃い入団試験が終わり、一月後──。
ちょっと雰囲気の変わったサイカに違和感を覚えつつ、再会を喜ぶ。
───このあとの入団式でも、一騒動あるなんて思わずに。
※長くなりすぎて、入団式までいかなかったので、次話までお待ちください。
試験官の騎士は五人いて、どうやら受付をした順番で行われるようだ。
それでいくと、サイカと俺は最後だな。でも五人の騎士に対して、俺達受験者は十六人。一人あぶれるよな。最後は俺だから、俺だけ一人? それはそれで目立ちそうでいやだな。
そんなことを思いながら、一対一の模擬戦が始まったので俺達も真剣にその様子を観戦する。
最初のグループは剣術がメインの戦闘をする受験者達だったようで、何合か打ち合いになったが、騎士達は微動だにせず、軽くいなしていた。
『……凄いな』
『うん。さすがだよね。最小の動きで躱してる。やっぱり実戦経験がものを言うんだね』
『そうだな』
さすがにまだ俺達はそんな実戦なんてできないから、仕方ないよな。よく動けてる方だよ。
『俺ももう少し、実戦経験積めればよかったんだけど。時間なくてあまりできなかったから』
『へー、時間なくて──……はぁ?』
オイコラ、何かヘンな言葉が聞こえた気がするぞ。
『……実戦経験、あるのか?』
『うん。オリエール男爵家の領地ってかなりの田舎でさ、王都からの騎士なんて派遣されないから普通に魔物が出るよ。だから俺達が毎日のように討伐してる。まあ、俺がいなくても領民達で結成されてる自警団員達が間引きしてくれてるから、心配ないけど』
『……へー、そう』
マジか。
オリエール男爵領って魔境なの!? 貧しい上に魔物の脅威に晒されてんの? でもって自警団で防げるって、まさか第三騎士団にも劣らない実力ってこと!? なんてとこに住んでるんだよ、サイカ。凄いな、オリエール男爵領!
そりゃあ、強くなるはずだ。
さすがに俺も実戦経験はあまりない。商談で別の街に行くときに護衛団にくっ付いていって、たまに弱い魔物を倒すくらい。
……俺も頑張らないとな。
サイカと他の人の動きをチェックし、参考にしたりしていると、次は例の五人の順番だった。
ニヤニヤした笑いはなりを潜め、真剣な表情になっている。
何だ、そういう顔もできんじゃん。
まあ、おふざけで入団試験を受けられるほど甘くはないもんな。それなりに実力はあるのだろう。
『始め!』
騎士達の合図に、魔法の詠唱を始める者、模擬戦用の刃を潰した剣を握りしめて突撃する者と様々だったが……うん、お粗末の一言に尽きる。
詠唱は短縮ではなく、長ったらしい文言を唱えていて、一対一の試験だからこそ詠唱を終えるまで待ってくれているが、魔物相手なら一瞬で殺されている。ちなみに、鍛練すれば魔法の名前だけで発動する短縮詠唱も可能だ。さらに上級だと、無詠唱で発動できる。
まあ、どれも魔法のセンスと努力が必要だけどな。
突撃している受験者も、なりふり構わずといった感じで、考えなしにツッコんでいるように見える。
もちろん、どちらも威力は弱くて、あっさりとやられていた。それでも懲りずに同じようなことをしては、いなされ、五分経つ前にヘロヘロになっていた。
『……ありゃあ、ダメだな』
『そうだね。そもそも基礎体力がなさすぎる』
ちょっとはやれそうかなと期待した俺が悪かった。
アイツら、ホント口だけだったな。
他の受験者達に呆れたような目を向けられていたが、疲労困憊のようで、気付いていなかった。
そういうわけで、最後は俺達のグループだったんだけど。
やっぱり一人あぶれるから、どうするのかと思っていたら───。
『オリエールは私が相手をしよう』
『……は?』
『えっ?』
どうやら実技試験を最初から見学していたらしい騎士団長が、名乗りを上げた。
しかもサイカを名指しで。
俺もサイカも、一瞬ポカンとした。たぶん試験官の騎士達も、他の受験者達も同様だと思う。
『受験者の方が一人、多いだろう。だからオリエールは私が見る。……そのハンデで、どれほどの戦闘をしてくれるのか、凄く興味があるのでね』
『し、しかし、団長!』
『それではあまりにも力の差が──』
イレギュラーな事態に、他の騎士達が慌てて止めに入る。
しかし──。
『それは他の受験者も同じだろう? 私の部下達は全員、優秀なのだから。何、試験官達とやることは変わらん。受験者が攻撃をしてくるのを受け止め、流すだけだ。むしろ、この私を一歩でも動かせたなら──』
相当の実力があるということ──。
それは、団長を守りから攻めにいかせてみろと、煽っているかのようだった。
心配になってサイカを見ると、なぜか口元が上がっていた。つまり、笑っていた。何なら、その右目はキラキラと輝いていた。
『───楽しそう』
『はあ? おま、マジ?』
『だって、こんなチャンス、二度とないよ。俺、張り切っちゃう! ぜひお願いします!』
『うん、じゃあ決まりだな。ほら、お前達も持ち場につけ。まだこのあと、グループ分けでの模擬討伐やるんだろう?』
サイカが了承したからか、サッサと動き出す団長に急かされて、最後のグループの一対一の試験が始まったんだが……。
『……騎士様、五分経ったんですけど』
『そうだね』
『止めなくていいんですか、アレ?』
『……そうだね。本当は止めないといけないんだけどね。でも無理でしょ、アレ』
『……デスヨネ』
俺も持てる力を出して模擬戦に挑み、騎士様を動かすことは無理だったが、渾身の魔法で、最後だけ騎士様に魔法防御をかけさせるくらいには健闘した。
さすがに他の受験者やサイカの模擬戦をチラ見する余裕なんかないから、五分経って、模擬戦終了の合図が鳴って、ハッと気付いた。
そしてお疲れ様でしたーからの、さっきの会話だ。
あの二人だけ、終了の合図に気付いていないのか、それとも楽しくてしょうがないのか、未だヤりあってるんだが。
騎士達も止めようがないのか、傍観している。
それにしても、何あの人達。
おかしいだろ。何であんなに魔法ガンガン使って平気なわけ? それにサイカの動きが速すぎて、目で追うのが精一杯なんだが。
『……サイカって、バトルジャンキーだったのか? めっちゃ楽しそう』
『それを言ったら、団長も楽しげですよね。あんな機嫌いい団長、久しぶりですよ』
すっかり観戦者になった騎士と俺は、二人の戦いぶりを見て、会話をする。
『へー、じゃあ似たもの同士? ──あ、団長が一歩動いた!? 氷槍を……え、槍、多過ぎだろ! そこに狙ったように剣を突き刺してる』
『あっ、マジか。凄いな、オリエールくん。団長と斬り結ぶなんて。──あ、マズい。オリエールくんが多重魔法発動しそう。団長は魔法防御できるけど、周りの被害が──』
『え!?』
さすが、百戦錬磨の騎士。サイカの魔法を見抜いたらしい。アイツ、よく見たら全部無詠唱で、予備動作もなく発動してて、分かんねえんだよ。
『総員、結界を張れ! 全力でだぞ!』
そのとき、誰かの声でそう指示が出て、その場にいた人で魔法が使える者は、もれなく結界魔法を展開した。いやあ、一瞬で。早っ!
『ぼさっとするな!』
『えっ、まさか俺も!?』
『そうだ、サッサとやれ!』
指示を出した騎士にそう言われて、ひええっと焦りながら、俺は短縮詠唱で『結界』を張った。さすがに無詠唱は無理!
いやあ、あんだけ模擬戦で使ったけど、人並み外れた魔力量で助かった……。
そして凄まじい爆音と土煙が消えたあと。
結界で防いだところ以外の地面や壁はえぐれて、見るも無惨な状況だった。
魔法が使えない、もしくは結界魔法を発動できなかった者は、他の騎士や受験者達の結界に助けられていて無事だったが、受験者のうち、ガラの悪いグループの五人は腰を抜かしてガタガタと震えていた。何なら、ちょっと失禁しているかも。ざまあみろ。
で、そんな惨状の真っ只中に平然と立っている二人に向かって、ザッザッと足早に歩いて行って団長の後頭部を張り倒す人──おそらく副団長。
『このド阿呆が! 上の者が周りの迷惑になることを率先してするんじゃない!』
ああ、この声、さっき結界張れって聞こえた声だ。
『ああ、副団長のおかげで、やっと落ち着く。団長、たまに暴走するんだよね。で、それを止められるのは副団長だけなんだよね』
『はあ……ご苦労様です』
えええ、真面目で人当たりよくてデキる団長様が? ちょっとイメージが……。
『いやだな、他人事みたいに言うけど、これから君も俺達の仲間入りだよ?』
『え? いや、まだ試験終わってないから、分かんないですよ?』
『いやいや、すでに結果は出てると思うよ。よろしくね、アリマージュくん』
にっこり笑っているが、何か、手ぐすね引いて陣地に引きずり込もうとするクモの魔物みたいで怖いんだが。
『えー、そりゃあ合格できたら嬉しいですけど、うーん、複雑』
『あと、たぶんオリエールくんも合格だと思うよ。よかったね』
『はあ、そうなら嬉しいですけど……でも確かに、団長とあれだけやり合えれば合格ですよね』
あれだけ動いて魔法も使ってたのに、二人ともケロッとしていて、汗もかいてない。
そりゃあ、俺もそこそこ動いても疲れないけどさ。
ちょっとあの人達、化け物じみてるよな。もちろんいい意味でだけど。
副団長にお小言をもらったあと、予定通りいくつかの班構成で魔物討伐の模擬戦をやったが、さっきのサイカと団長の模擬戦で度肝を抜かれたのか、あの五人は腰が抜けて戦意喪失状態になり、不参加。
残りの受験者達で、これまたすんなりクリアできた。
『チッ、同じグループになったら、素知らぬ顔でイタズラしてやろうと思ってたのに』
うっかり魔法あてちゃうとか、うっかり剣で突いちゃうとか、うっかり魔物の前に押し出しちゃうとか?
全部うっかりで済ます。
『そんなことしちゃダメだよ。こっちが不利になっちゃう。あんなの、直接手を下す価値もない。それに、俺、実力を見せつけてやったろう? だからいいんだ』
『全く、お前はさあ……。ま、サイカの実力にマジでビビったけどな。片目見えなくたって、全く支障なかったもんな。凄いよ。人の何倍も努力したんだろう?』
『んー、まあ、好きで鍛錬してたし、苦労したとは思ってないけど、でも、ありがとう』
アイツらを許したのかと思えば、辛辣なサイカに笑う。
『さあて、合否の発表が出るのは明日だけど、サイカはどこに宿を取ってるんだ?』
何気なく聞けば、サイカはキョトンとした。
……ん?
『───え、このあと、すぐじゃないの?』
……。
心底不思議そうに言うけど、オイコラ、何でそういうところ抜けてるんだよ!
『いやいや、募集要項に記載されてるだろ。発表は入団試験の翌日の朝だって。……お前、さては読み漏らしたな?』
そう教えてやれば、サーッと顔を青ざめさせたサイカ。
『うわ、どうしよう。俺、今日帰るつもりでいたから、宿もお金もない……いやお金は帰路分はあるけどっ』
『……ったく、ならウチに来いよ。商会やってるから、来客用に客室はたくさんあるし。せっかくだから、いろんな話しようぜ』
『え、でもそんな、悪いよ』
そういう遠慮なんかしなくていいって。ウチは商会がデカいだけで一般市民なんだし。
『気にすんな。これも友達あるあるなんだよ。友達んちにお泊まり……いい響きだろ?』
気兼ねなく泊まれるように、友達あるあるって言って誘導してやると、途端に目をキラキラさせる。
うわ、マジ可愛い。純粋すぎん!? 簡単に騙されそうで怖いわ。
『友達の家に、お泊まり……いい』
想像してみたのか、ほんのり頬を紅潮させているサイカに、思わず噴き出す。
『ふはっ! じゃあ決まりだな! あ、すいませーん。サイカ・オリエールは、今夜、アリマージュ家に泊まるんで、何かあればウチに連絡ください!』
『お、そうか。アリマージュ家なら安心だな。気を付けて帰れよ。明日の合否発表は朝の九時だからな』
『了解です!』
『あ、ありがとうございました!』
騎士に所在地を伝えて、俺はサイカと帰宅がてら、色々教えながら家まで帰った。
───で、サイカを連れ帰ったときの家族の反応が凄かった。
護衛団の人にも顔を知っていて欲しくて、団長を応接室に呼んで、同席してもらったんだけど、こっちも同じような反応だった。
実は左目は見えないんじゃなくて、とある事情で隠しているんだって打ち明けられて。
認識阻害のバンダナを外したら、それはそれは美人な顔と見事な銀の髪と瞳だもんな。
皆、顎が外れるかってくらい、愕然としていて、笑った。俺の初対面の驚きを体感せよってな。
『事情は内緒なんだ。ごめんね。でも初めての友達に嘘は吐きたくなかったし、俺、信用できる人かどうかって、そういう勘は鋭いから、ちゃんと人を見て打ち明けてるよ』
『そっか。なら安心だな』
簡単に騙されそうで、もの凄く心配なんだよ。
『いやあ、それにしても、凄い美人さんね。お母さん、エリクが恋人を連れてきたのかと思っちゃったわ』
『エリクに限ってソレはないだろう』
『どういう意味だよ、兄さん!』
『そういう色気なんかないガキだって言ってんの』
『何だってぇ!?』
母さんの言葉に上の兄さんがそう言うと、下の兄さんも失礼なことを言うから、思わず兄弟ゲンカになりかける。
それなのにニコニコと笑うサイカを見て、恥ずかしくなって、思わず言葉を止める。
『喧嘩するほど仲がいいって言うヤツだね』
『あ、いや、見苦しかったな』
そう言うと、笑って首を横に振るサイカ。そこに父さんが思い出したように聞いた。
『そういえばサイカ殿にも、確か弟君がいたと思うが……』
『さすが、商人ですね。情報がしっかりしてますね。ええ、十二歳の義弟がいます。跡取りなのでしっかり者で、そういう喧嘩はしないですねえ』
サラッと言ったが、皆、ギョッとしたぞ、おい。
『跡取り? お前じゃなくて?』
『うん、俺、養子だから。実子の義弟が正式な後継者だよ。だから俺、入団試験受けに来たんだよ』
『え、養子なの?』
これまた新しい情報が出てきて、再びギョッとする。
『そう。捨て子だったんだって。だから恩返し。あ、別に蔑まれたとか虐待なんかないよ。実子のように、分け隔てなく育てられた』
『うん、まあ、それはお前を見てれば分かるし、疑ってないけど。そっか、オリエール男爵家って、善良な人達って噂だったけど、本当なんだな』
『呆れるほど、いい家族だよ』
そう言って笑う顔に翳りは一切なくて、俺達もホッとするのだった。
そんなことを話していると、サイカの部屋の用意が調ったというので、使用人に案内させる。
サイカはきっちり礼をして、応接室から出て行った。
サイカが出て行って少ししたあと。
応接室では家族全員と団長とでひそひそと内緒話が始まった。
『ちょっとエリク。とんでもない方を連れてきちゃったわね』
『あー、やっぱり?』
『だってアレ、さっき聞いた話だけで察するよ。彼、絶対あの噂の当人だろう?』
『だよねぇ』
そう、本来の姿を見た家族と団長は、すぐにあの噂の信憑性に気付いた。
『ガイスト侯爵家は第一子を死産扱いにして、その存在を消した』
まことしやかに流れる噂だったけど、まさか真実だったなんて。
だって、銀髪銀目はガイスト侯爵家にしか生まれない。
そこにきて、サイカが実は捨て子で養子とくれば答えはおのずと導き出される。
『でもさ、俺らで気付くんだから、第三騎士団長達が気付かないはずないと思うんだよ。それでいけば、今日の騎士団長の動向の違和感もつじつまが合うなって』
受付でサイカを連れて行って──からの模擬戦での騎士団長との絡みも、それなら納得だ。
『まあ、どんなことになろうとも、俺はアイツの友達第一号だし! 何があってもアイツの味方だ』
『よく言った! それでこそアリマージュ家の一員だ。己が信念を貫き通せ』
『そうよ。彼はとってもいい子よ。私達も全力で護りましょう』
『そうだね』
こうしてサイカの預かり知らぬところで、勝手に味方が増えたのだった。
その後、商家としてはごく普通の晩餐に舌鼓を打ち、客室の豪華さを褒め、俺と雑談をして夜更かしをし、朝、使用人よりも早起きして鍛練をするサイカは、家中の皆が味方についたことに気付かない。
『朝食も大変美味しかったです。本当に、何から何まで、お世話になりました。少しばかりのお礼ですが……』
そう言って家を出る前に、根付けの紐に魔石を付けたアミュレットを、家族と護衛団の分、それに使用人の分も用意してプレゼントしてくれた。
魔石は男爵領で倒しまくってる魔物から取ったからタダだって笑っているが、おい、それおかしいからな。普通の貴族はそんなことをしないぞ。
『いつ作ったんだ?』
『在庫はいつもたくさん作っておくから、あとは組み合わせるだけだよ。だから時間はかかってない。気休めみたいなものだけどね、お守りにして』
そんなことをしてる素振りはなかったから、そう聞いてみれば、なんてことないように笑うサイカ。
その気持ちだけで十分だよ。でも──。
『ありがとう』
そういえば、照れたようにはにかんだ。
こうしてサイカと、入団試験会場に張り出される合否の結果発表を見に行くと、あの五人以外は、全員合格だった。
『やった!』
『さすがにな!』
アレで落ちたら、一生這い上がれん。
『合格だった者は、受付で入団に関する書類を受け取り、筆記試験会場で説明を聞いて、それから解散だ。しっかり頼むぞ』
『はい!』
こうして説明を聞き、一月後に入団式に来るまで、サイカとはしばしの別れとなる。
その間に、怒濤の勢いで様々なことがあるとは思いもせずに。
『じゃあ、また一月後に!』
『うん、エリクも身体に気を付けて!』
こうして濃い入団試験が終わり、一月後──。
ちょっと雰囲気の変わったサイカに違和感を覚えつつ、再会を喜ぶ。
───このあとの入団式でも、一騒動あるなんて思わずに。
※長くなりすぎて、入団式までいかなかったので、次話までお待ちください。
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