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冒険者ギルドヘ 2
道中色々あったが無事に冒険者ギルドに着いた。
え? 色々って? そんなの・・・・・・色々に決まってるじゃんか! え? 知りたい?
ナハトに尻尾のことを言われてからなるべくわさわさしないように気を付けていたんだけど、もうね、どうにもなんないの。
なにこれ、世の尻尾持ち獣人は皆こうなの? それとも俺だけ?
尻尾が俺の意思とは関係なく勝手にわさわさ動きまくってて、別の生き物のよう。
「いや、むしろラトナの意思通りに動いてると思うが・・・・・・」
「ムキーッ! そんなことない! 俺は動かしてない!」
苦笑するサイファに噛み付いてムッとする俺を微笑ましげに見る護衛さん達。
俺はタシタシとサイファの顔を叩く尻尾を自分で掴んで抱え込んだ。
「もういい! 俺が自分で持ってる!」
「──────っかわ・・・・・・」
「んえ? 何だって!?」
「いや、ラトナはそれで良いと思う」
何か聞こえてサイファに聞き直すとよく分からないことを言ったので周りの護衛さん達を見渡せば、微笑みながら頷かれた。
「・・・・・・? まぁいっか。じゃあ行くぞー!」
両手でしっかり尻尾を抱きしめながらそう言うと、近くにいた街の人達からも注目を集めていたらしく、微笑ましそうな目を向けられていて再び恥ずかしくなった。
そのあとはなるべく尻尾が動かないようにギュッとして、そのもふもふ尻尾でひたすら自分を癒やした。もちろん見える範囲でキョロキョロと視線は動かしていたけどね。
そんな感じでいつの間にか冒険者ギルドに到着したわけ。
外観は三階建てのレンガ造りのビルみたい。横幅もかなりある、アレだ、市役所をコンパクトにしたようなイメージ。
屋上もあるみたい。
正面の大きな扉は、たぶん俺が押してもビクともしない。
サイファ達みたいな大きい人もすっぽり通れる高さで、サイファが通っても頭二つ分は高いんじゃないかな?
こうしてみると、俺って見た目子供って言われるのも納得だよね。
そんな扉を出入りする冒険者は思ったよりも少ない。
そう思っていたらサイファが教えてくれた。
「冒険者は貼り出されている依頼書からいいモノを受けたいから、朝早く来て争奪戦になることが多い」
「ああ、早い者勝ちってこと?」
そういえば小説なんかでも朝と夕方が混むって書いてあったな。朝、依頼を受けて夕方に戻って依頼完了の手続きで混雑するって。
やっぱりそうなんだ。
「そうだ。だから中途半端なこの時間はあまりいないんだよ。空いてるからギルマス達も時間があるだろう」
「はあ、だからこんな時間に街に来たんだ。別の日の朝早くでもいいのにとちょっと思ってたんだよ」
「朝早くなんて、ごった返していて冒険者ギルドも市場の方もラトナじゃ歩けないよ」
え、そんなに?
もしかしてよくテレビで見たスクランブル交差点とか、初詣の行列とか?
今の自分の体格を見て想像する。───うん。人混みに潰される未来しか見えないわ。
「こわっ! 俺、サイファに一生抱っこされて歩く!」
尻尾を抱えながらガクブルする俺を宥めながら中に入り、ギルド職員さんらしき制服の人に案内されて二階の一室に入った。
「やあ、久し振りだな、サイファ。二ヶ月振りかな?」
そう低くて渋いが軽い言葉を言った人を見ると、ガッチリしたマッチョで強面の左頬にひっかき傷のようなのが目から顎にかけて伸びている、焦げ茶色の短髪と焦げ茶色の瞳の五〇代くらいのオジサンがいた。
テーブルの上には束になった書類がたくさんあって、忙しなく手を動かしていた。
「そうですね、ギルマス。でも一度連絡は入れましたよね?」
「あー、アレか。『番いを見つけた』って一言な! ソレだけだろ」
おお、ソレって必要最低限の内容だな。いいのか、そんなんで、と俺は心の中でツッコむ。
「番いという言葉で察したでしょう? ところで庶民街の自警団長と貴族街の巡回騎士団長を呼んで貰えます?」
「いきなりかよ。人使い荒いよお前。呼び出してどうすんだよ」
面倒臭そうに、ソレでも連絡を取ってくれるらしいギルマス? にサイファは不機嫌を隠しもせずに理由を告げる。
「本当は見せたくないんですが、万が一のために番いの顔合わせをしておきたくて」
「・・・・・・え? 番い? は? 連れて来てるのか!?」
コレにはギルマス? も驚いてバッとこっちをガン見してきた。俺はいきなり注目されてビビる。
「いますよ。だから護衛騎士三人連れてるでしょう? 他にも王家の影もいますけど」
俺の背ををポンポンして宥めながらしれっと言うサイファに更に言い募るギルマス?
「はぁ!? え、番い様はどこに!?」
「ココに」
サイファの端的な言葉と視線にギルマス? が俺を凝視する。
いやぁ・・・・・・居心地悪っ!
「こ、こんにちは。サイファの番いのラトナです」
抱き上げられたままの俺がフードを下ろしてそう挨拶すると、ギルマス? は目を見開き、数秒固まった。
「───はぁあああああーっ!?」
・・・・・・まぁ、そうなるよな。
え? 色々って? そんなの・・・・・・色々に決まってるじゃんか! え? 知りたい?
ナハトに尻尾のことを言われてからなるべくわさわさしないように気を付けていたんだけど、もうね、どうにもなんないの。
なにこれ、世の尻尾持ち獣人は皆こうなの? それとも俺だけ?
尻尾が俺の意思とは関係なく勝手にわさわさ動きまくってて、別の生き物のよう。
「いや、むしろラトナの意思通りに動いてると思うが・・・・・・」
「ムキーッ! そんなことない! 俺は動かしてない!」
苦笑するサイファに噛み付いてムッとする俺を微笑ましげに見る護衛さん達。
俺はタシタシとサイファの顔を叩く尻尾を自分で掴んで抱え込んだ。
「もういい! 俺が自分で持ってる!」
「──────っかわ・・・・・・」
「んえ? 何だって!?」
「いや、ラトナはそれで良いと思う」
何か聞こえてサイファに聞き直すとよく分からないことを言ったので周りの護衛さん達を見渡せば、微笑みながら頷かれた。
「・・・・・・? まぁいっか。じゃあ行くぞー!」
両手でしっかり尻尾を抱きしめながらそう言うと、近くにいた街の人達からも注目を集めていたらしく、微笑ましそうな目を向けられていて再び恥ずかしくなった。
そのあとはなるべく尻尾が動かないようにギュッとして、そのもふもふ尻尾でひたすら自分を癒やした。もちろん見える範囲でキョロキョロと視線は動かしていたけどね。
そんな感じでいつの間にか冒険者ギルドに到着したわけ。
外観は三階建てのレンガ造りのビルみたい。横幅もかなりある、アレだ、市役所をコンパクトにしたようなイメージ。
屋上もあるみたい。
正面の大きな扉は、たぶん俺が押してもビクともしない。
サイファ達みたいな大きい人もすっぽり通れる高さで、サイファが通っても頭二つ分は高いんじゃないかな?
こうしてみると、俺って見た目子供って言われるのも納得だよね。
そんな扉を出入りする冒険者は思ったよりも少ない。
そう思っていたらサイファが教えてくれた。
「冒険者は貼り出されている依頼書からいいモノを受けたいから、朝早く来て争奪戦になることが多い」
「ああ、早い者勝ちってこと?」
そういえば小説なんかでも朝と夕方が混むって書いてあったな。朝、依頼を受けて夕方に戻って依頼完了の手続きで混雑するって。
やっぱりそうなんだ。
「そうだ。だから中途半端なこの時間はあまりいないんだよ。空いてるからギルマス達も時間があるだろう」
「はあ、だからこんな時間に街に来たんだ。別の日の朝早くでもいいのにとちょっと思ってたんだよ」
「朝早くなんて、ごった返していて冒険者ギルドも市場の方もラトナじゃ歩けないよ」
え、そんなに?
もしかしてよくテレビで見たスクランブル交差点とか、初詣の行列とか?
今の自分の体格を見て想像する。───うん。人混みに潰される未来しか見えないわ。
「こわっ! 俺、サイファに一生抱っこされて歩く!」
尻尾を抱えながらガクブルする俺を宥めながら中に入り、ギルド職員さんらしき制服の人に案内されて二階の一室に入った。
「やあ、久し振りだな、サイファ。二ヶ月振りかな?」
そう低くて渋いが軽い言葉を言った人を見ると、ガッチリしたマッチョで強面の左頬にひっかき傷のようなのが目から顎にかけて伸びている、焦げ茶色の短髪と焦げ茶色の瞳の五〇代くらいのオジサンがいた。
テーブルの上には束になった書類がたくさんあって、忙しなく手を動かしていた。
「そうですね、ギルマス。でも一度連絡は入れましたよね?」
「あー、アレか。『番いを見つけた』って一言な! ソレだけだろ」
おお、ソレって必要最低限の内容だな。いいのか、そんなんで、と俺は心の中でツッコむ。
「番いという言葉で察したでしょう? ところで庶民街の自警団長と貴族街の巡回騎士団長を呼んで貰えます?」
「いきなりかよ。人使い荒いよお前。呼び出してどうすんだよ」
面倒臭そうに、ソレでも連絡を取ってくれるらしいギルマス? にサイファは不機嫌を隠しもせずに理由を告げる。
「本当は見せたくないんですが、万が一のために番いの顔合わせをしておきたくて」
「・・・・・・え? 番い? は? 連れて来てるのか!?」
コレにはギルマス? も驚いてバッとこっちをガン見してきた。俺はいきなり注目されてビビる。
「いますよ。だから護衛騎士三人連れてるでしょう? 他にも王家の影もいますけど」
俺の背ををポンポンして宥めながらしれっと言うサイファに更に言い募るギルマス?
「はぁ!? え、番い様はどこに!?」
「ココに」
サイファの端的な言葉と視線にギルマス? が俺を凝視する。
いやぁ・・・・・・居心地悪っ!
「こ、こんにちは。サイファの番いのラトナです」
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