優しい庭師の見る夢は

エウラ

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10 これがギャップ萌え

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目覚めて直ぐに家の前にいたシュルツに驚き、でも何だか心がぽかぽかして安らげるなぁ、なんて思って招きいれた樹希。

その後色々あったけど、シュルツと同居する事になってはや一週間。

シュルツは前世で言うところのなんじゃ無いかと樹希は思い始めていた。



樹希は実は朝が弱い。
前世では施設で当番制だが御飯の準備や掃除などを受け持っていたのでそれなりに早く起きてはいた。
───いや、精霊に起こして貰っていた。

今世では食事も野菜や果物で事足りるし、朝寝坊していても誰の迷惑にもならないし精霊達も何もなければ無理に起こそうとはしないから、なし崩し的に9時や10時まで寝ている生活になった。

掃除や洗濯も魔法の『洗浄』や『浄化』で事足りるので、時間を取られる事も無い。
お風呂だって入らなくても平気。
いやお風呂大好きだから毎日入ってるけども。

『浄化』は本当は悪いモノ・・・悪霊的なモノとか呪いとかをお祓いする魔法らしいんだけど、僕は菌を殺すイメージで普段から使ってる。
でも衣服や寝具からお日様の匂いがすると気持ちいいから、『浄化』したあとに外に干している。

精霊王達には不思議がられたけど。

───で、そんなまったり過ごしていたところにやって来た竜人・シュルツ。
当然、彼は普通に御飯を食べる訳で、僕はさあ困った。

だって果物か野菜しか無いんだよ?
シュルツって絶対肉食だよね?
ていうか、たくさん食べないとあの体、維持できないでしょ。

だからといって動物は殺せないし捌けないし、材料が無いから料理も出来ない。
そう言えば調味料も基本的なモノ・・・砂糖と塩コショウくらいだった。

後は森で手に入れた蜂蜜と自生しているハーブ類。

・・・・・・うん、何にも無い。パンもない。

「どうしよう・・・」

同居初日、その日は何故か早く目が覚めて朝の7時過ぎに起きたんだけど、シュルツと同居するしないの問答その他で終わってしまい、もう昼近いのに朝御飯を食べて無いことに気付いて。

僕は何時もの事だから平気だけど、シュルツは絶対お腹空いてるよね?

慌ててキッチンの食料を確認・・・するまでもなく、何にも無いなーって虚無の目で呟いた。

「どうした?」

そこにヒョイと顔を出したシュルツ。
さっきまで空いてる部屋を好きにどうぞって言って荷物を片付けさせていたんだけど、終わったのかな?

「うん、ほら僕って果物とかで御飯済んじゃうからシュルツの食べるモノ無いなー、って思って」
「ああ、そういうこと。心配要らん。食材ならたくさん持ってきたし、必要なら外でくる」
「・・・・・・」

───くる、だよね?
くる、に聞こえたのは気のせいだよね?

虚無ってしまった僕に気付かずにそう言いながらキッチンに入ってきたシュルツを見て、思わずぱあっと目に生気が戻ったのを自覚した。

シュルツは白い襟付きのシャツの胸元を釦二つ分外していて、ムチッとした首元の筋肉が良く見えた。
黒いぴっちりしたパンツがやっぱり腿やふくらはぎの筋肉を強調している。

胸筋も盛り上がっているのが分かる。
肘まで腕まくりした二の腕もガッチリムッチリ太くて逞しい。

そう言えばシュルツって僕の頭が胸の位置くらい背も高いんだった。

「───凄い筋肉」
「え? ああ、怖く・・・無いか?」
「え? ううん。だってシュルツはその力を僕に振るわないでしょ? だから怖くないよ」
「───!! そ、そうか。・・・俺だからか・・・良かった、うん」

何やらもごもご言ってるけどよく聞こえない。
それよりも筋肉カッコいい。
僕は165cmくらいだから、シュルツは200cm越えてるよね?
良いなあ、憧れる。

「ぁ、材料あっても僕、そんなに料理出来ないや」

切ったり炒めたり、煮込むくらいは出来るけど、手の込んだものは無理だ。

「大丈夫だ。心配要らんと言ったろう? 俺が料理するから」
「───えっ?! シュルツが?!」

何となく料理しないイメージだった。
何処となく品が良いから良いところのお坊ちゃまかと・・・。

「冒険者だからな、野営で良く作ってる。レイド戦で大勢の冒険者達と組んで炊き出しもやったことあるからな。・・・まあ、男らしい料理にはなると思うが。イツキは食べられないモノとかあるか?」

へえ、冒険者ってやっぱり小説のような感じなのかな。

「・・・ん───、そう言われてもこの辺りの果物や野草くらいしか知らないし。あ、でもお肉は(この体になってから)全く食べたこと無い」
「───、そうか。じゃあ・・・癖の少ない鶏肉を使おう。キッチン借りるぞ」
「うん、どうぞ」

そう言ってちょっと邪魔かなと端に寄ったら、シュルツが腕輪型のマジックバッグからエプロンを出した。

この世界にはピンキリでいろんなマジックバッグがあるらしい。

腕輪から出してそれを広げて暫し固まるシュルツ。
彼の背後にいて、その背で様子が見えないので不思議に思っていると・・・。

「・・・はあ、スミスのヤツ・・・」

シュルツがブツブツ言いながら身に着けたエプロンは、薄桃色で裾と肩紐にひらひらレースの付いた可愛らしいモノでした。

メイドカフェの制服って言えば分かる?

ガチムチの大きい体にぴっちりのフリフリエプロン・・・。



───コレがギャップ萌えかっ!!









※コレがしたかった。お目汚し?スミマセン。



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