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6 ブランシュの出来ること 1
のっけから予想通りというか、失笑モノのスキルがあって何とも言えない空気になったが、気を取り直して・・・。
「・・・・・・他には・・・・・・?」
サブギルマスがステータスを食い入るように見つめている。
「うーん、アレらのスキルの次に『浄化』がありますね」
「それって、瘴気を祓うアレか? ドライアドってそんなスキルがあるのか?」
ギルマスが意外そうな顔で言った。
先のスキルがアレだったからだと思うが・・・。
レイヴンも首を傾げる。
サブギルマスは思案したあと話し出した。
「・・・・・・おそらくですが、さっきブランシュは生きるために空気中のナニかを吸収してたって言ってましたよね? それってもしかして瘴気だったんじゃないですか?」
「---そういえば、あの森って無害な動植物は存在するが魔物系がいないよな? ・・・まさか、ブランシュが吸収して浄化してたって事か?」
ギルマスがハッとした。
「ずっと空腹でソレを糧にしていたならば有り得ますね。しかし、数十年や百年くらいじゃ浄化は終わらないでしょう。私の知る限り、ここ数百年は、あの森はずっと何もない森でした。ブランシュが生まれて幾星霜って、大袈裟じゃ無かったのかもしれませんね」
「・・・・・・マジで幾星霜生きてたって事か?」
ギルマスもサブギルマスも感心して良そう言った。
レイヴンは半ば呆れながらブランシュを見た。
「・・・・・・お前、本当に良く生きてたな」
『ほんとほんと。レイヴンが来てくれて助かったですよねぇ? あの時目が醒めた自分を褒めて褒めて~?』
のほほんとそう言うブランシュに更に呆れるレイヴン。
「いや、ソレを言うなら『自分を褒めてやりたい』だろ? っていうか、え? お前ずっと寝てたの? 気配を消してたとかじゃなくて?」
『そうです。どのくらい寝てたか分からないですけど、気付いたら人の気配がして目が醒めてぇ・・・、そうしたらレイヴンがいたから、声をかけたんですー。今を逃したら、一生ご飯にありつけないってぇ・・・』
「・・・・・・俺、寝てただけのコイツの気配にも気付かなかったのか・・・・・・なんか負けた気分・・・」
ブランシュの言葉に愕然としたレイヴンを、苦笑しながら慰める二人。
「単に死にかけてて気配が無かっただけだって!」
「そうそう。普通は精霊の気配なんて読まないですもん」
「---そういうことにしておきます・・・ハア」
やさぐれるレイヴンだった。
「とりあえず、従魔登録と伴侶登録もちゃんとされたので。ほら、ここ。冒険者のPT欄にしっかり記載されてるのを確認して下さい」
「・・・・・・レイヴンの従魔(精霊ドライアド♂:ブランシュ)兼伴侶」
『ほんとだ~。・・・ところで伴侶って何?』
「---今更かよっ?!」
「天然」
「アホの子」
ブランシュの質問に各自の心境を吐露するのだった。
『えーと? 要するに、ずっと一生ご飯に困らないって事ですかねぇ?』
「・・・・・・そうなんだけど。コレからは腹が減っても俺以外にセックスして精液を貰うなってこと!!」
「あからさまに言いますねえ」
「アレは直球で言わないと伝わらないだろ」
ギルマス達がツッコむが、無視だ無視!
『ソレはそのつもりですけど? レイヴンしか知らないけど、ご飯美味しいし。・・・ううーんと、つまり、他の人とキモチイイコトしちゃダメって事であってます?』
「それであってる。俺以外からヤらせろって言われてもダメ。無理矢理襲われたら断固拒否。指一本触れさせるな。分かったな?」
そう釘を刺すと、片手を挙げてブランシュが言った。
『あいあいさー!』
「・・・・・・何処で覚えたんだそんな言葉?」
『んー? 何時だったか、風に乗って聞いた気がするー。使い方合ってた?』
「・・・まあ? とにかく、俺から離れるなよ? 迷子になりそうだしヘンな輩に連れていかれそうだし・・・」
やれやれと何度目か分からない溜息を吐くレイヴンだった。
「大変だな、レイヴン」
「苦労しそうですよね。まあ、たくさん栄養摂らせて、早くスキル解除してあげて下さい。使えそうなスキル、けっこうありましたから」
「だそうだ。頑張れよ!」
「・・・・・・ハア。じゃあ帰ってイイっすか?」
「おう、良いぜ。宿でゆっくり・・・出来ると良いな」
「・・・ほどほどにね?」
『お邪魔しました~』
疲れたレイヴンは敬語もおざなりになったので、これでお開きとなった。
「数日は籠もりそうだな」
「ですね」
「何かレイヴン、独占欲が強い旦那になりそうだったな」
「俺以外にヤるなって? 伴侶なら普通では?」
「いや、アイツ割とモノにも人にも執着しないのに、あの言い様だったからな。自覚は無さそうだが」
「へえ・・・面白くなりそうですね」
ギルマス達は下世話な想像をして笑うのだった。
※次話、R18の予定。ブランシュの今出来ることって言ったら・・・ですよね?
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