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17 レイヴンのお買い物事情振り返り 1
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※本日二度目の更新です、注意。こちらからチェックした方は先に16話を読んで下さい。
他の小説の更新が今日出来ないので、代わりにこちらを倍でドン。
部屋を出て階下に行く。
今はちょうど午後4時くらいか。
ブランシュ用の装飾品を急かせて作らせたが、さすがにそれなりに時間がかかったのだ。
鍛冶屋のおやっさんは腕の良いドワーフで頑固者だ。
レイヴンとは顔馴染みとはいえ、そう易々と引き受けてはくれないかなと思っていたが、二つ返事でオッケーが出た。
「良いのか? 忙しいだろう?」
怪訝に思って聞き返すと、おやっさんはガハハッと笑って言った。
「良いってコトよ! 聞いたぜ。お前さん、ついに嫁を貰ったって?! しかももの凄い美人だってな。今、街中その噂で持ちきりよ! コレってその嫁への贈り物だろう? サラマンダーの鱗で自分の羽根のデザインだなんてよ、相当入れ込んでるなあ。何にせよ良いこった! だから今回は俺からのお祝いだ」
「・・・助かるが・・・もう街中、広まってんのか」
さもイヤそうに顔を顰めるレイヴンに追い撃ちをかけるおやっさん。
「お前さん、ココに来る前にもやらかしてたろ。宿に侵入した賊から嫁さん護ったっていうじゃないか。お熱いねえ」
「・・・マジか。・・・いやもう良い・・・とにかく頼んだ」
「おう、きっちり、だが最速で仕上げてやる。どうせ用事あるんだろう?」
「ああ、色々とアイツの買い物が」
「嫁への貢ぎ物かあ。甲斐性あるとこ見せねえとな! その間に仕上げとくから好きに行ってこい!!」
「・・・分かった。じゃあ後でな」
おやっさんとのそんな会話で少々疲れたレイヴンは、服屋でも同じように絡まれた。
双子のオネエ店長達にグイグイ言い寄られる。
「レイヴンさんってば、隅に置けないわね」
「一度、その美人妻連れて来て下さいよ。私達が色々とコーディネートしてあげるわよ」
ガッチリした男だが、綺麗に薄化粧していて口調もオネエのこの二人も美人の類いだ。
だがしかし近付きすぎだ。離れろ。
「いらん。俺が体型を把握しているから俺が選ぶ」
「「キャーッ!! 『体型を把握している』ですって! どんだけ抱いたのよ?! 良いから私達に白状なさい!!」」
煩いくらい反応して詰め寄ってくるオネエ店長達、ちょっとコワイぞ。
あまりの煩さに仕方なく白状する。
「・・・・・・抱き潰した。まだ寝てる」
「「ギャーッ!! マジで?! お嫁さん、良く死ななかったわねー!! ちょっとは加減しなさいよ!!」」
「---あー、暴走した気はする・・・」
絶対に言わないがブランシュのスキルがヤバすぎた。
オネエ店長達は顔を真っ青にして叫ぶ。
「貴方のあのブツで遠慮無しにヤッたら死ぬわよ!!」
「そこんとこ分かってるわよね?! それなのにヤッちゃったの?! まさか一晩中・・・?!」
「あー・・・少なくとも半日はヤってた、かな」
今更だなと思いそう言えば、二人とも膝から崩れ落ちた。
「---・・・・・・死ぬ。私なら死ぬわ」
「オネエちゃんでなくても死ぬわ! アレは凶器よ、百戦錬磨の手練れだって一回でアウトよ・・・・・・ソレを・・・・・・半日・・・・・・」
「・・・・・・お前ら、見たことあんのかよ? ヤッた事ねえよな?」
「そんなの、関係を持ったヤツらが言ってたからに決まってんじゃない!」
「皆、言ってるわよ! アレは人のモンじゃ無いって!!」
「・・・・・・そりゃ、俺は鴉だから」
苦笑してレイヴンが返すと、姉(兄?)がプツンとキレたようだ。
「屁理屈捏ねてんじゃねえ!! そういう意味じゃねえよ!! 獣人の中でもデカブツだって言ってんだろうがよ!!」
「オネエちゃん落ち着いて!! 口調が野郎に戻ってる!!」
「だってよ、コイツッ!!」
「わ、悪かったよ。とにかくアイツに衣類を一揃え頼む」
レイヴンが下手に出たせいか溜飲を下げたらしい店長。
何とか落ち着いたようだ。
「---・・・・・・はあ・・・。了解。で? 一揃えってコトは下着から何から全部って? 独占欲強いわねえ」
「あーいや、それもあるが、アイツ、マキシ丈のシャツ? ワンピース? 一枚しか着てなくてさ・・・」
「ん? シャツが一枚ってコトであってる?」
「---シャツ一枚だけしか着てない」
「・・・・・・他には?」
「ゼロ」
「「---ゼロ・・・」」
レイヴンの応えに一瞬固まってからおそるおそる聞き返す双子。
「・・・・・・まさかとは思うけど・・・ソレを脱いだら・・・?」
「素っ裸」
「「---ギャーッ!!」」
「だから一式頼むって」
「信じらんない! 変態!!」
「鬼畜よ鬼畜!! それでもSランク冒険者の旦那なのアンタ?! 可愛い嫁に貢ぐ気無いのね?!」
「人を変態鬼畜呼ばわりするな! 話を聞け!! 嫁と出逢ったときからそうだったんだよ!! だから今一式揃える為にココに買いに来てんだろうが!!」
店長達につられて思わず大声で叫ぶレイヴンは興奮でハアハアと息を切らせた。
戦闘時だってこうはならない。
店長達はレイヴンのあまりの剣幕に逆にスンッと冷静になった。
二人でしゃがんでレイヴンに背を向けてこそこそと話をする。
「そ、そうよね? よく考えればおかしいわよね。・・・て事は、お嫁さん、まさか今まで酷い目に・・・?!」
「有り得る・・・。そしてレイヴンさんがソレを助けたのね、きっと」
「ソレでお互い、一目惚れ的な?!」
「「キャーッ!!」」
「・・・・・・何を想像してんのか知らんが、いい加減、服を見せろ」
「「はあーい! バッチリ好みのを探してあげるわよ!」」
「ハア?」
急に張り切りだした双子に疲れた顔でついていくレイヴンだった。
そして漸く決まった一式を、組み合わせを替えて数セット揃えて購入し、やっと店をあとにした。
「今度は一緒に来てねー!」
「はいはい、またな・・・」
二人におざなりに返事をするレイヴン。
「あー・・・、疲れた。屋台で適当に飯買ってからおやっさんのところに行って・・・」
そう言いながら来た道を引き返すレイヴンだった。
※続きます。
他の小説の更新が今日出来ないので、代わりにこちらを倍でドン。
部屋を出て階下に行く。
今はちょうど午後4時くらいか。
ブランシュ用の装飾品を急かせて作らせたが、さすがにそれなりに時間がかかったのだ。
鍛冶屋のおやっさんは腕の良いドワーフで頑固者だ。
レイヴンとは顔馴染みとはいえ、そう易々と引き受けてはくれないかなと思っていたが、二つ返事でオッケーが出た。
「良いのか? 忙しいだろう?」
怪訝に思って聞き返すと、おやっさんはガハハッと笑って言った。
「良いってコトよ! 聞いたぜ。お前さん、ついに嫁を貰ったって?! しかももの凄い美人だってな。今、街中その噂で持ちきりよ! コレってその嫁への贈り物だろう? サラマンダーの鱗で自分の羽根のデザインだなんてよ、相当入れ込んでるなあ。何にせよ良いこった! だから今回は俺からのお祝いだ」
「・・・助かるが・・・もう街中、広まってんのか」
さもイヤそうに顔を顰めるレイヴンに追い撃ちをかけるおやっさん。
「お前さん、ココに来る前にもやらかしてたろ。宿に侵入した賊から嫁さん護ったっていうじゃないか。お熱いねえ」
「・・・マジか。・・・いやもう良い・・・とにかく頼んだ」
「おう、きっちり、だが最速で仕上げてやる。どうせ用事あるんだろう?」
「ああ、色々とアイツの買い物が」
「嫁への貢ぎ物かあ。甲斐性あるとこ見せねえとな! その間に仕上げとくから好きに行ってこい!!」
「・・・分かった。じゃあ後でな」
おやっさんとのそんな会話で少々疲れたレイヴンは、服屋でも同じように絡まれた。
双子のオネエ店長達にグイグイ言い寄られる。
「レイヴンさんってば、隅に置けないわね」
「一度、その美人妻連れて来て下さいよ。私達が色々とコーディネートしてあげるわよ」
ガッチリした男だが、綺麗に薄化粧していて口調もオネエのこの二人も美人の類いだ。
だがしかし近付きすぎだ。離れろ。
「いらん。俺が体型を把握しているから俺が選ぶ」
「「キャーッ!! 『体型を把握している』ですって! どんだけ抱いたのよ?! 良いから私達に白状なさい!!」」
煩いくらい反応して詰め寄ってくるオネエ店長達、ちょっとコワイぞ。
あまりの煩さに仕方なく白状する。
「・・・・・・抱き潰した。まだ寝てる」
「「ギャーッ!! マジで?! お嫁さん、良く死ななかったわねー!! ちょっとは加減しなさいよ!!」」
「---あー、暴走した気はする・・・」
絶対に言わないがブランシュのスキルがヤバすぎた。
オネエ店長達は顔を真っ青にして叫ぶ。
「貴方のあのブツで遠慮無しにヤッたら死ぬわよ!!」
「そこんとこ分かってるわよね?! それなのにヤッちゃったの?! まさか一晩中・・・?!」
「あー・・・少なくとも半日はヤってた、かな」
今更だなと思いそう言えば、二人とも膝から崩れ落ちた。
「---・・・・・・死ぬ。私なら死ぬわ」
「オネエちゃんでなくても死ぬわ! アレは凶器よ、百戦錬磨の手練れだって一回でアウトよ・・・・・・ソレを・・・・・・半日・・・・・・」
「・・・・・・お前ら、見たことあんのかよ? ヤッた事ねえよな?」
「そんなの、関係を持ったヤツらが言ってたからに決まってんじゃない!」
「皆、言ってるわよ! アレは人のモンじゃ無いって!!」
「・・・・・・そりゃ、俺は鴉だから」
苦笑してレイヴンが返すと、姉(兄?)がプツンとキレたようだ。
「屁理屈捏ねてんじゃねえ!! そういう意味じゃねえよ!! 獣人の中でもデカブツだって言ってんだろうがよ!!」
「オネエちゃん落ち着いて!! 口調が野郎に戻ってる!!」
「だってよ、コイツッ!!」
「わ、悪かったよ。とにかくアイツに衣類を一揃え頼む」
レイヴンが下手に出たせいか溜飲を下げたらしい店長。
何とか落ち着いたようだ。
「---・・・・・・はあ・・・。了解。で? 一揃えってコトは下着から何から全部って? 独占欲強いわねえ」
「あーいや、それもあるが、アイツ、マキシ丈のシャツ? ワンピース? 一枚しか着てなくてさ・・・」
「ん? シャツが一枚ってコトであってる?」
「---シャツ一枚だけしか着てない」
「・・・・・・他には?」
「ゼロ」
「「---ゼロ・・・」」
レイヴンの応えに一瞬固まってからおそるおそる聞き返す双子。
「・・・・・・まさかとは思うけど・・・ソレを脱いだら・・・?」
「素っ裸」
「「---ギャーッ!!」」
「だから一式頼むって」
「信じらんない! 変態!!」
「鬼畜よ鬼畜!! それでもSランク冒険者の旦那なのアンタ?! 可愛い嫁に貢ぐ気無いのね?!」
「人を変態鬼畜呼ばわりするな! 話を聞け!! 嫁と出逢ったときからそうだったんだよ!! だから今一式揃える為にココに買いに来てんだろうが!!」
店長達につられて思わず大声で叫ぶレイヴンは興奮でハアハアと息を切らせた。
戦闘時だってこうはならない。
店長達はレイヴンのあまりの剣幕に逆にスンッと冷静になった。
二人でしゃがんでレイヴンに背を向けてこそこそと話をする。
「そ、そうよね? よく考えればおかしいわよね。・・・て事は、お嫁さん、まさか今まで酷い目に・・・?!」
「有り得る・・・。そしてレイヴンさんがソレを助けたのね、きっと」
「ソレでお互い、一目惚れ的な?!」
「「キャーッ!!」」
「・・・・・・何を想像してんのか知らんが、いい加減、服を見せろ」
「「はあーい! バッチリ好みのを探してあげるわよ!」」
「ハア?」
急に張り切りだした双子に疲れた顔でついていくレイヴンだった。
そして漸く決まった一式を、組み合わせを替えて数セット揃えて購入し、やっと店をあとにした。
「今度は一緒に来てねー!」
「はいはい、またな・・・」
二人におざなりに返事をするレイヴン。
「あー・・・、疲れた。屋台で適当に飯買ってからおやっさんのところに行って・・・」
そう言いながら来た道を引き返すレイヴンだった。
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