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24 レイヴンの一族 2
「ブランシュ、悪いがスキルの『同化』を使って気配を消してくれるか?」
『ん? 良いよ?』
「すまないな。上空でヘンなモン引っかけると面倒だからな」
『ヘンなモン?』
翔び立ってすぐにレイヴンにそう言われてブランシュは一瞬で同化して透明化した。
元々軽い体重のせいもあって、レイヴンも一瞬気配を見失いそうになり内心で焦ったが、ブランシュがぎゅっと首筋にしがみ付いたのに安心してよく見ると、ブランシュのピアスやチョーカーから自分の魔力が感じられてふと思い出した。
---そういや、装飾品に自分で魔法付与してたっけな。
それに気付けば、透明化してようとブランシュの気配が手に取るように分かった。
「ヨシ。時々休憩を入れるが、ブランシュも遠慮せずに何かあればすぐに言え」
『はぁい、分かった』
その返事を聞いて、グンッと高度を上げるレイヴン。
ブランシュは驚いたのか一瞬身を硬くしたが、しかし興奮の方が勝ったようで、次の瞬間には上擦ったような声をあげていた。
『っひゃあ! 高ーい! すっごーい!!』
「怖くはないか?」
『グーンと上がるときの重圧?には驚いたけど、怖くは無いよ。もっと高いところに行くの?』
「そのつもりだ。地上に近いと色々と煩わしいからな」
『ふーん? あ、ねえ、もしかしてアソコって僕がいた森?』
「そうだ。かなり広い割に危険な魔物はいないし特に珍しい薬草とかも無いから、冒険者達には不人気で、ほとんど人は立ち入らない森だ」
『おおー。え、じゃああの日、レイヴンが来なかったら僕は一生独りぼっちで、もしかして飢え死に・・・?』
最悪を考えたのか、ブルッと震えたブランシュをぎゅっと抱き締め直す。
「・・・ソレを思うと運命だったのかもな」
そんなのちっとも信じちゃいなかった癖に、ブランシュと出逢えた今なら納得もする。
『ふええぇ・・・・・・。レイヴンを引っかけたあの時の私を褒めてあげたい!! 神様も酷いよね? せっかく転生してくれたのに、何であんな誰もいない森に放置なの?! 私がアソコでどれだけ独りぼっちだったと思ってるの?!』
ブランシュは色々と過去を思い返したのか、ここに転生させてくれた、おそらくこの世界の創造神だろう神に文句を言う。
確かにろくな説明も無く、誰も来ないような森に置いておかれたらあっと言う間に行き倒れて死んでいただろう。
ブランシュは精霊だったおかげで今生きているのだし。
---何かの意図があったのか神のポカなのかは分からんが・・・。
今朝のブランシュのステータスの称号・・・・・・。
急に取って付けたようなそれらをどう解釈すれば良いのか、それとも深い意味は無いのか。
・・・・・・ブランシュを見る限り、創造神の愛し子以外にはあまり意味は無さそうだなと心の中で溜息を吐く。
そして腕の中で神に悪態をつくブランシュを宥めながら空の旅を始めるレイヴンだった。
道中、ブランシュが透明化していたおかげか、数回、休憩で地上に降りたがヘンな輩には遭遇しないで済んだ。
ブランシュを見られていたらそれなりに絡まれたであろうが、レイヴンを見て大概は鴉一族だと気付いて避けるのだ。
それだけ鴉一族は表にも裏にも知られた存在なのだが。
「ブランシュ、ずっと同化して貰ってて悪いな。もうじき着くから。着いたら普通にして良いからな」
『大丈夫。同化しててもこちらは周りが見えるし、レイヴンにくっ付けるから幸せです』
「---そうか」
表情は見えないが、嬉しそうな声から窺える感情は嘘を言ってはいなさそうだ。
もっともブランシュが嘘をつく必要性は全く無いのだが。
根っからの善人、疑うことをしない、天然。
鴉一族の里ではおそらく全員に好かれる。
今から頭が痛いレイヴンだった。
※遅くなりました。次こそは里帰り・・・。
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