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26 ブランシュのステータス 2
しおりを挟むブランシュが羊達に気を取られて妄想している間に、レイヴンはカンアにコソッと話をする。
「・・・あんまり言いたくないんだがな・・・兄貴には話しておかないとマズい事がある」
「え? こんな俺に言わないとマズいくらいそんなにヤバい話なの?」
レイヴンは普段からやたらと弟大好きオーラで構ってくるカンアが苦手だった。
露骨に避けてもいた。
ソレをカンアは揶揄って面白がってもいたのだが。
それが自ら相談してくるほどの事ということだ。
カンアもさすがに気を引き締める。
「正直、ブランシュに関しては誰にも言いたくないが、・・・ないが、しかし! かなり大事になると思う」
「・・・・・・えー、・・・そんなに?」
「そんなに、だ。分かってることのウチ、一つだけははっきり言ってヤバい」
「お前がそう言うって、どんだけだよ? ・・・で? ココで聞いて良いのか?」
「どうせ里中に知れるだろう? 構わん。取りあえず称号の一つ。---創造神の愛し子、というのがある」
「---っ本当か?! ーっと、悪い」
思わず声が大きくなったカンアを睨むレイヴン。
慌てて声を潜めるカンア。
ちらりと見るとブランシュは妄想中で聞いていなかったので、セーフ。
「・・・どういう事だ? 愛し子なんてホイホイいるモンじゃないぞ!」
「ブランシュが前世持ちだと知らせたろう? それに関係してるんだと思う。それは後で話す」
「分かった。今夜、時間を作ろう。・・・取りあえずは彼を現実に引き戻さないとな・・・」
「・・・・・・そうだな」
カンアに言われてレイヴンがブランシュを見ると、妄想が止まらないのか、によによと笑んでいる。
それにほっこりしつつも、いい加減自分を見て欲しくてブランシュに声をかけた。
「ブランシュ、お楽しみなところ悪いが場所を変えるぞ」
『ふひっ?! あ、え・・・あっ、ごめんなさい』
妄想から我に返ったブランシュが慌てて振り向いた。
カンアは苦笑している。
「ごめんね? 先に二人のお披露目をするからさ。その後、羊達を見に行こうか」
『あっ、はい。よろしくお願い致します』
「そんなに他人行儀にならなくて良いよ。もう家族で義理の兄になるんだし、ね?」
『おおおお兄さん・・・家族・・・そっか、レイヴンも家族・・・ふへへっ・・・嬉しい』
カンアの言葉を理解したブランシュは、はにかんで喜んだ。
---親に捨てられたって言ってたもんな。
きっと、誰よりも家族に憧れてたよな。
そう思うと、鴉一族は里中が家族みたいなモンだ。
きっとブランシュには居心地が良いのかもしれない。
カンアのあとに続いて歩くレイヴンは、抱き上げたブランシュをちらりと見てそう思った。
※所用でちょっと時間が取れず、もの凄く短いです。スミマセン。
次はもう少し書けたら良いなと思いますが、用事が立て込むので気長にお待ち下さい。
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本当にありがたく思います。
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