天然美人魔性植物と強面冒険者のアレコレ(仮)

エウラ

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31 そこのところkwsk!! 1(sideブランシュ)

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ひとまず席についてお茶を頂く。

さすがにレイヴンの膝の上は遠慮したブランシュは、目の前にサーブされたティーカップを凝視していた。

「・・・ブランシュ?」
「あの、この里では一般的なお茶なのよ。グリーンティって言って、見た目は珍しいけど、とても美味しいの。良かったら・・・」
『---たい・・・』
「え?」
『この色、この香り・・・頂きます---っ!!』

ブランシュはポツリと呟くと、香りを嗅いで一口・・・からの驚愕の顔になった。

『---!! 緑茶!! やっぱり当たってた!! 凄い凄い、まさかココで飲めるなんて!』
「・・・落ち着け、ブランシュ、どうどう」
「イヤ馬じゃ無いんだから」
「ホントよねえ・・・」
「レイヴン、笑える」

めちゃくちゃ興奮状態のブランシュを宥めていると、周りから呆れた声が・・・。

そうこうしているうちに正気を取り戻したブランシュが、若干興奮気味に話し出した。

『あのコレ、このお茶!! 僕が昔住んでた国の一般的なお茶なんです! 緑茶っていって、庶民から偉い人まで飲んでて、ピンキリですけど色々味が違って・・・! とにかく、懐かしい味で・・・』

そう言いながら最後にほろりと涙が溢れたブランシュ。

前世で慣れ親しんだ味なのだろう。
それで何か思い出したのかもしれない。

「---そうか、良かったな。好きなだけ飲めるぞ」
『うん、うん、ありがとう。・・・ごめんなさい、なんか泣けちゃって・・・』
「良いのよ。気にしないで。さあさあ、お茶に合うお菓子もたくさんあるのよ」
「そうそう。羊羹もあるよ!」
『えっ、羊羹?! マジ天国・・・夢じゃ無いよね?!』
「---ふっ、夢じゃねえよ。好きなだけ食え」
『わーい!!』

カンアや両親の痛い視線にと口パクすれば一応納得したらしい。

---俺だって詳しくは知らないんだよ。

はああ、と溜息を吐いていると、ブランシュが羊羹を頬張りながらレイヴンを見た。

『そう言えばレイヴンのお家の人達って、何のお仕事してるの?』
「---ああ、そう言えば言ってなかったな」
「え、ブランシュちゃんに知らせないでココに連れて来たのか?!」
「後でって言ってそれきり・・・忘れてた」
「・・・大丈夫だった?」
「レイヴン、言葉たらずなところあるから・・・」
『? 別に困ったことは何も? ただ、ココに着いたとき、忍びの里みたいだなって思いましたけど・・・』
「「「?」」」

初めて聞く言葉にキョトンとする三人。
ブランシュはそのまま続けた。

『はい。闇に紛れて隠密行動する、秘密の暗殺者みたいな?』
「「「---・・・レイヴン?」」」

どういう事だと、両親とカンアが思わずレイヴンに鋭い視線を送る。

「・・・ソレも後で。良いか、ブランシュ。鴉一族の仕事は概ねソレであってる。代々、どこかの主に仕えたり情報収集したり、暗殺業を生業としている一族だ。もちろんむやみやたらに殺したりとかしないけどな」
『・・・・・・はえぇ・・・』
「おいレイヴン、ストレート過ぎる。さすがにブランシュちゃんには刺激が強すぎるって!」

カンアが焦ってツッコむ。
しかしレイヴンは至って冷静だった。

「イヤ、コイツはこれくらいはっきり言わないと分からないから」
「そうだろうけど、ちょっと・・・」
『---カッコいい!!』
「は?」

聞こえた声に驚いて振り向くと、ブランシュがキラキラした瞳でカンア達を見つめていたのだった。





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