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33 オニャメ神とステータスの更新情報
しおりを挟む焦ったように顕現したオニャメ神を見つめる6人。
ブランシュは眠りの中で気付かない。
「---うわ、出た。オニャメ神」
「・・・・・・いやあ、マジで出るモンなんだな、オニャメ神」
レイヴンとカンアがマジかーって感じで溢した。
モルテは然もありなんという顔で頷く。
「何度かブチ切れて喚んだことあったから出るとは思ったが・・・」
「え?! 祖父様そんな何度も喚んでんの?!」
「・・・さすが死神・・・」
「ンだと、ゴルァ?!」
カンアとレイヴンにツッコまれてキレかけるモルテにクレイエが待ったをかけた。
「はいはい、ストップ。今はどうでも良いのよ、そんなこと。せっかくなんだからこの際オニャメ神に徹底的に話を伺いましょう」
《---っひえっ?!》
そう言うクレイエの顔は笑顔なのに背筋がぞわっとしたのだった。
鴉一族は元々オニャメ神の眷属の一つである鴉から獣人化した一族で、オニャメ神が手を出せない地上の闇の部分を粛清する役割を持っている。
それ故、暗部に特化した一族なのだ。
そして眷属故に、里では常にオニャメ神を祭り上げて祈りを捧げている。
今回のように、時折、気紛れに地上に降臨して言葉を交わすこともあるので割と親しみ深い。
しかしこのオニャメ神、結構ポカをやらかすので、たまに文句を言うために鴉一族の長であるレイヴンの一家が問答無用で喚び出す事があるらしい。
---主に祖父様であるモルテが。
それで今回、喚んだ訳ではないが現れてくれたので詳しい話を聞く事になったわけだが・・・。
「取りあえず、ブランシュちゃんの死因とかにオニャメ神が関係している訳では無いんですよね?」
《ももももちろん! 私は偶然、その異世界を覗いてて、たまたま死にゆく彼の魂を異世界の神から譲り受けただけで・・・。だって、あまりにも不憫だったんだもの。親に捨てられて想い人にも手酷くヤリ捨てられて・・・。あんなにキレイな魂だったのに。だから私の愛し子にしたんだよ》
慌てて否定した後に辛そうにそう語るオニャメ神。
確かにブランシュは、前世を思い出す前から純粋な心だった。
「まあ、ソレは分かりました。でも後の『憐れな仔羊』と『空気清浄精霊』って、何ですか?」
「「「「「ぶっ!?」」」」」
《・・・ああ・・・・・・アレねぇ・・・》
「何そのヘンな称号!!」
思わずカンアが叫んでいた。
皆もうんうんと頷いている。
《・・・・・・いやあ、ブランシュってさあ、もの凄い方向音痴だったんだよねぇ。ホント、全然気付かなくて。森の出口付近に生まれたのにまさか反対の森の奥に迷い込むと思わなくてさあ。だからあの称号。迷える仔羊でも良かったんだけど、憐れな方が強く出ちゃった。何百年も迷って消えかけて根っこ張って寝ちゃうなんて思わなくて・・・》
地上に手が出せないから、はらはらしながら見てるしか無くて・・・と苦笑するオニャメ神に何とも言えない顔のレイヴン達。
「・・・・・・確かにブランシュ、さっき自分で『凄い方向音痴』って言ってたな。自ら森の奥に入っていっちゃったのか・・・」
《それで生きるために無意識に瘴気を吸収してて、そのお陰で森は普通の森になって、ついた称号が》
「『空気清浄精霊』・・・・・・アホか」
「・・・うん。ブランシュちゃんを知ってからなら分かるわ。凄くらしい」
「言えてる」
「まあ、言いたいことは分かった。半分くらいはブランシュの自業自得って事だ」
レイヴンが呆れたようにそう言ったら、皆も笑った。
《とにかく、ブランシュは良い子なんだよ。精霊に生まれたのは元々の資質が精霊向きだったからで、レイヴンと出逢ったのも偶然だけど、今はコレで良かったと思ってる。レイヴン、どうかブランシュをヨロシクね》
「分かりました。まあ、何かあればまた喚びますよ」
《いやいや、そんなに軽々しく喚ばないでよ! で、もう良いかな?》
「ええ、ありがとうございます。あ、あの異世界の最低屑男、生きてたらあちらの神に天罰をって言っといて下さい」
《・・・・・・もうやだ、鴉一族、神使い荒いよ!》
ぶうぶうと文句を言いながら消えたオニャメ神に笑いながら眠っているブランシュを見る。
「さて、じゃあココでは楽しいことだけを経験しような」
取りあえずはやりたがっていた羊たちとの触れ合いかな。
レイヴン達はどうやってブランシュを構おうかと、色々と思案するのだった。
※お待たせしております。途中まで書いて止まってました。スミマセン。
ポツポツ、合間見て他の話も書けたら良いな。
応援ありがとうございます!
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