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43 錬成してみた 1
「あのっ、ユーリくん?」
「えっ……はい?」
黙々と素材をテーブルの上に積み重ねていると、不意にエルヴィンが声をかけてきた。さっきまで誰も口を開かないでいたからちょっとビックリしつつ、応える。
「ええと、この素材の山は……?」
「エルリオと僕が今まで森で採ったり討伐した魔物から得たものだよ。元手はタダだから心配いらないよ?」
「いやいや、お金の心配じゃなくて。えっと、それも心配だけど、そうじゃなくて」
うん? 採っちゃマズいものでもあったのかな? でもエルリオはあの辺の森は自分の住処だからタダだよって言ってたよな。
でも言われてみると森に境界線なんてなかったし、何となくこのあたりまではエルリオの森の聖樹って気配があってそれで判別してたから、もしかしたらお隣の森だった可能性も──
「まさかお隣さん家の森のものだったとか? でもでも鑑定は特におかしくなかったし。それとも実はエルリオに苦情が来てた? それに気づいていなかったとか」
あり得る。エルリオなら『えーそうなの? 知らなかった』で済ませている気がする。
僕はちょっと血の気が引いた。両隣の森の、おそらくハイエルフさん達に怒られるかもしれない。
そんなことになったら、ただの人族の僕は勝ち目がないんだけど。怒られるくらいで済めばいい方で、魔法とか撃ち込まれたら死んじゃう。
「あー、あの、言い方が悪かったね。何か斜め上の方向に思考が行ってるけど、そんなことじゃないから。たぶん森の守護者は気にしないし、エルリオ殿の森の中での採取だと思うよ」
「……アレ、もしかして口に出てた?」
「うん、全部。ユーリくんって隠し事に向かないよね」
「……」
どうやら全部口にしていたらしい。
あれか、独り言を言うのが癖になっちゃってるんだな。
無意識にやってるから気づかないんだ。うわあ、どうしよう。でもどうせ引き篭もりだし、会うのはアイの身内と僕の身内だけだからいいか。
「えへへ、ごめんなさい。まあいいや。それでなんだっけ?」
開き直ってヘラッと笑ってそう言えば、エルヴィンも笑った。
「ああうん、いやね、すごく稀少なものばかりだから僕達も驚いちゃったんだ。すごいね」
「うん、鑑定で見てるからすごいのは分かるけど、使いどころがなくてしまいっぱなしだったから、この際思い切って使っちゃおうと思って」
「ええ? もったいなくない? 僕が言うのもあれだけど、もし殿下に渡してダメにしちゃったら……」
あ、気にしてくれたんだ。でもいいんだ。
「在庫はいっぱいあるし、壊れちゃったら回収して分解して再利用するから心配いらないよ」
リサイクルは基本だよね。前の世界でもリユースとかリサイクルは当たり前だったし。錬金術ってそういうのも手軽にできて楽しいよね。
そう言えばエルヴィンも、復活したアイとカイン副団長も苦笑した。
「その錬金術って、たぶんユーリくん達だけの異常なものだと思うよ」
「俺もそこまでの腕の錬金術師は知らないな」
「私もです」
そんなぼやきが聞こえてきたけど、エルリオ以外に知らないから分かりませーん。
「えっ……はい?」
黙々と素材をテーブルの上に積み重ねていると、不意にエルヴィンが声をかけてきた。さっきまで誰も口を開かないでいたからちょっとビックリしつつ、応える。
「ええと、この素材の山は……?」
「エルリオと僕が今まで森で採ったり討伐した魔物から得たものだよ。元手はタダだから心配いらないよ?」
「いやいや、お金の心配じゃなくて。えっと、それも心配だけど、そうじゃなくて」
うん? 採っちゃマズいものでもあったのかな? でもエルリオはあの辺の森は自分の住処だからタダだよって言ってたよな。
でも言われてみると森に境界線なんてなかったし、何となくこのあたりまではエルリオの森の聖樹って気配があってそれで判別してたから、もしかしたらお隣の森だった可能性も──
「まさかお隣さん家の森のものだったとか? でもでも鑑定は特におかしくなかったし。それとも実はエルリオに苦情が来てた? それに気づいていなかったとか」
あり得る。エルリオなら『えーそうなの? 知らなかった』で済ませている気がする。
僕はちょっと血の気が引いた。両隣の森の、おそらくハイエルフさん達に怒られるかもしれない。
そんなことになったら、ただの人族の僕は勝ち目がないんだけど。怒られるくらいで済めばいい方で、魔法とか撃ち込まれたら死んじゃう。
「あー、あの、言い方が悪かったね。何か斜め上の方向に思考が行ってるけど、そんなことじゃないから。たぶん森の守護者は気にしないし、エルリオ殿の森の中での採取だと思うよ」
「……アレ、もしかして口に出てた?」
「うん、全部。ユーリくんって隠し事に向かないよね」
「……」
どうやら全部口にしていたらしい。
あれか、独り言を言うのが癖になっちゃってるんだな。
無意識にやってるから気づかないんだ。うわあ、どうしよう。でもどうせ引き篭もりだし、会うのはアイの身内と僕の身内だけだからいいか。
「えへへ、ごめんなさい。まあいいや。それでなんだっけ?」
開き直ってヘラッと笑ってそう言えば、エルヴィンも笑った。
「ああうん、いやね、すごく稀少なものばかりだから僕達も驚いちゃったんだ。すごいね」
「うん、鑑定で見てるからすごいのは分かるけど、使いどころがなくてしまいっぱなしだったから、この際思い切って使っちゃおうと思って」
「ええ? もったいなくない? 僕が言うのもあれだけど、もし殿下に渡してダメにしちゃったら……」
あ、気にしてくれたんだ。でもいいんだ。
「在庫はいっぱいあるし、壊れちゃったら回収して分解して再利用するから心配いらないよ」
リサイクルは基本だよね。前の世界でもリユースとかリサイクルは当たり前だったし。錬金術ってそういうのも手軽にできて楽しいよね。
そう言えばエルヴィンも、復活したアイとカイン副団長も苦笑した。
「その錬金術って、たぶんユーリくん達だけの異常なものだと思うよ」
「俺もそこまでの腕の錬金術師は知らないな」
「私もです」
そんなぼやきが聞こえてきたけど、エルリオ以外に知らないから分かりませーん。
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爆笑🤣
思った事を全部言ってるユーリちゃんwww
そして、ユーリちゃんが守り人さんにやられる事はないと思う😅💦
そんなレアアイテムごっそり持ってる段階で、たぶん相手と互角かそれ以上(笑)
そして、思わぬところで地球産オリジナルスキル発覚❓
地球に優しいのリサイクル✨(もちろん異世界にも優しい✨)
一人暮らしが長いと無意識に独り言出ますよねw
そして失敗しても最初までバラしてやり直せます✨(普通はある程度までしかバラせない)
環境に優しいユーリくんです😆
ユーリの能力も高かったけど、師匠がエルリオパパですんで規格外の錬成しか知らないですよね。普通のでやってたら「何このめっちゃ効率悪いやつーーーーーーっっ!」(叫)ってなりそうです。
そしてもれなくユーリの強さもバレました(笑)。
比較対象がなくて自覚なしのユーリくん😄
十分すごいし強いんですけどね😅
アイさん、意外と朴念仁タイプでしたねw
そしてレアアイテムを片っ端から出していて、ドン引きされてるユーリちゃん(本人無自覚www)
これ、宝物庫もびっくりな物だらけなのでは❓たぶん……
まさかのキトラ殿下の魔道具問題🤣
質は質でも、耐久性の方が大問題でしたwww
魔道具師泣かせな体質😅💦
でも、ユーリちゃんが作るものなので、耐久性だけでなく、他のグレードも凄いんだろうなぁ😅💧(笑)
アイオンさん、真面目でちょっとズレてる?(笑)
そして基準がエルリオのユーリくんはたぶんやらかしますよね😆