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1 ある日森の中、子猫に出逢った?
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---ある日、森の中、子猫に出会った♪
綺麗なアッシュグレーの毛並みの猫だった。
瞳はオッドアイで、右はペリドット、左は琥珀だ。
客観的に見ればとても美しい容貌と感激するだろう。
---これが僕でなければ。
確か学校の帰り道でたまたま工事中で空いてたマンホールに猫が落ちかけてて、焦って掴まえたら僕も猫ごと落ちちゃったんだよね。
それがやたらと長い時間落ちてて、いつの間にか意識がブラックアウト。
で、目が覚めたら森の中、子猫になってた。
・・・・・・何でって、そんなん分かるか---!!
僕は今、全然知らない深い森の中の小さな泉を見ている、というか覗き込んでる。
首を傾げる。泉の中の子猫も同じ動きで傾げる。
「・・・・・・何で?」
・・・・・・。
「何で猫なのそりゃあ猫大好きだけど!!」
猫だけに猫語?しか出ない・・・・・・。
クスン。
誰か説明プリーズ!!
『すまなかったにゃ!』
うおっ、ビックリした---!!
急に頭の中に声がしたもんだから全身の毛が逆立った。
『お主が掴まえた猫はわしなのにゃ。この世界の神なのじゃが、たまたま地球に散策しに行ってて、あの時自分の世界に帰るところだったのにゃ』
へーふーん。リアル猫神様だったんだ。
・・・・・・ん?
じゃあもしかして・・・。
『そうじゃ、この世界に一緒にくっついて来てしまって、そのせいで死んでしまっての。もう元に戻せないんにゃ・・・すまんの』
あー・・・小説とかの異世界転移とか転生ってヤツかあ。
向こうに未練がない訳じゃないけど、どうにもならないんじゃ、仕方ない。
『それでにゃ、この世界はほぼ獣人の世界で人間は元々おらんのにゃ。なので、お前さんにも獣人としての器を用意してさっき魂を入れたところなんにゃ』
それで猫と。
でも獣人?って僕の想像じゃ人型にケモ耳、尻尾なんだけど・・・まんま猫だよね?
『それはまだ魂と器が馴染んでおらんのにゃ。育てば自然と人型になるんにゃ。個人差があって何とも言えんが、当分は子猫のままかにゃあ・・・。お詫びに地球でいうちーとをつけたのでにゃ、その分馴染むのに時間がかかるにゃ』
ええ?
そんなの要らないのに。
そもそもこんなところに一人?一匹?置き去りにされたらすぐに死んじゃうよ!
『大丈夫にゃあ。強力な保護者を呼んでおいたにゃ。あ、ちーとは誰もが使える〈ステータス〉で確認できるにゃ。他人には視えんが、鑑定の最上位スキルの〈神眼〉だと丸見えになってしまうので、後で保護者に〈隠蔽〉魔法を教えて貰うといいにゃあ。ではにゃ-!』
うおおおい!
言い逃げっぽいなあ!
そもそもにゃーしか言えないのに、どうやって意思疎通をはかるんですか!!
『〈念話〉があるにゃ-! 後、何かあったらわしの神殿に来るとイイにゃ! ではにゃ!』
いや、その念話だって知らんわ!
猫神様、酷いよ!せめてその保護者が来るまで居てくれてもいいじゃんか---!!
にゃにゃにゃーにゃあにゃにゃ---!!
どのくらいにゃあにゃあ叫んでたのか、喉が嗄れてガラガラで、もう小さく「にゃ」としか出なくなった頃。
森に夜の帳が降りてきた。
啼き疲れた僕は泉の縁で丸くなってうとうとしていた。
お腹空いた・・・。
喉痛い・・・。
寂しい・・・・・・。
誰か・・・・・・。
意識が落ちる寸前、誰かの温かい手が僕を抱き上げた気がした。
綺麗なアッシュグレーの毛並みの猫だった。
瞳はオッドアイで、右はペリドット、左は琥珀だ。
客観的に見ればとても美しい容貌と感激するだろう。
---これが僕でなければ。
確か学校の帰り道でたまたま工事中で空いてたマンホールに猫が落ちかけてて、焦って掴まえたら僕も猫ごと落ちちゃったんだよね。
それがやたらと長い時間落ちてて、いつの間にか意識がブラックアウト。
で、目が覚めたら森の中、子猫になってた。
・・・・・・何でって、そんなん分かるか---!!
僕は今、全然知らない深い森の中の小さな泉を見ている、というか覗き込んでる。
首を傾げる。泉の中の子猫も同じ動きで傾げる。
「・・・・・・何で?」
・・・・・・。
「何で猫なのそりゃあ猫大好きだけど!!」
猫だけに猫語?しか出ない・・・・・・。
クスン。
誰か説明プリーズ!!
『すまなかったにゃ!』
うおっ、ビックリした---!!
急に頭の中に声がしたもんだから全身の毛が逆立った。
『お主が掴まえた猫はわしなのにゃ。この世界の神なのじゃが、たまたま地球に散策しに行ってて、あの時自分の世界に帰るところだったのにゃ』
へーふーん。リアル猫神様だったんだ。
・・・・・・ん?
じゃあもしかして・・・。
『そうじゃ、この世界に一緒にくっついて来てしまって、そのせいで死んでしまっての。もう元に戻せないんにゃ・・・すまんの』
あー・・・小説とかの異世界転移とか転生ってヤツかあ。
向こうに未練がない訳じゃないけど、どうにもならないんじゃ、仕方ない。
『それでにゃ、この世界はほぼ獣人の世界で人間は元々おらんのにゃ。なので、お前さんにも獣人としての器を用意してさっき魂を入れたところなんにゃ』
それで猫と。
でも獣人?って僕の想像じゃ人型にケモ耳、尻尾なんだけど・・・まんま猫だよね?
『それはまだ魂と器が馴染んでおらんのにゃ。育てば自然と人型になるんにゃ。個人差があって何とも言えんが、当分は子猫のままかにゃあ・・・。お詫びに地球でいうちーとをつけたのでにゃ、その分馴染むのに時間がかかるにゃ』
ええ?
そんなの要らないのに。
そもそもこんなところに一人?一匹?置き去りにされたらすぐに死んじゃうよ!
『大丈夫にゃあ。強力な保護者を呼んでおいたにゃ。あ、ちーとは誰もが使える〈ステータス〉で確認できるにゃ。他人には視えんが、鑑定の最上位スキルの〈神眼〉だと丸見えになってしまうので、後で保護者に〈隠蔽〉魔法を教えて貰うといいにゃあ。ではにゃ-!』
うおおおい!
言い逃げっぽいなあ!
そもそもにゃーしか言えないのに、どうやって意思疎通をはかるんですか!!
『〈念話〉があるにゃ-! 後、何かあったらわしの神殿に来るとイイにゃ! ではにゃ!』
いや、その念話だって知らんわ!
猫神様、酷いよ!せめてその保護者が来るまで居てくれてもいいじゃんか---!!
にゃにゃにゃーにゃあにゃにゃ---!!
どのくらいにゃあにゃあ叫んでたのか、喉が嗄れてガラガラで、もう小さく「にゃ」としか出なくなった頃。
森に夜の帳が降りてきた。
啼き疲れた僕は泉の縁で丸くなってうとうとしていた。
お腹空いた・・・。
喉痛い・・・。
寂しい・・・・・・。
誰か・・・・・・。
意識が落ちる寸前、誰かの温かい手が僕を抱き上げた気がした。
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