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9 サナ 冒険者ギルドへ行く
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ご飯を食べ終わって、口の周りをヒョウガさんが拭ってくれた。
ん?
零れてた?
すみません。
ヒョウガさんは、ご馳走様をした僕を縦に抱えてから部屋の鍵を女将さんに渡す。
「ちょっとギルドに行ってくる」
「はいよ。気を付けてね」
「いっちぇきまふ」
・・・おうふ、噛んだ。
ぷふっと鼻で笑ったのが聞こえたぞ、ヒョウガさん!
何なら肩が震えてる。
笑うなら堂々と笑え---!
心の中でフンフン拗ねておく。
目が覚めて初めて見る街の景色に、さっき拗ねていた事なんてさっさと忘れた。
朝と言ってもけっこう遅い時間だったのか、お店も開いてるし人通りが多い。
遠くに市場らしいものが見えたが、そっちはまだまだ買い物客で溢れていた。
凄い!
これぞ異世界って感じの街並みに、首がもげるぞと言われるまでキョロキョロと見回していた。
そして宿から歩いて10分くらい?
ちょっと街外れのところに来た。どちらかというと外壁に近い。
そのまま歩いて、何やら剣と盾のような絵の看板がぶら下がっている建物に着いた。
泊まっている宿の3倍はありそうな大きい建物だ。
『ほええ---』
思わずポカンと口を開けたまま空を仰ぐ。
4階建て?
屋上があるのか、見張りっぽい冒険者風な人が数人立っているのだ見えた。
あれかな、見張り台・・・櫓の役割かな。
確かに遠くまで見えそうだ。
立ってた一人が僕の視線に気付いたのか、手を振ってくれたので僕も振りかえした。
ヒョウガさんも手を挙げて、それに応えてるから知り合いなのかも。
そんなやりとりをしてからギルドの扉を開けて入ると、中は思ったよりも綺麗だった。
あれだ。お役所の受付みたいな。
登録・変更受付と依頼書の受付、素材の受付に解体場・・・。
きっちり分かれているから混み合ってないし対応もしっかりとしてる。
凄いなあ。
そんな風に観察しているうちに二階の階段を上がり始めた。
『ヒョウガさん、どこに向かってるの?』
『ギルドマスターの執務室だ』
『・・・何故に?』
『サナを保護することを伝えていたから、挨拶をしておかないとな』
『ふうん。どんな人? 怖い?』
『顔は怖いかもな』
えええ?
大丈夫かなあ・・・。
二階に着くと、重厚な造りの扉があった。
たぶんここがギルドマスターの部屋なんだろうな。
緊張してゴクッと唾を飲み込んだ。
「ギルマス、ヒョウガです」
「ああ、来たか。入ってくれ」
「失礼します」
そういって扉を開けると、どっしりとした机に向かって座る角?が二本ある強面のおじさんと、その後ろには女の人かと見まごう綺麗なお兄さんが立っていた。
「やっと来たか。その子が例の・・・?」
「小さいですね!」
「ああイヤ、これでも夕べ一晩でこの大きさになったんだ。最初は手のひらサイズくらいだった」
「ええ?! どういう事ですか」
「・・・あにょ、ひょおがたん、こにょひちょちゃちは、だれ、でしゅか?」
滑舌が悪いが仕方ない。
紹介してもされてもないので、ヒョウガさんに聞いてみた。
たぶんギルマスとサブギルマスだと思うんだけど。
「ああすまない。俺はギルマスのアインと言
いう。鬼人族だ」
「すみません。私はサブギルマスでアルティスといいます。種族はエルフですよ」
「しゃ・・・ちゃ・・・あうう、さ・なといいましゅ」
「頑張って言えたな。偉いぞ」
『か、可愛い---!』
サナ以外が皆思っていた。
ん?
零れてた?
すみません。
ヒョウガさんは、ご馳走様をした僕を縦に抱えてから部屋の鍵を女将さんに渡す。
「ちょっとギルドに行ってくる」
「はいよ。気を付けてね」
「いっちぇきまふ」
・・・おうふ、噛んだ。
ぷふっと鼻で笑ったのが聞こえたぞ、ヒョウガさん!
何なら肩が震えてる。
笑うなら堂々と笑え---!
心の中でフンフン拗ねておく。
目が覚めて初めて見る街の景色に、さっき拗ねていた事なんてさっさと忘れた。
朝と言ってもけっこう遅い時間だったのか、お店も開いてるし人通りが多い。
遠くに市場らしいものが見えたが、そっちはまだまだ買い物客で溢れていた。
凄い!
これぞ異世界って感じの街並みに、首がもげるぞと言われるまでキョロキョロと見回していた。
そして宿から歩いて10分くらい?
ちょっと街外れのところに来た。どちらかというと外壁に近い。
そのまま歩いて、何やら剣と盾のような絵の看板がぶら下がっている建物に着いた。
泊まっている宿の3倍はありそうな大きい建物だ。
『ほええ---』
思わずポカンと口を開けたまま空を仰ぐ。
4階建て?
屋上があるのか、見張りっぽい冒険者風な人が数人立っているのだ見えた。
あれかな、見張り台・・・櫓の役割かな。
確かに遠くまで見えそうだ。
立ってた一人が僕の視線に気付いたのか、手を振ってくれたので僕も振りかえした。
ヒョウガさんも手を挙げて、それに応えてるから知り合いなのかも。
そんなやりとりをしてからギルドの扉を開けて入ると、中は思ったよりも綺麗だった。
あれだ。お役所の受付みたいな。
登録・変更受付と依頼書の受付、素材の受付に解体場・・・。
きっちり分かれているから混み合ってないし対応もしっかりとしてる。
凄いなあ。
そんな風に観察しているうちに二階の階段を上がり始めた。
『ヒョウガさん、どこに向かってるの?』
『ギルドマスターの執務室だ』
『・・・何故に?』
『サナを保護することを伝えていたから、挨拶をしておかないとな』
『ふうん。どんな人? 怖い?』
『顔は怖いかもな』
えええ?
大丈夫かなあ・・・。
二階に着くと、重厚な造りの扉があった。
たぶんここがギルドマスターの部屋なんだろうな。
緊張してゴクッと唾を飲み込んだ。
「ギルマス、ヒョウガです」
「ああ、来たか。入ってくれ」
「失礼します」
そういって扉を開けると、どっしりとした机に向かって座る角?が二本ある強面のおじさんと、その後ろには女の人かと見まごう綺麗なお兄さんが立っていた。
「やっと来たか。その子が例の・・・?」
「小さいですね!」
「ああイヤ、これでも夕べ一晩でこの大きさになったんだ。最初は手のひらサイズくらいだった」
「ええ?! どういう事ですか」
「・・・あにょ、ひょおがたん、こにょひちょちゃちは、だれ、でしゅか?」
滑舌が悪いが仕方ない。
紹介してもされてもないので、ヒョウガさんに聞いてみた。
たぶんギルマスとサブギルマスだと思うんだけど。
「ああすまない。俺はギルマスのアインと言
いう。鬼人族だ」
「すみません。私はサブギルマスでアルティスといいます。種族はエルフですよ」
「しゃ・・・ちゃ・・・あうう、さ・なといいましゅ」
「頑張って言えたな。偉いぞ」
『か、可愛い---!』
サナ以外が皆思っていた。
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