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19 すくすく育ちました
しおりを挟むあの事件の後、急に10歳まで育った僕はというと、特に変化もなく、のんびりと毎日を過ごしていた。
超過保護モードだったヒョウガさんも少し落ち着いて、大きくなって滑舌が良くなった僕と嬉しそうに話をしてくれる。
10歳にしては小さい僕を心配して過保護なのは変わらなかったが、一月後に更に1歳育って11歳になったのを見て、再び冒険者稼業に精を出すようになった。
それからは順調に一月毎に1歳大きくなって、ようやく、僕は元の年齢の16歳になった。
背はやっぱり元のまんま、160cm無かった。
せめて165cm欲しかったよ、神様。
ヒョウガさんと出逢ってから一年、漸く魂がこの猫又に馴染んだようだ。
---んん?
何か忘れてるような・・・?
そう言えば、僕が14歳になった時、精通が来て初めてヒョウガさんと・・・えっちな事をちょっとしたんだ。
ほ、本番行為はもちろんしなくて、お互いのモノを一緒に擦り合ったり、その・・・男同士で合体するやり方を教わって・・・。
少しづつ、後ろを慣らしていったんだ。
うわー、恥ずかしい!
でもだって、僕だって生前は16歳の高校生で思春期で、そういうえっちな事に興味がある年頃だったんだもん。
番いのヒョウガさんに触られると、どこもかしこも気持ち良くって、初めての快楽に嵌まっちゃっても仕方ないよね?ね?
この世界は種族によって成人がまちまちらしいんだけど、猫又は良く分からないらしい。
希少な種族だから余り知られていないんだって。
そう言えば神様もそこんところ何にも言ってなかった・・・・・・。
「あ------!!!」
「っサナ! どうした?!」
何時ものように触りっこしたあと、綺麗になって布団でごろごろまったりしていたのに僕が急に大声を出したので、ヒョウガさんが驚いて飛び跳ねた。
「あっあっ、ごめんなさい! 何でも、いや違くて、違く無いけど、あのあの・・・・・・!」
「・・・落ち着け、サナ。何処かおかしいとかじゃ無いんだな?」
そういって抱き締めてくれたから、ちょっと落ち着いた。
「・・・うん、ありがとう。あの・・・ずっと忘れてた事を思い出して・・・」
「うん」
「あのね、神様がね、何かあれば神殿に来てねって、言って、た・・・・・・んだ、よね・・・」
「・・・・・・うん。そうか・・・・・・」
「「・・・・・・」」
二人して暫く沈黙。
気まずい空気が・・・・・・。
「・・・・・・明日、神殿にいこうか」
「・・・そだね」
深い溜息を吐く。
「・・・・・・ごめんね?」
「いや、俺も色々あって、すっかり頭から抜けていた。サナが悪いんじゃない」
苦笑して、二人とも再び横になる。
「神殿に行ったら何を聞こうかなあ」
「まずは無事に育った報告と、サナの成人の年齢かな?」
「・・・・・・忘れてた事、怒られるかなあ・・・」
「その時は俺も一緒に怒られよう。一蓮托生だからな」
「ふふ、頼もしいな」
「いくらでも頼ってくれ」
布団の中でいちゃいちゃしながら眠りについたのだった。
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