【完結】旦那様は忘れられない人がいる(R18)

にがうり

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初めての夜をもう一度*

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※R-18。性行為の表現があります。






「今夜はこれを着て」 

 初夜用に渡されたけれど、恥ずかしくて着れなかった夜着だ。一度も袖を通したことなく、衣裳棚の肥やしになっていた。

 薄すぎる生地で出来たそれは、やたらと切り込みが何ヵ所にも入っている。
 胸の部分は布面積すら少なくなり、何とか先端は隠せているものの、膨らみの全部を隠すには心もとない。というか、横の方は零れてしまっている。 

 私は掛布にくるまって、落ち着こうとした。
 大丈夫、大丈夫。
 いつもしていることをするだけ。恥ずかしくない。

 いや、滅茶苦茶恥ずかしい。

 いつも心の準備をする間もなく、なし崩しに行為に持っていかれていたので、この状況は辛かった。
 前もって予告されると、こんなに恥ずかしいとは。

「何で隠れてるの」
 明らかに面白がっている声がかかった。リヒャルト様に違いなかった。

「あ、え、その…」
 掛布が取り払われると、綺麗な青色の瞳が目の前に現れた。まだ笑っている。
「そんなに笑わないでください!」
 顔が真っ赤になっているのが自分でも分かる。私は羞恥心を誤魔化すために、手を振り上げて彼を軽く叩いた。
「………っ!」
 その手を掴まれて、引き寄せられた。流れるように口づけが始まり、ゆっくりと横たえられた。
 彼の手が、右の膨らみを鷲掴みにした。痛いほどの力で揉みしだかれる。
「ふぁ…ああん…ああっ……」
 口づけされたまま、今度は両方の胸を揉まれる。
 夜着の上から、先端をつままれたり、擦られたりしていると、次第に下半身に疼きが走ってきた。
 膝をモジモジさせているのを気付かれてしまったらしい。リヒャルト様がふっ、と笑う音がした。彼の唇が完全に離れたと思うと、金髪の頭が下腹部へと移動した。
 
 しかし、いつものように下着が脱がされる気配がない。訝しく思っていると、いきなり強烈な刺激が襲ってきた。
「んっ!」
 中に入ってきた指の動きに、思わず体が跳ねてしまう。下着をずらした隙間から何度も出し入れされながら、本数も増やされていく。べとべとに汚れた下着が気持ち悪くなっていく。

「エレイン」
 ようやく下着を外したところで、リヒャルト様が言った。
「そろそろ挿れてもいい?」
 顔を上げた彼の瞳には、滾るほどの情欲の熱が宿っていた。
「…はい」
 私は顔を真っ赤にしながらも、小さな声で答えた。

「エレイン…好きだよ」
 口づけの雨を顔中に降らしながら、リヒャルト様が私の中にゆっくりと入ってきた。指とは違う圧迫感が襲ってくる。
 痛みは思ったよりひどくはなかったが、奥へ奥へと突き進まれるうちに、体に耐えがたいほどの疼きが生まれた。
 最奥まで入りきると、私がさほど苦痛を感じてないのを確認しながら、彼はゆっくりと動き出した。
「ああっ……あああ…あんっ…ああん、ああああん……っ」
「エレイン……っ、はぁ……」
 動きが次第に激しくなる。
「リヒャ、ルト様、、あ、あ、ああああーーーーっ」
 彼の熱が中で弾けて、そのまま私は意識を手放した。
 

 
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