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12.プロポーズ大作戦 <完>
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翌日もそのまた翌日も、ダニエルは学園に送り迎えしてくれる。そしてそのたびに、誰かしらを痛めつけている。
なぜこれが問題にならないのだろう。不思議でならない。
「ダニエル、あのーそろそろ学園の送り迎えはいいよ。私ひとりで大丈夫」
「ダメだ。卒業まで続ける」
「え、それは過保護というのでは」
「妥当というのだ。クララ、君の価値は国家規模だ。どこの国に狙われるか分からないんだよ。それに、まだ寝ぼけてる男子がいるだろう。鉄は熱いうちに打てと言うではないか。ほとぼりの冷めないうちに、シツケをすまさないとな。恐怖政治はこうやって敷くのだ」
「そ、そっか。そしたらありがたく送迎してもらおっかな」
「今まで学園生活は苦痛が多かったんだろう? 今までの分を取り戻したまえ」
ダニエルが柔らかい笑顔をむける。
「優しい」
「そうか。クララにだけだ」
「そっか」
ふふふ、クララが思わず笑うと、ダニエルに強く抱きしめられた。
「でも、学園ではあまり笑わないように。私でこうなるなら、お子さまは盛りのついた犬のようになるだろう。危険だ」
クララがそろそろとダニエルの背中に手を回すと、執事から声がかかった。
「ダニエル様、マイケル様がお見えですが」
「いないと言ってくれ」
「ひどいな、ダニエル。いつまで待っても、未来の義妹を紹介してくれないから、来ちゃった」
ダニエルが魔道具を投げそうになったので、思わず止める。
「ダニエル、私もお兄さんに会いたいな」
ダニエルはものすごくイヤな顔をしたが、渋々魔道具をしまった。
「客間で待っていてください。準備ができたら行きます」
ダニエルは執事に小声で指示する。
クララはあらゆる魔道具の装飾品とメガネを装着されると、ダニエルと手をつないで客間にむかう。
客間ではマイケルが既に座って待っている。マイケルの座るソファーは壁にピッタリくっついてる。ダニエルは逆側の壁に寄せられたソファーにクララを座らせた。
「ダニエル、これじゃ会話ができないよ」
部屋の向こう側、だいぶ遠くからマイケルが叫ぶ。ダニエルは何やら魔道具を作動させる。
「これでお互いの声が聞こえるはずです」
「本当だ。でも大げさすぎない? これだけ魔道具つけられて、妙なマントも羽織って、十分だろう」
「結婚式では近寄らせてあげます。今日は練習です」
「信用がないなあ。まあ仕方がない、今日のところはこれで我慢するよ。やあ、クララさん。私がダニエルの兄のマイケルだよ。ずっと会いたいって頼んでいたんだけど、ダニエルに断られてね。父と母もあなたに会うのを楽しみにしている」
「あ、初めまして。突然家に転がりこんじゃって。すみません」
「いいんだよ。屋敷はたくさんあるからね。ここはダニエルの屋敷だ。なにも遠慮することはない。何か不自由してることはない?」
「いえ、とてもよくしてもらってます」
「そうかい。ダニエルはね、昔から魔道具にしか興味がない子でね。結婚はすっかり諦めていたんだ。そのダニエルが、魔道具より夢中になってる女性がいるって聞いたときには、椅子から転がり落ちたよ」
隣でダニエルが仏頂面でお茶を飲んでる。
「ダニエルの昔の話、聞きたいです」
「そうかい、それは嬉しいな。私の自慢の弟なんだよ。ダニエルは頭がよくてね、授業を一度聴いたら全て理解できるんだ」
「教え方がすごく上手です」
「そうか、ダニエルが女性に教える日がくるとはね。ちょっと泣けるな」
マイケルはハンカチで目尻を拭く。
「ダニエルはなんでも卒なくこなすんだ。剣術なんかも意外とできるんだよ。ただ、ダニエルは魔道具で戦う方が好きだから、剣術はあまり熱心にはやっていない」
「意外です。運動は苦手なのかと思ってました」
「やればできる子なんだよ。全ての能力を魔道具につぎこんでいるだけだ。しかし、ダニエル。これからはもう少し体も鍛えなさい。この前、クララさんを抱えて走ったとき、お世辞にも速いとは言えなかったよ」
「兄さん、見ていたのですか」
「そりゃあ、かわいい弟が初めて自分から望んだデートだよ。見るに決まってるよね」
「気配は感じなかった……」
「騎士団から最新鋭の望遠鏡を借りてね、お前に気づかれない距離から見ていたのだ。父も母も見ていた」
「これからは走り込みも日課に加えます」
「そうしなさい。新婚は体力勝負だよ」
ダニエルが心配そうにクララを見る。
「いや、大丈夫だから。ほどほどでいいから」
(お兄さん、しれっと何言っちゃってくれてんの)
クララは顔を赤らめた。
「ところで、クララさんに聞きたいのだけどね。求婚はどういう趣向を好むのかな? なるべくご要望に添えるようにするよ」
「え、いえ、特には」
「そうかい。例えば、大聖堂を貸し切って、頂上まで登って、夕陽に照らされる王都を背景に、などどうだろう」
「い、いえ、普通でいいです」
「普通か。船と島を買ってもいいかと思っているのだ。船の上で夕陽を背に求婚し、そのまま島で新婚生活を送ってから、王都で結婚式をあげてもいいよ。私たちは順番にはこだわらないからね」
「あの、そこまでしていただかなくても」
「そうかい。夕陽を背景にが続いたのがまずかったかな。花が美しい庭園があるから、朝の日差しを浴びながらでもいいかもしれない」
「そ、そうですね。あの、こだわりないので、お気になさらず」
「兄さん、そろそろ学園に行く時間です」
「ああ、そうかい。クララさん、今日は会えて嬉しかったよ。ダニエルをよろしく頼むよ。困ったことがあったらいつでも言ってくれたまえ」
マイケルはニコニコしながら出ていった。
ダニエルは上着のポケットから指輪を取り出した。ピンクと水色の花のような指輪だ。
「クララ、私の女神。君に似合いそうな指輪を作ったんだ。受け取ってくれるかい?」
「ありがとう。これってプロポーズ?」
「そう思ってくれて構わない。クララがいると私の研究意欲が高まるのだ。次々と新しい着想を得られる。ずっとそばにいてくれると、さらなる研鑽が積めるに違いない」
「十点」
「えええっ……クララ好きだ、私と共に歩んでほしい……?」
「まあ……まだまだだけど、今日のところはよしとしましょう」
クララはうなずくと、自分の唇を指でトントンと叩いた。
ダニエルは真っ赤になりながら、そっとキスをする。
<完>
なぜこれが問題にならないのだろう。不思議でならない。
「ダニエル、あのーそろそろ学園の送り迎えはいいよ。私ひとりで大丈夫」
「ダメだ。卒業まで続ける」
「え、それは過保護というのでは」
「妥当というのだ。クララ、君の価値は国家規模だ。どこの国に狙われるか分からないんだよ。それに、まだ寝ぼけてる男子がいるだろう。鉄は熱いうちに打てと言うではないか。ほとぼりの冷めないうちに、シツケをすまさないとな。恐怖政治はこうやって敷くのだ」
「そ、そっか。そしたらありがたく送迎してもらおっかな」
「今まで学園生活は苦痛が多かったんだろう? 今までの分を取り戻したまえ」
ダニエルが柔らかい笑顔をむける。
「優しい」
「そうか。クララにだけだ」
「そっか」
ふふふ、クララが思わず笑うと、ダニエルに強く抱きしめられた。
「でも、学園ではあまり笑わないように。私でこうなるなら、お子さまは盛りのついた犬のようになるだろう。危険だ」
クララがそろそろとダニエルの背中に手を回すと、執事から声がかかった。
「ダニエル様、マイケル様がお見えですが」
「いないと言ってくれ」
「ひどいな、ダニエル。いつまで待っても、未来の義妹を紹介してくれないから、来ちゃった」
ダニエルが魔道具を投げそうになったので、思わず止める。
「ダニエル、私もお兄さんに会いたいな」
ダニエルはものすごくイヤな顔をしたが、渋々魔道具をしまった。
「客間で待っていてください。準備ができたら行きます」
ダニエルは執事に小声で指示する。
クララはあらゆる魔道具の装飾品とメガネを装着されると、ダニエルと手をつないで客間にむかう。
客間ではマイケルが既に座って待っている。マイケルの座るソファーは壁にピッタリくっついてる。ダニエルは逆側の壁に寄せられたソファーにクララを座らせた。
「ダニエル、これじゃ会話ができないよ」
部屋の向こう側、だいぶ遠くからマイケルが叫ぶ。ダニエルは何やら魔道具を作動させる。
「これでお互いの声が聞こえるはずです」
「本当だ。でも大げさすぎない? これだけ魔道具つけられて、妙なマントも羽織って、十分だろう」
「結婚式では近寄らせてあげます。今日は練習です」
「信用がないなあ。まあ仕方がない、今日のところはこれで我慢するよ。やあ、クララさん。私がダニエルの兄のマイケルだよ。ずっと会いたいって頼んでいたんだけど、ダニエルに断られてね。父と母もあなたに会うのを楽しみにしている」
「あ、初めまして。突然家に転がりこんじゃって。すみません」
「いいんだよ。屋敷はたくさんあるからね。ここはダニエルの屋敷だ。なにも遠慮することはない。何か不自由してることはない?」
「いえ、とてもよくしてもらってます」
「そうかい。ダニエルはね、昔から魔道具にしか興味がない子でね。結婚はすっかり諦めていたんだ。そのダニエルが、魔道具より夢中になってる女性がいるって聞いたときには、椅子から転がり落ちたよ」
隣でダニエルが仏頂面でお茶を飲んでる。
「ダニエルの昔の話、聞きたいです」
「そうかい、それは嬉しいな。私の自慢の弟なんだよ。ダニエルは頭がよくてね、授業を一度聴いたら全て理解できるんだ」
「教え方がすごく上手です」
「そうか、ダニエルが女性に教える日がくるとはね。ちょっと泣けるな」
マイケルはハンカチで目尻を拭く。
「ダニエルはなんでも卒なくこなすんだ。剣術なんかも意外とできるんだよ。ただ、ダニエルは魔道具で戦う方が好きだから、剣術はあまり熱心にはやっていない」
「意外です。運動は苦手なのかと思ってました」
「やればできる子なんだよ。全ての能力を魔道具につぎこんでいるだけだ。しかし、ダニエル。これからはもう少し体も鍛えなさい。この前、クララさんを抱えて走ったとき、お世辞にも速いとは言えなかったよ」
「兄さん、見ていたのですか」
「そりゃあ、かわいい弟が初めて自分から望んだデートだよ。見るに決まってるよね」
「気配は感じなかった……」
「騎士団から最新鋭の望遠鏡を借りてね、お前に気づかれない距離から見ていたのだ。父も母も見ていた」
「これからは走り込みも日課に加えます」
「そうしなさい。新婚は体力勝負だよ」
ダニエルが心配そうにクララを見る。
「いや、大丈夫だから。ほどほどでいいから」
(お兄さん、しれっと何言っちゃってくれてんの)
クララは顔を赤らめた。
「ところで、クララさんに聞きたいのだけどね。求婚はどういう趣向を好むのかな? なるべくご要望に添えるようにするよ」
「え、いえ、特には」
「そうかい。例えば、大聖堂を貸し切って、頂上まで登って、夕陽に照らされる王都を背景に、などどうだろう」
「い、いえ、普通でいいです」
「普通か。船と島を買ってもいいかと思っているのだ。船の上で夕陽を背に求婚し、そのまま島で新婚生活を送ってから、王都で結婚式をあげてもいいよ。私たちは順番にはこだわらないからね」
「あの、そこまでしていただかなくても」
「そうかい。夕陽を背景にが続いたのがまずかったかな。花が美しい庭園があるから、朝の日差しを浴びながらでもいいかもしれない」
「そ、そうですね。あの、こだわりないので、お気になさらず」
「兄さん、そろそろ学園に行く時間です」
「ああ、そうかい。クララさん、今日は会えて嬉しかったよ。ダニエルをよろしく頼むよ。困ったことがあったらいつでも言ってくれたまえ」
マイケルはニコニコしながら出ていった。
ダニエルは上着のポケットから指輪を取り出した。ピンクと水色の花のような指輪だ。
「クララ、私の女神。君に似合いそうな指輪を作ったんだ。受け取ってくれるかい?」
「ありがとう。これってプロポーズ?」
「そう思ってくれて構わない。クララがいると私の研究意欲が高まるのだ。次々と新しい着想を得られる。ずっとそばにいてくれると、さらなる研鑽が積めるに違いない」
「十点」
「えええっ……クララ好きだ、私と共に歩んでほしい……?」
「まあ……まだまだだけど、今日のところはよしとしましょう」
クララはうなずくと、自分の唇を指でトントンと叩いた。
ダニエルは真っ赤になりながら、そっとキスをする。
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