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②ルーニー・マーレン
5.三か月目(前半)
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仕事終了後、三人は小さなレストランで作戦会議をしている。紙を見ながらルーニーは口をとがらせる。
「なんか、いい案は集まらなかったわね」
配送のついでに他部署の人たちに聞いてはみたが、キラリと光る改善要望は得られなかった。
「でも、ものすごく感謝されているのはよく分かった」
「そうなんです、こんなに褒めてもらえるなんて。がんばってよかったです」
グレイスが頬をバラ色に染めてニコニコする。
「やっぱり、窓口に出しに行かなくてよくなったのが、他部署にとっては大きいみたいね」
「まあな、近くの部署ならいいけど、遠くの部署だと届けるの大変だしな」
「せっかく出しに行ってきて、部署に戻ってきたら、ごめーん忘れてたって言われて、また窓口に行くハメになることが多かったそうです」
「そんなの何回もされたら、午前中は他のことできないじゃないの」
ルーニーは自分のことのようにプンプンする。
「清掃部に配属されたとき、俺はしょっちゅう忘れ物して、はるばる倉庫まで行ったり来たりしてたわ」
「ああー、あったねそういうの。それで、清掃に必要なものをまとめてバケツに入れるようにしたんだった」
「前日に各自がバケツに入れておけば、翌朝はそれ持ってすぐ清掃に向かえるから。部長に褒められたなー」
ルーニーとキリアンは遠い目をして、ほうっと息を吐く。
「おふたりは以前から、改善されてきたんですね」
「そうねー、早く仕事終わらせて、さっさと帰りたかったからね」
「新人が色々言っても、真面目に聞いてもらえる環境だったし」
ルーニーとキリアンは身を乗り出して、グレイスに説明する。
「そうなの、だってさ、ここだとライアン主任にしか言えないじゃない」
「ジェフリー部長に言ったら、検討します、で終了だからな」
「ジェフリー部長は、今まで通りのやり方で変えたくない人なのよ。変えるのって確かに面倒だから」
グレイスはふたりを見て、目を潤ませる。
「私、おふたりと一緒に配属されてよかった。もしひとりだったら、毎日辛かったと思います」
「あの朝の封筒の山を仕分けるの、ずっとやったら虚しくなるな」
キリアンがげんなりした表情で頷きながら言った。ルーニーは気を取り直して紙をトントンとまとめる。
「きっと、小さなことがきっかけになるはずなのよね。もう一度みんなの聞き取り結果を読んでみましょう」
三人は紙を回し読みながら、話し合う。グレイスが一枚の紙に目を止めた。
「これ、どうでしょう。『外部に出す封筒は仕方ないけど、王宮内に出す封筒を一回で捨てるのはもったいない。使い回しができればいいなと思います』」
「ああー確かに。封筒も安いわけではないもんな。使い回しかー」
キリアンは紙で顔を仰ぎながら宙を見上げて考える。ルーニーは首をかしげた。
「でも宛先書いてるもんね。同じ部署に送るなら使い回せるけど……」
「経理部から備品部に届いた封筒は、宛先が備品部ですから。備品部にあっても使えませんよね」
グレイスも難しい顔をしながら同意する。キリアンが聞いた。
「その封筒を経理部に返せば?」
「誰が? 郵便部にその余裕はないわよ。いや、ちょっと待って。今なんか……」
ルーニーが手帳にカリカリと書き始める。
「あのさ、封筒の上に紙を貼っちゃえばよくない? こう細長い枠がたくさん書いてある紙。それで、枠の一段に送り主、送付部署、日付を書くの。下に空いてる枠がたくさんあるでしょう。ここに、次の送り主、送付部署、日付を書けば、枠が埋まるまで封筒を色んな部署で使いまわせるわよ」
キリアンとグレイスが手帳をのぞきこむ。
「それなら、経理部から備品部に届いた封筒を、備品部から財務部に送ったりもできるな」
「配送するときは、一番下の枠だけ見るようにすればいいんですね」
キリアンとグレイスはパアッと顔を明るくする。ルーニーも早口で案を出す。
「上に書いてある宛先とかは、横線を引いて消してもらえば、配送を間違えなくていいかも」
「紙の枠が全部埋まったら、その上に新しい紙を貼れば、また使える」
「そこまで封筒がもつかしらねえ」
ルーニーは渋い顔をした。封筒はそこまで丈夫ではないような気がする。
「でも、一回で使い捨てるよりは絶対いいよ。全部署で封筒代が節約できる」
「明日、ライアン主任に相談してみましょう」
翌日、ライアン主任に小部屋でこっそり紙を見せながら相談したところ、大感激された。
「君たち三人、本当にすごいな。これさ、外部から王宮に届いた封筒も使えるじゃないか」
ライアン主任は興奮して腕を大きく動かした。ルーニーはポンッと手を打つ。
「あ、そういえばそうですね。紙を貼るんですもんね。外部からの封筒も活用できるなら、封筒代が削減できそうですね」
ライアン主任は、真剣な目で三人に指示する。
「ジェフリー部長にはうまいこと話しておくから、上に貼る紙の見本を作ってくれる? 他の部署にも見本を見せて聞いてみよう」
他部署に聞いて見たところ、至急と書く欄、送付書類名を書く欄などを追加することになった。軽く聞いただけでも、各部署の評判は上々だ。
「封筒がもったいないなーと思ってたんだよ」
「最近の郵便部はすごいな」
「次はうちに異動してきなよ」
三人は、ちょっといいレストランで祝杯をあげた。
「がんばった私たちに、かんぱーい」
「乾杯」
三人は久しぶりに、心ゆくまで飲んで食べた。ひとつの山を越えた、そんな気がした。
そんなおめでた気分の郵便部に、招待状の嵐が吹き荒れた。毎日、数百枚の招待状が王宮から届くのだ。しかも、全てが大至急だ。
仕分け室でルーニーは頭を抱える。
「ギャー、なんでこんなに招待状が多いのよ」
「アレックス第三王子殿下が留学から帰国されて……」
「帰国祝賀会が急遽開かれるそうです」
キリアンとグレイスが小さな声でコソコソ言う。ルーニーは目をむいた。思わず、本音を漏らしてしまう。
「なんで急に帰ってくるのよ」
「留学先で婚約者を見つける予定が、誰も気に入らなかったんだって」
「そんな無茶な」
「自立してるけど楚々としてる感じの女性が好きらしい」
「滅茶苦茶いってんな。要求が矛盾してるー」
ルーニーは地団駄を踏む。地団駄なんて、子どものとき以来だ。ルーニーは深呼吸をしながら、落ち着こうと頭を振る。グレイスが招待状をパラパラと見ながら、顔を上げた。
「あ、ルーニーさん。大丈夫です。ほとんどが王宮外への発送です。まとめて業者に渡せばいいだけです」
「よかったー。王家の招待状となると、部署に一括ドーンと届けるわけに行かないもの。一人ひとり手渡しだったら、終わらないわ。家に帰れなくなるところだった」
ルーニーは脱力して机に突っ伏す。
「ちょっと」
後ろから声が聞こえた。
「招待状は私が担当するって決まってるんだけど」
アンバーがえらそうな上から目線で手を伸ばしてくる。ルーニーはサッと立ち上がると、木箱をドサッとアンバーに渡した。アンバーは、フンッと鼻息を立てると、出て行った。
「何あれ、怪しくない?」
三人はアンバーを監視することに決めた。
「なんか、いい案は集まらなかったわね」
配送のついでに他部署の人たちに聞いてはみたが、キラリと光る改善要望は得られなかった。
「でも、ものすごく感謝されているのはよく分かった」
「そうなんです、こんなに褒めてもらえるなんて。がんばってよかったです」
グレイスが頬をバラ色に染めてニコニコする。
「やっぱり、窓口に出しに行かなくてよくなったのが、他部署にとっては大きいみたいね」
「まあな、近くの部署ならいいけど、遠くの部署だと届けるの大変だしな」
「せっかく出しに行ってきて、部署に戻ってきたら、ごめーん忘れてたって言われて、また窓口に行くハメになることが多かったそうです」
「そんなの何回もされたら、午前中は他のことできないじゃないの」
ルーニーは自分のことのようにプンプンする。
「清掃部に配属されたとき、俺はしょっちゅう忘れ物して、はるばる倉庫まで行ったり来たりしてたわ」
「ああー、あったねそういうの。それで、清掃に必要なものをまとめてバケツに入れるようにしたんだった」
「前日に各自がバケツに入れておけば、翌朝はそれ持ってすぐ清掃に向かえるから。部長に褒められたなー」
ルーニーとキリアンは遠い目をして、ほうっと息を吐く。
「おふたりは以前から、改善されてきたんですね」
「そうねー、早く仕事終わらせて、さっさと帰りたかったからね」
「新人が色々言っても、真面目に聞いてもらえる環境だったし」
ルーニーとキリアンは身を乗り出して、グレイスに説明する。
「そうなの、だってさ、ここだとライアン主任にしか言えないじゃない」
「ジェフリー部長に言ったら、検討します、で終了だからな」
「ジェフリー部長は、今まで通りのやり方で変えたくない人なのよ。変えるのって確かに面倒だから」
グレイスはふたりを見て、目を潤ませる。
「私、おふたりと一緒に配属されてよかった。もしひとりだったら、毎日辛かったと思います」
「あの朝の封筒の山を仕分けるの、ずっとやったら虚しくなるな」
キリアンがげんなりした表情で頷きながら言った。ルーニーは気を取り直して紙をトントンとまとめる。
「きっと、小さなことがきっかけになるはずなのよね。もう一度みんなの聞き取り結果を読んでみましょう」
三人は紙を回し読みながら、話し合う。グレイスが一枚の紙に目を止めた。
「これ、どうでしょう。『外部に出す封筒は仕方ないけど、王宮内に出す封筒を一回で捨てるのはもったいない。使い回しができればいいなと思います』」
「ああー確かに。封筒も安いわけではないもんな。使い回しかー」
キリアンは紙で顔を仰ぎながら宙を見上げて考える。ルーニーは首をかしげた。
「でも宛先書いてるもんね。同じ部署に送るなら使い回せるけど……」
「経理部から備品部に届いた封筒は、宛先が備品部ですから。備品部にあっても使えませんよね」
グレイスも難しい顔をしながら同意する。キリアンが聞いた。
「その封筒を経理部に返せば?」
「誰が? 郵便部にその余裕はないわよ。いや、ちょっと待って。今なんか……」
ルーニーが手帳にカリカリと書き始める。
「あのさ、封筒の上に紙を貼っちゃえばよくない? こう細長い枠がたくさん書いてある紙。それで、枠の一段に送り主、送付部署、日付を書くの。下に空いてる枠がたくさんあるでしょう。ここに、次の送り主、送付部署、日付を書けば、枠が埋まるまで封筒を色んな部署で使いまわせるわよ」
キリアンとグレイスが手帳をのぞきこむ。
「それなら、経理部から備品部に届いた封筒を、備品部から財務部に送ったりもできるな」
「配送するときは、一番下の枠だけ見るようにすればいいんですね」
キリアンとグレイスはパアッと顔を明るくする。ルーニーも早口で案を出す。
「上に書いてある宛先とかは、横線を引いて消してもらえば、配送を間違えなくていいかも」
「紙の枠が全部埋まったら、その上に新しい紙を貼れば、また使える」
「そこまで封筒がもつかしらねえ」
ルーニーは渋い顔をした。封筒はそこまで丈夫ではないような気がする。
「でも、一回で使い捨てるよりは絶対いいよ。全部署で封筒代が節約できる」
「明日、ライアン主任に相談してみましょう」
翌日、ライアン主任に小部屋でこっそり紙を見せながら相談したところ、大感激された。
「君たち三人、本当にすごいな。これさ、外部から王宮に届いた封筒も使えるじゃないか」
ライアン主任は興奮して腕を大きく動かした。ルーニーはポンッと手を打つ。
「あ、そういえばそうですね。紙を貼るんですもんね。外部からの封筒も活用できるなら、封筒代が削減できそうですね」
ライアン主任は、真剣な目で三人に指示する。
「ジェフリー部長にはうまいこと話しておくから、上に貼る紙の見本を作ってくれる? 他の部署にも見本を見せて聞いてみよう」
他部署に聞いて見たところ、至急と書く欄、送付書類名を書く欄などを追加することになった。軽く聞いただけでも、各部署の評判は上々だ。
「封筒がもったいないなーと思ってたんだよ」
「最近の郵便部はすごいな」
「次はうちに異動してきなよ」
三人は、ちょっといいレストランで祝杯をあげた。
「がんばった私たちに、かんぱーい」
「乾杯」
三人は久しぶりに、心ゆくまで飲んで食べた。ひとつの山を越えた、そんな気がした。
そんなおめでた気分の郵便部に、招待状の嵐が吹き荒れた。毎日、数百枚の招待状が王宮から届くのだ。しかも、全てが大至急だ。
仕分け室でルーニーは頭を抱える。
「ギャー、なんでこんなに招待状が多いのよ」
「アレックス第三王子殿下が留学から帰国されて……」
「帰国祝賀会が急遽開かれるそうです」
キリアンとグレイスが小さな声でコソコソ言う。ルーニーは目をむいた。思わず、本音を漏らしてしまう。
「なんで急に帰ってくるのよ」
「留学先で婚約者を見つける予定が、誰も気に入らなかったんだって」
「そんな無茶な」
「自立してるけど楚々としてる感じの女性が好きらしい」
「滅茶苦茶いってんな。要求が矛盾してるー」
ルーニーは地団駄を踏む。地団駄なんて、子どものとき以来だ。ルーニーは深呼吸をしながら、落ち着こうと頭を振る。グレイスが招待状をパラパラと見ながら、顔を上げた。
「あ、ルーニーさん。大丈夫です。ほとんどが王宮外への発送です。まとめて業者に渡せばいいだけです」
「よかったー。王家の招待状となると、部署に一括ドーンと届けるわけに行かないもの。一人ひとり手渡しだったら、終わらないわ。家に帰れなくなるところだった」
ルーニーは脱力して机に突っ伏す。
「ちょっと」
後ろから声が聞こえた。
「招待状は私が担当するって決まってるんだけど」
アンバーがえらそうな上から目線で手を伸ばしてくる。ルーニーはサッと立ち上がると、木箱をドサッとアンバーに渡した。アンバーは、フンッと鼻息を立てると、出て行った。
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