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107 アルマンという男
しおりを挟むアルマンは苦々しく舌打ちした。
目の前の男は思ったよりも強情で、詰問してものらりくらり。
『いやぁ……覚えがありませんねぇ』
『アルマン殿の聞き間違いでは?』
そればかりを繰り返す男に、気の短いアルマンは苛立ちを隠せない。
ロイヒリンは彼が睨みつけると怯えたような目はするものの、さすが商人といったところか、愛想笑いはけして崩さなかった。こわばった口元は案外硬そうで。そんな強かな男の表情を見たアルマンは、これはすぐには口を割らないなと見切りをつけた。
アルマンはロイヒリンを視線で刺し、彼を椅子に押し付けている手下に命じた。
「……見張っていろ、公の様子を見てくる」
「分かった。……ちょっと痛めつけるか?」
手下はアルマンがトーアにいた頃からのごろつき仲間で血の気が多い。椅子に座らせたロイヒリンをにやにやと見ているが……。
アルマンは面倒くさそうに「やめとけ」と吐き捨て、手下と顔を突き合わせる。
「そうしてやりたいのはやまやまだが、街で騒がれたら面倒だ。こいつは商人だからな……商店会と繋がりが深いだろう。万一グリゼルダにアレがバレたらややこしいことになる」
苦々しく言ったアルマンに、手下は下卑た笑い。
「色男はつらいねぇ」
「黙れ。いいからこいつを見ていろ!」
アルマンは煩わしげに言って、ロイヒリンを振り返る。
「……ロイヒリン、もし公に何かあったら、もう二度とこの公爵家に出入りできると思うなよ……」
アルマンに睨まれると、ロイヒリンは困ったように身を縮める。
「どうしてですかアルマン殿。私はあなたの意に染まぬことは何もしていませんよ……」
「……チッ」
あくまでも白を切るつもりらしい男に、アルマンは舌打ちして部屋を出た。
廊下を急ぎながら、男はロイヒリンが先ほど口にしていたつぶやきを思い返す。
『──いや、大丈夫だ、エーファ殿ならきっと、公爵にもお会いになれる……』
小声だったが、あの男は確かにそう言った。
“公爵にお会いになれる”
──会えるはずがない。彼が許可しない限りは、誰であろうとも。
現在、公爵家は実質的に彼の支配下にあった。
本来の主人である公爵は、数年前病で倒れたことをきっかけに、彼らの巧妙な手口で寝たきりの生活を続けさせている。
そんな状態の公爵に、彼の知らない訪問者はあってはならない。
アルマンは、元はトーアで娼館の支配人をしていた。
公爵の妹グリゼルダとはそこで知り合った。
グリゼルダはわがままな性格が災いして婚期を逃した女で、一度は政略結婚をしたが、あまりに高慢すぎて婚家の義両親を怒らせ家に戻された。
そのことでプライドを傷つけられた彼女は大いに荒れて。公爵家の財産を湯水のように使い、騒動を起こして。兄である公爵からも見切りをつけられてトーアに移されたのだ。
『……でもねアルマン、全部両親と兄のせいなのよ』
トーアにいた時代、酒浸りのグリゼルダは常々そうぼやいていた。
『長男だからって、兄ばかりが莫大な財産を受け継ぐなんて不公平じゃない!』
『私はわずなかものしかもらえなかった』
『だから婚期を逃したの! 絶対そうなのよ!』
……こんな調子だから、アルマンの店では彼女はいいカモだった。
わずかなものしかもらえないとは言っていても、彼女は、兄から立派な邸と毎月贅沢できるだけの手当を受け取っているのだ。アルマンは内心では不満ばかりのグリゼルダを小馬鹿にしながらも、気の済むまで愚痴を聞いてやって、仮初の同情を示し、褒め称えて甘い愛を囁いた。すると彼女はコロリと彼の手に落ちたわけだ。
昔は高慢に『自分をいい気分にさせなさい!』と高笑っていた女は、今では彼のご機嫌取りのために毎日手紙を書いてよこして、せっせと贈り物を送ってよこす。
……こうなってくると、アルマンにも欲が出た。
自分は、公爵の妹ですらたやすく言いなりにできた。
どうやら貴族とやらは、自分たち庶民を見下し傲慢にあしらうが、基本的な性質は、実のところ自分たちとなんら変わらないらしいと。
ならば、彼らの自尊心や欲、怒りを操ってやれば、公爵とてあの女同様思いのままにすることができるのではないか。
アルマンは、そう野心を抱いた。
なにせ、公の妹が、すでに自分のいいなり。
この駒は公爵家の内情を知るのに最適だし、大いに使えると思ったのである。
そうしてアルマンは、巧妙にグリゼルダを操り公爵家に入り込むことに成功。
手始めに公爵と夫人とを仲違いさせて彼女を邸から追い出すと、夫人を嫌っていたグリゼルダは狂喜して、よりアルマンに心酔するようになった。
さらには公の長男も邪魔だったので、『勉強のため』『両親は不仲だが、あなたが立派になればきっと夫人も戻ってくるはず』などと言いくるめさせて他領に追いやった。
長男は母親想いの青年だったので、その母を追い出したと信じる父に反発していて。その気持ちをうまく煽ってやると、これもあっさりうまくいった。
おまけにその後ほどなくして公爵が突然倒れる。
家族がどんどんそばから離れていき孤独を強めた公爵は、それを忘れようとするように身を粉にして職務に打ち込んでいて。どうやらそれが祟ったらしい。
これは、アルマンにとってはまさに好機。
彼はグリゼルダに言った。
『もし公爵の不調が公になれば、せっかく追い出した奥方と長男が邸に帰ってきてしまう。そうなれば、君は絶対にまた肩身の狭い思いをしなければならない。最悪また辺境の街に逆戻りだ』
『自分たちは身分違いで一緒になれないが、うまく公爵の不調を隠せば、邸で夫婦同然に暮らせる』と。
その言葉にそそのかされたグリゼルダは、彼の命じるままに公爵の病を隠し、彼の印章を持ち出して邸から彼らに従わない者、昔の事情を知る者たちを追い出した。代わりにアルマンの仲間や、何も知らない者を雇い入れて、邸が思うままになるようにしていったのである。
領地には、手下に命じて『妻がいなくなったせいで、公爵が荒れていて仕事をしない』『精神的にも病んで部屋に閉じこもっている』などと噂を流させた。
それでも、長期にわたり領主が領民たちの前に姿を見せなければ、やはり世間には不審に思われる。
そこで彼らは体格の似たものをトーアから呼び寄せて、時々遠目に領民たちの前に存在をチラつかせてそれを誤魔化した。
不審に思ってやってくる貴族階級の公爵配下たちには、『公爵が会いたくないと言っている。無理を通そうとすると処罰される』と脅し、『兄は手がつけられないから、私が』と、グリゼルダを前面に出して対処させた。
今までは、亡き両親にも兄にも『公爵家の恥』とまで言われて恨みを抱えていたグリゼルダだ。彼女は大いに張り切り、貴族たちの前で領主然として振る舞った。
それでも疑念を抱かれた時は、盗み出した公爵の印章を押した命令書を見せて皆を納得させた。
しかし……そもそも公爵の配下たちは皆、公が娘を失って大いにショックを受けていることを承知していたゆえに、グリゼルダがそのせいで彼が病んでいると言えば、皆気遣ってかあまり邸内の事情には踏み込んで来ようとはしなかった。
皆、子や孫のある世代。その宝を失うということが、親にどんな絶望を与えるのかをよく知っていたのだろう。
……が、それらの思いやりの気持ちをも逆手にとって。アルマンは徐々に公爵邸を乗っ取っていった。
元は男娼の彼が娼館の支配人にまでなり、機会を得てグリゼルダに取り入り公爵家にまで食い込んだ。
この、ある種の出世物語は、仲間内では大いに賞賛され、トーアの裏社会では彼を知らぬものはいない。
手下を募ればいくらでも群がってくる者たちがおり、彼らを次々に公爵邸に入り込ませたアルマンは、今ではその者たちの頭目のような立場である。
おまけにグリゼルダを使えば公爵家の財産がいくらでも引き出せるわけで。今更そんな旨味のある立場を手放せる訳がない。
しかし彼には一つ懸念していることがある。
倒れたのを機に、うまく寝たきりにさせていた公爵だが、彼はどんどん弱っている。
寝たきりはいいが、さすがに公爵が死んでしまえば、それを隠し通すのは難しい。
そうなると、もちろんこの家には嫡男が帰ってきてしまうだろう。アルマンたちが吸い上げていた財産のすべてはその男のものとなり、彼らは金づるを失う。
そうなる前に、彼らは次なる後ろ盾を手にしなければならなかった。
そのための策が、偽物の公爵令嬢グステル・メントライン。
──が。
この策が成る前に、もし公爵の現状が外に漏れてしまえばすべては水の泡。
公爵が弱っていることを知れば、長男は即刻領地に戻ってくるだろうし、うまく別邸に追い払った奥方も同様だ。
(エーファ? エーファとは誰だ……?)
アルマンはロイヒリンが漏らした名前には覚えがない。
(まあ……公爵の部屋の前には手下がいる。心配はないと思うが……)
手下たちは腕っ節のいい者たちを揃えてある。何かあれば知らせてよこすはず。
しかしアルマンは、何となく落ち着かない。
先日、公の奥方からの手紙を預かったと言って公爵に接触を試みた者たちがいる。
ていよく追い払ったが……タイミングが気になった。
「──ん?」
主屋の廊下を上階を目指して急いでいると、何やらガヤガヤと騒がしい。
聞き覚えのある声にアルマンは足を止める。と、長い長い廊下の向こうで、男たちが客間を忙しく出入りしている。
アルマンは、眉間にしわを寄せて怒鳴った。
「おい! いったい何事だ騒々しい!」
と、客間に入りかけた男が、あっという顔で首をすくめて、慌ててアルマンのほうへやってくる。
「ア、アルマンさん……すみません、ええと……」
男は気まずそうな顔で、明らかに、アルマンに見つかったことを心の中で悔やんでいる。
その態度に、アルマンの顔が苛立った。
「おい……なんだ? 何かしでかしたのか⁉︎」
「そ、そんなまさか! いえ、その……」
そこでアルマンは気がついた。
「ん……? お前……今日は公の寝室の前の警備をしているはずでは……」
こんなところでいったい何をと咎めると、男はしどろもどろで事情を説明しはじめる。
「その……メイドが客間のどこかで火が出たと知らせに来たので……」
「……なんだって……?」
火と聞いてグッと表情を険しくしたアルマンに手下は身をすくめる。
「す、すみません、それでまだ火元が見つかっていなくて皆で探していました。報告するつもりだったんですよ⁉︎ 本当です!」
必死に取り繕う様子がかなり怪しいとは思ったが、火災は放っておけない。
「メイドに場所を聞けば良いだろう⁉︎」
「それが……女は煙を吸ったのか、気絶しちまって……」
話を聞けなかったんですとビクビクしながら言った男を忌々しく思いながら、と、アルマンはハッとした。
「お前……では……今公爵の部屋の警備は……?」
「え? あ……えーと……多分……誰か一人くらいは残っているはず、ですが……」
「“はず”だと⁉︎ ふざけるな!」
アルマンは激昂して怒鳴った。
ロイヒリンの発言と、このボヤ騒ぎ。何か嫌な予感がした。
アルマンはもう一度男を怒鳴りつけ、公爵の寝室へと急いだ。
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