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第一章 極度の男性恐怖症な少女は悪役令嬢に転生する
第六話 転生先は悪役令嬢
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『乙女の祝福と覚醒の魔王』
これは言うならば、乙女ゲーム風のRPGだった。
ヒロインのデフォルト名はアーシャ。
珍しいストロベリーブロンドと金の瞳を持つ、伝説の聖女。
彼女はある日、聖女の力に目覚め、特待生として王都にある学園に通うことになる。
そこで冒険を通して魔法のレベルや、攻略対象者別名お供の好感度を上げていくというストーリーだった。
そしてレベルを上げた聖女は一定のレベルに達すると『愛の祝福』という固有魔法を習得する。
これまたベタな展開だが、一緒に戦ってきた仲間の仲で一番好感度の高い者が聖女の愛という恩恵により、聖剣を得て、終焉の魔王を倒すというのが物語の結末だ。
仮にRPGの悪役が魔王だとするならば、攻略イベントでの悪役がユリアス・エリストラーヴァだ。
彼女はエリストラーヴァ公爵家で生まれ育ち、周りの溺愛によりかなり我が儘に育った。
しかし、妹であり、聖女の友人となるエリアスの存在により、その生活は一変。
自分とは対照的な周りに愛されるのが得意な妹。
その存在は彼女に劣等感を与えるには充分だった。
彼女は愛されたいがゆえに、その我が儘に拍車がかかるようになった。
そして、日頃の鬱憤を聖女にぶつけるようになった。
つまりいじめ。
しかし、それは逆効果で、最終的に彼女は実の妹と聖女を殺そうとし、それを断罪され、孤独な死を迎える。
そして、そのユリアスに転生したのが…………。
「私……なんですね」
いやはや……どうしましょうか。
転生したというのに、死ぬ運命にあるとかあんまりすぎませんかね?
全く、女神様の嘘つき!
別に期待していたわけではないですけども、さすがにこれは酷い扱い過ぎませんかね!?
幸せになれというか死んでくれって言ってるようにしか聞こえませんよ!?
それともこれも、私の不運体質故なのか……あ、なんか自分でいってて悲しくなってきました。
「まぁ、もともとないような命ですし構わないっちゃ構わないですけども…………悪役令嬢って何をしたらいいんでしょう」
まだまだ分からないことばかりですし、とりあえず書き出してみますか。
もしかしたら、何か思い出せるかもしれませんし。
「えーと………確かヒロインが特待生としてやってくるのは二年前の秋頃。学園編は乙女ゲームメインですから、戦闘はあんまりないんですよね。その時点でユリアスは第一王子の婚約者で、攻略対象者達に気にかけられるヒロインに嫉妬、嫌がらせというなのいじめが始まる………って感じでしたよね」
ゲームに登場する攻略対象者は四人。
次期国王万能タイプのアルバート・エリュシオン。
彼の未来の側近候補頭脳タイプのラルディ・グリース。
同じく側近候補武術特化タイプのアレキサン・ソルディオン。
そしてユリアス達の義弟、魔術特化タイプ、リュシアン・エリストラーヴァ。
上記四名+隠しキャラ計五名がゲームに用意されている攻略対象者であり、パーティーメンバー。
彼らの好感度をあげ、育成することがゲーム攻略の鍵。
ヒロインは彼らと共に、イベントをこなすことで強くなり、ストーリーを進めることができるのです。
そして、そのイベント発生のためのお邪魔キャラとして現れるのがユリアス・エリストラーヴァ。
彼女はことあるごとにヒロインに嫌がらせ(ミニゲームやミッションなど)をする。
それに打ち勝つ(クリア)することで、悪役令嬢の撃退、ヒーローの登場につながり、イベントが起きるのです。
他にもイベントに現れ、攻略対象者に返り討ちにされることもあったりなかったり………。
「でも、ここは現実です。実際にミニゲームを仕掛けられるわけでもありませんし………やっぱり嫌がらせをするしかないのでしょうか………」
嫌がらせ………嫌がらせですか………。
どうしたらいいんでしょう………?
この人生嫌がらせなんてしたことありませんし………どちらかといえばされる側でしたし………でもさすがにあの頃されたことをヒロインさんにするのは気が引けるんですよね………。
「………ダメです。なにも浮かびません。こうなったら………聞くしかない!ですよね」
私はノートを閉じて、そう意気込みました。
このときの私は、ユリアスの日記のことなんてすっかり頭から消えていたのでした。
これは言うならば、乙女ゲーム風のRPGだった。
ヒロインのデフォルト名はアーシャ。
珍しいストロベリーブロンドと金の瞳を持つ、伝説の聖女。
彼女はある日、聖女の力に目覚め、特待生として王都にある学園に通うことになる。
そこで冒険を通して魔法のレベルや、攻略対象者別名お供の好感度を上げていくというストーリーだった。
そしてレベルを上げた聖女は一定のレベルに達すると『愛の祝福』という固有魔法を習得する。
これまたベタな展開だが、一緒に戦ってきた仲間の仲で一番好感度の高い者が聖女の愛という恩恵により、聖剣を得て、終焉の魔王を倒すというのが物語の結末だ。
仮にRPGの悪役が魔王だとするならば、攻略イベントでの悪役がユリアス・エリストラーヴァだ。
彼女はエリストラーヴァ公爵家で生まれ育ち、周りの溺愛によりかなり我が儘に育った。
しかし、妹であり、聖女の友人となるエリアスの存在により、その生活は一変。
自分とは対照的な周りに愛されるのが得意な妹。
その存在は彼女に劣等感を与えるには充分だった。
彼女は愛されたいがゆえに、その我が儘に拍車がかかるようになった。
そして、日頃の鬱憤を聖女にぶつけるようになった。
つまりいじめ。
しかし、それは逆効果で、最終的に彼女は実の妹と聖女を殺そうとし、それを断罪され、孤独な死を迎える。
そして、そのユリアスに転生したのが…………。
「私……なんですね」
いやはや……どうしましょうか。
転生したというのに、死ぬ運命にあるとかあんまりすぎませんかね?
全く、女神様の嘘つき!
別に期待していたわけではないですけども、さすがにこれは酷い扱い過ぎませんかね!?
幸せになれというか死んでくれって言ってるようにしか聞こえませんよ!?
それともこれも、私の不運体質故なのか……あ、なんか自分でいってて悲しくなってきました。
「まぁ、もともとないような命ですし構わないっちゃ構わないですけども…………悪役令嬢って何をしたらいいんでしょう」
まだまだ分からないことばかりですし、とりあえず書き出してみますか。
もしかしたら、何か思い出せるかもしれませんし。
「えーと………確かヒロインが特待生としてやってくるのは二年前の秋頃。学園編は乙女ゲームメインですから、戦闘はあんまりないんですよね。その時点でユリアスは第一王子の婚約者で、攻略対象者達に気にかけられるヒロインに嫉妬、嫌がらせというなのいじめが始まる………って感じでしたよね」
ゲームに登場する攻略対象者は四人。
次期国王万能タイプのアルバート・エリュシオン。
彼の未来の側近候補頭脳タイプのラルディ・グリース。
同じく側近候補武術特化タイプのアレキサン・ソルディオン。
そしてユリアス達の義弟、魔術特化タイプ、リュシアン・エリストラーヴァ。
上記四名+隠しキャラ計五名がゲームに用意されている攻略対象者であり、パーティーメンバー。
彼らの好感度をあげ、育成することがゲーム攻略の鍵。
ヒロインは彼らと共に、イベントをこなすことで強くなり、ストーリーを進めることができるのです。
そして、そのイベント発生のためのお邪魔キャラとして現れるのがユリアス・エリストラーヴァ。
彼女はことあるごとにヒロインに嫌がらせ(ミニゲームやミッションなど)をする。
それに打ち勝つ(クリア)することで、悪役令嬢の撃退、ヒーローの登場につながり、イベントが起きるのです。
他にもイベントに現れ、攻略対象者に返り討ちにされることもあったりなかったり………。
「でも、ここは現実です。実際にミニゲームを仕掛けられるわけでもありませんし………やっぱり嫌がらせをするしかないのでしょうか………」
嫌がらせ………嫌がらせですか………。
どうしたらいいんでしょう………?
この人生嫌がらせなんてしたことありませんし………どちらかといえばされる側でしたし………でもさすがにあの頃されたことをヒロインさんにするのは気が引けるんですよね………。
「………ダメです。なにも浮かびません。こうなったら………聞くしかない!ですよね」
私はノートを閉じて、そう意気込みました。
このときの私は、ユリアスの日記のことなんてすっかり頭から消えていたのでした。
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