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美智瑠が見たもの
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※これはドミニカが目覚めてすぐあたりのお話です
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ん………ここは………?」
目を覚ませば、そこはなにもないまっしろな場所だった。
「私は………」
(そうだ。確かあのあと気を失って……それで………)
「………ドミニカが目覚めたってことかな」
恐らくここは精神世界的な空間なんだろう。
ドミニカという本来の人格が目覚めたことによって、私はこの精神世界に押し込まれたのだろう。
「にしても………ほんとになにもない」
辺りを見回しても白、白、白。
なんにもない真っ白な空間。
「これは………」
(絶対暇だろうなぁ………)
と、私は呑気に考えるのだった。
(……すごい時間を無駄にした気分。というか時間ってどうなってるんだろう)
もしかしたら何かあるかもしれないという淡い期待を抱き、しばらくこのなにもない空間を歩き回ってみたが、驚くくらいなんにもなかった。
(………どうしよ……というか、“ 私 ”ってどうなるんだろう……)
本来の人格は今世の“ 私 ”であるドミニカだ。
私はなんらかの形で突然“ 前世の私 ”として目覚めたにすぎない。
つまり、本来の人格であるドミニカが目覚めたのだから、私は消えてもおかしくないのだ。
(でも……消えてない……よね……………?)
体も特に透けてなさそうだし、私が消えることはないのだろうか……。
消えないとなると私は二重人格者的な扱いになるのだろうか……?
(うーん……わからん)
『美智瑠は考えることを放棄した』
でもこのままだと何も変わらないし、今後のこともわからないままだ。
(かといって、もう調べられることもないしなぁ……)
「あーあー……せめて外の状況がわかればなぁ………」
そう呟いた時だった。
ポンッ!と軽快な音をたてて、占いで使うような大きめな水晶玉が現れた。
「おぉ!?」
(喋ってたらなんか出てきたぞおい………これなんだろ………)
「ジ………ジジ………」
「おん?」
(なにこの電波の悪いテレビというかラジオみたいな音)
『ジジ………わた………生まれ………』
「おぉ?なんだなんだ?なんか声が聞こえてきたぞ~?」
『ここ………別………矢野 美智瑠………生きて』
「え?なんで私のフルネームが流れるん?矢野美智瑠………生きて………?」
(うん、意味わからん)
「ん?お?完全に映った!これは………エルちゃんとリット先生とフレアちゃんのお父様と………私……?」
『はい。今『外』に出ているのは私の意識なので、彼女……美智瑠はその間は私のなかに戻ると言うこと……いわやる二重人格だと考えられます』
『『『ニジュウジンカク?』』』
「あ、やっぱりそうなんだ」
『あぁ、ここには存在しない言葉でしたね。すみません。美智瑠だった頃のことを思い出した影響か少々記憶が混ざっているようなので……』
「あ、混ざってるんだ……。?でも私はドミニカちゃんの記憶覚えてないんデスケド?」
(なんで?)
『そうか。それでニジュウジンカクというのは?』
「ヤバイ……エルちゃんの外国人っぽいニジュウジンカクヤバイ………発音w……ツボるわ……くふふふ……」
『そうですね……皆さんに分かりやすく説明をするならば、一人の人間のなかに全く違う人間が二人いる……ということでしょうか?実際に今私はフレア様の体ですが、ここには私『ドミニカ・ガーランド』と『矢野 美智瑠』の二人が存在している状況なのです』
『なるほど……よくわからん』
「なるほど分かりやすい」
(え?これが分からないってエルちゃん以外とBAKa……おっと殺気を感じたからやめておこう)
『だが、なんとなくは理解できたので、説明を続けてください。ドミニカ』
『分かりました』
「なんとなくは了解できたのね?」
『まず、私が『矢野 美智瑠』の記憶から分かったことは、この世界が彼女のやっていた乙女ゲームという物に酷比したものだと言うことです。そのゲームでは、私は『ヒロイン』という立場で皆さんは『攻略対象者』として存在していました。そして、フレア様は私というプレイヤーを邪魔する『悪役令嬢』という立ち位置でした』
「へぇ~ここ乙女ゲームの世界だったんだ。な~んか見たことあるな~とは思ったけど……。でも、なんで私が覚えてないことをドミニカちゃんが知ってんの?」
『そのオトメゲーム?というものはなんだ』
『私もそこまでは理解していませんが、『私』というキャラクター?を他の人間が操作して、皆さんとの恋愛を楽しむというゲームらしいです』
「うん、リア充爆ぜろ(ニッコリ)」
『ふむわからん』
『………そうですか…………。まぁこれに関してはそこまで説明はいりませんよね?』
『あぁ。他に言ってくれて構わない。自分のことを聞くというのも変な感覚だしな』
「でしょうね……」
(私だってやだよ。自分のことを話されるのとか……プライベート侵害じゃん)
『分かりました。それでは次に私の前世である『矢野 美智瑠』についてお話しします』
「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?言ったそばから無断でプライベート公開ですか!?プライバシーの侵害やろそれ!?ちょっとドミニカさん!?無神経すぎません!?本人いないところで了承なしに話すのやめよ?ね!?個人情報だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『前世の私は『日本』と言うここよりもかなり文明が発達した世界で産まれ、育ちました。
ですが、彼女はあまり父親に好かれてなかったようで、毎日罵声を浴びせられ、暴力を振るわれていました。それでも彼女はいつも笑っていました。亡き母親がいつも笑っていればいいことがあると教えられてきたから…………。彼女は健気にもそれを死ぬまで貫きました。
彼女はとても強い心の持ち主です………。
きっと私なら耐えられません』
「………」
『そして彼女が亡くなったのは16歳。
突然の交通事故で亡くなりました。
そして彼女は記憶がないまま、『今の私』に転生したのです。
なぜ今になって彼女が目覚めたのかはわたしにもわかりません。今私から言えるのはこれだけです』
『そうか…………。分かった。ありがとう。とりあえず、まずはドミニカになっているフレアの捕縛だな。彼女は過ちを犯しすぎてしまった。処刑は免れないんだろう。』
「……」
(………私こいつ嫌いだわ☆)
「なんなの!?人のプライベートというか黒歴史ばらすとかなんなの!?無神経過ぎるでしょ!好き放題言いやがった!人の苦労も知らないで!良い子ちゃんぶってんじゃないわよ!それに………」
「私は強くなんかない………」
と、私は誰もいない空間で1人ポツリと呟いたのだった………。
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「ん………ここは………?」
目を覚ませば、そこはなにもないまっしろな場所だった。
「私は………」
(そうだ。確かあのあと気を失って……それで………)
「………ドミニカが目覚めたってことかな」
恐らくここは精神世界的な空間なんだろう。
ドミニカという本来の人格が目覚めたことによって、私はこの精神世界に押し込まれたのだろう。
「にしても………ほんとになにもない」
辺りを見回しても白、白、白。
なんにもない真っ白な空間。
「これは………」
(絶対暇だろうなぁ………)
と、私は呑気に考えるのだった。
(……すごい時間を無駄にした気分。というか時間ってどうなってるんだろう)
もしかしたら何かあるかもしれないという淡い期待を抱き、しばらくこのなにもない空間を歩き回ってみたが、驚くくらいなんにもなかった。
(………どうしよ……というか、“ 私 ”ってどうなるんだろう……)
本来の人格は今世の“ 私 ”であるドミニカだ。
私はなんらかの形で突然“ 前世の私 ”として目覚めたにすぎない。
つまり、本来の人格であるドミニカが目覚めたのだから、私は消えてもおかしくないのだ。
(でも……消えてない……よね……………?)
体も特に透けてなさそうだし、私が消えることはないのだろうか……。
消えないとなると私は二重人格者的な扱いになるのだろうか……?
(うーん……わからん)
『美智瑠は考えることを放棄した』
でもこのままだと何も変わらないし、今後のこともわからないままだ。
(かといって、もう調べられることもないしなぁ……)
「あーあー……せめて外の状況がわかればなぁ………」
そう呟いた時だった。
ポンッ!と軽快な音をたてて、占いで使うような大きめな水晶玉が現れた。
「おぉ!?」
(喋ってたらなんか出てきたぞおい………これなんだろ………)
「ジ………ジジ………」
「おん?」
(なにこの電波の悪いテレビというかラジオみたいな音)
『ジジ………わた………生まれ………』
「おぉ?なんだなんだ?なんか声が聞こえてきたぞ~?」
『ここ………別………矢野 美智瑠………生きて』
「え?なんで私のフルネームが流れるん?矢野美智瑠………生きて………?」
(うん、意味わからん)
「ん?お?完全に映った!これは………エルちゃんとリット先生とフレアちゃんのお父様と………私……?」
『はい。今『外』に出ているのは私の意識なので、彼女……美智瑠はその間は私のなかに戻ると言うこと……いわやる二重人格だと考えられます』
『『『ニジュウジンカク?』』』
「あ、やっぱりそうなんだ」
『あぁ、ここには存在しない言葉でしたね。すみません。美智瑠だった頃のことを思い出した影響か少々記憶が混ざっているようなので……』
「あ、混ざってるんだ……。?でも私はドミニカちゃんの記憶覚えてないんデスケド?」
(なんで?)
『そうか。それでニジュウジンカクというのは?』
「ヤバイ……エルちゃんの外国人っぽいニジュウジンカクヤバイ………発音w……ツボるわ……くふふふ……」
『そうですね……皆さんに分かりやすく説明をするならば、一人の人間のなかに全く違う人間が二人いる……ということでしょうか?実際に今私はフレア様の体ですが、ここには私『ドミニカ・ガーランド』と『矢野 美智瑠』の二人が存在している状況なのです』
『なるほど……よくわからん』
「なるほど分かりやすい」
(え?これが分からないってエルちゃん以外とBAKa……おっと殺気を感じたからやめておこう)
『だが、なんとなくは理解できたので、説明を続けてください。ドミニカ』
『分かりました』
「なんとなくは了解できたのね?」
『まず、私が『矢野 美智瑠』の記憶から分かったことは、この世界が彼女のやっていた乙女ゲームという物に酷比したものだと言うことです。そのゲームでは、私は『ヒロイン』という立場で皆さんは『攻略対象者』として存在していました。そして、フレア様は私というプレイヤーを邪魔する『悪役令嬢』という立ち位置でした』
「へぇ~ここ乙女ゲームの世界だったんだ。な~んか見たことあるな~とは思ったけど……。でも、なんで私が覚えてないことをドミニカちゃんが知ってんの?」
『そのオトメゲーム?というものはなんだ』
『私もそこまでは理解していませんが、『私』というキャラクター?を他の人間が操作して、皆さんとの恋愛を楽しむというゲームらしいです』
「うん、リア充爆ぜろ(ニッコリ)」
『ふむわからん』
『………そうですか…………。まぁこれに関してはそこまで説明はいりませんよね?』
『あぁ。他に言ってくれて構わない。自分のことを聞くというのも変な感覚だしな』
「でしょうね……」
(私だってやだよ。自分のことを話されるのとか……プライベート侵害じゃん)
『分かりました。それでは次に私の前世である『矢野 美智瑠』についてお話しします』
「ちょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?言ったそばから無断でプライベート公開ですか!?プライバシーの侵害やろそれ!?ちょっとドミニカさん!?無神経すぎません!?本人いないところで了承なしに話すのやめよ?ね!?個人情報だからぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
『前世の私は『日本』と言うここよりもかなり文明が発達した世界で産まれ、育ちました。
ですが、彼女はあまり父親に好かれてなかったようで、毎日罵声を浴びせられ、暴力を振るわれていました。それでも彼女はいつも笑っていました。亡き母親がいつも笑っていればいいことがあると教えられてきたから…………。彼女は健気にもそれを死ぬまで貫きました。
彼女はとても強い心の持ち主です………。
きっと私なら耐えられません』
「………」
『そして彼女が亡くなったのは16歳。
突然の交通事故で亡くなりました。
そして彼女は記憶がないまま、『今の私』に転生したのです。
なぜ今になって彼女が目覚めたのかはわたしにもわかりません。今私から言えるのはこれだけです』
『そうか…………。分かった。ありがとう。とりあえず、まずはドミニカになっているフレアの捕縛だな。彼女は過ちを犯しすぎてしまった。処刑は免れないんだろう。』
「……」
(………私こいつ嫌いだわ☆)
「なんなの!?人のプライベートというか黒歴史ばらすとかなんなの!?無神経過ぎるでしょ!好き放題言いやがった!人の苦労も知らないで!良い子ちゃんぶってんじゃないわよ!それに………」
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