やり直し人生は異世界から

ローザ

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お兄さん言っちゃって下さい

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「ドジャースさん、ポーションが有ったら売って下さい。戦闘の際に割れてしまって」
「お待ち下さい確か1本ここに……」

 ドジャースさんは崩れた荷馬車の中を彼方此方と漁っている。



「お父様、何を探しているの?」

 荷物を探る父親に声を掛けるダメ子、目元が赤いけど泣いたのかな?媚びてる人に拒否されたら萎えちゃうけどもう復活してるぽい。メンタル弱いのか強いのか分からん人だ。親子仲は良い様だけど人当たりの良いドジャースさんにまで噛みついていたら蹴り入れてやろうと思っていたのに。

 ポンポン
 だれ?私の肩を叩くのは。
 お兄さん何でしょうか? チョー 良い笑顔の横振り笑顔。私の心の中を読むのはやめて。
 あっ!こらっ!私は猫ではありません。襟首とお腹を持っての拉致はやめて下さい!

「飲んだー!」

 のんだ!いや、なんだ! ドジャースさんの雄叫び初めてだ。

「今、ポーションはとても貴重なんだよ!それを飲んでしまったのかい?」
「だって、手首が痛かったんですもの。何故いけないのです」

 ああ、そう言う事か。本当に自分本位なんだな。アンタよりも必要な人が最低三人いるのにな。

「私ポーション持ってる」
「暫く待て、親子の様子を見ていよう。大丈夫、ガストも大きな傷は塞いである」

 ええ~見なきゃダメ? 嫌な予感しかしないんだよね。
 ローリーさんにポーション渡したい~

「はあ?ポーションが割れた?魔力不足で身体が動かない? そんなの自己責任でしょ!私は知らないわ。……ええっ!嫌よ、何故馬車に乗せないといけ無いの!歩けないのなら後から来れば良いじゃない。そうよ!そうすれば良いんだわ! 貴方たちまだ食料が有るのでしょ、此処で休んでいけば良いのよ」

 ローリーさん二杯目の青汁ですか?

「アンジェラさん達も此処に一泊で良いですか」
「冗談でしょ私達は先に町へ帰るわ」

 また勝手なことを言って、あんたには優しさや思いやりがないのか💢 イライラする私に反してお兄さんはニヤニヤ笑ってます。なに企んでるんですか。


「そうだな、それが良いんじゃないか。ガストと彼女は当然のことだが、ローリーと彼…」
「ダンカルだ」
「ダンカルも休息が必要だ。ただ、此処に残れというなら護衛は終了だし、雇い主からの提案なら依頼達成でサインを貰っても良いだろう。幸い此処から町まで半日も無いし、今日歩いて分かるように獣も魔物もいない安全な道だとわかっただろ。どうだ?」

 そう来ましたか。分かってます、お口チャックです。

「勿論ですわ。お父様、達成書を彼らに差し上げて」
「ローリー馬車に荷物は置いてないのか。手伝うぞ」
「おっ、おい……」

 ローリーさんも気付いたね、でもまだ言っちゃダメ。おや、ドジャースさんも分かったみたい、行動が早いな、娘が気付く前に。でしょうか。






「最後にこんな別れ方ですみません。盗賊の件は町に着いたら直ぐに門番に報告します」

 挨拶を交わす護衛パーティーとドジャースさんを無視してあの女はさっさと馬車に乗り込んだ。
 死んだ馬の代わりに盗賊が乗ってきた馬5頭の中から一頭を替え残りは私達で使う。本当なら討伐をした私達に権利があるから、ドジャースさんは買い取る形になるんだけどローリーさん「罠を見破れなかった補填です」だって。

 補填もなにも危険性は教えてあったんだから責任は無いと思うんだけどな…

「なら昼まで此処に待機しておこう。よろしく」
「ではこれで」

 親子に手を振る私たち。
 そうわたしたち。3度言っとく? わ・た・し・た・ち!

「どう言う事ですの? なぜ騎士様がそこに残るのですか!私を守って下さい!」
「うん?残りたいから残る。かな? ただの通りすがりの無関係者だし。今骨休めの休暇中だから自由にするだけだ。あと、俺は騎士ではない、護衛は性に合わないから嫌だ」
「おっ、お父様!契約違反です!今回の依頼金はお支払いできません」

 何で契約違反なの。【銀の翼】の契約を確認しただけでお兄さんとの護衛依頼は一言も出ていないじゃん。当たり前のように守ってくれるって如何して決めつけられるんだろう。

「アンジェラ!」
「契約では町まで『無事に警護する』ですもの。護衛も無く町に入るなんてイヤ!」

 おいおいアンタの中でお兄さんは【銀の翼】のメンバーか。専属契約を結んだつもりでいたのかい。

「いい加減にしなさい!此処に残れと言ったのはアンジェラお前だよ。商人が言葉を違えるなんてしてはいけ無い」
「騎士様が一緒なら、この役立たずは要らないでしょ!騎士様!一緒にいて下さいませ!」
「おい、それ以上口を開くな胸くそ悪い。塞がらないなら携帯食のパンを突っ込むぞ」

 完全に拒絶されたね。

「ドジャースさん、依頼人として我々【銀の翼】はどのように見えましたか」
「誠実で、忍耐強く、信頼の置けるパーティーです。私が不甲斐ないばかりに申し訳ない」

 ローリーさんの嬉しそうな表情。何度も頷いて、小さな声で

「ありがとうございました」
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