14 / 29
我が儘なお嬢さん
しおりを挟む「それにくらべ… 強いのですね。貴方が来て下さらなければ私どうなっていたことか。町まで私を守って下さいませ」
ひゃー 何この変り身。この人、態度がコロッと変わるわぁ~ 下心見え見えじゃない。
命かけて守って貰ったのに「護衛失格」ないわぁ~ 何様よ。
身を震わせながら、すり寄って行こうとするのを絶妙に交わしたお兄さんはローリーさんの肩をたたき。
「いや、彼にも言ったがタイミングが良かっただけだ」
引っ掛けられる? 引っかかる? いやー、これが男女の攻防なんだね初めて見た。私には縁の無い事だったけど、異世界ではどうなんだろう? 勉強させてもらおう。
でも本人たちの前でそこまで変えると性格バレバレでしょう。ほら、お兄さんも苦笑いしてるよ。それとも自分に絶対の自信があるのかな。
「依頼を受けた訳じゃないしこのまま立ち去る事も考えたが、連れは御人好しなんだ」
「連れ?」
初めて、一緒にいた私に気が付いたみたい。お兄さんが【おいでおいで】してるから一応側に寄ってみると肩を抱き寄せられた。
なに? いつの間にお兄さんの連れに成った?まあ良いか、悪い人じゃ無さそうだし。
「旅は道連れ世は情け。って言うでしょ。神様が見ていて、順番に良い事が帰って来るよ」
って睨んでる。凄く睨んでますから! お兄さん責任とって守って下さいね。お兄さんのマントを掴み背中に隠れるとますます怖い、目が据わってる~💦
「ああ、そう… そうですね!旅は道連れご一緒しましょ!騎士様がいらっしゃれば盗賊が何十人襲ってきても安心ですもの」
「同じ場所にいくつも盗賊団がいる訳無いだろう。其れよりケガ人の方を気にした方が良いんじゃないか」
そうだよね、あの人数差で死者が出ないなんて凄いよ。護衛の人たちよく頑張ったね。ホッとして顔が緩みそうに成るけど全くの無傷でもない。あの短剣使いの人は大怪我したし他の人も切り傷打撲いっぱいしてるもの。
大丈夫かな女の人が泣いていた様なんだけど…
「ほんとうに護衛が聞いて呆れますわ、ちっとも役に立たないんですもの」
あなた、まだ言ってるのか…… 役に立たない… なにそれ。… たってるでしょ?
「ねえ…役に立たないって、なに… たってるよ。貴女ケガ一つして無いじゃない。むしろ貴女がケガをさせたよね」
「まあ何を言っているの? 怖かったのね、お兄さまが戦いに出られて側を離れたから錯乱してしまったのね。もう大丈夫よ」
なに都合の良いこと言ってんのよ!
「私見てたんだけど!アナタが護衛の男性と女性を盗賊の前に突き飛ばすのを!」
「まっ! 何て事を言うの!そんな事してないわ!闘うために場所を譲っただけよ!恐ろし事を言わないで!」
盗賊が怖い。死ぬことが怖い。そんな事みんな同じだよ!逃げ出しても誰も責めないよ!でも誰かを身代わりにして逃げるのは卑怯じゃないの!
「彼らは護衛ですもの、私を守るのは当たり前でしょ?なのに直ぐ倒されてしまって逃げる事も出来ないし、あの女なんか始まってすぐに、ブツブツひとり言を言って仕事をしないの。騎士様、見て下さいませこの様に強く掴まれ生きた心地が致しませんでした。今も怖いのです、アンジェの側に居て下さい」
勝手だ!勝手すぎる💢
「ちょっと、アンタねっ!なにい「彼らは何を持って、アンタを危険にさらしたのか?」」
「?なにって……盗賊が襲ってきて、私とても怖い思いをいたしました。ほら、こんなに紅くなるような扱いを受けた事はありませんの」
「他には。命に関わる危険は他に有るのか」
「色々と不満が有りますわ」
「不満は関係ない。盗賊が襲って来る来ないは分かる訳ないだろう。護衛は命の危険を感じたら、どう対象者を守るかだ。そしてあんた達対象者は護衛の指示に従う。従わずに死んだら其れはあんた自身の責任なんだよ。あー ドジャースさん? あんた父親だよな、何で連れてきたんだ? 旅の知識も護衛の役割も理解出来てねえなんて有り得ないぞ」
父親である小父さんは真っ青になりながらローリーさんとお兄さんに頭を下げた。
「申し訳ありません。なにぶん遅くに出来た一人娘なもので、至らぬ点が有りすいません」
「お父様!私達は依頼者ですのよ!戦いから逃げて隠れているような方は護衛と言えませんわ!」
「アンジェラいい加減にしなさい。此処が危ないから引き返した方が良いと言われていただろ」
そうなの? ローリーさんを見ると青汁飲んだ俳優さんみたいな顔をしている。
「ガスト、うちの斥候役で今朝一番に偵察させたんだ。森の中から街道を見張っている不審者を見た 。一度野営地に戻ることを提案したんだが」
聞かなかったのね。
「なら、彼らに落ち度はない。最終判断は雇い主であるアンタの責任だ」
小父さんションボリしちゃった。父親はこんなに素直なのに、娘は母親似?
「でも私達は不慣れで良く分かりませんの、ただ戦いたく無いだけだと思いましたわ」
何だろうね。この人とは会話が成り立たないよ。戦いたく無い、当たり前じゃない。避けられるなら避けるでしょ。
「警護には役割がある。先の安全を確認する【斥候】、敵を引きつける【盾】、先頭切って戦う【剣】、そしてパーティー全体を補助する者、これはパーティーによって違うが【銀の翼】は【治療師】ヒーラーだ。アンタが独り言に聞こえたのは呪文だ。体力や怪我の手当など全体サポートが彼女の役割なのに。危険を覚悟出来ないなら旅に出るな」
おや?ダメージが入ったみたいだね。何も言わずに馬車に駆け込んでいったよ。
「重ねて申し訳ありません。ローリーさんガストさんの怪我は…」
お兄さんに怒られて少しは反省してよね。これ以上アホなこと言うと【このアマ】って呼ぶよ。すでに【アンタ】まで落ちてるんだから。
0
あなたにおすすめの小説
優の異世界ごはん日記
風待 結
ファンタジー
月森優はちょっと料理が得意な普通の高校生。
ある日、帰り道で謎の光に包まれて見知らぬ森に転移してしまう。
未知の世界で飢えと恐怖に直面した優は、弓使いの少女・リナと出会う。
彼女の導きで村へ向かう道中、優は「料理のスキル」がこの世界でも通用すると気づく。
モンスターの肉や珍しい食材を使い、異世界で新たな居場所を作る冒険が始まる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
聖女じゃない私の奇跡
あんど もあ
ファンタジー
田舎の農家に生まれた平民のクレアは、少しだけ聖魔法が使える。あくまでもほんの少し。
だが、その魔法で蝗害を防いだ事から「聖女ではないか」と王都から調査が来ることに。
「私は聖女じゃありません!」と言っても聞いてもらえず…。
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
愚かな側妃と言われたので、我慢することをやめます
天宮有
恋愛
私アリザは平民から側妃となり、国王ルグドに利用されていた。
王妃のシェムを愛しているルグドは、私を酷使する。
影で城の人達から「愚かな側妃」と蔑まれていることを知り、全てがどうでもよくなっていた。
私は我慢することをやめてルグドを助けず、愚かな側妃として生きます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる