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護衛視点
しおりを挟む17人もの盗賊に襲われ依頼者と仲間の治療師だけでも逃がせないかと思いつつ戦っていると、有ろう事に最後の守りとして付けていたハンターのガストをあの女は突き飛ばしやがった!
ガストは弓の他短剣も使えるからお前を守らせていたのに何て事をしやがる!戦えないんだから荷物の陰でジッとしていれば良いのに自分の存在をアピールするな!盗賊をあおるな!サーシャまで引っ張り出しやがって💢
チッ!何とか為らねーかな……ダンカルも3人相手にしていて動けないし……
「ガッ!! ちくしょう!誰だ!」
盗賊の怒鳴り声に一時場が静まりかえった。
気が付けばボーガンを構えた少女が、サーシャの腕を掴んだ盗賊の肩当てに矢を放ったようだ。生憎と深く刺さることは無く地面に落ちているが盗賊の気を反らすのには十分だ。俺は側にいた盗賊2人を切り捨て、ダンカルも盾を横薙ぎに払い3人を瞬殺する。サーシャは素早くガストにヒールを掛け俺たちに物理無効魔法を掛け直してくれた。
ホッとする反面今度は少女が危ない。3人の賊に囲まれジリジリと後退している。仲間を救って貰い無視するなんて出来ない「何としても助けないと」と思っていたら、少女の頭上から男が飛び降りてきて、あっという間に切り捨てていた。少女は囮だったのか、男は一気に他の盗賊をも蹴散らし、形勢逆転となった。
倒した盗賊を生死問わず一カ所に纏めたが人数が合わない。何人かに逃げられたのか?だとしたらこの場を一刻も早く移動しなければならないな。途中までは確認していた頭目らしい男をいつの間にか見失ってしまって、新たな仲間を連れて戻ってきたら厄介だからな。
速やかに移動しなければ。
その前に危険を顧みず助太刀してくれた2人にも礼を言おう。苦戦を強いられ絶体絶命のタイミングによくぞ来てくれた。
2人を遣わせてくれた神に感謝を。町に着いたら1番に教会に行くと誓います。
「助っ人ありがとう。俺は【銀の翼】のリーダーでローリーと言いう」
「リュシウォンだ …通り道で邪魔だっただけだ。其れよりこれで全部か?人数が少ないようなんだが、逃げたのか?」
「確かに少ないな17人居るはずなんだが。頭目も見失ってしまって」
「離れた方が良いな。生きている奴らはどうする殺か、頭が居なければ連れて行くのも危険だろう」
やっぱり危険だよな。ここまで大きな盗賊団だと何人かは手配書が有ると思うが確認出来ないし。連れて行くにしても途中で暴れたりされてもな。
「あのーぉ、ちょっと良いですか?」
少女が遠慮しながら近づいてきた。凄い美少女だ。綺麗な瞳だな、なんか見たことがある色なんだけど……
「あの中に盗賊を閉じ込めてあるんですけど…」
「あの中?」
少女が指さすのは、地面に出来たこんもりとした山。
「「はぁッ!」」
道の端に大小の小山が4つ適当な距離で盛られている。其れは反対側の端にも2つ有り、作った女の子曰く【アース・ホーム】一瞬のうちに胸までを地面に落としドームでフタをするという物だそうだ。
「土魔法か? 面白い使い方をするな。それと仲間を助けてくれてありがとう俺はローリーだよ」
「へっ!? あっあの…ロッカです。いやっ!全然役に立たなくって、結局お兄さんが頑張ってくれた訳でして。すみません」
謙虚だなぁ。役にたた無いなんてとんでもない。逃げたと思っていた盗賊の頭は道の真ん中にある一番大きな山の中、他の子分共全ても穴に閉じ込めたんだから。
凄いと褒めると、モジモジと嬉しそうにして本当に可愛い。このまま素直に育ってくれ、本当に。
良い子良い子と頭を撫でていたら
「じゃあ、この穴の中のは俺たち2人で縛って置くから、あんたは仲間の方を観てきて良いぞ」
「良いのか? 何から何まですまん頼む」
「ドジャースさん、大丈夫ですか」
「くっ… ああ、済まない。助かったんだね。よかった……ヨかっ…ぅぅぅ」
よかった。怪我は…… シャツを捲ったら広範囲で紅くなっている。その内アザに成るだろう。腕や足に骨折も無さそうだし、頭にはタンコブだな。暫く冷やして貰おう。娘の方は盛大に喚いていたから元気なのは知っているが一応声かけておくか。ガストが気になるからとっとと済ませよう。
「あー、アンジェラさ」
形式上でも声を掛けておこうと歩き出したとき、仲間の焦った声が聞こえた。
「ガスト!」
サーシャの膝に蒼白い顔のガスト。まさか……
「!サーシャ落ち着いて……ああ、深くないが出血が酷い貧血気味だな。無事なポーションは有るか?」
「ごめんなさい……」
「いい、見てた。庇ってやれなくてごめんな。魔力はどのくらい残ってる」
「ヒールを2回しか出来ないと思うの」
「済まないがガストに使ってくれないか。血を止めるだけでも良い。頼む」
「もちろんよ、ダンカルもそれで良い?」
「おう、かまわん。俺もローリーもかすり傷だ」
「幸いドジャースさんも瘤と打ち身だけだから大丈夫だ」
「なにが大丈夫なのよ! 危うく死ぬところだったのよ!雇い主を危険にさらすなんて、護衛失格じゃない!」
やっぱり吠えるのか💢
この道は危ない事が分かっていて、引き返しを提案した俺に「進め!」と言ったのはお前だろう。
2時間ほど前。
「ローリーこの先、半刻程行くと道が曲がった所があるんだが、その手前に怪しいのが2人。多分盗賊の斥候だと思う」
距離の有る街道は町から離れて1日・2日の場所が盗賊の稼ぎ場と成っている事が多い。
旅人は頭で分かっていても町が近付くと、故郷であったり家族や友を思い心が浮き足立ってつい気が緩んでしまうのだ。
そこを突いてくる盗賊の何と意地の悪いことか。
「ドジャースさん、一度野営地に戻る事をお勧めします。盗賊の規模が分からないまま進むのは得策ではない」
「何を言っているの。貴方たちは護衛でしょう?そのために雇っているんじゃない、仕事をしなさい!」
この女は💢……
「そうですよ。だから言っているんです。斥候を出すと言うことは統制の取れた一団だということです、人数だって分からないんです。野営地に戻り他の旅人と協力した方が安全です」
「戻ったとしてすぐ来るとは限らないでしょ」
「そうですね。しかし食料は残ってますから今日明日くらいは」
「冗談じゃないわ!貴方の言う食料って、堅い粉の塊と塩辛い乾燥した肉でしょう!あんなの食料じゃないわ!」
「アンジェラ落ち着きなさい。安全を考えたら」
「いいえダメよ!このまま進みなさい。戻るのなら契約違反だとギルドに報告するわ」
ああ~思い出して腹が立ってきた。
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