夢ノ瀬日記

夢ノ瀬 日和

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7月7日

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 恥の塊を投げられる。誰とも判らぬ白い人影がを嗤う。の頭上には私がいて、ジットリとした視線を寄越してくる。果てのない混濁の中、ただただにばかり恥を投げつけられる。私はそ知らぬ顔で足元を弄ぶ。私の足を引っ張るのはいつもなのだ。

 ああ、ほら、今だって。

 アザが残るほど強く掴んだ足首をねじ切るように引きずり堕ろして、私の顔を剥がしてしまう。もう誰にも否定されないように。怒られないように。嫌われないように。愛されないほどに。無様なほどに。死ねないほどに。血の滲む手元を無視して、ひたすらに息を荒らげる。輝くは絶望という名の朝日。きっと私だけを迎えに来たのだろう。寂しさに焼き殺される前に私もも全て自分の手で始末してしまおう。
 決断してしまえば、後はラクだった。自慢の長い髪を引きちぎって首に巻きつける。
 人影が真っ白な部屋へと変わっていく。広く、広く、広く。どんどん拡がっていく。軽蔑と嘲笑。畏怖の喧騒。強張る翅が不愉快な空気を孕む。まだまだ拡がっていく。明かりが過ぎる空間。吐瀉物は全て私の顔だったものに流れていく。ゴキブリやハエですら近づいてこないは、いったいどこへ流れていくべきだったのだろう。
 このまま朝が来なければいい。
 このまま明日なんて亡くなってしまえばいい。
 このまま遠い意識の向こう側へ逝けばいい。
 嫌悪と羨望が綯い交ぜになって、身体サナギからジュクジュクの大きな化け物が上へ上へと浮上していく。私も俺もガラス玉のような瞳をに向けて、化け物をこれでもかと映す。光の強すぎる絶望を逆光に天井のさらに上へ逃げていく。

「私がいないと、なにも出来ないくせに」

 冷たく響く声。

「俺がいないと存在すらしないくせに」

 鋭く刺す視線。

「置いていくんだ」

「恥を晒すつもりか」

「それでもあんたは」

「それでもお前は」

「私であると」

「俺であると」

「他人を騙し」

「期待を膨らませ」

「殺すのか」



 目を覚ましたのは七夕の午前三時二十一分だった。
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