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俺のアパートの管理人

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今日も暑い真夏日。太陽が照りつけ部屋中がモワッとした空気で充満している。俺、観堂かんどう ほまれは熱気の篭る暑苦しい部屋で蒸されるような感じで寝転がっていた。このままでは焼売にでもなりそうだ。
 俺の日々は大学かバイトかアパートの部屋で籠るか、この三択しかない。どこに居ても夏は暑いので無駄に動くよりは部屋でクーラーをつけて涼むことに越したことはない。てことでクーラーがあることに気づいた俺はクーラーの力を頼ることにした。

「リモコンどこだ? 」

 クーラーの電源をつけようとしたがリモコンが見つからない。どこに片付けたか記憶が思い出せない。普段の収納の悪さがここに来て痛手だ。適当に部屋中を漁っていると埃被ったリモコンを見つけた。

「これからはきちんと片付けしないとな 」

 リモコンの埃を払いクーラーに向けて電源ボタンを押す。しかし無反応だった。おかしいと思い何度もボタンを押したり角度を変えてみるがやはり無反応だった。

「何だこのクーラー。壊れたのか? 」

 クーラーは夏の必需品だ。無くてならない夏の神器だ。年々暑くなる夏を乗り切るには一刻も早く直す必要がある。俺は急いで管理人さんの部屋に向かった。管理人さんの部屋は一番下の階の右端にある。

「あの、ごめんください。3階の観堂です 」

「はい。少し待ってください 」

 扉の奥から管理人さんの声が聞こえる。俺が住むアパートの管理人さんである笛吹ふえき 千鶴ちづるさんはここら辺りじゃ中々居ない超美人だ。背中まで伸びる黒髪と右目元にあるほくろ、ボリューミーな胸に綺麗で細い脚というどのパーツも最高だ。おまけに夏は常に薄着なので特に肌色面積が多い。

 管理人さんの顔を浮かべながら待っているとドアが開いた。

「観堂さん。どうされました? 」

 ドアから管理人さんが現れる。黒髪を耳にかけていていつもより更に魅力増しだ。色っぽく感じる。

「あ、か、管理人さん。えっと俺の部屋のクーラーが故障したんですけど 」

「えっ、本当ですか!? それは大変ですね。観堂さんの部屋のクーラー見せてもらってもよろしいですか? 」

「はい。お願いします 」

 俺と管理人さんは3階まで登り鍵を開けて部屋の中に入る。素足の管理人さんがエロくてムラムラする。白肌の綺麗な足はつい見惚れてしまう。

「あの、観堂さん。椅子貸してくれませんか? 」

「は、はい 」

 椅子をクーラーの下に置きその上に管理人が乗ると管理人さんの足が座面に食い込む。
 そして背伸びをしてクーラーを触り始める。
 ヒラヒラの薄い水色のスカートの下から純白の紐パンがチラチラ見える。
 これは中々の眼福だ。クーラーよりもそっちに目が移ってしまう。男なら当然のことかもしれない。

「良いっすねー 」

「ん? どうかしました? 」

「い、いや、何でもありません 」

「そうですか 」

 無意識に心の声が漏れてしまった。危うくスカートの中を覗いていることがバレてしまう所だった。
 それにしてもスカートの中からチラチラ見えるお尻は最高だ。パンツが食い込みキュッとなっていてプリッとした尻肉がエロさに拍車を掛けている。
 鷲掴みして揉んだりパンツを引っ張りたい。そんな欲望がメラメラと湧いてくる。

「あの、観堂さん 」

「は、はいっ 」

「このクーラー私でも治せそうにありませんので業者の方に連絡しますね 」

「お願いします 」

 管理人さんは椅子から降りてスマホを取り出して業者に電話する。パンツが見れなくなりガッカリする俺だが今度は管理人さんの横顔に見惚れていた。
 真っ白な肌に綺麗な鼻筋に目、ぷるっと柔らかなそうな薄ピンクの唇。見ているだけで幸福をもたらしそうだ。

「観堂さん。とりあえずクーラーを修理に出しますけどここのクーラーが旧型なので結構時間がかかるかもしれません 」

「そうですか..新型のクーラーには変えないんですか? 」

「え、えっと..多分..当分変えません 」

「な、何でですか!? 」

「そ、それよりもっ!! クーラーが無い部屋で過ごすのも酷な話だと思うので..し、しばらく私の部屋で暮らしませんか? 」

「か、管理人さんの部屋で? でも、まずいですよね。流石に 」

「い、いいえ。これは私の責任でもありますし、私は管理人なので住人の暮らしを守る義務がありますからっ 」

 管理人さんは普段見せる穏やかで落ち着いた雰囲気とか打って変わり真剣な表情で身体も近づけてぐいぐい話を進める。チラ見する谷間の縦筋に思わず目が移る。
 管理人さんの普段見せない気迫に圧倒された俺は管理人さんの部屋で暮らすことを了承した。

 ひとまず俺の部屋から出て管理人さんの部屋に入る。管理人さんの部屋はとてもシンプルであっさりしている。片付けも綺麗にされている。

「ここが私の部屋です。殺風景で申し訳ありません 」

「いえいえ、良い部屋ですよ 」

 俺は部屋を一周した。俺が住んでいた部屋とは天と地の差だ。とても住み心地の良さそうな部屋に俺は大満足だった。今からここで管理人さんと二人で暮らすと考えると自然とエロい気持ちになる。

「あ、あまり..部屋を見られると....恥ずかしいです 」

 着衣腰の胸を両手で挟み込みもじもじしている管理人さん。思わず俺は管理人さんの腕で挟み込まれた鏡餅のような胸を凝視してしまう。

「あの..私の胸って変ですか? 」

「そ、そんなことありませんよ。管理人さんの胸はとても素晴らしいと思います」

 俺はテンパって本音をありのままに言った。口が勝手に動いていたのだ。

「良かったです..私、自分の身体が嫌いなんです。こんな大きな胸..嫌いですから 」

 男にとって女の胸は最高の物だ。嫌いな人はほぼ居ないと思うし嫌いになることもない。それは男にとって無いものだからこそ不便な所やコンプレックスを知ることができない。だからこそ好きになれるのかもしれない。

「何言ってるんですか。管理人さんの胸は誇れますよ。自信を持ってくださいっ。俺が保障しますから 」

 自分でもおかしなことを言ってる自覚はあった。人に言葉を伝えるのが苦手な俺はとにかく管理人さんに自信を持って欲しかった。例え引かれたとしても。

「ふふっ。観堂さんっておかしな人ですね。こんなこと真剣に語られたのは初めてです 」

 管理人さんがクスッと笑ってくれた。俺はくだらない言葉にも笑ってくれたのがとても嬉しかった。
 管理人さんの笑顔は初めて見たがとても可愛くて綺麗で....完全に惚れてしまった。

「観堂さん。ありがとうございます。ほんの少しだけですけど、自信持てるかもしれません 」

「いえいえ、俺は本当のことを言っただけですから 」

 俺は椅子に座り管理人さんが淹れたコーヒーを口にした。初めてのコーヒーは苦い。俺は顔をしかめて渋い顔になっていた。それを見た管理人さんは微笑んだ。

「ふふっ..ふふふっ..観堂さんって何だか面白い人ですね。てっきり怖い人かと思っていましたけど 」

「そうだったんですか? 」

「はい。観堂さん私とすれ違う時、挨拶をしてもリアクション薄いし....でも、どこか雰囲気が好きでしたよ 」

 好き。この言葉を聞いた瞬間の俺は心の中で勝手に舞い上がっていた。好き....管理人さんが俺のことを好きだと? いや、雰囲気が好きなだけ....分かっている。分かってはいるけど脈ありだと思ってしまう。こういう少ししたことで良いように考えてしまうのは昔からの癖だ。

「あ、あの、観堂さん? 」

 俺は管理人さんの"好き"という言葉に深く考えすぎて呆然としていた。

「あ、すいません。ぼーっとしてました 」

「暑いからですかね? 気が利かなくてすいません。今クーラーを付けますね 」

 管理人さんはテレビの横に行きリモコンを手に取り電源を入れる。
 すると冷たい風が一気に吹き込んでくる。とても涼しい。これぞ俺が本来自分の部屋に求めていた冷気だ。暑い身体は一気に冷えていく。

「観堂さん涼しいですね 」

「そうですね。とても涼しいです 」

 エアコンで涼んだ俺たちはしばらくお互いの事について話し合った。俺が大学で学んでいる内容や、どんなバイトをしているのか。
 管理人さんは普段どんなことをしているのか、趣味や好きな食べ物について話し合った。

 楽しい時間というものは想像以上に早く経過していく。気がつけば夜になっており管理人さんの特製手作り焼きそばを食べた。店の物かと思うぐらい美味しかった。管理人さんの手作り料理を食べることができて最高の時間だった。

 夕食を終えた俺たちは風呂に入る話になった。

「あの、観堂さん。お風呂の話なんですけど....」

「管理人さんが先に入っていいですよ 」

「そ、そうじゃなくて....一緒にお風呂入りませんか? 私、観堂さんのお背中お流ししたいと思いまして..」

 管理人さんと一緒に風呂に入る....そして俺の背中を流してくれる。これから起きようとしているイベントに胸の鼓動と下半身は高鳴っていたのだった。
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