不死身だったらいつかは勝てます!

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不死身の始まり

俺はシロガネ。不死身の男

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 俺が不死身だということを知ったのは幼い頃の事故だった。俺が住んでいる王国ストーリンは剣士で溢れている国で、産まれた時から大半の人間が剣士の道へ進むように育成されるのだ。それが例え、女であろうとも。
 俺、シロガネも剣士だ。十七歳の男で毎日剣を振りがしているがセンスゼロだ。

「馬鹿お前なぁ、何度言ったら分かるんだ? 」

 俺の剣を教えてくれるギンダイ先生は呆れた顔で俺を見る。

「親ってさ、不死身だから、剣を払えなくても生きていけるぜ 」

「馬鹿お前は甘いんだよシロガネ。まず、不死身っていうのも嘘くさい話だよ 」

「そんなことないぜ 」

 俺は、ギンダイ先生の目の前で自分で心臓を突き刺した。驚いたギンダイ先生だが、俺は余裕の笑みだった。チクッとはするが、全然苦しくもないし、平気だ。

「馬鹿!お、お前な! そんなことはするなよ!! 」

「すいません。ちょっと出来心で 」

 ギンダイ先生は呆れながらもいつも俺に熱心に剣の使い方を教えてくれる。そして、夜はいつもケバブを奢ってくれる優しい先生だ。

「馬鹿シロガネ! また明日な 」

「はい先生じゃあなー 」

 ギンダイ先生は馬鹿が口癖だ。今考えてみると凄く癖があって、おかしい人だと思う。
 ギンダイ先生と別れて俺は帰路につく。そんな中、一人の女の悲鳴が聞こえてきた。俺は声のする方に急いで走った。

「な、何事だ!! 」

 そこには全裸になった女と一人の男がいた。男は下半身丸出しの状態だった。

「おいお前!! 何やってんだ 」

「あん? 見れば分かるだろ? レイプする所なんだ 」

「そんなことはさせねえぞ! 」

 俺は剣を握り男に振りがした。ギンダイ先生が普段教えてくれている事を生かしてがむしゃらに振るが意味がなかった。
 返り討ちにあった俺は心臓にナイフ三本刺されてその場で倒れた。

「はい、終了! 」

「な訳ないだろ 」

 俺は不死身だ。何があっても死なない。剣を握り直して俺は再び剣を振りかざす。そして、返り討ちに合うを何回も繰り返して、男を撃退することに成功した。

「はぁ、はぁ、不死身だったらいつかは勝てるんだよ 」

「あ、あの、あなた、名前は? 」

 銀髪の女は俺に名前を訊ねる。

「俺はシロガネ。不死身の男だ 」

 不死身の男である、俺の物語は今から始まる。不死身の俺が世界を変える物語が。
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