黎明事変

由良ゆらら

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黎明事変 第七章「黎明」

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世界が反転した直後、紅はほんの一瞬、時間の“継ぎ目”を見失った。白光が地上を呑み込み、防空壕の構造が書き換わり、山肌も空も、上下という概念ごと裏返っていく。
――存在圧による爆心。
だが、それはまだ“外側の変動”にすぎなかった。中心にいた御影玲瓏は、物理世界の爆心が収束するよりも早く、すでに“別の位相”へと沈み始めていた。それは神話の中で、ひとりの人間が世界の側へ召し上げられていく瞬間に、
どこか似ていた。衣服は理の裏布へと変質し、金の光脈が体内を走り、
視線はどこにも向かわない。それでいて、全方向を――“見ている”。
紅が名を呼んだときには、御影はもはや“地上という物差し”で測れる存在ではなく、彼女の影だけが、最後にふっと揺れた。
そして、御影が完全に理へ沈んだ瞬間――紅たちが立つ“こちら側の位相”にも、遅れて反転が到達した。
それは爆心の第二波。位相内部への侵食。
鈴の音が――逆方向に鳴った。

防空壕で起こった白光の奔流が、時間差で紅たちの“立つ層”へ押し寄せた音だった。すでに砕けた空間の残響だけが、遅れて、歪みながら、紅の層へと届く。
次の瞬間、理層の裏返りが、紅の位相へ到達した。
「紅、伏せて!」
澪の叫びと同時に、先に地上へ噴き出した爆心の“裏側”が、内側から紅をさらう。鏡が砕けるように視界が裂け、上下が消え、観測の方向そのものが反転する。上も、下もない。
紅は澪の腕をつかもうとする。だが、指先が“触れた”瞬間、触覚が断ち切られた。現実が……途絶えている。
澪の姿は、瓦礫と光の向こうへ遠ざかり、紅だけが、“もう一段深い裏側”へと引きずり込まれていく。空は、黒い球体の裏面のように歪み、雲が反転し、世界そのものが内側へ吸い込まれていく。
視界の中心で、鈴の残響だけが浮かんだ。――世界が、自分を見始めている。
紅の身体が、白と黒の狭間へと落ち、地上の景色が、皮膚を剥がされるように消えていく。
そして――世界の色が失われた。

白と黒だけの“反観測空間”。足元は定義されず、距離も重さも意味を失ったまま揺らめいている。
その中心に、御影玲瓏が立っていた。
瞳は黎明色。輪郭は揺らぎ、もはや人の形ではない。それでも、確かに――“彼女”だった。
「……待っていたわ、紅」
その声だけが、世界に先んじて、はっきりと届いた。



世界は、白と黒だけで構成されていた。白は“観測”。黒は“未観測”。
そこには紅と御影だけが在る。
その境界は液体のようにゆらめき、誰かの一瞥が触れただけで、形も意味も、たやすく書き換えられてしまう。
空も地も、上も下も、距離や奥行きという感覚さえ――すべてが“視られること”によって定義される世界。
紅は、その中心に立っていた。足元の影が、天へ向かって逆流している。影が“地”として定義されていないからだ。ここでは、立つという行為さえ、見られて初めて成立する。息を吸おうとしても、空気は肺に流れ込まなかった。呼吸という仕組みそのものが、この世界には存在していない。喉が軋み、胸の奥が、ひどく冷たい。
その前に、御影玲瓏は静かに立っていた。彼女の輪郭は絶えず揺らぎ、細胞という単位ではなく――無数の“観測点”が、偶然、人の形に集まっているだけの存在。
ただ、瞳だけが人間のものだった。深い黎明色。夜と朝の境界を閉じ込めたような、揺らぐ光。
「紅」
御影の声は距離を越え、直接、紅の胸に届いた。音ではない。理層そのものが震えて生じた“応答”。
「あなたが来てくれて、嬉しいわ」
紅は、かすかに息を漏らす。
「……ここが、先生の見ている世界……?」
御影は微笑んだ。その笑みは穏やかで美しく、けれどどこか、“何かを手放した者”の静けさを帯びていた。
「ええ。世界は、私を通して自分を見ている。観測は――いま、完全な形で循環しているの」
紅は周囲を見渡す。白と黒が波紋のように広がり、存在と非存在が、境界を失ったまま溶け合っている。きっとここでは、“私”という形さえ、誰かに見られなければ、保てない。その理解が胸に落ちた瞬間、紅の身体に、じわりと痛みが走った。
皮膚が剥がれるような痛みではない。血が流れるわけでもない。“形が削がれていく”痛み。御影が、静かに告げる。
「見られない部分は、存在できない。あなたの影も、あなたの息も――“定義されない部分”から、溶けていくわ」
紅の足元に、細かなひびが走る。指先の輪郭が、白と黒の境界へ滲みはじめた。御影の瞳が、ほんのわずかに揺れた。
「怖がらないで。これは進化の前段階。あなたが感じている消失は――世界が、あなたの余白を取り込み始めている証」
「……進化なんて、してない」
紅は、震える声で言った。
「もし……誰かの痛みを置いたまま進むのなら……それは、ただ壊れてるだけだよ……」
御影の表情に、一瞬だけ、哀しみが差す。
「壊れることは、弱さじゃないわ。観測されることは、生きること。あなたは、ただ――“見られている”だけ」
紅の胸が、きつく締めつけられた。“見られている”という痛みは、飢鬼との戦いより、ずっと深く、直接的だった。そのとき、胸の奥で、童子の声がかすかに揺れた。――見ることの痛みは、生きている証。紅は歯を噛みしめ、ゆっくりと顔を上げる。
「先生……」
御影が、静かに手を伸ばす。その動きに呼応するように、白黒の空間が大きく波打った。
「なら、教えて。紅。あなたが“生きる”ということを」
白黒世界の中心で、観測と存在の思想が、ゆっくりと交差する。御影の瞳が、紅をまっすぐに射抜いた。紅は、一歩踏み出す。足元の影が揺れ、崩壊していた時間の流れが、わずかに戻る。
そして――静かに告げた。
「……先生。いまのあなたは、“人”じゃなくて……世界そのものみたいだ」



世界そのもの――。その言葉が落ちたとき、御影の瞳に宿る黎明色が、ほんのわずかに揺れた。白と黒の境界が、彼女の足元から波紋のように震え、定義されきったはずの世界が、一瞬だけ呼吸を乱す。
「世界そのもの、ね」
静かに繰り返される声は、もはや“人”のものではなかった。感情も抑揚もなく、ただ観測の中心から放たれる振動として、淡々と響く。御影の声が、世界の呼吸と重なった。

その瞬間――紅の視界が、焼けた。光が降る。いや、光ではない。“視線”だった。見えない無数の観測点が、天から降り注ぐ。一粒触れるたび、世界は定義され、空間は固定され、物質はひしゃげていく。紅の頬をかすめた瞬間、皮膚の奥が、鋭く痛んだ。見られただけで、存在が削られる。
「っ……!」
紅は反射的に身を翻す。だが、逃げ場はなかった。どの方向にも“目”がある。光線のような視線。観測の雨。その中心に、御影が立っている。瞳は焦点を持たない。代わりに、世界の層そのものが彼女の瞳孔へ滲み込み、まるで――世界が、彼女の眼の奥に存在しているかのようだった。
「見られるほど、あなたは確かになる。確かであることは、痛みなく在るということ。定められた形の中で――静かに、眠りなさい」
紅の足元が崩れる。観測された瞬間、空間が“定義されすぎて”砕け散った。破片は宙に浮かび、光に透け、存在を維持できず、溶けていく。
その光景の中で、紅は思い出していた。飢鬼との、あの対話を。
――見なくても、もう在る。
紅の瞳が、黎明色に染まる。その手には、一振りの刀――鬼切丸が握られていた。刃が淡く脈動する。世界の呼吸と共鳴し、鈴の音が、ひとつ鳴った。御影の声が、空間を渡る。
「観測とは、愛よ。愛は、すべてを定義する。人が誰かを“見た”瞬間――もう、その在り方を選べなくなる」
「……あなたの“見る”は、支配だ」
紅の声は震えていたが、静かで、確かだった。
「私は、見なくても在ることを知ってる」
御影の瞳の奥で、観測点の配列が、ほんの一瞬だけノイズを孕んだ。揺れではない。理波の、わずかな乱れ――。紅は踏み出す。鈴の音が鳴る。鬼切丸の刃先が、光の雨を裂いた。
斬った――瞬間。
空気がひっくり返り、視線が、一度、断ち切られる。“見られる”という痛みが消えた。しかし同時に、世界の輪郭も、曖昧になる。
「見ないことで、世界は消える」
御影の声が響く。
「君が斬れば斬るほど、世界は“定義”を失うのよ」
「……それでもいい」
紅は、息を吸った。「在る」と「見られる」。その境界を、胸の奥でそっと抱きしめるように。
「見なくても、もう在る。あなたも――私も」
空が震えた。光の雨が止み、代わりに、鈴の音が広がっていく。
その音は、世界の呼吸そのもののようだった。御影が、ゆっくりと顔を上げる。瞳の奥に、黎明色のきらめきが、ほんの一瞬だけ宿る。
そして――空が震えた。空が白く染まり、すべての焦点が、失われた。



光が、散っていた。空中に残された観測点の残滓が、砂のように崩れ、静かに落ちていく。
紅の頬に、ひと粒の光が触れ、音もなく弾けた。世界は無音だった。けれど紅には――この場所が、かすかに“息”を取り戻しているのがわかった。
御影は、静かに立っていた。視線の焦点は、どこにも合っていない。それなのに、その存在そのものが、あらゆる方向から紅を“見ている”。
黒い外套の内側で、金の刺繍が微かに脈動する。その律動に呼応するように、世界の層から無数の観測線が滲み出していた。彼女の瞳孔では、円環状の“観測紋”が、ゆっくりと回転している。まるで世界そのものが、その中心へ吸い込まれていくかのように。
「……もう、“こちら側”にはいないんだね」
紅の声は低く、吐息に近かった。
「いまのあなたは、“見る”という仕組みそのものだ」
御影は微笑んだ。その笑みは美しく、同時に、痛々しいほど静謐だった。
「人が空を見上げるように、私はずっと世界を見上げてきたの」
わずかな間。
「でも――見上げ続けていたら、いつの間にか私は、理の中にいた」
紅は答えなかった。鬼切丸が静かに脈打ち、黎明色が刃の根元へ滲んでいく。周囲の空気が、息を詰めるようにわずかに揺れた。
「見ないと、壊れる。誰にも観測されない世界は、存在できない」
御影の声に、かすかな哀しみが混じる。
「だから私は――すべてを、見ようとしたのよ」
紅は、その理由を責めることができなかった。
「……でも、先生」
ゆっくりと、一歩踏み出す。足元で黎明色が揺れ、影が淡く震えた。
「見すぎても、壊れる」
静かな声だった。
「誰かを“理解したい”って思っても、その全部を覗こうとしたら……その人の形は、きっと失われる」
御影の瞳が、ほんのわずかに動いた。観測紋の回転が、一瞬だけ鈍る。そこに初めて――“人の反応”が宿った。
紅は、言葉を急がなかった。置くように、静かに続ける。
「見ないことも、優しさなんだと思う。息をしているだけで、在るって信じること。それが――赦し」
その瞬間だった。
御影の輪郭が、ふっとほどけた。外套の金刺繍が微かに乱れ、観測点の並びが一瞬だけ散り、そして、再び収束する。胸の奥で、光脈がわずかに脈動した。揺れというほどではない。ただ、理の層に触れた“曖昧の残響”が、彼女の内部へ、静かに波紋を落とした。
「……優しさ……?」
御影の声が、一拍だけ“ひとつの声”に戻る。人間だった頃の玲瓏に、最も近い響き。だが次の瞬間、観測紋は再び円環を広げ、声は複数の位相へとほどけていった。
「そんな曖昧さで、世界を“理解”できるの?」
紅は、首を振った。
「理解しなくていい。ただ――在ることを、認めるだけ」
その声は、鈴の音のように柔らかく響いた。
御影の視線が、初めて紅を“正面”から捉える。焦点が合った瞬間、空間が波打ち、世界の層がひとつ震えた。黒外套の内側で、金の紋が、強く脈動する。
「曖昧は、理を壊す」
御影の瞳が、黎明色に強く光る。空の奥で、再び無数の観測点が生まれた。それは怒りでも、憎しみでもない。“理解したい”という、悲しいほど純粋な本能の輝き。
「優しさは、理を曇らせるだけ」
その声とともに、空間が反転する。白と黒が入れ替わり、紅の身体が、ふっと浮いた。紅は刀を構える。黎明色が揺らめき、理の層を、静かに照らしていく。
「それでも、私は信じたい」
紅は、まっすぐに言った。
「優しさが、世界を呼吸させるって」
その瞬間、御影の周囲に白い霧が立ちこめる。音が消え、世界の輪郭が溶けはじめた。黒外套の内側で、金刺繍が開き、観測線が反転して白へ溶け込んでいく。
空気から、“観測の気配”そのものが剥がれ落ちていった。御影が、静かに指を弾く。
「なら――見られなければ、どうなるか」
一拍。
「見せてあげる」
光が反転する。
紅の視界が、真白に染まり、音も、色も、方向も奪われていく。世界が――“観測を拒絶する”。



――音が、消えた。天も、地も、それらを分けていた輪郭さえ、ほどけていく。白が、世界をゆっくりと呑み込んでいた。紅は息を呑んだ。だが、その呼吸の音すら、空気へは届かなかった。音という概念そのものが、世界から“定義”を奪われている。目を開けても、何も見えない。光でも、闇でもない――ただ、“余白”だけが広がっていた。
それは、まだ一文字も書かれていない世界の原稿。意味も形も、これから与えられるのを待っている、沈黙の頁だった。
「見ないこと……」
御影の声が、どこからともなく響く。距離という概念は、すでに崩れている。近いとも、遠いとも言えない。声だけが、世界の中心から直接、胸へ落ちてきた。
「それは、私が最も恐れてきた“無”よ」
白の中で、黒外套の金刺繍が、かすかに光子の残滓を撫でる。瞳孔では、円環状の観測紋がゆっくりと回転し、
そのたびに、白い空間へ“観測を止める律動”が、波紋のように広がった。
「観測されなければ、存在は維持できない。“在る”ということは、“見られる”ということ。それ以外に、証明はないわ」
紅は、自分の腕を見た。手の輪郭が、溶けていく。白い霧に呑まれ、指の形が、ひとつずつ失われていく。そこに、“存在している”という感覚がない。確かに――消えていた。
御影の声が、静かに続く。
「それが、理の構造。あなたが見ないものは、定義されずに消える。だから私は、見続ける。誰も――忘れないように」
紅の喉が、かすかに震えた。
「……違うよ」
震える声だったが、言葉そのものは、はっきりしていた。
「見なくても……消えない」
御影の観測紋が、軋むように、わずかに揺れる。
「証明できるの?」
紅は、首を振った。
「証明なんて、いらない。息をしてる。それだけで、在る」
白の空間に、微かな鈴の音が満ちた。
「あなたが見なくても、私は消えない。世界も……あなたも」
世界が、震えた。紅の胸の奥から、黎明色が、じわりと滲み出す。それは光ではない。“呼吸”だった。世界の、理の、余白に残された――呼吸の音。
御影が、息を呑む。観測紋の回転が、一瞬だけ止まり、金刺繍の紋が、わずかに脈打った。
「……音? この空間で……?」
紅の輪郭が、かすかに戻る。鬼切丸が黎明色を帯び、手の中で、生き物のように震えた。紅は、静かに目を閉じる。見えない世界の中で、確かに“在る”ものを、身体で感じ取る。音も、光も、必要ない。ただ――世界が、ここで息づいているという感覚だけが、確かだった。
「見られなくても、在る。――それが、赦し」
刃が、振るわれた。黎明色の軌跡が、白を裂く。無数の余白が反転し、世界に、ゆっくりと色が戻っていく。空気が流れ、光が走り、時間が、再び動き出す。
御影が、思わず一歩、後ずさった。瞳の観測紋が大きく開かれ、紅を、まっすぐに見つめる。
「……ありえない……観測されていないのに、存在が……!」
紅は、微笑んだ。
「世界はね、誰かが見ていなくても、ちゃんと息をしてる」
一拍。
「あなたが見ないことも、もう――怖くない」
御影の顔に、初めて“動揺”が浮かんだ。その揺らぎに呼応するように、外套の金光が、わずかに乱れる。
そして、微かに震える声で呟いた。
「……じゃあ、私が見てきたものは……いったい、何だったの……」
紅は、答えなかった。
ただ、刃を下ろし、その一瞬に満ちた静寂を、赦しのように、受け止めた。黎明色の光が消え、空間が、わずかに軋む。
御影は目を伏せ、指先で、空を撫でる。その動作に合わせて、黒外套の金刺繍が反転し、世界の“観測回路”が、逆流を始めた。
時間が、ほんの一瞬だけ、軋む。
「……なら、試してみましょう」
御影の声が、低く響く。
「本当に――“息をしている”のかどうか」
彼女の周囲で、空気が反転する。世界の光が、硬化し、動きが、凍りつく。紅が瞬きをする、その刹那。風が、音が、時間が――止まった。
理の針が、完全に静止する。



――世界が、息をやめた。光が止まる。風が固まる。宙に舞っていた塵が、その位置のまま固定され、流れも、落下も、次の瞬間も――失われた。動かない。変わらない。まるで空気そのものが、意識を失ったかのようだった。
紅の髪が空中に漂い、その揺らぎが途絶えた瞬間――時間が、完全に“観測された”。
黒外套の金刺繍が、静止した空気の中でかすかに脈動する。御影の瞳孔――円環状の観測紋が、ゆっくりと回転し、そのたびに、世界の“次”がひとつずつ凍りついていった。
「時間は、観測の呼吸よ」
御影の声が響く。観測紋の回転がさらに深まり、世界の律動が、またひとつ、沈黙する。
「人は“次”を望むから、時は流れる。でも私が“今”を見続ければ――世界は止まる。そして、もう誰も傷つかない」
瞳が黎明色に光る。その視線の先で、紅の身体が軋んだ。心臓の鼓動が遅れ、血流が、凍るように鈍くなる。息を吸っても、空気は入ってこない。呼吸そのものが、“観測”によって固定されていた。
紅は喉を押さえ、わずかに声を漏らす。
「……これが……あなたの、優しさ……?」
御影は微笑んだ。それは、美しくも、恐ろしいほど穏やかな笑みだった。黒外套の金刺繍が、光脈のように淡く明滅する。
「動けば、壊れる。だから止めるの。流れない世界なら、誰も形を失わないわ」
紅の目が、わずかに震える。鬼切丸は微かに輝いていたが、刃を振るための“空気”さえ固定された世界では、動かすことすらできなかった。このままでは、世界ごと止まり、終わる。
紅は、動かぬ胸の奥へと意識を沈める。音のない静寂。その、さらに奥――聞こえた。鈴の音。遠く、かすかに、小さな呼吸があった。風でも、声でもない。それは――理の鼓動だった。
紅は目を閉じ、言葉を使わずに想いを投げる。
『世界は、まだ息をしてる。あなたが止めても、呼吸までは、消えない。』
鈴の音が、一度。二度。三度――鳴った。
静止した時間の膜が、ゆっくりと震えはじめる。
御影の頬に、初めて驚きの影が走った。観測紋の回転が、ほんの一瞬、乱れる。
「……どうして……音が、動くの……」
紅が瞳を開く。そこには、黎明色が宿っていた。
「この鈴の音は、観測した結果じゃない。聴く前から――もう在る」
その瞬間、鬼切丸が震える。黎明色の光が紅の身体を包み込み、停止していた時間の粒へ、“呼吸”が流し込まれた。
ひと息。
光が走る。空気が震え、雲が形を変え、風が、吹いた。凍っていた塵が落ち、世界が、音を取り戻す。
御影が一歩、後ずさる。唇が、わずかに震えた。
「……そんな……理を、超えて……?」
紅は微笑む。
「理を止めても、世界は動きたい。だって……理も、生きてるから」
御影は顔を伏せ、声を掠らせる。
「……優しさは……理を、曇らせるだけ……」
紅は一歩、踏み出した。黎明色の光が足元に広がり、固まった理層を、ゆっくりと溶かしていく。
「優しさは、壊さない。ただ、赦すだけ。止まるのは、終わりじゃない。ただ……呼吸を、思い出すだけ」
御影が顔を上げる。瞳の奥で、光と闇がせめぎ合う。薄金色の髪が、静止と揺らぎの境界で揺れた。それは――理と、人間の、最後の境界だった。
紅は刀を下ろし、まっすぐに言葉を投げる。
「完璧にならなくていい。ただ――在ればいい」
沈黙。その一瞬、御影の顔に、苦しげな表情が浮かんだ。瞳の奥で、黎明色の“揺らぎ”が震える。涙ではない。記憶の奥底で眠っていた、“揺れの残響”。
「……どうして……あなたは、そんなに……曖昧を、受け入れられるの……」
「それが、人だから」
御影の瞳が、微かに見開かれ、世界が震えた。
空間が折れ、理層の光脈が暴走を始める。黒い裂け目が空を走り、光の中心で、御影が両腕を広げた。
「なら――見せてあげる」
声が、世界を貫く。
「曖昧を拒んだ理の、“完全な形”を」
紅が息を呑む。
空の中心に、暗い渦が生まれる。それは、観測のすべてを吸い込む焦点。
御影の声が重なり、空気を震わせた。
「理層反転――開始」
世界が、裏返る。すべての光が吸い込まれ、紅の影が、天へと伸びていく。黒が黎明色を呑み込み、遠くで、鈴の音が揺れた。
――世界は、いま、自分を見ている。



――世界が裏返った。
黒が天を満たし、すべてがひとつの“瞳”の内側へ吸い込まれていく。
世界は、御影の眼の中で回転していた。薄金色の髪は光の帯となって宙をほどけ、黒い外套の金刺繍は理脈のように揺らめき、瞳孔では円環状の“観測紋”がゆっくり回りつづける――その回転のたび、世界の焦点がねじれ、反転し、別の定義へ置き換わる。あらゆる方向に“観測の焦点”が生まれ、紅という一点へ収束していく。
空間が波打った。存在そのものが光と情報へ変換され、“見られる”という行為が肉体を削いでいく。紅の輪郭が、定義書の行間のようにひび割れた。
「これが、世界の完全観測」
御影の声は、もう一人分ではない。無数の声が重なって波形となり、空そのものが喋っているように響く。
「すべての粒子が、私を通して自分を見る。世界は――自分自身を、余さず理解する」
御影の身体は、もはや人の形をしていなかった。光脈と理層のコードが交錯し、外套の金刺繍が世界の回路と同期して脈動し、その中心で黎明色の“心臓”だけが、規則正しく打っている。御影玲瓏という個は、世界の仕様書へ溶け込み、世界の側に吸収されていく。
紅は震える息を吐いた。鬼切丸の柄が手の中で熱を帯び、掌の内側から黎明色が脈を打つ。
「……先生、それじゃ……世界は、動けなくなる」
御影は笑った。温かいはずの笑みなのに、どこか“終わり”の静けさを帯びていた。
「動く必要なんてない。完全であれば――それでいいの」
空に亀裂が走る。そこから零れ落ちるのは光ではなく、“定義”だった。
言葉。記号。数式。意識。時間。世界の構造そのものが雨のように降り注ぎ、紅の身体へ突き刺さる。それは痛みではない。“理解”の侵入だった。過去、現在、未来――紅の心が、あらゆる観測結果に晒され、選ぶ余白を奪われていく。
「これが、完全な理層」
御影の声が響く。
「あなたの感情も、記憶も、すべて観測された。もう未知は存在しない。世界は――完成したのよ」
紅は片膝をついた。視界が白と黒の狭間で滲み、それでも胸の奥では、何かが確かに“息をしている”。違う……これじゃ、世界は息ができない。
紅はゆっくり顔を上げる。御影は空の中心にいた。薄金の髪が光を集め、黒い外套は闇の布を纏ったように揺れ、金刺繍の理脈は世界の回路と接続して脈動している。彼女は、神でも人でもない。理そのもの――“見る仕組み”として立っていた。
紅は息を吸い、囁くように言った。
「先生――それは、“見ること”じゃない。ただ……“閉じている”だけだよ」
御影の瞳が、わずかに揺れる。
「閉じている? 違う、これは救済。誰も、見られない苦しみから解放されるの」
紅は首を振った。
「見られない苦しみを恐れて、あなたは……見すぎたんだ」
光が弾け、衝撃が走る。紅の足元の地面が反転し、観測データの奔流が押し寄せる。紅は鬼切丸を構え、黎明色の刃を振るった。刃が空間を裂き、観測点が断ち切られ、世界の光脈が火花を散らす。
「あなたが止められるなら、やってみなさい!」
御影の声が、世界そのものの振動として響く。巨大な瞳が空を覆い、紅を見下ろし、視線が光線となって空気を貫いた。紅の身体が軋む。背骨の奥で、“見られている”という痛みが弾ける。観測そのものが拷問だった。それでも紅は歩いた。白と黒の中を、黎明色の残光を曳いて進む。
「……あなたの見てる世界は、きっと綺麗なんだと思う」
御影の声が重なる。
「なら、理解して――私の中へ」
紅は首を振る。
「でも、息ができない。あなたの世界には……呼吸がない」
その言葉に、御影が一瞬だけ立ち止まる。瞳の観測紋が、きしむ音を立てた。
「――呼吸……?」
紅は微笑む。
「理が動くたびに、世界は音を立ててる。風の音、鈴の音、心の音。それが“在る”ってこと。見なくても、世界は息をしてる」
その瞬間――御影の輪郭がひび割れた。人と理の境界が千々に揺らぎ、声がいくつもの位相に裂けては、すぐにひとつへ戻る。
「理解できない……」
世界がざわめく。白と黒の層が騒ぎ、まるで彼女の悲鳴を代わりに上げるように揺れた。
「紅……。なぜ、あなたはそんなに、世界を赦したいの……?」
問いとも嘆きともつかない声。御影玲瓏だった頃の声に、いちばん近い震え。紅は答えない。ただ、黎明色の刃を握り直す。
御影が両腕を広げた。周囲の空間が沈み、黒外套の刺繍が反転して光を吸い、巨大な黒の渦が紅の足元から立ち上がる。あらゆる情報、光、理、生命、意識がそこへ引きずり込まれ、紅の足元も崩れ、身体が沈んでいく。意識が剥がれ、視覚も聴覚も消えていく。すべてが無音、無光。ただ――世界の中心に、御影の声だけがあった。
「――世界は、私を通して自分を見る。だから、完全になるの」
その言葉が響いた瞬間、紅の中で何かが“止まる”。
静寂。
しかし、沈黙ではない。胸の奥で、鈴の音がひとつ鳴った。――世界は、いま、自分を見ている。紅は闇の底で、そっと息を吸う。まだ、呼吸は消えていなかった。だったら――私は、その“見ている世界”ごと、赦す。
闇が閉じきる直前、鬼切丸が黎明色に、わずかに光った。



紅は、微かに口を開いた。
「……先生。観測は――もう、終わりにしていい」
鬼切丸が黎明色に光を帯びる。余白を裂くような音が響き、静かな光が空間へ広がった。紅は刀を振るう。
一閃――。
黒が砕け、世界が、息を取り戻した。光が、静かに降っていた。黎明色の粒子が空を満たし、止まっていた世界が、ふたたび“呼吸”という行為を思い出していく。風がゆるやかに流れ、凍っていた音の輪郭が、ひとつ、またひとつと溶けていった。
御影の身体が、崩れていく。それは肉体の崩壊ではない。黒外套の金刺繍が淡くほどけ、薄金の髪は一本一本が光の粒へ変わり、黎明色の風に乗って、空へ舞い上がる。理に結ばれていた定義が剥がれ、世界との境界が、ゆっくりと失われていった。“見られなくなる”ということは、世界と区別がつかなくなるということだった。
紅は刀を下ろし、静かに息をつく。黎明色を宿していた刃は光を失い、ただの金属の冷たさへ戻っている。
「……観測が、止まった」
その声を、風が運び、世界が、ひとつ深い呼吸で応えた。
御影は、紅の方を見ていた。瞳にはまだ黎明の微光が宿っている。だがその奥には、もはや“定義”という輪郭がなかった。
「見なくても……在る」
御影が呟く。その声は薄く揺れ、波打つようにほどけていく。
「そうね……あなたの言った通りだったのかもしれない」
紅は歩み寄り、崩れゆく御影の前で、静かに膝を折った。
「先生。あなたは、理を愛しすぎたんだと思う。でもね……理も、あなたを愛してた。だから――今も、息をしてる」
御影の唇が震え、微笑が浮かぶ。それは数十年分の静寂を抱えた、温かな微笑だった。
「愛なんて……理にはないはずなのにね。でも……いまは、少しだけ分かる気がする」
光が強くなる。薄金の髪がすべて粒となり、尾を引く光の川のように流れ出す。黒い外套は外側からほぐれ、金の刺繍が煌めきながら、空中へ溶けていった。御影は、紅の名を呼ぶ。
「紅」
その声は、どこまでも穏やかだった。
「ありがとう。あなたが――“見ないでいて”くれて」
紅は瞳を閉じる。頬を撫でる風が、御影の指先のように優しい。
そのときだった。御影の瞳から、ひと粒の光がこぼれ落ちた。涙か、光脈か――判別できない透明な滴。それもまた粒子となり、黎明の空へ溶けていく。人でも、理でもない存在が、最後に見せた“曖昧の涙”。
「……紅。私は……ずっと、息の仕方が分からなかったの」
紅は、そっと答える。
「大丈夫。世界が……息をしてくれるから」
鈴の音が、ひとつ鳴った。世界の深層が、それに呼応して震える。
御影の声が、風へ溶けていく。
「おやすみなさい……紅。そして――ありがとう」
光が、静かに収束する。御影の姿は最後の輪郭を残して揺らぎ、黎明色の粒となって空へ吸い込まれ、
完全に消えた。
しかし、その消失は喪失ではない。ただ、“在ることを赦された存在”が、静かに余白へ還っていっただけだった。
空は黎明色に染まり、世界がゆっくりと呼吸を始める。風が流れ、街の輪郭が戻り、遠くから、誰かの息遣いが聞こえた。
紅は立ち上がり、鬼切丸を胸の前で握りしめる。刃の奥で、かすかな声が響いた。
――紅。あなたが見ない世界を、私は……好きになれそう。
紅は微笑む。黎明の光を宿した瞳で、空を仰ぐ。
風が吹く。鈴が鳴る。黎明色の空が、世界の息吹で満ちていく。
そして――紅の姿が、朝の光の中で淡く揺れた。
理の赦しの残響が、静かに、彼女を包む。
鈴の音が、ひときわ強く響いた。
世界は、再び、呼吸を始めた。



崩壊していた空間が、ゆっくりと結び直されていく。理層反転の黒は薄れ、代わりに黎明の光が差し込んだ。
――世界が、現実へ戻っていく。
風が吹いた。紅は、そっと目を開ける。足元には、砕けたコンクリートの瓦礫。その中に横たわる澪が、かすかに胸を上下させていた。
「……澪」
紅は膝をつき、眠る彼女の肩を静かに抱き起こす。澪の睫が震え、ゆっくりと開いた。
「……紅……?生きて……」
「うん。大丈夫」
澪は紅の顔を見て、息を呑む。その瞳に宿る光が――もはや、人のものではなかった。
「御影先生は……?」
紅は、しばらく黙ったあと、微笑むように、祈るように答えた。
「……もう、苦しまなくていい場所へ行ったよ。見なくても在るって……やっと、信じてくれた」
澪はそっと目を伏せる。その瞳の奥で、深い哀しみと、静かな敬意が揺れた。
「紅……あなたは……」
言葉が途切れる。紅の輪郭が、少しずつ光へと薄れていたからだ。紅は首を振り、澪の手を取る。
「私ね……いまはもう、人じゃなくて……世界の“呼吸”に、少し近いところにいるみたい」
澪の声が、震える。
「……行ってしまうの?まだ、話したいことが……あるのに」
紅は空を見上げた。黎明の光が、ゆっくりと町を照らし始めている。
「見て、澪。空の色……綺麗だね」
澪も、同じ空を見上げる。淡い紅と金が混じる黎明色――まるで、紅自身の瞳のようだった。
「……あなたの、色ね」
紅は微笑む。風が吹き、鈴の音のように小さく鳴った。
「世界は、息をしてる。御影先生も……私も……その中に、ちゃんといるよ」
澪は涙をこらえ、紅の手を強く握る。
「忘れない。あなたが赦した世界を――私は、祈りとして残すから」
その言葉を聞いた瞬間、紅の表情が、ふっと柔らいだ。
「それが、澪の“祈り”なんだね。……ありがとう」
光が、紅の周囲に満ちていく。まるで世界が彼女を包み、その呼吸の中へ迎え入れているかのようだった。
「またいつか……世界が、鬼を欲したら」
紅の声が、朝の光に溶けていく。
「そのときは……呼んでね。私は――ここにいるから」
光が散り、紅の姿は淡く揺らめき――やがて、完全に消えた。
澪はひとり、その光の残滓の中で立っていた。涙は、流れない。ただ静かに息を吸い、世界の呼吸と、自分の呼吸を重ねる。その姿は、もはや“祓う者”ではなかった。紅の赦しを記憶し、世界に響かせる――祈る者、蓮見澪だった。
黎明色の空が揺れ、鈴の音が、遠くで静かに響いていた。



黎明色の光が、瓦礫の上にゆっくりと広がっていく。澪は、消えた紅の残響を胸に抱いたまま、静かに立ち上がった。
――世界は、まだ震えている。
けれどその震えは、恐怖ではなく、呼吸の揺らぎだった。ふと、足元で何かが微かに光った。澪は視線を落とす。瓦礫の影のあいだで、ひとつの小さな欠片が、明滅していた。
黎明色――紅が世界を赦したとき、刃から零れ落ちた光、そのもの。
澪はひざを折り、そっと指先でそれを拾い上げる。冷たくはない。胸の奥に触れたときと同じ、あの静かな温度があった。
かすかに、鈴の音が鳴る。それは風でも、理でもない。紅がこの世界に残した、呼吸のひとかけらだった。澪は欠片を手のひらに包み込む。失われたのではない。きっと、ここに――在る。
ゆっくりと目を閉じ、澪はひとつ、深く息を吸い、空を見上げた。紅が消えていった、あの光の向こうに。確かに、世界の続きを感じる。鈴の音が、ふたたび、かすかに鳴った。その音に導かれるように、澪は静かに、歩き出す。
――祈る者として。
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