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157 幸せな男たち
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「以上で御座います。」
「そうか。…下がれ。」
「はい。失礼致します。」
サイカの専属侍女、その筆頭であるヒルダ・ターライトは重厚な扉が閉じた途端、大きく息を吐いた。
額も背も、汗でびっしょりだ。
マティアスと対面するだけであればこんなに汗も掻かなかっただろう。
けれど今日、政務室にいたのはマティアスだけではなかったのだ。
「……揃いも揃ってニヤけた顔をしおって。」
「ディーノ。そなたこそ厳つい顔がデレデレとだらしなくなっているではないか。」
「……何か、…何か。……俺、涙が出そうになってる。……胸がいっぱいだ…。」
「ええ、嬉しいですね…。」
「…僕たちの為…だろうな。」
「サイカって本当、得難い女だなぁ。
…はぁ。俺、何でこの国に生まれなかったんだろ……いや、同じ時代に生まれた事を感謝しなくちゃね。」
マティアスの政務室に集まっていたのはサイカをこよなく愛する六人の男たち。
サイカの夫、マティアス。
サイカの婚約者、リュカ、ヴァレリア、カイル。
サイカの義父、ディーノ。
サイカの友人、サーファス。
六人は全員でこの日に会おうと約束していた訳ではなかった。
マティアス、リュカ、サーファスは元々約束をしていたものの、残り三人は別であったのだ。
レスト帝国の中心に立つ五人とドライト王国の王族が揃っているのだから、六人の前に立っていたヒルダはさぞかし緊張したことだろう。
「しかし久しぶりに愛娘に会いに来てみれば…俺は色々と混乱しているぞ。」
「ディーノはまた絶妙なタイミングで帝都に来たものだ。丁度そなたに手紙を送った所だぞ。何なんだ?娘であるサイカへの愛の成せる業とでも?」
「そうだろうな。」
「…いや、冗談だったんだが。」
「ふふ。本当に偶然とは凄いですね。
陛下とリュカ殿、サーファス殿は政務の話で元々会う約束が。
けれどクライス候はサイカに会いに帝都へ…本日到着しただけ、私とカイル殿は仕事の相談で偶々…ですからね。」
「…でも、聞けてよかった…。」
男たちは大きく頷く。
ヒルダの報告はサイカが孤児院を訪問した際の話だった。
差別に格差、弱い者は蔑まれてもいい、虐げられて当然という常識を少しずつでも変えたい。
まだ考えだけで形にもなっていないサイカの願いと目標を男たちはヒルダの報告で知ったのだが…その表情は緩んでいた。
ヒルダは多くの事は語らなかった。
サイカの言葉、その一言一句をそのまま伝えた訳でもなかったけれど、マティアスたちにはサイカの想いが的確に伝わっていたのだ。
「…俺たちはサイカに愛されている。
幸せな事だ。…本当に幸せな事だな。」
「そうだな。アイツは…あの時僕たちに伝えた言葉通り、本当に変えたいと思ってるんだ…。
僕たちの為と…僕たちとの子供、続く子孫たちの為に。」
「勿論、サイカの言葉…気持ちを嘘、偽りとも思っていませんでしたけど…私たちの為に大変な道を選択して下さったあの女が…とても愛しいです…。」
「…そう、だね。…きっと、すごく、…大変だ。でも、…サイカからの、愛…だから。とても尊い愛、だから。…嬉しい。」
男たちはサイカからの大きな愛情を噛み締めた。
「それにしても学舎かぁ…いい案だと思う。貴族平民関係なく学びたい者には学べる環境を…となるとだ。貴族たちは黙っていないだろうけど。」
「うむ。流石俺の娘だ。」
「サイカが先生……俺、通いたいな…。」
「カイル殿…私たちは教える側なのでは…。」
「アイツの事だ。それで改善出来る差別についても考えたのだろうな。」
「うむうむ。流石は俺の愛する娘だ。」
「…ディーノの娘だからというのは関係ないだろうに…。」
サイカの事をよく知らない者がこの話を耳にすれば、きっと民思いの心優しい人間だと思うだろう。
けれどマティアスたちは知っている。
サイカが差別を受けている沢山の人間に対し同じように心を痛めているだけではない事を。
心が痛むのはマティアスたちの存在が大きいからだ。
そうでなければきっと、サイカは自ら危険な道を選んだりもしなかっただろう。
差別のない世界に変わればいいと思っても、自ら行動はしなかっただろう。
サイカは誰に対しても優しい娘。
大人も子供も、貧富の差も身分の差も関係なく、誰に対しても平等に接する事が出来る優しい娘だ。
それはサイカと幾ばかりかの月日を過ごした者たち全員の認識だった。
そう。確かにサイカは優しい。
優しいけれど、その他大勢の為に危険を犯すような行動もしない娘だ。
差別される者たちの現状に心を痛めているのも事実で、子供たちの未来を憂いているのもまた事実だろう。
けれど彼らの為だけにサイカは動いたりしない。
サイカが決意し行動する最も大きな理由はいつだってマティアスたちだった。
誰に対しても優しいサイカが最も心砕く存在が正に、彼女が心から愛している彼らの為。
それを理解しているからこそ、六人の男たちは殊更嬉しくて堪らなかった。
「出会えた事は奇跡だと何度も実感するな…。」
マティアスの言葉に同意するように男たちが深く頷く。
愛する女にこれほどまでに愛され、喜ぶなと言うのが無理な話だ。
「強い女だよな、アイツは。僕たちは本当に恵まれているぞ。
自分の身が危険になるかも知れない。疎まれたり恨まれたりもするだろう。
それを考えなかった訳じゃないだろうにな…。」
「俺たちの為に強くなろうとしているんだ。」
「私たちもただ見守るだけではいけませんね。」
「ん。…これまで以上に、警戒も、必要。」
「敵も多いが味方もいる。
娘の望みは何が何でも叶えてやりたいものだ。」
「ですね。大国同士、協力出来る部分もあるし…勿論協力させてもらいますよ。」
マティアスたちはもう知っている。
サイカはこの世界では女神の如く、神々しい程美しい容姿を持っているけれど、神ではない普通の、一人の人間だ。
流されやすい所もある。優柔不断な所もある。不満が顔や態度に現れる事だってある。
好意も愛情も平等ではないし公平でもない、そんな、自分たちと同じ一人の人間だともう知っている。
サイカの言葉や行動は自分の為と愛するマティアスたちの為であり、悪い言い方をしてしまえば…民の事も孤児院の子供たちの事も、マティアスたちの“ついで”なのだ。
男たちはヒルダの報告から正確にサイカの想い、自分たちに対する深い愛情を読み解いた。
現状が何も変わらなくとも良い。
否、変わればいいと思ってはいるし変えなくてはとも思っている。
きっと何もかも、すぐには変わらないだろうが、自分たちにはサイカがいる。
大きな、深い愛情を自分たちに向けているサイカがいる。
それだけで十分過ぎるとマティアスたちは思う。
「…コホン。それで?サイカはいつになったらここに来るんだ。」
嬉しい話を聞いて、リュカはもう待ちきれないと言った様子でマティアスに訊ねたが…毎度の事ながら、サイカは夫であるマティアスとの夜の営みのせいでまだこの場には来れないでいた。
「先程起きたとヒルダが言っていただろう?そう焦るな。」
「…いや、マティアス。
そもそもの話だがお前が加減をしていれば…娘は今この場にいるはずだぞ。」
「ふぅん?…ディーノ、そなたは愛する妻に対して加減が出来ているのだな。そうかそうか。そなたは我慢強い男なのだなぁ。」
「ぐっ…!」
マティアスが不敵な笑みを見せ、ディーノが苦い顔をしながら黙した所で彼らの待ち人が現れた。
「お義父様!お久し振りです…!」
「サイカ!会いたかったぞ…!」
「ごめんなさい。今日来るとお手紙を頂いてたのに、」
「構わん。お前が悪いわけではないのだから。」
「お義父様、ありがとうございます。
リュカも一ヶ月振りに会えて嬉しい!
サーファス様も会えて嬉しいです!」
「サイカ、会えて嬉しいよ!
レスト帝国に来る目的は勿論仕事だけど、でもサイカに会えたらって実は毎回期待しちゃってたり。
俺の大好きな君の元気な姿や可愛い笑顔を見ると嬉しいし元気が貰えるからね。」
「サ、サーファス様、」
「あはは、真っ赤だ。…もう、サイカってば本当に可愛いんだから!」
「流れる様に口説きますね…。」
「サイカ。…俺は?俺とも会えて、嬉しい?」
「ふふ、当たり前じゃないですか。お城の中で会えるけど、カイルもヴァレも仕事中な時が多いじゃない?だからこうして会えて嬉しい!」
「…ん、俺も。嬉しい。大好き。大好きだから、本当は…毎日でも、会いたい、けど。」
「…カイルは口説く…と言うよりもサイカへの感情が素直に態度や口に出るな。」
和やかに談笑が始まる中、サイカは喋らないリュカを不思議に思い、どうしたのかと訊ねた。
リュカはハッとした様子でサイカから目を逸らすと耳を赤らめたまま口許を片手で覆い、ぼそりと呟く。
「もうすぐ、お前は僕の妻になるのだな、…と。」
リュカがサイカに会うのは一月振りだった。
たかが一月、然れど一月。
マティアスやヴァレリア、カイルに比べればリュカがサイカと会える頻度は多くない。
毎日姿を見たいと望んでも、会いたいと思っても、すぐに会いには行けないのだ。
それこそサイカに会う為には予定や仕事を見越した調整が必要になる。
会えても一日二日程度で、離れ難くとも予定を変更するのも厳しい。
リュカもまた、高貴な身分…その代償として重い責任を背負っているのだから。
けれど、それはサイカがリュカの妻になる事で…否。リュカがサイカの夫になる事でほんの少しではあるだろうが緩和する。
婚約者と夫婦では意味の重さが違う。
…何の、と聞くなかれ。勿論マティアスの意思が関わっているのだ。
マティアスの許しがなくてはリュカらはサイカの恋人にはなれても夫にはなれなかった。
完全無欠の王は何でも出来てしまう。
いつもリュカらの先を進んでいる。
レスト帝国の皇帝。我らが敬うべき王。男たちの中で一番力を持つマティアスはリュカらにとって鬼門であった。
様々な苦難を乗り越え漸くサイカと婚約出来、そして今日まで無事に月日を過ごす事が出来た。
人生は何があるか分からない。
もしかしたら、明日死ぬ事もあるかも知れないし、もしかしたら、何か問題が起きてしまいサイカとの婚約が破棄されるかも知れない。
マティアスが鬼門という意味はそういう未来、可能性があるからだった。
けれど、もうすぐ。
もう間も無く。あと少し。
あともう、二月もすれば、リュカはサイカの夫になれる。待ち望んだ、喜ばしいその日が来る。
一月振りに愛する…否、愛しても愛しても足りないサイカに会えたリュカは、サイカの姿を捉えた瞬間、まだ来てはいない未来を目に映した。
サイカの為に準備をしている真っ白なウェディングドレスに身を包み、幸せそうな笑顔を自分に向けるサイカの姿を。
妄想ではない。これは来る未来の一部。そう確信も出来た。
もうすぐ。もう間も無く。あと少し。
愛しくて堪らない。愛してやまない。愛しても愛しても愛し足りない。
そんな、リュカにとって何よりも大切な宝、サイカが自分の妻になる。
言葉にし難い、何とも言えない感情に浸っていたリュカはサイカを見た瞬間に胸に込み上げてくるものがあって、だからどうしたのかとサイカに訊ねられるまで言葉が出なかった。
「準備は滞りなく進んでいるのか?」
「ああ、問題ない。…自領での式を許可してくれて感謝するぞ、マティアス。」
「それくらいはな。」
サイカがリュカと結婚しても、ヴァレリアと結婚してもカイルと結婚しても、マティアスが優先されるのはこれまでと同様、変わりはない。
何故ならサイカはリュカたちの妻になったとしてもレスト帝国の国母であるのだから。
だからサイカは、例え三人の妻になったとしても長く城を離れる事は出来ない。
それはマティアスとリュカらの間で何度も話し合った結果。
結婚後の生活について、四人は何度も話し合った。
一番始めに話した時から色んな事情が出てきたり思い出したり、その度に話し合いが行われ最終的な結論が出たのはリュカとサイカの結婚が近付いた最近だった。
一年の半分近くは城で過ごし、残り半分の月日を三人の夫と過ごす。
つまりリュカ、ヴァレリア、カイルが自分たちのテリトリーでサイカと夫婦の時間をゆっくり過ごせるのは二ヶ月のみ。
だがしかし、サイカをこよなく愛する彼らは不満を感じつつも納得せざるを得なかった。それに、その程度でへこたれもしなかったのだ。
「…リュカ殿は帝都に別荘を買ったとか。思いきったな。」
「…コホン。…まあ、一々宿を取るのも手間だったからな。」
「城に泊まればいいではないか。」
「大勢の人間がいて気が参るんだ。僕が元々城が好きじゃない事くらい知ってるだろうが、マティアス。」
「あ、俺もサイカに会う為に家買ったよ。
まだまだクロウリー先生に教えて欲しい事も沢山あるし。
俺の医療への情熱を汲んだ兄上のお許しも出たしね。」
「…医療への情熱…も間違ってはないだろうが…一番はサイカのように感じるのだが…?サーファス殿の執念は凄いな…。」
「リュカもサーファス殿を見習ってサイカに会う為だと素直に言えば良いものを。」
「……ふん。」
サイカを愛する男たちはへこたれない。
ヴァレリアとカイルは帝都内に夫婦で過ごす為の立派な屋敷を用意し、リュカも同じく帝都内…それも城の近くの土地を買って屋敷を立てたのだ。
妻になったサイカと自領で過ごせるのは二ヶ月余り。残り十ヶ月、離れて暮らすという事を考えてみたリュカは……恐らく、いや絶対に耐えられそうにないと結論を出して…それからのリュカの行動は早かった。家令のルドルフ、使用人たちとも話し合いサイカが帝都で過ごす十ヶ月丸々とはいかないが自領だけではなく帝都でも仕事が出来るようにと考え、行動に移した。
リュカがクラフ公爵領を離れ帝都で仕事をするにはルドルフの存在が不可欠だった。それから使用人や護衛たちも。
リュカの我が儘を叶えるには沢山の人間の手間が発生してしまう。
けれどルドルフたちはそれはそれはいい笑顔でリュカに承諾の返事をした。
クラフ公爵家で働く彼らは、リュカの幸せを心から願っていた。
広大な領地を治める、責任ある立場にいながらその責務を放棄していたリュカの父。
本来であれば公爵を諌めなければならない立場であったリュカの母と夫人たち。
クラフ公爵家に生まれながら、自由気儘に、好きな事しかしなかったリュカの弟妹たち。
クラフ公爵家の責任は全て、リュカが背負っていた。
クラフ公爵領で暮らす沢山の命が、リュカの背に乗っていた。
クラフ公爵家で働いている者は知っている。
リュカがどれだけ家族という存在に苦しめられたか。
リュカの父が放置していた仕事のせいでどれだけリュカが苦労したか。
何も知らなかった、本来ならまだそんな立場ではなかったリュカが、クラフ公爵領の現実を知ってどれだけ心を痛めたいか。
民へ頭を下げ、怒りが込められた暴言を必死に受け止めたリュカが、どれだけ苦しんだか。
僅か八歳のリュカが、重い責任に押し潰され体に不調が出ながら必死に耐えていたのも、知っている者は知っている。
リュカを見守ってきた者たちは、リュカの苦労と苦悩、そして努力をよく知っている。
自分たちの仕える主がとても素晴らしい人間だというその事実を。
公平であり、厳しくもあるが優しい人間だと知っている。
努力家で聡明で、責任感のある立派な主だと知っている。
尊敬する主はずっとずっと苦しんでいた。
父親や夫人たち、弟妹から理不尽な扱いを受け、そして心を病んでしまった実の母親を放っておくことが出来ずに苦しんでいたのも知っていた。
自分たちに何が出来るだろう。考えても、何も出来なかった。
リュカの心を軽くする事も出来なかった。
リュカの手腕によって領地の問題が解決しても、民たちが昔よりずっと幸せに暮らせるようになっても、リュカは心から笑う事もなく、楽しみが出来るでもなく、ただただ仕事をしては仮眠のような睡眠をとるばかりの日々。
リュカのお陰でクラフ領で暮らす者たちは毎日を平和に過ごす事が出来るようになった。
家族や大切な人と笑って過ごせるようになった。
沢山の人間が小さくとも幸せを感じられるようになったのに、リュカは幸せじゃない。
誰が見ても、とても幸せそうには見えなかった。
嬉しいも楽しいも、リュカは感じていないのではないか。
リュカが、毎日を責任だけで生きていると、ルドルフたちは知った。
知って、ずっと願っていた。
どうか主が、クラフ領で暮らす誰よりも幸せになりますように、と。
そしてリュカはサイカと出会い、生きる喜びを知った。幸せを見つけた。
サイカがいるからリュカは幸せになる。
サイカの側が、リュカの幸せなのだ。
それが分からないルドルフたちではない。
リュカの為なら。リュカの幸せの為なら彼らはどんな事も協力しようと思った。
これまで沢山苦しんだ主の幸せの為に。
自分たちを、友人を、家族を幸せにしてくれる主に恩返しをしよう。
それはクラフ公爵家に仕える…否、リュカに仕える者たち全員の気持ちだった。
「…お前の目の届く所だ。
結婚して…夫になった僕がサイカと二人で過ごすのは問題ないな?マティアス。」
「ああ、構わん。俺にも利があるからな。
そなたが帝都にいるのが増えれば…俺もサイカと二人で過ごす時間が増える。」
きょとんとした表情のサイカを目を細めながら見つめるリュカに、薔薇色の人生が待っていた。
「そうか。…下がれ。」
「はい。失礼致します。」
サイカの専属侍女、その筆頭であるヒルダ・ターライトは重厚な扉が閉じた途端、大きく息を吐いた。
額も背も、汗でびっしょりだ。
マティアスと対面するだけであればこんなに汗も掻かなかっただろう。
けれど今日、政務室にいたのはマティアスだけではなかったのだ。
「……揃いも揃ってニヤけた顔をしおって。」
「ディーノ。そなたこそ厳つい顔がデレデレとだらしなくなっているではないか。」
「……何か、…何か。……俺、涙が出そうになってる。……胸がいっぱいだ…。」
「ええ、嬉しいですね…。」
「…僕たちの為…だろうな。」
「サイカって本当、得難い女だなぁ。
…はぁ。俺、何でこの国に生まれなかったんだろ……いや、同じ時代に生まれた事を感謝しなくちゃね。」
マティアスの政務室に集まっていたのはサイカをこよなく愛する六人の男たち。
サイカの夫、マティアス。
サイカの婚約者、リュカ、ヴァレリア、カイル。
サイカの義父、ディーノ。
サイカの友人、サーファス。
六人は全員でこの日に会おうと約束していた訳ではなかった。
マティアス、リュカ、サーファスは元々約束をしていたものの、残り三人は別であったのだ。
レスト帝国の中心に立つ五人とドライト王国の王族が揃っているのだから、六人の前に立っていたヒルダはさぞかし緊張したことだろう。
「しかし久しぶりに愛娘に会いに来てみれば…俺は色々と混乱しているぞ。」
「ディーノはまた絶妙なタイミングで帝都に来たものだ。丁度そなたに手紙を送った所だぞ。何なんだ?娘であるサイカへの愛の成せる業とでも?」
「そうだろうな。」
「…いや、冗談だったんだが。」
「ふふ。本当に偶然とは凄いですね。
陛下とリュカ殿、サーファス殿は政務の話で元々会う約束が。
けれどクライス候はサイカに会いに帝都へ…本日到着しただけ、私とカイル殿は仕事の相談で偶々…ですからね。」
「…でも、聞けてよかった…。」
男たちは大きく頷く。
ヒルダの報告はサイカが孤児院を訪問した際の話だった。
差別に格差、弱い者は蔑まれてもいい、虐げられて当然という常識を少しずつでも変えたい。
まだ考えだけで形にもなっていないサイカの願いと目標を男たちはヒルダの報告で知ったのだが…その表情は緩んでいた。
ヒルダは多くの事は語らなかった。
サイカの言葉、その一言一句をそのまま伝えた訳でもなかったけれど、マティアスたちにはサイカの想いが的確に伝わっていたのだ。
「…俺たちはサイカに愛されている。
幸せな事だ。…本当に幸せな事だな。」
「そうだな。アイツは…あの時僕たちに伝えた言葉通り、本当に変えたいと思ってるんだ…。
僕たちの為と…僕たちとの子供、続く子孫たちの為に。」
「勿論、サイカの言葉…気持ちを嘘、偽りとも思っていませんでしたけど…私たちの為に大変な道を選択して下さったあの女が…とても愛しいです…。」
「…そう、だね。…きっと、すごく、…大変だ。でも、…サイカからの、愛…だから。とても尊い愛、だから。…嬉しい。」
男たちはサイカからの大きな愛情を噛み締めた。
「それにしても学舎かぁ…いい案だと思う。貴族平民関係なく学びたい者には学べる環境を…となるとだ。貴族たちは黙っていないだろうけど。」
「うむ。流石俺の娘だ。」
「サイカが先生……俺、通いたいな…。」
「カイル殿…私たちは教える側なのでは…。」
「アイツの事だ。それで改善出来る差別についても考えたのだろうな。」
「うむうむ。流石は俺の愛する娘だ。」
「…ディーノの娘だからというのは関係ないだろうに…。」
サイカの事をよく知らない者がこの話を耳にすれば、きっと民思いの心優しい人間だと思うだろう。
けれどマティアスたちは知っている。
サイカが差別を受けている沢山の人間に対し同じように心を痛めているだけではない事を。
心が痛むのはマティアスたちの存在が大きいからだ。
そうでなければきっと、サイカは自ら危険な道を選んだりもしなかっただろう。
差別のない世界に変わればいいと思っても、自ら行動はしなかっただろう。
サイカは誰に対しても優しい娘。
大人も子供も、貧富の差も身分の差も関係なく、誰に対しても平等に接する事が出来る優しい娘だ。
それはサイカと幾ばかりかの月日を過ごした者たち全員の認識だった。
そう。確かにサイカは優しい。
優しいけれど、その他大勢の為に危険を犯すような行動もしない娘だ。
差別される者たちの現状に心を痛めているのも事実で、子供たちの未来を憂いているのもまた事実だろう。
けれど彼らの為だけにサイカは動いたりしない。
サイカが決意し行動する最も大きな理由はいつだってマティアスたちだった。
誰に対しても優しいサイカが最も心砕く存在が正に、彼女が心から愛している彼らの為。
それを理解しているからこそ、六人の男たちは殊更嬉しくて堪らなかった。
「出会えた事は奇跡だと何度も実感するな…。」
マティアスの言葉に同意するように男たちが深く頷く。
愛する女にこれほどまでに愛され、喜ぶなと言うのが無理な話だ。
「強い女だよな、アイツは。僕たちは本当に恵まれているぞ。
自分の身が危険になるかも知れない。疎まれたり恨まれたりもするだろう。
それを考えなかった訳じゃないだろうにな…。」
「俺たちの為に強くなろうとしているんだ。」
「私たちもただ見守るだけではいけませんね。」
「ん。…これまで以上に、警戒も、必要。」
「敵も多いが味方もいる。
娘の望みは何が何でも叶えてやりたいものだ。」
「ですね。大国同士、協力出来る部分もあるし…勿論協力させてもらいますよ。」
マティアスたちはもう知っている。
サイカはこの世界では女神の如く、神々しい程美しい容姿を持っているけれど、神ではない普通の、一人の人間だ。
流されやすい所もある。優柔不断な所もある。不満が顔や態度に現れる事だってある。
好意も愛情も平等ではないし公平でもない、そんな、自分たちと同じ一人の人間だともう知っている。
サイカの言葉や行動は自分の為と愛するマティアスたちの為であり、悪い言い方をしてしまえば…民の事も孤児院の子供たちの事も、マティアスたちの“ついで”なのだ。
男たちはヒルダの報告から正確にサイカの想い、自分たちに対する深い愛情を読み解いた。
現状が何も変わらなくとも良い。
否、変わればいいと思ってはいるし変えなくてはとも思っている。
きっと何もかも、すぐには変わらないだろうが、自分たちにはサイカがいる。
大きな、深い愛情を自分たちに向けているサイカがいる。
それだけで十分過ぎるとマティアスたちは思う。
「…コホン。それで?サイカはいつになったらここに来るんだ。」
嬉しい話を聞いて、リュカはもう待ちきれないと言った様子でマティアスに訊ねたが…毎度の事ながら、サイカは夫であるマティアスとの夜の営みのせいでまだこの場には来れないでいた。
「先程起きたとヒルダが言っていただろう?そう焦るな。」
「…いや、マティアス。
そもそもの話だがお前が加減をしていれば…娘は今この場にいるはずだぞ。」
「ふぅん?…ディーノ、そなたは愛する妻に対して加減が出来ているのだな。そうかそうか。そなたは我慢強い男なのだなぁ。」
「ぐっ…!」
マティアスが不敵な笑みを見せ、ディーノが苦い顔をしながら黙した所で彼らの待ち人が現れた。
「お義父様!お久し振りです…!」
「サイカ!会いたかったぞ…!」
「ごめんなさい。今日来るとお手紙を頂いてたのに、」
「構わん。お前が悪いわけではないのだから。」
「お義父様、ありがとうございます。
リュカも一ヶ月振りに会えて嬉しい!
サーファス様も会えて嬉しいです!」
「サイカ、会えて嬉しいよ!
レスト帝国に来る目的は勿論仕事だけど、でもサイカに会えたらって実は毎回期待しちゃってたり。
俺の大好きな君の元気な姿や可愛い笑顔を見ると嬉しいし元気が貰えるからね。」
「サ、サーファス様、」
「あはは、真っ赤だ。…もう、サイカってば本当に可愛いんだから!」
「流れる様に口説きますね…。」
「サイカ。…俺は?俺とも会えて、嬉しい?」
「ふふ、当たり前じゃないですか。お城の中で会えるけど、カイルもヴァレも仕事中な時が多いじゃない?だからこうして会えて嬉しい!」
「…ん、俺も。嬉しい。大好き。大好きだから、本当は…毎日でも、会いたい、けど。」
「…カイルは口説く…と言うよりもサイカへの感情が素直に態度や口に出るな。」
和やかに談笑が始まる中、サイカは喋らないリュカを不思議に思い、どうしたのかと訊ねた。
リュカはハッとした様子でサイカから目を逸らすと耳を赤らめたまま口許を片手で覆い、ぼそりと呟く。
「もうすぐ、お前は僕の妻になるのだな、…と。」
リュカがサイカに会うのは一月振りだった。
たかが一月、然れど一月。
マティアスやヴァレリア、カイルに比べればリュカがサイカと会える頻度は多くない。
毎日姿を見たいと望んでも、会いたいと思っても、すぐに会いには行けないのだ。
それこそサイカに会う為には予定や仕事を見越した調整が必要になる。
会えても一日二日程度で、離れ難くとも予定を変更するのも厳しい。
リュカもまた、高貴な身分…その代償として重い責任を背負っているのだから。
けれど、それはサイカがリュカの妻になる事で…否。リュカがサイカの夫になる事でほんの少しではあるだろうが緩和する。
婚約者と夫婦では意味の重さが違う。
…何の、と聞くなかれ。勿論マティアスの意思が関わっているのだ。
マティアスの許しがなくてはリュカらはサイカの恋人にはなれても夫にはなれなかった。
完全無欠の王は何でも出来てしまう。
いつもリュカらの先を進んでいる。
レスト帝国の皇帝。我らが敬うべき王。男たちの中で一番力を持つマティアスはリュカらにとって鬼門であった。
様々な苦難を乗り越え漸くサイカと婚約出来、そして今日まで無事に月日を過ごす事が出来た。
人生は何があるか分からない。
もしかしたら、明日死ぬ事もあるかも知れないし、もしかしたら、何か問題が起きてしまいサイカとの婚約が破棄されるかも知れない。
マティアスが鬼門という意味はそういう未来、可能性があるからだった。
けれど、もうすぐ。
もう間も無く。あと少し。
あともう、二月もすれば、リュカはサイカの夫になれる。待ち望んだ、喜ばしいその日が来る。
一月振りに愛する…否、愛しても愛しても足りないサイカに会えたリュカは、サイカの姿を捉えた瞬間、まだ来てはいない未来を目に映した。
サイカの為に準備をしている真っ白なウェディングドレスに身を包み、幸せそうな笑顔を自分に向けるサイカの姿を。
妄想ではない。これは来る未来の一部。そう確信も出来た。
もうすぐ。もう間も無く。あと少し。
愛しくて堪らない。愛してやまない。愛しても愛しても愛し足りない。
そんな、リュカにとって何よりも大切な宝、サイカが自分の妻になる。
言葉にし難い、何とも言えない感情に浸っていたリュカはサイカを見た瞬間に胸に込み上げてくるものがあって、だからどうしたのかとサイカに訊ねられるまで言葉が出なかった。
「準備は滞りなく進んでいるのか?」
「ああ、問題ない。…自領での式を許可してくれて感謝するぞ、マティアス。」
「それくらいはな。」
サイカがリュカと結婚しても、ヴァレリアと結婚してもカイルと結婚しても、マティアスが優先されるのはこれまでと同様、変わりはない。
何故ならサイカはリュカたちの妻になったとしてもレスト帝国の国母であるのだから。
だからサイカは、例え三人の妻になったとしても長く城を離れる事は出来ない。
それはマティアスとリュカらの間で何度も話し合った結果。
結婚後の生活について、四人は何度も話し合った。
一番始めに話した時から色んな事情が出てきたり思い出したり、その度に話し合いが行われ最終的な結論が出たのはリュカとサイカの結婚が近付いた最近だった。
一年の半分近くは城で過ごし、残り半分の月日を三人の夫と過ごす。
つまりリュカ、ヴァレリア、カイルが自分たちのテリトリーでサイカと夫婦の時間をゆっくり過ごせるのは二ヶ月のみ。
だがしかし、サイカをこよなく愛する彼らは不満を感じつつも納得せざるを得なかった。それに、その程度でへこたれもしなかったのだ。
「…リュカ殿は帝都に別荘を買ったとか。思いきったな。」
「…コホン。…まあ、一々宿を取るのも手間だったからな。」
「城に泊まればいいではないか。」
「大勢の人間がいて気が参るんだ。僕が元々城が好きじゃない事くらい知ってるだろうが、マティアス。」
「あ、俺もサイカに会う為に家買ったよ。
まだまだクロウリー先生に教えて欲しい事も沢山あるし。
俺の医療への情熱を汲んだ兄上のお許しも出たしね。」
「…医療への情熱…も間違ってはないだろうが…一番はサイカのように感じるのだが…?サーファス殿の執念は凄いな…。」
「リュカもサーファス殿を見習ってサイカに会う為だと素直に言えば良いものを。」
「……ふん。」
サイカを愛する男たちはへこたれない。
ヴァレリアとカイルは帝都内に夫婦で過ごす為の立派な屋敷を用意し、リュカも同じく帝都内…それも城の近くの土地を買って屋敷を立てたのだ。
妻になったサイカと自領で過ごせるのは二ヶ月余り。残り十ヶ月、離れて暮らすという事を考えてみたリュカは……恐らく、いや絶対に耐えられそうにないと結論を出して…それからのリュカの行動は早かった。家令のルドルフ、使用人たちとも話し合いサイカが帝都で過ごす十ヶ月丸々とはいかないが自領だけではなく帝都でも仕事が出来るようにと考え、行動に移した。
リュカがクラフ公爵領を離れ帝都で仕事をするにはルドルフの存在が不可欠だった。それから使用人や護衛たちも。
リュカの我が儘を叶えるには沢山の人間の手間が発生してしまう。
けれどルドルフたちはそれはそれはいい笑顔でリュカに承諾の返事をした。
クラフ公爵家で働く彼らは、リュカの幸せを心から願っていた。
広大な領地を治める、責任ある立場にいながらその責務を放棄していたリュカの父。
本来であれば公爵を諌めなければならない立場であったリュカの母と夫人たち。
クラフ公爵家に生まれながら、自由気儘に、好きな事しかしなかったリュカの弟妹たち。
クラフ公爵家の責任は全て、リュカが背負っていた。
クラフ公爵領で暮らす沢山の命が、リュカの背に乗っていた。
クラフ公爵家で働いている者は知っている。
リュカがどれだけ家族という存在に苦しめられたか。
リュカの父が放置していた仕事のせいでどれだけリュカが苦労したか。
何も知らなかった、本来ならまだそんな立場ではなかったリュカが、クラフ公爵領の現実を知ってどれだけ心を痛めたいか。
民へ頭を下げ、怒りが込められた暴言を必死に受け止めたリュカが、どれだけ苦しんだか。
僅か八歳のリュカが、重い責任に押し潰され体に不調が出ながら必死に耐えていたのも、知っている者は知っている。
リュカを見守ってきた者たちは、リュカの苦労と苦悩、そして努力をよく知っている。
自分たちの仕える主がとても素晴らしい人間だというその事実を。
公平であり、厳しくもあるが優しい人間だと知っている。
努力家で聡明で、責任感のある立派な主だと知っている。
尊敬する主はずっとずっと苦しんでいた。
父親や夫人たち、弟妹から理不尽な扱いを受け、そして心を病んでしまった実の母親を放っておくことが出来ずに苦しんでいたのも知っていた。
自分たちに何が出来るだろう。考えても、何も出来なかった。
リュカの心を軽くする事も出来なかった。
リュカの手腕によって領地の問題が解決しても、民たちが昔よりずっと幸せに暮らせるようになっても、リュカは心から笑う事もなく、楽しみが出来るでもなく、ただただ仕事をしては仮眠のような睡眠をとるばかりの日々。
リュカのお陰でクラフ領で暮らす者たちは毎日を平和に過ごす事が出来るようになった。
家族や大切な人と笑って過ごせるようになった。
沢山の人間が小さくとも幸せを感じられるようになったのに、リュカは幸せじゃない。
誰が見ても、とても幸せそうには見えなかった。
嬉しいも楽しいも、リュカは感じていないのではないか。
リュカが、毎日を責任だけで生きていると、ルドルフたちは知った。
知って、ずっと願っていた。
どうか主が、クラフ領で暮らす誰よりも幸せになりますように、と。
そしてリュカはサイカと出会い、生きる喜びを知った。幸せを見つけた。
サイカがいるからリュカは幸せになる。
サイカの側が、リュカの幸せなのだ。
それが分からないルドルフたちではない。
リュカの為なら。リュカの幸せの為なら彼らはどんな事も協力しようと思った。
これまで沢山苦しんだ主の幸せの為に。
自分たちを、友人を、家族を幸せにしてくれる主に恩返しをしよう。
それはクラフ公爵家に仕える…否、リュカに仕える者たち全員の気持ちだった。
「…お前の目の届く所だ。
結婚して…夫になった僕がサイカと二人で過ごすのは問題ないな?マティアス。」
「ああ、構わん。俺にも利があるからな。
そなたが帝都にいるのが増えれば…俺もサイカと二人で過ごす時間が増える。」
きょとんとした表情のサイカを目を細めながら見つめるリュカに、薔薇色の人生が待っていた。
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