17 / 48
6-1:可愛い息子に旅は似合わない。
しおりを挟む
とうとう始まった家族会議。
デレクは、子どもが出来ちゃったので迷惑かけたくないし家出しました。という説明を一通り済ませると、固唾を飲み込みこんだ。首を縦にゆっくりと振ったリザリー、これから一体なんとドヤされるのかと緊張が身体を走る、心拍数はまるで徒競走を走りきった後の速さで脈打っている。
「そうかわかった…それでいつからこっちに帰ってくるんだ?」
思っていた斜め上の返答にデレクは呆気らかんとして、目を丸くした、そして言葉を返そうとするがそこに割り込むヘイズ。
「荷物整理もあるだろうし来週位からはここでみんなで過ごせると思うわよ」
「次は私がデレク達に同行してもいいかな?どんな所で暮らしていたのかとても気になるんだ」
淡々と進む会話、デレクが黙って聞いているはずはなかった。
「ちょ!!…俺達がここに住むなんて一言も言ってない!!」
「ナーセン公爵…デレクの言う通りだろう、デレクとリアンはヴェーデルラで暮らすというのが順当な流れと言うものでは無いか。」
またまた隣から意味のわからないことを抜かす者がまた1名増えた、3対1となるとデレクが劣勢かと見受けられる。
「俺とリアンはまた隣国のあの街で暮らすつもりだ、だからその提案には乗れないよ。」
デレクの言葉に三人は暫く黙り込み、沈黙の間が続いた、そして次に発言した人物を誰も予想していなかった。
ーガチャー
デレク達のいる客間の扉が開くとそこには不安そうな顔をしたリアンが立っていた。
「父さん…僕はね伯母さん達の意見に賛成だよ。」
これで4対1だ…デレクはリアンのまさかの発言に驚きを隠せず、声を上げた。
「何言ってるんだリアン…」
「デレク、リアン君もこう言ってるんだから、こっちに帰ってきたらどう?」
ヘイズ達にそう声をかけられても、ただリアンだけを見つめて顔が青ざめていくデレク。
「父さん僕はね沢山考えたんだっ…」
「聞きたくないよ…すまないリアン、それは賛同できない。」
リアンの意見を遮り、デレクは自分の酷い顔を見せまいと下を向いた、そのままリアンの横を何も言わず素通りして部屋の外へと出ていった。
「…父さん…聞いてよ。」
ぼそっと呟くリアンの声はデレクに届く事は無く、意見を一つも聴くことなく、デレクに、父親に否定される事が初めてだったリアンは悲しみと共に一種の反抗心のようなものが芽生えた。
その日デレクは部屋に戻ってくることは無く、明日には帰ります。リアンをお願いします。と置き手紙を残し夕食にも就寝時間にも帰ってくることは無かった。
♢
あの子の話を聞く前に否定してしまった、きっと傷ついただろうな…だけど意見を聞いたところでどうにもならない、だって根本的にこの国が世界があの子を拒んでしまえば元も子も無いんだから。
背中を丸め下を向きながら歩くデレク、深いため息を付いていて、まるでお芝居でもしているのかと言うほど分かりやすい落ち込みようだった。
公爵邸に居るのも少し億劫で公爵領を練り歩くデレク、するととある男に声をかけられた。
「お前っ、デレクか!?」
黒い髪に黒い瞳、右目には縦に傷が入っている、人相の悪い男だがデレクは怯えること無くその男に返事をした。
「ケインさん!?…お、お久しぶりです!!」
頭を下げ何やら親しそうな雰囲気で会話を始めたのであった。
それもそのはず彼は昔デレクがお世話になっていたバイト先の店主なのだ。
デレクは、子どもが出来ちゃったので迷惑かけたくないし家出しました。という説明を一通り済ませると、固唾を飲み込みこんだ。首を縦にゆっくりと振ったリザリー、これから一体なんとドヤされるのかと緊張が身体を走る、心拍数はまるで徒競走を走りきった後の速さで脈打っている。
「そうかわかった…それでいつからこっちに帰ってくるんだ?」
思っていた斜め上の返答にデレクは呆気らかんとして、目を丸くした、そして言葉を返そうとするがそこに割り込むヘイズ。
「荷物整理もあるだろうし来週位からはここでみんなで過ごせると思うわよ」
「次は私がデレク達に同行してもいいかな?どんな所で暮らしていたのかとても気になるんだ」
淡々と進む会話、デレクが黙って聞いているはずはなかった。
「ちょ!!…俺達がここに住むなんて一言も言ってない!!」
「ナーセン公爵…デレクの言う通りだろう、デレクとリアンはヴェーデルラで暮らすというのが順当な流れと言うものでは無いか。」
またまた隣から意味のわからないことを抜かす者がまた1名増えた、3対1となるとデレクが劣勢かと見受けられる。
「俺とリアンはまた隣国のあの街で暮らすつもりだ、だからその提案には乗れないよ。」
デレクの言葉に三人は暫く黙り込み、沈黙の間が続いた、そして次に発言した人物を誰も予想していなかった。
ーガチャー
デレク達のいる客間の扉が開くとそこには不安そうな顔をしたリアンが立っていた。
「父さん…僕はね伯母さん達の意見に賛成だよ。」
これで4対1だ…デレクはリアンのまさかの発言に驚きを隠せず、声を上げた。
「何言ってるんだリアン…」
「デレク、リアン君もこう言ってるんだから、こっちに帰ってきたらどう?」
ヘイズ達にそう声をかけられても、ただリアンだけを見つめて顔が青ざめていくデレク。
「父さん僕はね沢山考えたんだっ…」
「聞きたくないよ…すまないリアン、それは賛同できない。」
リアンの意見を遮り、デレクは自分の酷い顔を見せまいと下を向いた、そのままリアンの横を何も言わず素通りして部屋の外へと出ていった。
「…父さん…聞いてよ。」
ぼそっと呟くリアンの声はデレクに届く事は無く、意見を一つも聴くことなく、デレクに、父親に否定される事が初めてだったリアンは悲しみと共に一種の反抗心のようなものが芽生えた。
その日デレクは部屋に戻ってくることは無く、明日には帰ります。リアンをお願いします。と置き手紙を残し夕食にも就寝時間にも帰ってくることは無かった。
♢
あの子の話を聞く前に否定してしまった、きっと傷ついただろうな…だけど意見を聞いたところでどうにもならない、だって根本的にこの国が世界があの子を拒んでしまえば元も子も無いんだから。
背中を丸め下を向きながら歩くデレク、深いため息を付いていて、まるでお芝居でもしているのかと言うほど分かりやすい落ち込みようだった。
公爵邸に居るのも少し億劫で公爵領を練り歩くデレク、するととある男に声をかけられた。
「お前っ、デレクか!?」
黒い髪に黒い瞳、右目には縦に傷が入っている、人相の悪い男だがデレクは怯えること無くその男に返事をした。
「ケインさん!?…お、お久しぶりです!!」
頭を下げ何やら親しそうな雰囲気で会話を始めたのであった。
それもそのはず彼は昔デレクがお世話になっていたバイト先の店主なのだ。
1,177
あなたにおすすめの小説
僕はただの平民なのに、やたら敵視されています
カシナシ
BL
僕はド田舎出身の定食屋の息子。貴族の学園に特待生枠で通っている。ちょっと光属性の魔法が使えるだけの平凡で善良な平民だ。
平民の肩身は狭いけれど、だんだん周りにも馴染んできた所。
真面目に勉強をしているだけなのに、何故か公爵令嬢に目をつけられてしまったようでーー?
言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、
【完結済】極上アルファを嵌めた俺の話
降魔 鬼灯
BL
ピアニスト志望の悠理は子供の頃、仲の良かったアルファの東郷司にコンクールで敗北した。
両親を早くに亡くしその借金の返済が迫っている悠理にとって未成年最後のこのコンクールの賞金を得る事がラストチャンスだった。
しかし、司に敗北した悠理ははオメガ専用の娼館にいくより他なくなってしまう。
コンサート入賞者を招いたパーティーで司に想い人がいることを知った悠理は地味な自分がオメガだとバレていない事を利用して司を嵌めて慰謝料を奪おうと計画するが……。
時間を戻した後に~妹に全てを奪われたので諦めて無表情伯爵に嫁ぎました~
なりた
BL
悪女リリア・エルレルトには秘密がある。
一つは男であること。
そして、ある一定の未来を知っていること。
エルレルト家の人形として生きてきたアルバートは義妹リリアの策略によって火炙りの刑に処された。
意識を失い目を開けると自称魔女(男)に膝枕されていて…?
魔女はアルバートに『時間を戻す』提案をし、彼はそれを受け入れるが…。
なんと目覚めたのは断罪される2か月前!?
引くに引けない時期に戻されたことを嘆くも、あの忌まわしきイベントを回避するために奔走する。
でも回避した先は変態おじ伯爵と婚姻⁉
まぁどうせ出ていくからいっか!
北方の堅物伯爵×行動力の塊系主人公(途中まで女性)
別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
【完結】王宮勤めの騎士でしたが、オメガになったので退職させていただきます
大河
BL
第三王子直属の近衛騎士団に所属していたセリル・グランツは、とある戦いで毒を受け、その影響で第二性がベータからオメガに変質してしまった。
オメガは騎士団に所属してはならないという法に基づき、騎士団を辞めることを決意するセリル。上司である第三王子・レオンハルトにそのことを告げて騎士団を去るが、特に引き留められるようなことはなかった。
地方貴族である実家に戻ったセリルは、オメガになったことで見合い話を受けざるを得ない立場に。見合いに全く乗り気でないセリルの元に、意外な人物から婚約の申し入れが届く。それはかつての上司、レオンハルトからの婚約の申し入れだった──
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる