俺を殺すはずの攻略対象との間に子どもを授かりました。

田鴫

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8-1:リアンの厄介な家族ごっこ。

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「ほら父さん、パパと三人で寝ようよ。」

 デレクとアルの手を掴んで大きなベッドの方へと手を引くリアン。

「あ、あのなぁリアンそれはちょっと…」

「安心しろデレク何も問題ない」

「お前は早く出ていけアル!!!」

一体全体何故こうなったのか…は突然に始まった、俺はリアンと二人だけで暮らしたいんですがね。

♢

昼時にぼろぼろになったデレクとその腰を支えているアルが屋敷へ戻るとリアンが待ち構えていた。

「リ…リアン」

「…父さん僕怒ってるからね。」

「う、うん昨日は父さんも悪かったよ許しておくれ天使さん…」

 眉を釣り上げ両手を組み、口を膨らませるリアンにデレクは謝罪をした、すると何やら悪い笑みを浮かべてとある提案をした。

「僕決めたよ、父さんはまだビジョンが見えてないんだよね、それならまずはお試しで家族ごっこから始めようよ、ね、いいでしょえっと…その」

「パパだ。」

「パパ!!!」

 リアンの発言にデレクはギョッとしたが、機嫌の悪い顔からなんとも楽しそうな顔つきに変わったので、少しぐらい付き合ってあげれば良いかと、嫌々ではあるが承諾した。

♢

「あらリアン君仲良し家族ね素敵よ」

「へへっ、行ってきますヘイズ伯母さん!!」

 リアンは右手はデレクと左手はアルと手を繋ぎ、先ずは街で家族らしくお買い物がしたいとのことで、3人で市場へと向かった。

 皇都には劣るもののナーセン公爵領は市場も盛んで有名な名産品も少なくない、こんなに賑わう市場を見るのが初めてなリアンは目を輝かせて骨董屋台にある古本を何冊も眺めた。

「こ、これって時空魔学論の下巻ですか!?、僕初めて見ました、ってお値段の0が多くないですか…!?」

「おっ坊主見る目があるな、上巻は出回ってるが下巻はなかなか拝めない代物なんだ、その価値はあるぜ買ってくかい?」

「い、いや大丈夫です…」

渋々店を後にして、悔しそうな顔をしたリアンにアルが肩をトントンと叩いて耳打ちをした。

「あれは紛い物だ字体と紙の材質がそう物語っている、時空魔学論の下巻なら別荘にもある、好きに読んだらいい。」

「よ、読めるんですか…今すぐ、今すぐそこへ行きましょうパパ!!」

「り、リアンお買い物はいいのかい…??」

 リアンは当初の目的、お買い物でルンルン家族ごっこなど忘れてヴェーデルラの別荘へ向かうとすぐ様図書室へと駆け込み本の虫に…。

「魔伝書鳩貸してくれ、多分今日は図書室に夢中だろうから帰りが遅くなると姉さんに送っとかないと。」

 そうして返ってきた返事はこうだ、『あらそうなのね、それなら今日はヴェーデルラ公爵の別荘で泊まってくるといいわ、また数日伸びそうなら連絡ちょうだいね 姉さんより』、わかってた何となく分かってた。そんな気持ちを噛み締めデレクは諦めて受け入れた。

 「父さん!!凄いよ、僕が読みたかったものが沢山揃ってるんだ、まるで夢みたいだよ!!」

「…よかったねリアン沢山楽しみなさい」

 かわいぃ…何時もより歳相応の反応を見せてくれてる、心から好きな物に囲まれてるんだ、俺じゃ与えてやれない物。

「あの、パパありがとうございます…」

「……礼なんて必要ない。」

 なんだかぎこちない2人だがそれが何とも微笑ましいと思ってしまうデレク、自分の描いた理想家族像その物を映し出したような光景に有りもしない想像を膨らませてしまった。
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